2017/07/02

DEPECHE MODE『SPIRIT』(2017)

前作『DELTA MACHNE』(2013年)からちょうど4年ぶりとなる、通算14枚目のスタジオアルバム。90年代以降、この4年というサイクルは正確に保たれているようで、その合間にはライブ作品の発表だったり再発だったりと、何かしらアイテムが発売されているので、実は思っている以上に4年を長く感じないという。これでリリースのたびに来日公演があったら、もっと短く感じるんでしょうけどね……。

さて、今回のアルバムでは近作とは異なるテイストが感じられます。非常にダークで重々しいく、どこか宗教じみた匂いが感じられる。おそらく多くのファンが、1993年の大ヒット作『SONGS OF FAITH AND DEVOTION』を思い浮かべるかもしれません。確かに僕も最初に聴いたとき、最初にイメージしたのは同作でした。ただ、どこか救いのない空気の漂う『SONGS OF FAITH AND DEVOTION』と大きく異なるのは、本作には“望み”や“希望”のような一筋の光が感じられる点。確かに20数年前のあの時期と比べたら、今のDEPECHE MODEは非常に落ち着いていますし、人としても達観した部分も多いですし。

『PLAYING THE ANGEL』(2005年)から3作連続でプロデュースを手がけたベン・ヒリアーのもとを離れ、今作では新たにSIMIAN MOBILE DISCOのジェイムズ・フォードがプロデュース。ひんやりとしたロックテイストの冒頭2曲「Going Backwards」「Where's The Revolution」のインパクトは絶大で、そのあとにブルージーな「The Worst Crime」、エレクトロ+インダストリアル調な「Scum」と、とにかくダークでヘヴィでクールな楽曲が続きます。ただ、先にも書いたように『SONGS OF FAITH AND DEVOTION』ほどの“重苦しさ”はなく、そこが繰り返し楽しめる要因になっているのかなと。

にしても今回のアルバム、非常に挑発的な内容ですよね。「Revolution」「Crime」「Scum」「Poison」「Poorman」など曲名に使われているワードしかり、現在のアメリカ政権を揶揄したかのような歌詞しかり。そういえば「Where's The Revolution」のMVも政治的ですし。かと思えば、終盤にはデヴィッド・ボウイに捧げた「No More (This Is The Last Time)」があったり、ラストナンバーがマーティン・ゴアのボーカル曲「Fail」だったり(マーティンのボーカルナンバーはもう1曲「Eternal」も)。アルバムのトーンは終始救いようがないくらいに暗いのですが、でも聴き終えたときに絶望感は一切感じない。それが全体を覆う“攻め”の姿勢によるものなのか、あるいはある種の“悟り”なのか。そのへんが、近作とはちょっと違うなと感じたのでした。

エレクトロでインダストリアルな作風なのに、しっかりロックしている。いや、ロックというよりもブルースに近いかも。もともと好きなアーティストの新作ということで好意的ではありますが、このブルース感が強まったことでより好きになれた1枚です。



▼DEPECHE MODE『SPIRIT』
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投稿: 2017 07 02 12:00 午前 [2017年の作品, Depeche Mode] | 固定リンク

2017/07/01

2017年上半期総括

恒例となった上半期ベスト。ひとまず7月1日現在の10枚を紹介したいと思います。バランスとしては洋楽5枚、邦楽5枚というセレクトになります。


DEPECHE MODE『SPIRIT』(amazon)(レビューはこちら

THE JESUS & MARY CHAIN『DAMAGE AND JOY』(amazon)(レビューはこちら

KREATOR『GODS OF VIOLENCE』(amazon)(レビューはこちら

MASTODON『EMPEROR OF SAND』(amazon)(レビューはこちら

RIDE『WEATHER DIARIES』(amazon)(レビューはこちら

Cornelius『Mellow Waves』(amazon)(レビューはこちら

Maison book girl『image』(amazon

Mondo Grosso『何度でも新しく生まれる』(amazon

ONE OK ROCK『Ambitions』(amazon)(レビューはこちら

ドレスコーズ『平凡』(amazon)(レビューはこちら

投稿: 2017 07 01 12:00 午後 [2017年の作品, Cornelius, Depeche Mode, Jesus & Mary Chain, The, Kreator, Maison book girl, Mastodon, Mondo Grosso, ONE OK ROCK, Ride, 「1年のまとめ」, ドレスコーズ] | 固定リンク

2017/05/17

DEPECHE MODE『MUSIC FOR THE MASSES』(1987)

1987年秋にリリースされた、DEPECHE MODE通算6枚目のスタジオアルバム。本作に先駆け、同年春に「Strangelove」(全米76位、全英16位)がシングルリリースされ、続いて夏にオープニングトラック「Never Let Me Down Again」(全米63位、全英22位)をシングル発売。そしてリリースされたアルバムは全米35位、全英10位というアメリカでは過去最高の成績を残し、売上も全米では100万枚を突破しております。本作での成功が、続く7thアルバム『VIOLATOR』(1990年)の大ヒットにつながるわけです。

DEPECHE MODE自体は前作『BLACK CELEBRATION』(1986年)で初めて触れて、その明るくなりきれないエレポップサウンドに惹きつけられたわけですが、初めて自腹で買ったアルバム(CD)がこの『MUSIC FOR THE MASSES』だったのです。それは先に挙げた2枚のシングル「Strangelove」「Never Let Me Down Again」がお気に入りだったこともあったのと、なんとなくアートワークに惹きつけられてというのが大きくて。一見シンプルなんだけど、実はめちゃくちゃ深い意味が込められているんじゃないかって。

あと、初盤のCDにはボーナストラックとしてリミックスが何曲か追加収録されていたんですよ。今思えば、別にDJをやるわけでもないし、絶対に1、2回聴いたら飽きるはずなのに、曲数が少しでも多いってことでアナログよりCDのほうが絶対にお得だ!と子供ながらに思ってしまったんでしょうね。

ちなみに「Never Let Me Down Again」はオリジナルバージョンよりも、イントロに大げさなオーケストレーションが追加&エクスパンドされたリミックスバージョンのほうが気に入っています。のちにリマスタリング再発されたバージョン(CD1枚もの)はこれらのボーナストラックが省かれていたので、あとあとiTunesで探した記憶があります。

さて、本編について。オープニングの「Never Let Me Down Again」から仰々しく、かつ淡々として冷たさのあるデイヴ・ガーン(Vo)のボーカルに惹きつけられます。この派手はリズムも当時の流行りだったような。もちろん全編こういうリズムではなく、賛美歌のようなイントロから軽快な曲調へと変化する「Sacred」や、ダンサブルなエキゾチックポップチューン(と呼びたい)「Behind The Wheel」、吐息をサンプリングしてリズムを組み立てていく「I Want You Now」みたいな曲も含まれているんだけど、オープニングの雰囲気とエンディング「Pimpf」のダークさが相まって、結局全体的に非常に“冷たい”印象の残るアルバムと呼ぶことができます。

そんなアルバムに対して『MUSIC FOR THE MASSES』(「大衆音楽」の意)というタイトルを付けてしまうバンドの遊び心には、思わずニヤッとしてしまいます。とはいえ、メロディラインは非常に優れた楽曲ばかりなので、あながち間違ってはいないわけですけどね。

個人的にはここから続く3作品(『MUSIC FOR THE MASSES』、『VIOLATOR』、そして1993年の『SONGS OF FAITH AND DEVOTION』)は今でも聴き返すことの多い名盤だと思っています。



▼DEPECHE MODE『MUSIC FOR THE MASSES』
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投稿: 2017 05 17 12:00 午前 [1987年の作品, Depeche Mode] | 固定リンク

2015/01/17

Depeche Modeのメタル / ラウド系カバーの私的ベスト10

昨年末からよく聴いているのが、Depeche Modeの最新ライブアルバム「Live in Berlin Soundtrack」。一昨年春にリリースされたオリジナルアルバム「Delte Machine」を引っさげて行われたワールドツアーの音源ですね。残念ながらDepeche Modeの来日公演は1990年くらいに「Violator」を携えてのツアー(武道館公演に行きました)以来実現しておらず、最近でこそ新作リリース後は毎回ツアーDVDやライブCDが発売されるものの、90年代は完全に“死”でしたよね(といっても、90年代半ばはバンド自体が本当の意味で“死”の状態だったのでアレですが)。それこそ「Songs of Faith And Devotion」のツアーが観られなかったのは痛かったなあと。

結局今回の「Delte Machine」ツアーでも、現時点で来日公演は実現していないわけでして。すでにライブ作品が発売されてるってことは……わかります。はい。残念でなりませんが。

さて、話題は変わり。Depeche Modeが好きなメタル / ラウド系バンドって多いですよね。特にデスメタル / ゴシックメタル以降のバンドに多いのかしら。というわけで、今回は「Depeche Modeのメタル / ラウド系カバーの私的ベスト10」という、かなりこじつけ色の強いセレクト。自分が知ってるもの、検索して引っかかって聴いたら気に入ったものを、無理矢理10曲にまとめました。順番は原曲のリリース順……のはずです。まずは、In Flamesを気に入るきっかけになったこのカバーから……。

1. In Flames / Everything Counts

2. A Perfect Circle / People Are People

3. Monster Magnet / Black Celebration

4. Rammstein / Stripped

5. The Smashing Pumpkins / Never Let Me Down Again

6. Deftones / To Have And To Hold

7. Northern Kings / Strangelove

8. Marilyn Manson / Personal Jesus

9. Lacuna Coil / Enjoy The Silence

10. Vader / I Feel You


さて、下の2曲はメタルじゃないけどオマケ。個人的に気に入ってるカバーです。サミー・ヘイガーの「I Feel You」は個人的にナシです。そんな陽気にやられてもねえ。


A-Ha / A Question Of Lust

Johnny Cash / Personal Jesus


にしてもライブアルバム「Live in Berlin Soundtrack」。僕はCDのみの輸入盤を購入してしまったんですが、実はDVD付きのボックスセットも発売されてるんですよね。買ってから知りました(ビョークのBlu-ray+CDもしかり)。アントン・コービンが監督を手がけたというライブ映像もぜひ観てみたいですし、何よりも最新のライブの様子を確認したいですからね。もう1セット購入することになりそうです……はあ。



▼Depeche Mode「Live in Berlin Soundtrack」
(amazon:日本盤CD / 輸入盤CD / 輸入盤BOX / MP3

投稿: 2015 01 17 12:03 午前 [2014年の作品, Depeche Mode, 「私的ベスト10」] | 固定リンク

2004/08/29

とみぃ洋楽100番勝負(10)

 やっと十分の一。毎日更新したとして、あと3ヶ月近くかぁ‥‥ ま、ユルく進めていくんで、ひとつヨロシク。

●第10回「A Question Of Lust」 DEPECHE MODE('86)

 ヨーロッパ特有の暗さ+インダストリアルやエレポップといった要素を取り入れた中での成功例。こいつらがいなけりゃソフトバレエもNINE INCH NAILSも生まれなかったんじゃないか、ってくらいにね。

 多分一番最初に聴いたのは、この曲より前のアルバムに入ってる "People Are People" だったと思うけど、個人的にグサリときたのが表題曲を含む5枚目のアルバム「BLACK CELEBRATION」だった、と。どれも好きな曲ばかりで、ホントは "Black Celebration" か "A Question Of Time" か "Stripped" かこれかで悩んだんだけど、結局好きになる切っ掛けだった "A Question Of Lust" に。

 暗さだけでいったら他の曲やその後のアルバムの方がもっと暗くて重い曲が多いんだけど、何か知らないけどつい口ずさんじゃうんだよね、この曲は。テンポ的にもスローだし、曲調自体はメジャーキーだし、決して暗いとは言い難いんだけど、やっぱり独特な空気感があってね。それだけで合格!みたいな。ホント、有無を言わさぬ説得力を持ってる曲なのね。

 正直、DEPECHE MODEは「BLACK CELEBRATION」以降のアルバム‥‥「MUSIC FOR THE MASSES」も「VIOLATOR」も「SONGS OF FAITH AND DEVOTION」も、どれも捨て難いのね。全部好き。その後の「ULTRA」はイマイチだったし、「EXITER」はあと一歩だったけど、ホント初期も含めて大好きなバンドのひとつ。「VIOLATOR」リリース後の来日公演('91年だっけ?)も行ったなぁ‥‥思えばあれが最後の来日だったよなぁ‥‥海外ではU2並みにスタジアムを沸かせた時期('90年代)に来日しなかったから、海外と日本での評価がここまで違ってしまったんだよね‥‥ホント勿体ない存在。



▼DEPECHE MODE「BLACK CELEBRATION」(amazon

投稿: 2004 08 29 12:00 午前 [1986年の作品, Depeche Mode, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック