2017/02/08

DAMN YANKEES『DAMN YANKEES』(1990)

ここ数日続いたスーパーバンドの紹介、ひとまず今回が最後となります。1989年にBLUE MURDER、BADLAND、MR. BIG、BAD ENGLISHとデビューが続いたスーパーバンド、翌1990年初頭にその究極と言えなくもない存在のDAMN YANKEESが華々しくデビューを飾ります。

DAMN YANKEESは元NIGHT RANGERのジャック・ブレイズ(Vo, B)、元STYXのトミー・ショウ(Vo, G)、ソロアーティストとして知られるテッド・ニュージェント(Vo, G)、セッションドラマーでのちにLYNYRD SKYNYRDに加わるマイケル・カーテロン(Dr)の4人組。マイケル以外はそれぞれバンドやソロで一時代を築いた人ばかりで、3人ともボーカリスト。ということで、この『DAMN YANKEES』ではジャック&トミーのボーカルを軸にしつつ、曲によってどちらかがリードを取る形となっています。テッドはコーラス以外にも、アルバムラストの疾走ナンバー「Piledriver」でリードボーカルを聴かせてくれます。

楽曲は各メンバーの個が強く打ち出されたものばかり。どの曲を誰がメインで書いたかを考えるだけでも面白いんじゃないでしょうか(基本的に全曲ジャック、トミー、テッドの連名でクレジットされています)。ギタープレイを前面に打ち出しつつも、あくまで楽曲の完成度の高さを大事にしているのはBAD ENGLISHにも通ずるものがありますが、DAMN YANKEESの場合はとにかくフロント3人の色が濃いぶん、主張の強さが曲のいろんなところから感じられるのが面白いところ。それでいてストリングスを取り入れた美しいバラード「High Enough」みたいな曲もあるんだから、興味深い存在です。

基本はオープニングトラック「Coming Of Age」で聴ける、豪快なアメリカンハードロックが軸にあって、そこに「Come Again」のような叙情性の強い曲、「Piledriver」みたいにメタリックなブギー、「Runaway」のように美しいハーモニーが楽しめるアーバンなポップロックが織り交ぜられている。「Mystified」みたいなアメリカ南部のテイストは完全にテッドの持ち味でしょうし、ストレートなハードロック「Rock City」はジャックのテイストな気がするし。でも、ちゃんとひとつのバンドとして、1枚のアルバムにすべて収めることができているんだから、さすがとしか言いようがない。

このバンド、何がすごいって、やっぱりライブなんですよね。だって、「(You Can Still) Rock In America」も「Don't Tell Me You Love Me」も「Renegade」も「Blue Collar Man (Long Nights)」も「Cat Scratch Fever」も「Free-For-All」も聴けるんですから、悪いわけがない。ある意味、アメリカンハードロックの歴史を垣間見れる、貴重な場でもあったわけです。

ちなみに本作は全米13位まで上昇し、200万枚ものセールスを記録。シングルカットされた「High Enough」は全米3位と彼らの代表曲となり、ここ日本でもリーバイスのCMソングとしてオンエアされ話題となりました。

なおこのバンドも例に漏れず、1992年に2ndアルバム『DON'T TREAD』をリリースしてから解散。一時は3rdアルバムを制作するために再集結も計画されましたが、実現に至りませんでした。勿体ない。で、トミーとジャックは一時期SHAW BLADESを組むも、それぞれSTYX、NIGHT RANGERを再結成させ、活動を続けています。



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投稿: 2017 02 08 12:00 午前 [1990年の作品, Damn Yankees, Night Ranger] | 固定リンク