2005/03/29

DEAD KENNEDYS『FRESH FRUIT FOR ROTTING VEGETABLES』(1980)

 「ロケンロールと無理心中」、無駄に不定期更新してますが、今回でやっと3回目。そろそろ日本のアーティストも紹介したいな、とは思っているんですが何分‥‥DJやったばかりで、そのために引っ張り出して聴いてたCDの中から、久し振りに聴いてもやっぱりいいなーって思えたモノを幾つか紹介したいな、と思っておるんですね。勿論その中には日本の素晴らしいロケンローバンドも含まれているんですが‥‥

 とりあえず今回は三度洋楽から。ハードロック、オールドスタイルのロケンローときて、今回はパンクです。しかも西海岸のUSパンク。1980年にリリースされたDEAD KENNEDYSの記念すべき1stアルバム「FRESH FRUIT FOR ROTTING VEGETABLES」を紹介したいと思います。

 まぁパンクというとUKだとSEX PISTOLS、THE CLASH、THE DAMNED辺りがよく名前を挙げられるだろうし、USだとやっぱりRAMONESが真っ先に挙がるんじゃないかと思うんですね。後はイギー・ポップ率いるSTOOGESとか? いや、もしかしたら最近の若い子達には既にGREEN DAYやOFFSPRING、RANCIDのようなバンドが基本中の基本になっちゃってるのかな。

 そんな中で、所謂我々が認識する『パンク』と呼ばれる3コードのロケンローを基調とした音楽性と、これも我々が認識している『ハードコアパンク』と呼ばれるジャンル/スタイル‥‥この祖先的な存在が‥‥まぁ乱暴な決めつけではありますが‥‥このジェロ・ビアフラ率いるDEAD KENNEDYSなのかな、と思うわけでして。

 全曲基本的には3分にも満たないようなストレートで疾走感溢れる楽曲ばかり。ド頭の "Kill The Poor" の演劇じみた歌唱法の名曲を聴いた時点で、既にこのアルバムが名盤であるのは間違いないと決定的になるわけですが(大袈裟な言い方かもしれないけど、ホントにそうだよね)、その後も矢継ぎ早に繰り出されるファスト・チューンにやられっぱなし。勿論2005年の現代において、これよりも激しく速いパンクチューンは幾らでもあるわけですよ、けど‥‥やっぱり俺の中ではこれを越えるアルバムは数少ないんですね、どういうわけか。ま、所詮はオールドウェーブなオッサンですよ俺は。パンクの名盤といえばPISTOLSの1st、DAMNEDの1st、CLASHの1st〜「COMBAT ROCK」まで、そしてRAMONES全般(!)とかいうような奴ですから!

 そんなオッサンの言うことですからあてにならねぇ‥‥かどうかは判りませんけど、少なくともこのアルバムは異色作ですよ。パンクでありハードコアであり、尚かつエンターテイメントの臭いまでする。ジェロの歌唱法が演説っぽかったりオペラチックだったりで、他の「がなる」だけのパンクやハードコア勢とは一線を画するわけですよ。そういう意味では、現代ではSYSTEM OF A DOWN辺りに引き継がれてる路線なのかな、なんて勝手に思ってるわけですが(それは言い過ぎか)。プレスリーの "Viva Las Vegas" なんてやっちゃってるわけですからね。そんな朗らかな曲と一緒に "Kill The Poor"、"Forward To Death"、"Let's Lynch The Landlord"、"Chemical Warfare"、"I Kill Children" なんていう素敵なタイトルの楽曲が並んでるわけですよ! そのセンスの素晴らしさ! そしてハードコアながらも非常にポップで判りやすい。ここがポイントなわけですよ。単なるオナニーで終ってないわけ。一時期、パンクやハードコアがそういった独りよがりな方向へと進んでしまう時期があったかと思うんだけど、少なくともこの時代はまだ大丈夫だったんだな、と。まぁそりゃそうか、何せジェロはRAMONESのライヴを観て、バンドを始めたような男だからね。その方向性の違いはあれど、根元にあるものは一緒なわけですよ。

 DEAD KENNEDYSは'80年代半ば頃までは現役だった記憶があります。俺が中学生の頃、まだ新譜とか出してたような記憶あるし。んで、ジェロはその後いろんなユニットを作ったり壊したりして現在に至ってます。先頃、ジェロのいないDEAD KENNEDYSが来日したりもしましたが、まぁそれはそれで‥‥観たいとは思わないけど、いいんじゃないでしょうか。

 う〜ん、今度DJやる時は是非 "Kill The Poor" か "Viva Las Vegas" をかけたいなぁ。



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投稿: 2005 03 29 12:07 午前 [1980年の作品, Dead Kenedys] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2004/05/05

V.A.『ROCK AGAINST BUSH VOL.1』(2004)

  勿論、ここに紹介する26組のバンド全てが必ずしもパンクロックだとは限りません。が、本質的な部分からすれば、俺から見れば全部パンクバンドだと思えるんですよね。

  NOFXのメンバー、ファット・マイクが運営するレーベル、「FAT WRECK RECORDS」が、反ブッシュ政権、というか次期大統領選でブッシュが当選することを危惧して立ち上げたのが「www.punkvoter.com」というサイト。そしてそれが高じて、「ROCK AGAINST BUSH」というプロジェクトまで立ち上げ、それに賛同するミュージシャンを集めてこのアルバムまで完成させてしまいました。

  参加アーティストは26組。有名どころだとOFFSPRING、SUM41、NEW FOUND GLORY、PENNYWISE、LESS THAN JAKEといったパンク勢、そしてTHE GET UP KIDSやMINISTRYといったちょっとパンクからは外れたラインにいるバンドもその趣旨に賛同して参加。中にはジェフ・ビアフラ(元DEAD KENNEDYS)みたいな大御所も参加しています。しかもこの26組中18組が現時点で未発表の新曲を提供しています。太っ腹! OFFSPRINGなんて、オリジナルアルバムでは耳障りのいいポップパンクを聴かせておいて、このアルバムでは "Baghdad" という直球のパンクソングを持って来ているんだから‥‥

  アルバムの内容については、まぁオムニバス特有のバラツキがあるので絶賛こそしませんが、まぁ好きな人なら楽しんで聴ける1枚だと思います。実際、このアルバムがこの内容で、しかもDVDまで付いて1,000円前後で買えるという事実‥‥如何に作り手が儲けを度外視して、如何に多くの人の手元に、耳に届けたいか‥‥その意思が伝わってきますよね。

  パンクって何だろうね‥‥いや、ロックでもいいや。別に必ず政治的なことに関わるべきだとは思わないよ。けどさ、言いたい事さえも言えない今の風潮の中、こうやってリスクを伴う活動を矢面に立って実践している人がいる事実。これを日本の「自称・パンクロックバンド」の皆さんにも見習ってもらいたい。カッコだけのパンクや、「俺等はメジャーとは関わりたくない」とかポーズ決めてるインディーパンクやその周辺、少なからず「パンク」というものに影響を受けているのなら、そして「パンク」と名の付くシーンや音楽に携わっているのなら、(その内容はともかくとして)このやり方だけでも見習って欲しいと切に願うよ。

  別に今一部の音楽ファンの間で問題視されている輸入権の問題だけじゃないよ。日本の政治は本当にどうしようもないところまで来てると思う。それを見て見ぬ振りして「パンク」を名乗るのは、正直カッコ悪いと思う。どうしようもなくね。まだまだ日本には、こんなもんじゃない、本当にカッコいい「真の」パンクロックバンド、沢山いるはずでしょ? ジョー・ストラマーがこの現実を知ったら、向こうで泣いてるよきっと。

  ファット・マイクの主張、全てを受け入れることは出来ないけど、彼が言わんとしてることは理解できる。そしてその手段(=今回のリリース)も非常に判りやすくて好感が持てる。日本でもこういうことが出来ないのかなぁ‥‥インディーズレベルでさ。もっとカッコいいとこ、俺に見せて欲しいよマジで。



▼V.A.『ROCK AGAINST BUSH VOL.1』
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投稿: 2004 05 05 03:29 午後 [2004年の作品, Compilation Album, Dead Kenedys, Get Up Kids, The, Ministry] | 固定リンク