CODE ORANGE『WHAT IS REALLY UNDERNEATH?』(2023)
2023年2月17日にデジタルリリースされたCODE ORANGEのリミックスアルバム。
本作は最新オリジナルアルバム『UNDERNEATH』(2020年)をベースにしたリミックストラック集で、新たに契約した新興レーベルBlue Grape Musicからの第1弾作品。『UNDERNEATH』収録曲をアコースティックアレンジで再構築したアンプラグドアルバム『UNDER THE SKIN』(2020年)に続く、ここ3年にわたる活動の集大成的な1枚となります。
また、本作はアルバムと同タイトルのショートフィルムのサウンドトラック的役割も一部果たす内容でもあると同時に、こちらも同タイトルとなるオンラインゲームとも関連づけられた作品なんだとか。約13分におよぶショートフィルムはYouTube上でも視聴可能ですし、ゲームのほうもこちらからチェックできるので、気になる方はぜひトライしてみてください(僕はまだ未着です)。
さて、気になる音源のほうですが、『UNDERNEATH』本編でも展開されていたデジロックやインダストリアル系のテイストが全開で、ポストハードコアやメタリックな要素はそのザクザクしたギターサウンドのサンプリングから感じ取ることができる程度。ですが、『UNDERNEATH』でこのバンドに魅了された方なら間違いなく引っかかるであろうポイントが随所に散りばめられているので、スッと入っていくことができるはずです。
ジャミー・モーガン(Vo, Dr)やリーバ・マイヤーズ(Vo, G)のボーカルテイクを軸にしつつも、時に過激に、時にダークでドゥーミーに攻める姿勢は、『UNDERNEATH』本編とは違った側面も見つけることができ、同じ曲を下地にしながらも向かう方向の違いでここまで変化するかと、原曲や『UNDER THE SKIN』でのアコースティックアレンジとの差に驚かされる本作。トレント・レズナー(NINE INCH NAILS)とリンクする点も要所要所で発見することができ、思わずニヤリとさせられます。むしろ、そっち側が好きな人なら嫌いになれるわけがない。
デジタル要素と肉感的なスタイルを見事に融合させ、唯一無二のスタイルを確立させた傑作『UNDERNEATH』から、より生々しさに振り切った『UNDER THE SKIN』、デジタルを突き詰めた『WHAT IS REALLY UNDERNEATH?』と枝分かれさせることで、根っこ=『UNDERNEATH』がいかに優れたものであったかを再確認させる。そういう意味でも、このプロジェクトは大成功だったのではないでしょうか。
『UNDERNEATH』の副読本的作品としてはもちろんのこと、純粋な完全新作としても十分にアピールするはずなので、ヘヴィ/ラウド系リスナーのみならず幅広い方々に届いてほしいところです。
▼CODE ORANGE『WHAT IS REALLY UNDERNEATH?』
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