2018年6月20日 (水)

DAMAGEPLAN『NEW FOUND POWER』(2004)

2003年にPANTERAを解散させたヴィニー・ポール(Dr)&ダイムバッグ・ダレル(G)兄弟が、同年のうちに新バンドDAMAGEPLANを結成。パトリック・ラックマン(Vo/元HALFORDのギタリスト)、ボブ・ジラ(B/のちにHELLYEAH加入)の4人編成でアルバムを制作し、2004年2月に最初にして最後のアルバム『NEW FOUND POWER』をリリースします。

後期PANTERAのスタイルを継承しつつも、どこか気難しさが強かった同スタイルよりもキャッチーさが増したような楽曲の数々は、良く言えば取っつきやすい、悪く言えばクセが弱いものだったかもしれません。しかし、ボーカリストならまだしも、聴いた瞬間に「そうそう、このドラミング!」とか「これこれ、このギターソロよ!」とか気づけるアーティスト/プレイヤーって、今の時代なかなかいないと思うんですよ。それをバンドが変わっても維持し続けたヴィニー&ダイムバッグ兄弟の個性って、改めてすごいなと。

PANTERAという比較対象がいる以上、どうしてもインパクトの強さを求めてしまいがちですが、そこは正直そこまで強くないかなと。ボーカルのパトリック・ラックマンはそこそこ存在感の強い歌声/ダミ声で主張しており、これはこれでアリ。この声の合わせてなのか、音のほうもどこかモダンで、PANTERAの頭脳チームがあえて時代に寄せていったような雰囲気も。ニューメタル的な色合いや、ALICE IN CHAINS寄りのグランジ/サイケデリックヘヴィロック、90年代後半以降に登場したモダンヘヴィネス系の側面も感じられるのですが、そんな中でもしっかり自身の色を主張するPANTERA組が健気といいますか。嫌いになれないんですね。

「Fuck You」ではSLIPKNOTSTONE SOURのコリィ・テイラー(Vo)が個性強めのボーカルを聴かせ、「Reborn」ではBLACK LABEL SOCIETYザック・ワイルド(G)が“らしい”ギタープレイを披露している(さらに「Soul Bleed」では歌声まで)。また、日本盤ボーナストラックの「Ashes To Ashes」にはALICE IN CHAINSのジェリー・カントレル(G, Vo)もボーカルでゲスト参加しています。完全にご祝儀的なやつですが、これらのコラボレーションがカッコいいったらありゃしない。「Fuck You」ではパトリックもコリィに負けじと叫びまくってるし、このへんは今聴いても本当にカッコいいです。

バンドとしては本作で展開した青写真をもとに、次作あたりで大化けしてもおかしくなかったんですが、アルバム発売から10ヶ月後の2004年12月8日、あんなことになってしまうとは……。

カラーヴァイナルが近々発売されるというニュースを知り、久しぶりに聴いてみたんですが……1周回ってカッコよさが増しているような。もはやダイムバッグ・ダレルのギタープレイを生で聴けないという現実がそうさせるのかはわかりませんが、リリース時に聴いたときよりもポジティブに楽しめる自分がいます。PANTERAを期待すると痛い目を見るかもしれませんが、これはこれで“らしい”作品だと思います。

※2018.6.23.追記
ダイムバッグ・ダレルの実兄であるヴィニー・ポールが現地時間6月22日、お亡くなりになったとのこと。(ソース) この記事を書いたときは、数日後にまさかこんなことになるなんて思いもしませんでした。改めてヴィニーのご冥福をお祈りいたします。

HELLYEAHであなたのプレイ、もう一度観たかったです。



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投稿: 2018 06 20 12:00 午前 [2004年の作品, Alice in Chains, Black Label Society, Damageplan, Pantera, Slipknot, Stone Sour, Zakk Wylde] | 固定リンク

2004年12月18日 (土)

フィル・アンセルモ、沈黙を破る。

フィル・アンセルモ、ダレルの死に沈黙を破る(BARKS)

 うわぁ‥‥何だか切ない。ダレルの家族の意向でフィルは葬儀に出席しなかった(できなかった)なんて‥‥確かに彼の家族からすれば、フィルがバンドを壊したくらいの気持ちがあるだろうし、あそこでPANTERAが終ってなかったら、こんなことにはならなかったのに、って気持ちも少なからずあるんだろうね‥‥勿論憶測だけどさ。そう考えると、尚更辛い。短いながらも、やはりフィルがこの1週間どれだけ苦しんだかが伺えるコメントですね。

 正直、フィルが今やってるSUPERJOINT RITUALには殆ど興味がないのね。多分10代の自分だったら、すっげー喜んで聴いてたであろうタイプの音だけど、今の俺には必要ないかな、と。無い物ねだりなんだけどさ‥‥あそこにダレルのギターが乗っかって、ヴィニー&レックスによる重心の低いリズム隊が加わったらな‥‥って。結局それはPANTERA以外の何ものでもないわけで。

 今日ね。ラジオ用に数日振りにDAMAGEPLANのアルバムを聴いてたのね。んで、数日前に簡単な感想を書いたじゃない。あれはあくまで最初に聴いた時、そしてダレルの死後改めて引っ張り出して1回聴いた時の感想だったんだけど‥‥ちょっと落ち着いて聴き直してみると、意外と聴けるアルバムだったんだなぁ、と再発見。けど、やはり化けるにはセカンドアルバムが必要だったよな‥‥

 今夜のラジオ、たった3〜4曲程度ですが、ダレルの特集をやります。「ベスト盤イイヨネー!」にて、PANTERAを取り上げます。俺のここ1週間くらいに感じたことを、そのまま生の言葉で語ろうと思います。いつも聴いてくれる人も、そしてダレルに興味を持ちつつもラジオ聴いたことない人も、是非聴いてください。よろしくお願いします。



▼SUPERJOINT RITUAL『A LETHAL DOSE OF AMERICAN HATRED』(amazon

投稿: 2004 12 18 06:38 午後 [Damageplan, Pantera, 「R.I.P.」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004年12月14日 (火)

「元PANTERA」ではなく、「DAMAGEPLAN」のダレルについて。

ギタリストのダイムバック・ダレルが公演中観客の凶弾により死亡(ワーナーミュージック・ジャパン)
アーティストたちのダイムバッグ・ダレル追悼メッセージ(BARKS)
モトリー・クルー、エヴァネッセンスもダレルにメッセージ(BARKS)
Metallica ラーズが親友ダレル・アボットを追悼(VIBE-NET.COM)


 PANTERAのことばかり語るサイトが多いので(ま、俺もそうだけど)、当のDAMAGEPLANについて語っておきましょう。

 ファーストアルバムってことで相当力入ってますよね。曲の幅はPANTERA時代よりも広いように感じるし、ボーカルのパトリック・ラックマンもまぁフィルみたいに聴こえる時もあるけど、もうちょっと「いろいろ歌えそう」なイメージがあるかな。勿論アルバムを聴く限りでの話ですが。

 ギターやドラムは、どこからどう聴いてもダレルとヴィニーの‥‥つまり、PANTERA以外の何ものでもない、といった印象が強くて、逆にそれが仇になってしまった感も無きにしもあらず。こればっかりは個性が強烈過ぎるんだもん、仕方ないか。

 これといった「DAMAGEPLANらしい強烈な個性」はまだ感じられず、どちらかというとPANTERAの延長線上からスタートさせたイメージかな。多分、セカンドでもっといろいろ変化が見られたんだろうけど‥‥絶対に新しい地点にたどり着いてたはず。あるいはこのまま何にも変わらず、「結局俺等これ好きだし。これしか出来ないし。」って開き直り続けたのかも‥‥今となってはその答え、誰にも判らないんだけど‥‥

 アルバムは今年の2月にリリースされ、すぐ後に来日も実現。その際にはPANTERA時代の曲("Walk" とか)も披露されたとのこと。う〜ん、やっぱりダレルとヴィニーにとっては地続きだったんだよね。フィル・アンセルモは再結成について、常に「今はまだその時じゃない」とコメントして、じゃあ先々には可能性が少しでもあるのかよ!?と期待を持たせたり‥‥それも今となっては‥‥嗚呼。

 死んじゃったから褒めるってのは嫌だから正直に書くけど、俺はこれ、リリース後すぐに買ってもそんなに聴き込まなかったのね。単純にこの手の音から俺がずれ始めてたってのも大きいけど、やはり‥‥これ聴くんだったら‥‥っていう嫌な感情がね。ミッシェルファンの子がROSSOを悪くいうのと同じ次元じゃん、それ。ダメだな、俺‥‥

 だからこそ、そんなモヤモヤを吹き飛ばすようなセカンドを待ってたんだけどね‥‥糞っ!



▼DAMAGEPLAN『NEW FOUND POWER』(amazon

投稿: 2004 12 14 08:53 午後 [Damageplan, Pantera, 「R.I.P.」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004年12月11日 (土)

May Rest In Peace, Darrell.

 ダイムバック・ダレル射殺事件の続報です。

ダメージプランのダイムバッグ・ダレルが公演中に射殺される(MTV Japan)
メタル界に衝撃、ダイムバッグ・ダレル射殺事件にオジーらがメッセージ(BARKS)
米国のライブハウスで銃乱射事件、バンドギタリストら4人死亡(ロイター)
射殺されたD・ダレル、ファンには優しかった=米誌編集長(ロイター)


 今日は出張だったんだけど、移動中ずっとPANTERAのベスト盤を聴いてました。オリジナルアルバムでもよかったんだけど、なんか彼等‥‥というかダレルの歴史を追いたくてね。ずっとリピートしてた。何回も、何回も。で俺、途中がすっぽり抜けてるんだよね‥‥「GREAT SOUTHERN TRENDKILL」の辺りが。勿論リアルタイムでちゃんと買って聴いてたんだけど、恐らくこの時期、俺自身がこの手のロックから遠ざかってた時期なのかもしれない‥‥だから積極的に聴かなかったんだろうな。その前作「FAR BEYOND DRIVEN」辺りから個人的には厳しいなぁと感じてたのもあるしさ。

 このベスト盤にはそのアルバム(邦題「鎌首」)からは1曲しか入ってないんだけど、もっといい曲がオリジナルアルバムの方には沢山あった気がする。んで、さっきから聴き返してるんだけど‥‥いいじゃん、これ。凄くいいよ。ついでに「FAR BEYOND DRIVEN」もカッコいい。あーこんな時だから余計にカッコ良く聞こえるのかもしれない‥‥でも。それでもいいや。

 くそぉ‥‥何で12月8日に銃殺なんだよ。しかもファン(らしき狂人)に殺されるっていう‥‥それも今回は、よりによって、実の兄(ヴィニー・アボット。元PANTERA/現DAMAGEPLANのDrでダレルの兄)の目の前で‥‥その殺され方を読んで、余計に悲しくなった。

 PANTERAの解散は、誰のせいでもない。フィル・アンセルモのせいでも、勿論ダレルのせいでもない。誰のせいでもないから、またいずれ、チャンスが訪れるかもしれなかったのに‥‥

 馬鹿野郎‥‥



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投稿: 2004 12 11 12:10 午前 [Damageplan, Pantera, 「R.I.P.」] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック