2006/07/07

DELOREAN『INTO THE PLATEAU』(2006)

 ちょっと長くなりますが、最初にごく個人的な話をします。このバンド‥‥というか彼らが所属する日本のレーベル「Loveless Records」のスタッフの方々から昨年初めに連絡を貰いました。いつも「RADIO TMQ」を聴いてくださっているとのことで、その後もメールのやり取りをさせてもらい、ラジオやサイトの方でレーベル所属アーティストを紹介することになりました。もちろん、俺自身が聴いて気に入ったから取り上げることを決定したわけですが。

 そのバンドの中のひとつが、今回紹介するDELOREANでした。彼らは昨年春、アルバム「DELOREAN」で日本デビューを果たしたスペインの4人組バンド。ボーカルの声がロバート・スミス(THE CURE)にちょっと似ていたり、サウンド的にもNEW ORDERを通過したディスコ・パンクといった色合いが強く、個人的にもかなり気に入ってラジオで積極的に紹介したり、DJで彼らの曲を使ったりなどして、小さい規模ながらも応援させてもらいました。

 昨年秋、メンバーのひとりであるイゴール(Dr)が日本語学校に通うために半年間来日する、という話をレーベルの方から聞きました。そのときは漠然と「自分のイベントとかに出てくれたら嬉しいなぁ、ラジオに出てくれたら楽しいだろうなぁ」なんてことを考えてましたが、実際には実現が難しいだろうなぁとも内心思っていたわけです。

 今年に入り俺が仕事を変え、都内で生活することになったので、イゴールに会う機会が現実的なものとなりました。丁度その頃「新作が春にリリースできるかも」という話を聞いていたので、帰国(3月末)前にラジオに出てもらってそのプロモーションをしたらどうだろう、と提案しました。さらに「2月に自分主催のDJイベントがあるので、よかったらゲストでDJをやれないだろうか?」と打診してみたところ‥‥レーベル側からも、そして本人からも快い返事をいただきました。すっごい嬉しかったですよ、はい。

 2月11日、四ッ谷で開催されたイベント「AIN'T IT FUN」で、イゴールは30分間ゲストDJをやってくれました。彼のお気に入りの曲は、当日会場にいたお客さんにも好意的に受け入れられ、イベントは大成功でした。そして24日には「RADIO TMQ」に生出演していただき、なんと日本語中心でやり取りをするという暴挙に。ここで初めて、リリースが5月以降に延びてしまったという待望の新作から、1曲だけ世界先行でオンエアさせていただきました。これがとにかくカッコ良くて、今でもあの瞬間をよく覚えてますよ。あか抜けたというか、一気にバンドが良い状態にビルドアップされてるなぁ、とその曲からは感じました。そして、後でアルバムを届けてくれる(リリース前に聞かせてくれる)、とも約束してくれたのです。嬉しかったなぁ。

 3月末の帰国から2ヶ月後、手元には1枚のCD-Rが届きました。そう、今回紹介するDELOREANのニューアルバム「INTO THE PLATEAU」のサンプルです。もうこの1ヶ月ちょっと、かなり聴き込みましたよ。ラジオの方でも毎回紹介させてもらい、その都度良い反応を得ています。

 前作ではまだまだ「若さ故の勢い重視」な部分が多く、逆にそこが魅力でもあったわけですが、この新作にはもっとクールな、奥の方でメラメラと燃える炎が見え隠れする、そんな頼もしさが感じられるようになってます。いや、もう頭からお尻まで、本当にクールなアルバムだと思いますよ。打ち込みも上手く取り込み、リズムもただ疾走するんじゃなしに、すごく心地よいテンポを刻んでる。一聴したら四つ打ちモノかと思わせるような、ダンサブルなナンバーばかりで、アルバム通して聴いてもまったく飽きがこない。そしてボーカルすら、楽器の一部と化しているというか‥‥アート的というか、知的さすら感じられます。あの「仮面ライダーやウルトラマンのお面を被ってたヤンチャな若者4人」の姿はここにはなく、ものすごい速度で人間として、ミュージシャンとして成長を遂げた4人の姿が、このアルバムからは伺えるんじゃないでしょうか。いやぁ、これはかなりの力作ですよ。

 すでに今年前半の俺内ベストアルバム・トップ5入りを果たしたこの「INTO THE PLATEAU」。本国スペインでは5月にリリースされているものの、ここ日本では本日7月7日発売ですからね。本来なら今年後半のランキングに入れるべき1枚ですよね。そういう意味では、これからこんなステキなアルバムに出会えるであろう皆さんを、本当に羨ましく思いますよ。いや、これはマジで必聴盤です! あとはこのアルバムを引っ提げての初来日公演を待つばかり。期待してますよ、「Loveless Records」の皆様!!

P.S.
ラジオで「ライブで来日した際には、ぜひメンバー全員でラジオに」みたいな約束をした気がしますが‥‥えーい、そんときゃそのときよ!(笑)



▼DELOREAN「INTO THE PLATEAU」(amazon:日本盤

投稿: 2006 07 07 05:19 午後 [2006年の作品, Delorean] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/03/19

DELOREAN『DELOREAN』(2004)

 「Loveless Records」について何回かに渡って紹介してきました。TRAENINGやJOMI MASSAGEといった個性的な北欧アーティストをここで初めて知ったという人も多いかと思いますが、今回もそんな「まだまだ日本では無名のアーティスト」について紹介していきたいと思います。

 「まだまだ日本では無名」もなにも、まだ日本では音源リリースされてない新人さんですからね。「DELOREAN」という4人組バンドなんですが、ここ日本では4月8日にファーストアルバムが満を持してリリースされます。出身はスペイン・バスク地方だそうで、結成は2000年。2001年にはスペインやフランスのみで「SILOHUETTES」というファーストアルバムがリリースされたそうです。てなわけで、今回紹介するセルフタイトルの「DELOREAN」というアルバムは正確には彼等の2ndアルバムに当たるようです。ただ、このアルバムからリリース元が「BCore Records」に変わっており、その辺りで話題になったりもしてるようですね(最近注目のレーベルで、俺も去年愛聴したTOKYO SEX DESTRUCTION等が所属)。本国やヨーロッパ諸国では既に昨年後半にリリース済みのこのアルバム、ドイツ辺りでも『Dance music made by punks!』といって大絶賛されているそうです。

 サウンド自体はその謳い文句通り、ディスコパンクというか昨今の主流のひとつであるポスト・パンクやニューウェーブ・リバイバルの流れにあるものです。が、そういったバンドの中でもパンク色がより濃く表れている点は特筆に値するべきかもしれません。サウンド的にはもっとポップ間が強くて、例えば‥‥よく比較対象として挙げられるようですが‥‥NEW ORDERやTHE CUREといったバンドと共通する点が幾つか見出すことができると思います。ボーカルの声や歌い方もどこかロバート・スミス(THE CURE)を彷彿させますしね。うん、ポスト・パンクというよりはそういったUKニューウェーブ経由のポップロックの系譜でしょうね。変な気難しさも皆無だし、もっと肉感的かもしれないし‥‥ウルトラマンやドラえもん、仮面ライダーのお面を被って素顔を隠す、その人を食ったようなビジュアル面も、なんか他のそれ系とは一線を画するし。

 そういう意味では‥‥個人的にはELECTRIC SIX辺りと同じ匂いを感じるんですよね。まぁあそこまでのゲイっぽさというか変な作り物感はないですが、もっとエンターテイメントに昇華できそうな、あるいはしてしまいそうな臭いというか。音楽的にも非常に優れているんだけど、ステージではもっと楽しませることをよく知っている、みたいな。そんな印象が強いですよね。うん、是非ライヴは観てみたいバンドのひとつですよね。

 個人的には既にこういったニューウェーブ・リバイバル系には飽き飽きしてたんですが、こういった個性的なバンドがもっと、しかも欧米以外の国から出てくるんなら、進んで聴いてみたいと思うし、そしてそれらがこんな風に視覚的にも楽しませてくれるバンドだっていうんなら、尚歓迎しますよ。この辺のジャンルが気になってる人、そして新しモノ好きの人に是非オススメしたいと思います。DELOREAN、これから耳にする機会がドンドン増えていくと思いますので、しっかり覚えておいてくださいね。



▼DELOREAN「DELOREAN」(amazon

投稿: 2005 03 19 11:27 午後 [2004年の作品, Delorean] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック