2006/03/20

WITCH『WITCH』(2006)

 ついさっきまで、今日買ってきたBLACK SABBATHのアルバムを聴いてたんだけど。ある瞬間にふと、あるアルバムの存在を思い出して。今月の頭にAmazonで購入したはいいものの、全然聴く余裕がなくて放ったらかしにしてたアルバムを。

 WITCHというバンドについて、皆さんどれくらいの知識があるでしょうか? へっ、ANGEL WITCHじゃないですよ。そう、WITCH。しかも今年デビューした新人バンド。2006年にWITCHなんてバンド名を付けてしまうそのセンスもすごいですが、やってる音楽もこれまた2006年の音じゃなくてね‥‥完全なヘヴィーロック/ストーナーロックですわ、これ。

 DINOSAUR JR.のファンの人なら知ってるかもしれませんが、実はこのバンドってDINOSAURのJマスシスが結成した新バンドなんですよ。しかもJはギターやボーカルじゃなくて、ドラマーとして参加してるんですね。何でもJはここ最近、ハードロックにとても興味があるようでして(つーかお前がこれまでやってきたこと自体がハードロックじゃねーか!っていうツッコミはなしの方向で)。友人のデイヴ・スウィートアップル(Bass)と一緒に始めたのが、このWITCHというバンドでして。そこにニュー・イングランド出身のカイル・トーマス(Guitar & Vocal)とアーサ・アイアンズ(Guitar)という、FEATHERSってバンドのメンバーを迎えて4人でアルバム作って。それがこの「WITCH」ってアルバムなんですよ。

 ま、DINOSAUR以上にハードロックですよね、これは。完全に'70年代のアーシーなハードロック。現代のカテゴリーでいうと、ストーナーとかドゥームロックっていうのかしら(要するに、ハッパでアレして(Stoned)演奏して、聴く方もキメて聴く音楽っていうことね)。古くはBLACK SABBATH、最近でメジャーなのだとQUEENS OF THE STONE AGE辺りになるのかな?(むしろその前身のKYUSS辺りか)あとは‥‥って名前を出したところでそのへんとの比較論になりそうなので、止めておきますが。

 とにかく、Jのドラムも面白いんだけど、それ以上に普通にストーナーしててカッコいい。数年前にデイヴ・グロール(FOO FIGHTERS)がメタルをやるっていう企画盤(PROBOT)があったけど、アレはあくまで企画モノなイメージが強い。でも今回は「バンド」っていう意識が強いのかな、聴いててすごく自然なのね。真性のドゥームロック/ストーナーロックファンにどう受け入れられるのかは判らないけど、DINOSAUR好きで普通にハードロックも好きな俺にとっては、これは良いアルバムですよ、普通に楽しめるもん。

 ギターのファズのかけ具合が妙にJっぽいのは気のせい? ソロとかは‥‥まぁちょっと違うかな、って気もするけど。つーかJのドラミングが笑える笑える。その姿を想像しただけで、もうニヤニヤもんですよ。

 ま、確かにこれよりも遥かにカッコいいストーナーものは沢山あるだろうし、これやるんだったら早くDINOSAURのアルバム作れよ!って声もあるだろうけど。俺は別にこれ、楽しめたからいいや。つーか、すっかり買ったことを忘れてたから、ちょっと儲けモンかな、って。

 っていうか、このアルバムをぜひ今のBLACK SABBATHの面々に聴かせてみたいね。君ら、進むべき道に迷ってる場合じゃないよ?って。



▼WITCH「WITCH」(amazon

投稿: 2006 03 20 12:24 午前 [2006年の作品, Dinosaur Jr., Witch] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/02/26

DINOSAUR Jr.『ZOMBIE WORM』(2006)

 DINOSAUR Jr.が初期のメンバー‥‥J・マスシス、ルー・バーロウ、マーフの3人で活動再開したのが去年の春。それから世界中をツアーし、いろいろなフェスにも出演し、そして2005年7月にはいよいよ日本に上陸。過去、何度かDINOSAUR Jr.名義では来日しているものの、それはルー脱退後の、所謂「メジャー後」の彼等。つまり昨年のフジロックでのステージが、初期メンバーでの初来日となったわけ。

 人にやっては「DINOSAUR Jr.といえば "The Wagon" でしょ?」とか「"Out There" は名曲だよね」とか「"Feel The Pain" のPVが面白くてさぁ〜」と、メジャー移籍後のイメージしかできないかと思います。実はこの俺も、そのひとりだったわけ。少なくとも去年のフジロックを観るまでは。勿論初期の作品もひと通り聴いてきてたし、好きな曲も多かったけど、どうしても思い入れとなるとメジャー後の作品になっちゃって。リアルタイムで聴いたのが多分「GREEN MIND」の頃だからさ‥‥

 J・マスシス(発音的には「マスキス」が正しいんだよね確か)というソングライター。実は個人的にすごく好きなひとりでして。ギタリストとしても勿論好きだし、あのやる気を感じさせないボーカルスタイルも気に入ってるんですが、やはりこの人のソングライターとしての非凡さには目を見張るものがあるな、と。それは既に1stアルバム「DINOSAUR」の頃から確立されていて、それが時間を追う毎にどんどんと覚醒、整頓されていく様がすごいなぁ、とアルバムを時系列に沿って聴いてくと思うわけ。その辺は、オールタイムベストとなる「EAR BLEEDING COUNTRY : THE BEST OF DINOSAUR Jr.」を聴いてもらうと非常に判りやすいんじゃないかと(ほぼリリース順に曲が並び、最後にDINOSAUR後のJのバンド「J MASCIS + THE FOG」の音源が入ってますからね)。

 今回、彼等の「初のオリジナルメンバーでのジャパンツアー」に合わせてリリースされたのが、この「ZOMBIE WORM」と題されたベストアルバム。オリジナル編成でリリースした3枚のアルバム+EP収録曲、そして数曲のライヴテイクによって構成されるこのベスト盤、今のところ日本限定リリースとなっています。初回盤には、初期3作の日本盤にのみCD-EXTRAで収録していたPV4曲が別途DVDで付いてくる貴重な1品。

 こうやって聴くと、やはり基本路線は何も変わってなくて(当たり前だ、同じ人間が曲書いてギター弾いて歌ってるんだから)、やはりアルバムを重ねる毎にどんどんと純度が濃くなって、整頓されていってる気がします。それが人によっては「丸くなった」とか「大人になった」って取られるのかもしれないけど、全然そんなことないよねぇ? 勿論、ここで聴ける初期衝動的な作風は唯一無二なものだと思うけど‥‥それでも、やっぱり俺は全部好きだからねぇ。冷静な判断は下せません。

 彼等の歴史をザーッとおさらいしたい人には「EAR BLEEDING COUNTRY : THE BEST OF DINOSAUR Jr.」はオススメかもしれないけど、やっぱり各アルバムから1〜2曲なので、まずは現行の彼等をよく知るためにも今回のベスト盤を最初に聴いて欲しいな、と。これ聴いて、あとは1stから順を追って聴いていくのが一番良いと思います。んで、ベスト盤の最後に入ってるライヴテイク2曲(2005年11月30日のテイク! "Forget The Swan" と "Freak Scene" という選曲も良いスね!)を聴いて、いてもたってもいられなくなった君。悪いことは言いません。是非現在絶賛開催中のジャパンツアーに足を運びましょう! ま、東京は今日日曜と明日月曜しかありませんが‥‥

 というわけで、これをアップした後、俺はSHIBUYA-AXに行ってきます! もしかしたら、明日も行ってるかもね‥‥フフフ。



▼DINOSAUR Jr.「ZOMBIE WORM」(amazon:DVD付初回盤通常盤

投稿: 2006 02 26 03:46 午後 [2006年の作品, Dinosaur Jr.] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/05/08

DINOSAUR JR.『WHERE YOU BEEN』(1993)

J・マスシス率いるDINOSAUR JR.の、通算6作目(だよね?)となるアルバム「WHERE YOU BEEN」は、ある意味『時代のど真ん中』に投下された爆弾みたいなものでした。前作「GREEN MIND」がリリースされたのが'91年初頭。そう、まだNIRVANAを始めとするグランジの波が訪れる以前の制作/リリース。いろんな意味でその後のアメリカ・ギターロック・シーンを変えてしまったグランジ・ムーブメント‥‥ある意味「GREEN MIND」という傑作は、そのシーンの中で語られる機会が多かったと記憶しています。

そして'93年2月。グランジの津波が依然絶えない時期にドロップされたこのアルバム。メディアや音楽ファンの間でも賛否両論だった1枚‥‥当時の音楽雑誌では確か「J・マスシスがニール・ヤングになってしまった」とか何とかいって、酷評されていたような気が‥‥それくらい前作との違いを感じさせる、意欲的な1枚だったといえるでしょうね。

確かに泣きのギターやドッシリとしたマイナーミドルチューンにJ・マスシスの歌が載ると、何となくニール・ヤングっぽいような気さえするよな‥‥うん、そういえば当時このアルバムを聴いた時、同じようなことを感じたかも。けどそれって雑誌での予備知識があったからかもしれないし(聴いたのが先か、雑誌読んだのが先か、実はもうよく覚えてないんですが)‥‥ただね、ひとつだけ確かなことがあるのよ。それは‥‥俺にとっては、明らかに「GREEN MIND」よりもこの「WHERE YOU BEEN」の方が好きだった、一発で気に入ってしまったという点。この事実だけは変えようがないしね。事実、今でもよく聴くDINOSAUR JR.のアルバムとなると、真っ先に手を出すのはこのアルバムだしね(ま、だから最初に取り上げる作品もこれに決めたわけだけど)。世間的には「GREEN MIND」であったり、あるいはそれ以前のインディーズ時代の作品なんだろうけどさ、俺が彼ら(というかJ)を認識し、受け入れたのがこのアルバムからだったんだから、そりゃ仕方ないよね。

単なる轟音ギターバカで終わらない、いちソングライターとして、そしていちミュージシャンとしての成長を伺わせる内容で、楽曲のバラエティーも非常に広がっていると思います。NIRVANAという存在がいたからこその成長/変化だった、と取ることもできますが‥‥まぁ単純にそういう時期だったんでしょうね。決して歌の上手い人ではないんだけど、このギターとこの曲には、やはりこの頼りなさげなJのボーカルじゃないとハマらないんだよね。

俺、よくさ、「胸を掻きむしられるような情熱的な曲」ってのを求める時期があるのね。どうしようもなく切なくなって‥‥本当はそれを他者(=女性)に求めればいいんだろうけど、なかなかそうもいかないこともあってね(深く追求するなそこ)。そういう時に必ず聴きたくなるのが、このアルバムの1曲目、"Out There"。熱すぎないボーカルなのに、ギターフレーズだけはもう涙腺緩みまくりな名フレーズの連続。ホント、この1曲だけの為にアルバム引っ張り出すこともしばしば。そんだけ俺、愛に飢えてるってことか‥‥!?

ほのぼのした歌モノあり、轟音ギターが載った疾走チューンあり、アコースティック主体の聴かせる曲ありで、インディーギターロックやグランジといった表現では片付けられない、いや、片付けてはいけない魅力的な楽曲ばかり。ま、初期の彼らを好む人達からは「終わった」作品なのかもしれないけど、正直俺はここから「今のJ・マスシス」が始まったと思ってるような人なのでね。現在の彼のソロアルバムが好きな人は間違いなく一発で気に入る作品集だと思いますよ。

NIRVANAとかニール・ヤングとかグランジとかインディーギターロックとか‥‥正直、そんなのどうでもいいのよ。別にDINOSAUR JR.を語るのに必ず必要な要素だとも思えないし(いや、必要なのかもしれないけどさ)‥‥個人的にはまず、まっさらな状態でいきなり聴いて欲しい1枚。そう、こんな駄文読む前に、まずは聴いてみてくださいよ!



▼DINOSAUR JR.『WHERE YOU BEEN』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2004 05 08 08:29 午前 [1993年の作品, Dinosaur Jr.] | 固定リンク