DEAFHEAVEN JAPAN TOUR 2025@神田スクエアホール(2025年8月6日)
昨年7月から1年強で早くも実現したDEAFHEAVEN来日公演。確かに昨年の東京公演のMCで「これから新作制作に取り掛かる」とは言っていたものの、まさかそのアルバム『LONELY PEOPLE WITH POWER』が今年3月末には発売され、同作を携えた再来日ツアーまで決まるとは。『LONELY PEOPLE WITH POWER』はRoadrunner Records移籍作ということで、国内ではワーナーミュージック・ジャパンが配給するはずも国内盤CDのリリース予定がないことから、さすがに単独来日は厳しいかなと思っていたのですが、この決定は嬉しい限りです。
昨年は前方でがっつり目に焼き付けるといった感じでしたが、今回は音もしっかり浴びたいという思いが強かったので、後方を陣取ることに。会場に選ばれた神田スクエアホールは床がフラットなため後方は見にくいイメージがあったのですが、この日は客入り的に8割強といったところで、かつ視界を遮る高身長のお客さんを避けたこともあってか、かなり見やすかったと思います。
定刻を5分ほど過ぎた頃に会場が暗転し、『LONELY PEOPLE WITH POWER』のオープニングを飾るSE「Incidental I」が鳴り始めるとフロアの熱量もいきなりマックスに。メンバーがひとり、またひとりと登場し、最後にフロントマンのジョージ・クラーク(Vo)が姿を現します。去年の時点では長髪だったジョージ(ここ数年定着してましたよね)、。坊主は初期以来かな。今のいかつい体系とぴったりではないでしょうか。
ライブはアルバム同様、「Doberman」「Magnolia」と進行していくのですが、相変わらず音のバランスが抜群に良い。この手のバンドにしては爆音すぎず、むしろ若干抑えめかなと心配になってしまうほどでしたが、その不安も「Brought To The Water」あたりで解消。単にドラムの音量が大きくなっただけだと思いますが(かつ、こちら側の耳も慣れてきたのも大きい)、これくらい“鳴って”いるとむしろ生の現場ではより高揚感が増すので、結果オーライかな。
前回のツアーは2nd『SUNBATHER』(2013年)から当時の最新作『INFINITE GRANITE』(2021年)までの4作やEPから満遍なく選出されたオールタイムベストでしたが、今回は純然たる新譜ライブ。全12曲(オープニングSEIncidental I」含む)中9曲が『LONELY PEOPLE WITH POWER』からとあって、非常に新鮮な気持ちでライブと向き合うことができました。と同時に、過去作から厳選されたのが2nd『SUNBATHER』から「Sunbather」と「Dream House」という代表曲、そして前回のツアーでオープニングを飾った3rd『NEW BERMUDA』(2015年)からの「Brought To The Water」という事実も、新作がどういうモードで制作されたのかが伝わり、非常に興味深いものがありました。
個人的ハイライトは「The Garden Route」「Heathen」「Amethyst」の中盤かな。「Sunbather」から自然な流れでつないでいったのもよかったですし(特に今回は曲間、無音になることなくギターのエフェクト音などで次曲へとシームレスでつなぐ演出が素晴らしかった)、悲哀さの中に浮かび上がる美しさがハンパなかった。クライマックスと呼ぶに相応しい流れだったと思います。
で、バンドは「Amethyst」のエンディングから再び「Incidental II」へと流れる過程でステージを一旦あとにするのですが、構成的にはここからがアンコールということでいいのかな。「Incidental II」のエンディング付近でバンドが再び登場し、即興的な演奏を加えてから「Revelator」へとなだれ込む流れも圧巻でした。で、名曲「Dream House」で終了……ではなく、さらにもう一発「Winona」で正真正銘のエンディングを迎えるわけですが、この「Winona」が本当に素晴らしかった。多幸感満載の「Dream House」ではなく「Winona」で締めくくるのが今のDEAFHEAVEN、いや、『LONELY PEOPLE WITH POWER』で展開される世界観にぴったりということなんでしょう。見事なセットリストだと思います。
前回のツアーは全8曲で80分、今回は全12曲(SE含む)で85分と尺的にはほぼ一緒ですが、これくらいの長さが彼ららしいですし、腹八分目で終わるからこそ「早く次を!」と期待したくなるんでしょうね。もうさ、毎年来日してくださいよ。特に『LONELY PEOPLE WITH POWER』の楽曲は夕方以降の野外で聴いたときに、その魅力をより発揮すると思うので、次はフジロックで!(夕方以降のWHITE STAGEは難しいかもしれないので、FIELD OF HEAVEN……は色が違うか。結局RED MARQUEEになるのかな)
セットリスト
SE. Incidental I
01. Doberman
02. Magnolia
03. Brought To The Water
04. Sunbather
05. The Garden Route
06. Heathen
07. Amethyst
アンコール
08. Incidental II
09. Revelator
10. Dream House
11. Winona







