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カテゴリー「Children of Bodom」の8件の記事

2022年3月 4日 (金)

ANNIHILATOR『METAL II』(2022)

2022年2月18日にリリースされたANNIHILATORのリレコーディングアルバム。日本盤は同年2月23日発売。

本作は2007年に発表された12thアルバム『METAL』収録曲を、ゲスト参加パートはそのままに、それ以外のパートを新たにレコーディングし直した企画アルバム。2020年に亡くなった2人のアックスマン……エディ・ヴァン・ヘイレン(VAN HALEN)とアレキシ・ライホ(BODOM AFTER MIDNIGHT、ex. CHILDREN OF BODOM)への追悼の意味も込められており、15年前の『METAL』には収録されていなかったVAN HALENのカバー「Romeo Delight」が新たに追加されています。

収録曲は『METAL』とまったく一緒というわけではなく、オリジナル盤でジェフ・ウォーターズ(G, Vo)が唯一ボーカルを担当した「Operation Annihilation」のみ外され、代わりに先のVAN HALENカバーとオリジナル盤の日本盤ボーナストラックだったEXCITERのカバー「Heavy Metal Maniac」が正規収録されることに。さらに、曲順も新たなものとなり、オリジナル盤で本編ラストを飾った「Chasing The Hig」が今回のリテイク盤のオープナーに差し替えられています。

リレコーディングに参加したのはジェフのほか、元SLAYERで現在はSUICIDAL TENDENCIESなどで活躍するデイヴ・ロンバード(Dr)と元INTO ETERNITYのステュー・ブロック(Vo)の2名。オリジナル盤には当時のシンガーだったデイヴ・パデン(Vo, G)と現DREAM THEATERのマイク・マンジーニ(Dr)が参加しているので、そのタッチの違いを楽しむのもありではないでしょうか。特に、ドラムに関してはマンジーニらしさ/ロンバードらしさがともに感じられるので(特に再録バージョンでのロンバードらしさは随所ににじみ出ており、聴きながら愛興奮でした)、両バージョンを比較しながら「この曲ならどちらのバージョンが好き」とセレクトするのも楽しいかもしれません。

そもそも本作、各曲に豪華ゲストが最低1名は参加していることでおなじみの1枚。先に触れたアレキシ以外にもウィリー・アドラー(G/LAMB OB GOD)、リップス(G/ANVIL)、ダンコ・ジョーンズ(Vo)、アンジェラ・ゴソウ(Vo/ex. ARCH ENEMY)、イェスパー・ストロムブラード(G/THE HALO EFFECT、ex. IN FLAMES)、ジェフ・ルーミス(G/ARCH ENEMY、ex. NEVERMORE)、アンダース・ビョーラー(G/ex. AT THE GATES、ex. THE HAUNTED)、コリィ・ビューリュー(G/TRIVIUM)など錚々たる面々がバラエティ豊かな楽曲群に華を添えておりましたが、これらは今回のリテイク盤でもそのまま耳にすることができます。アンジェラは15年前はまだARCH ENEMYに在籍していたんだなとか、イェスパーもIN FLAMESから離れる前だったんだとか、いろいろ月日の流れを感じずにはいられませんね。

もともとソリッドな楽曲/作品集ではあったものの、より鋭角的にスキルアップしたジェフ・ウォーターズのギターと、ここ数作はリズムマシンを使った正確無比なリズムワークにこだわっていたところをロンバードの躍動感溢れるドラムに交代したことで、音から受ける印象も多少なりとも変化。15年前からのバージョンアップという点と、近作の質感からの変化という2点を存分に味わえるのではないでしょうか。

本作で初登場となる「Romeo Delight」は比較的原曲に忠実なカバーとなっておりますが、原曲がラフなぶんカッチリ作り込まれた音のANNIHILATORバージョンはちょっと別モノ感を感じずにはいられません。ただ、ジェフ自身のギタープレイ/サウンドメイクはエディのそれを踏襲したもので、その一点に関しては強い愛を感じずにはいられません。本当に好きなんだね、微笑ましいよ。

あくまで企画盤ということで、今後もステュー・ブロックとデイヴ・ロンバードが制作やツアーに参加するわけではないと思いますが、これはこれで良いのではないでしょうかオリジナルアルバムとしては最新作『BALLISTIC, SADISTIC』(2020年)の完成度が非常に高かっただけに、これに続く完全新作にも期待したいところです。

 


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2021年5月19日 (水)

BODOM AFTER MIDNIGHT『PAINT THE SKY WITH BLOOD』(2021)

2021年4月23日にリリースされたBODOM AFTER MIDNIGHTの、最初で最後のEP。

このバンドは2019年末をもって解散したCHILDREN OF BODOMのフロントマン、アレキシ・ライホ(Vo, G)が、同バンドから完全に手を引き新たに結成したバンド。メンバーはアレキシのほか、チルボド最終作でもギターを弾いていたダニエル・フレイベリ、PARADISE LOSTのワルッテリ・ヴァユリュネン(Dr)、元SANTA CRUZのミトヤ・トイヴォネン(B)の4人。ここにライブサポートメンバーとしてラウリ・サロマー(Key)を加えた編成で、2020年10月23日にフィンランドで初ライブを実施し、この際にはチルボド時代の楽曲も披露していたそうです。

バンドはすでに1stフルアルバムに向けて作業を進めていたようですが、残念ながらアレキシが同年12月末に急逝。この情報が翌2021年1月4日に発表されてからしばらくして、BODOM AFTER MIDNIGHTはすでに完成していた3曲とMV1本を世に送り出すことがアナウンスされたわけです。

結局フルアルバム完成には至らず、このEPに収められた3曲(とタイトルトラック「Paint The Sky With Blood」のMV)がアレキシの遺作となってしまったわけですが、この3曲を聴けば“チルボドのその先”に何を見出していたのか、何を作ろうとしていたのかがご理解いただけるはず。初期からブレイク期までのチルボドの良いとこ取りなサウンド&世界観を2020年代版にビルドアップさせ、新たなメンバーで表現しようとしていたことがタイトルチューン1曲からも存分に伝わります。

本作はもともと、フルアルバムに先駆けたEPとして用意されたもので、オリジナル曲は2曲のみ。残りの1曲はバンドのルーツが垣間見えるカバー曲となっています。これまでチルボドではヘアメタルやコアなメタル、さらには意外な80'sポップスなど、アレキシのルーツを散りばめたカバー曲を楽しむことができましたが、今回チョイスされたのはスウェーデンのエクストリームメタルバンドDISSECTIONの「Where Dead Angels Lie」でした。ブラックメタルの流れを汲む楽曲にここで挑戦することは、続くオリジナルアルバムにもその香りが感じられるのではないか。そう思わずにはいられません。オリジナル2曲でみせたキャッチーなスタイルと、マニアックでダークなカバー曲。この3曲からどんな未来が見えるのか……今となっては叶わぬ夢ですが、聴いてみたかったなあ。

フレイベリはこのEP発表にあわせて、「アレキシなしではBODOM AFTER MIDNIGHTは成立しない」とバンドの活動継続を断念。アレキシのいない“BODOMと名のついたバンド”を続けるのはナンセンスですものね。

あのお家騒動がなくても、健康問題を抱えていたアレキシの運命は変わらなかったのかもしれない。だけど……この未来を感じさせるEPを聴いていると、そんな複雑な気持ちで心がグチャクチャになってしまいます(だから、リリースからしばらく手をつけられなかったんだよね)。

でも、今はこの素晴らしいEPを何度も繰り返し再生することで、アレキシのことを忘れずにいようと、少し前向きになれました。最後まで、本当に素敵な作品をありがとう。

 


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2021年1月 5日 (火)

THE LOCAL BAND『LOCALS ONLY - DARK EDITION』(2015)

2015年12月2日にリリースされたTHE LOCAL BAND唯一のEP。日本先行でリリースされ、続いて12月4日に海外で発売されています。

THE LOCAL BANDはCHILDREN OF BODOM(当時)のアレキシ・ライホ(G, Vo)とTHE 69EYESのヨッシ69(Dr)が2013年頃、遊びで結成したカバーバンド。当時のメンバーはこの2人に加えてオリー・ヘルマン(Vo/RECKLESS LOVE)、アーチー・クルーズ(B/SANTA CRUZ)という面々。当初はPOISONMOTLEY CRUEといったヘアメタルバンドのカバーが中心で、2015年10月には『LOUD PARK』出演のために初来日も果たしました(これが4回目のライブだったとか)。実際、僕も会場で見ましたが、上記2組に加えてDEF LEPPARDBON JOVIデヴィッド・リー・ロスGUNS N' ROSESSKID ROWVAN HALENといった有名バンドの代表曲を披露して会場を沸かせました。いや、沸かせたっつうか単なるカラオケ大会と化してましたが(笑)。

で、この来日直前に制作されたのがこのEPで、本作には上記のライブで披露された楽曲は1曲も入っていないという有様(笑)。音源は結構マジ気味の選曲で、コリー・ハート「Sunglasses At The Night」、パット・ベネター「Promises In The Dark」、リトル・スティーヴン「Out Of The Darkness」、SIMON & GARFUNKEL「Hazy Shade Of Winter」(の、THE BANGLESバージョン)などHR/HMとはかけ離れたセレクト。“こっち側”の楽曲はオジー・オズボーン「Waiting For Darkness」くらいで、これにしても選曲は非常に地味&マニアック。

あと、僕が原曲を知らなかった2曲(THE VERONICAS「Untouched」、METROPOLIS「The Darkest Side Of The Night」)も含まれています。THE VERONICASはオーストラリアの女性デュオで、エレポップやパワーポップをベースに活動。この「Untouched」は2007年に全米17位、全英8位のヒットを記録しています。もうひとつのMETROPOLISはカナダのSSWスタン・マイスナーによるハードロックバンドで、「The Darkest Side Of The Night」は2000年にリリースされた唯一のアルバム『THE POWER OF THE NIGHT』の収録曲。もともとは映画『13日の金曜日 PART9 ジェイソンN.Y.へ』(1989年)のために制作されたものでしたが、当時はリリースされることなく、音源としては先のアルバムで初めて正式発売されています。この曲も“こっち側”でしたね。

どの曲も原曲に忠実にカバーされているので、オリジナルバージョンを知っている人ならすんなり入っていけると思います。コリー・ハートの曲なんて、しっかりシンセのリフも再現していますし。それにしてもこの曲、ハードロック調演奏が加わると、完全にヘアメタル/スタジアムロックに化けるんですね。驚きと同時に、やっぱりいい曲だなと再認識しました。

とにかくオリー・ヘルマンのボーカルがよろしいんです。適度なハスキーさと甘さがあり、こういったヘアメタルに最適。ってRECKLESS LOVE自体そっち側ですしね。アレキシもギタリストに徹しているものの、自身のメインバンドとは異なりボーカルを立てて一歩退いてる感が伝わってくる。このバランス感も絶妙ですね。

個々のエゴを押し出すよりも、原曲の良さを引き立てつつ演奏を楽しむ。遊びの延長だからこそ成し得た奇跡の1枚だと思います。どうせならヘアメタルバンドをカバーした盤も聴きたかったなあ……。

 


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2021年1月 4日 (月)

CHILDREN OF BODOM『HATE CREW DEATHROLL』(2003)

本当は今年の1月4日から最低1週間くらい、4年以上続いた毎日更新をお休みする予定だったんです。モチベーションがちょっと落ちてきたので、また書きたいと思えるまではいいかな……って。

ところが、1月4日もあと数時間で終わろうとしているこのタイミングに、アレキシ・ライホの訃報が飛び込んできて。取材帰りの出先で、SNS経由で知ったのですが、ショックが大きくて。自分でもここまでショック受けるなんて思いもしませんでした。

というわけで、今日は特別にCHILDREN OF BODOMについて書きたいと思います。

本作『HATE CREW DEATHROLL』は2003年1月6日にリリースされた、CHILDREN OF BODOMの4thアルバムにして出世作。日本盤は同年2月5日に発売されました。

本作で本国フィンランドのアルバムチャートで初めて1位を獲得。このアルバムのチルボドの入門編として挙げる人も多いくらい、非常に聴きやすい/入っていきやすい1枚だと思います。

シンセを取り入れたクラシカルな王道クサメタルを下敷きにしつつ、90年代半ばから勃発したメロディックデスメタルの要素を強く打ち出した独特なスタイルは、本作でひとつの完成形へと到達。PANTERA以降のグルーヴメタルのテイストや、L.A.メタル的ロックンロール要素も随所に散りばめつつ、サビではシンガロングできそうなわかりやすくキャッチーなメロディを採用することで、メロデスが苦手なリスナーにも取っ付きやすさを感じさせてくれる。また、ギターリフやソロパートも非常にクールで耳に残るものばかり。改めてアレキシという稀代のギターヒーローの才能も、ここで存分に味わえるはずです。

楽曲に関してはとにかく名曲揃い。オープニングを飾る「Needled 24/7」を筆頭に、ラストのタイトルトラック「Hate Crew Deathroll」まで捨て曲一切なしで、グルーヴィーさを感じさせる「Sixpounder」にドラマチックな「Bodom Beach Terror」や「Angels Don't Kill」、イントロのドラムフレーズ(トラック的には前曲「You're Better Off Dead」のアウトロ)がモロにJUDAS PRIEST「Painkiller」な「Lil' Bloldred Ridin' Hood」などクセものばかり。次作『ARE YOU DEAD YET?』(2005年)ではグルーヴメタル側に寄り始めるので、クラシカルなクサメタルが好きなリスナーはぜひ本作から触れてみることをオススメします。

ボーナストラックには恒例のカバー曲が。哀愁味に満ちたRAMONES「Somebody Put Something In My Drink」と、スラッシーなSLAYER「Silent Scream」というタイプの異なる2曲を楽しむことができます。個人的にはこのバンドのロックンロールテイストが色濃く表れた前者がお気に入り。

チルボド自体はメンバー3人が脱退したことで、2019年末にほぼ活動終了状態に突入。アレキシはBODOM AFTER MIDNIGHTという新バンドで昨年から活動を始めたばかりでした。まだ41歳という若さでこの世を去るなんて。ダメだよ、自分より若いミュージシャンが俺より先に逝ってしまうのは……。

 


▼CHILDREN OF BODOM『HATE CREW DEATHROLL』
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2019年6月14日 (金)

DEATH ANGEL『HUMANICIDE』(2019)

2019年5月にリリースされた、DEATH ANGEL通算9作目のオリジナルアルバム。マーク・オセグエダ(Vo)、ロブ・キャヴェスタニィ(G)という初期からの2人に、2000年代の再結成時から加わったテッド・アギュラー(G)、2009年に加入したデミアン・シッソン(B)&ウィル・キャロル(Dr)という編成での4作目ということで、かなり安定感の強い1枚に仕上がっています。

前作『THE EVIL DIVIDE』(2016年)からちょうど3年という感覚で発表された本作は、プロデューサーに前作から引き続きジェイソン・スーコフ(TRIVIUM、DEICIDE、FIREWINDなど)を迎えて制作。ここ数作は彼が手がけているようで、その相性の良さが伺えます。

前作から引き続きスラッシュメタルバンドとしてのベースを保ちつつも、そこに正統派パワーメタル的な色合いやパンキッシュな側面、もやは定番となったメロウなミディアムチューンなどバラエティ豊かさは前作以上。聴いていて飽きが来ないし、終始ワクワクしながら楽しめるという点でも過去最高ではないかと思います。

前作では4分台の楽曲が中心となっていたと書き残していましたが、今作もボーナストラックを含む全11曲中5分以下の楽曲は7曲……いや、今回に関しては3分台が5曲と半数近くを占めているんです。それが、この次々にいろんな色を見せてくれる興味深い作風に良い影響を及ぼしているようです。

オープニングのタイトルトラック「Humanicide」は5分40秒程度の、ドラマチックなアレンジを持つ王道のスラッシュチューン。こういう劇的な展開はアルバムの1曲目にぴったりですよね。しかも“DEATH ANGELらしさ”もしっかり保たれていて、掴みは完璧。続く「Divine Defector」はメタルとハードコアをミックスしたよ凶暴な1曲で、そこからスラッシュバンドらしい複雑な展開を取り入れた「Aggressor」、パワーメタル調の「I Came For Blood」、メロディアスさと不穏な音階がミックスされたミドルチューン「Immortal Behated」(エンディングでフィーチャーされるピアノが最高!)……前半の流れが過去最高なんじゃないかと。素晴らしすぎる。

もちろん後半も文句なしの構成で、疾走スラッシュ「Alive And Screaming」や男臭いコーラスをフィーチャーした「The Pack」、アレキシ・ライホ(Vo, G/CHILDREN OF BODOM)がギターソロでゲスト参加した暴走スラッシュ「Ghost Of Me」とアップテンポの楽曲が続き、異色のモダンヘヴィネス風ミドルチューン「Revelation Song」を経て、メロディアスさが際立つスラッシュナンバー「Of Rats And Men」でエンディングへ。その後ボートラのミディアムナンバー「The Day I Walked Away」も登場するのですが、個人的にはこの曲なしのほうがアルバムの締まりが増すと思いました。前作のときもそうでしたけど、このバンドのアルバムってボーナストラックなしできっちり完結しているので、僕は毎回飛ばすことにしています。まあこのへんは人によりけりかもしれませんが。

今回も安心安定、最高のアルバムを届けてくれたDEATH ANGEL。初期のイメージに捕らわれず、常にそのときのベストを届けてくれる姿勢は尊敬に値します。早くこのアルバムを携えたライブが観たいな。

 


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2019年4月 3日 (水)

CHILDREN OF BODOM『HEXED』(2019)

CHIDREN OF BODOM通算10作目のオリジナルアルバム。前作『I WORSHIP CHAOS』(2015年)から3年半ぶりの新作で、本国フィンランドでは前作から引き続き1位を獲得しています。

個人的には苦手とするタイプのバンドで、なぜか初期の作品には手が伸びなかったんですよね。なので、ちゃんと聴いたのは5作目の『ARE YOU DEAD YET?』(2005年)が最初。以降、過去の作品をさかのぼったり、新作が出るたびに聴いたりはしていたんですが、それも前々作『HALO OF BLOOD』(2013年)を最後に途絶えてしまい……要するに、個人的には『ARE YOU DEAD YET?』をピークに尻すぼみ的に興味が薄らいでいったわけでして。

正直言っちゃえば、『ARE YOU DEAD YET?』以降の作品ってそこまで良いと思えなかったんです。単に興味の範疇外というだけかもしれないけど。ライブもフェスに出てれば一応は観るけど、数曲でお腹いっぱいになってしまうし。ああ、そういうバンドもいるよね。と深く考えないようにしていました。

で、今回のアルバム。たまたま仕事でリリース前に聴くことができたのですが……あれ、これ聴きやすい? キャッチーじゃない? と。気づいたら2回、3回とリピートしている自分がいたのでした。

何が違うんでしょうね。まあ確実に曲がよく練られているというのはあると思います。ネオクラシカル系っぽい要素が強いのと同じくらい(ちょっと初期っぽい?)しっかりメロデスもデスラッシュもある。中にはメジャーキーをフック的に取り入れた楽曲もあるけど、これが悪くない。ひたすらデス声で通すぶん、楽器の要素やアレンジで差別化を図るしかないこの手のバンドなわけですが、いかんせんここ数作の彼らにはそこに対する意識が弱かったような気がするのです。つまり今回はしっかり聴かせることにまで意識が行き届いている。それがこの良質な内容につながったのではないでしょうか。

曲によっては「このシンセの音色、イマドキないだろ?」っていうのも確かにあります。それはもう好みの問題なのでどうしようもないですが、だからといって曲が悪いわけじゃないのでそのまま聴き進めることができる。たぶんちょっとした工夫の違いなんでしょうけど、今作に関しては非常によい効果が表れているんじゃないかな。だって、こんな自分みたいなリスナーですら楽しめたのですから。

ただ、「これ!」という抜きん出た1曲がないのはちょっとだけ不満かな。それがあるとないとでは大違いですから。少なくとも初期4、5作にはそういった1曲が毎回あったと思うのです。過去曲「Knuckleduster」のリメイクが追加収録されているけど、これが一番良い……なんていうのも違いますし。特にこの手のバンドは10作も作っているとそこが大きな壁として立ちはだかるのではないでしょうか。そのへんが次作以降で解消されることを願いつつ、また次のアルバムも素直に「好き!」と言い切れる内容だとうれしいな。



▼CHILDREN OF BODOM『HEXED』
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2006年10月20日 (金)

LOUD PARK 06 : DAY 2 (2006.10.15)

 「LOUD PARK」2日目のレポートをお贈りします。いやぁ、サマソニと同じような時間からスタートして、終了時間があれよりも遅いんで都内から2日連続で通うとなると、相当な体力が必要ですね……正直まいりました。実際、初日よりは早く目が覚めたものの、会場入りしたら13時半を軽く回ってたもんなぁ。

 じゃ、いきますよ。ワンクッション入れてから始めますんで、メロイックサインの準備を(クドいってばw)。

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2005年12月 9日 (金)

CHILDREN OF BODOM『ARE YOU DEAD YET?』(2005)

フィンランド出身の5人組メロディック・デスメタルバンド、CHILDREN OF BODOMの通算5作目となる今作。前作『HATE CREW DEATHROLL』(2003年)からメジャーのUniversal傘下レーベルでのリリースとなり、ワールドワイドでのブレイクが期待される今、さらにそこに一歩近づくに十分なアルバムを作ってきました。

といっても、僕が彼らのアルバムを聴くのは今作が初めて。最近何度も書いてるけど、ホント90年代末以降に登場したメタルバンド、特にメロデス方面には疎いんだよね……勿論チルボド自体は知ってたし、何となく彼等がメロデス・バンドだってことも把握してた。けど、こんなにカッコ良いなんて思ってもみなかったわけ。

ギター2人(ボーカルが兼任)とキーボードを含む構成だと知って、ちょっと驚いたというのが本音。ツインギターってのは想像してたけど、もっとブルータルでいかがわしいものを想像してたんで、そこにキーボードが入るなんて考えてもみなかった。しかも実際にアルバムを聴いてたら、かなりの比率でフィーチャーされてて、挙げ句ギターとのユニゾンリードパートもあるんだから。ボーカルも思ってた以上にメロウなパートが多く(やはり近作からこういう方向へと移行してったようですね)、曲もただのメロデスというよりは、よりクラシカル且つプログレッシヴなパワーメタル寄り。つーかボーカルがハイトーンの歌い上げ系シンガーだったら、間違いなくDREAM THEATERフォロワーとか言われてんじゃないの? それくらい、音楽的にはデスメタルの要素が薄い。ボーカルだけだもん、もはや。

曲はホントに練られた、良く出来たものばかりで、楽器隊のテクニックもなかなかのもの。キーボードは味付けというよりは、ギターと同じくらいに重要な要素として含まれる感じ。先にも書いたように、ソロパートも十分に配置され、所々でギターとバトルしたりユニゾンプレイも飛び出す。速い曲もミドルヘヴィの曲もそれぞれに魅力的で、あーこういうのが『チルボドらしさ』なのかしら、と思わせるに十分な個性は確かに感じられました。今、メタルコアの連中がより普遍的なパワーメタルやスラッシュメタル的な方向へとシフトしていく中、一世を風靡したメロデス連中もドンドンとデスメタルから脱却し、より間口の広いヘヴィメタルへと進化しているように感じられます。

ボーカルスタイルこそデスメタルそのものだけど、音楽的にはより純度が高いメタルへと昇華されつつあるARCH ENEMYや、もはやメロデスというよりもゴス色が強いメタルと呼んだ方が似合ってるIN FLAMES。このCHILDREN OF BODOMもキーボードを強くフィーチャーしたプログレッシヴなパワーメタル色が今作で強まっている。これは世の中的な流れもあるのかもしれないけど、それ以上にもともと持ち合わせていたカラーなんでしょうね。特に日本盤ボーナストラックとして収録された2曲のカバー(ブリトニー・スピアーズの「Oops" I Did It Again」とPOISONの「Talk Dirty To Me」)を聴けばご理解いただけるんじゃないかと。ここじゃもう普通に歌っちゃってますからね、ダミ声だけどさ。もうデスメタルでも何でもないじゃん!

とにかく、俺には彼等が昔どういう音楽をやってて今こういう風に変化したなんていう情報はどうでもよく、今目の前で流れている『ARE YOU DEAD YET?』というアルバムがメチャクチャカッコいい。それだけでもう十分なわけです。



▼CHILDREN OF BODOM『ARE YOU DEAD YET?』
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