カテゴリー「Dinosaur Jr.」の7件の記事

2018年2月 1日 (木)

V.A.『KISS MY ASS: CLASSIC KISS REGROOVED』(1994)

1994年6月にリリースされた、KISSのトリビュートアルバム。ちょうどKISS結成20周年を記念して、当時のメンバーも制作に携わった1枚で、レニー・クラヴィッツガース・ブルックスANTHRAXGIN BLOSSOMSTOAD THE WET SPROCKETDINOSAUR JR.EXTREMETHE LEMONHEADSTHE MIGHTY MIGHTY BOSSTONESといったメタル/オルタナ/カントリーなどKISSに影響を受けた幅広いジャンルのアーティストに加え、ここ日本からもYOSHIKI(X JAPAN)が参加。さらに、メイナード・キーナン(TOOL)、トム・モレロ&ブラッド・ウィルク(RAGE AGAINST THE MACHINE)、ビリー・グールド(FAITH NO MORE)からなるスペシャルユニットSHANDI'S ADDICTION(JANE'S ADDICITONをKISSの楽曲「Shandi」にひっかけてもじったもの)まで参加しております。

まあKISS愛に溢れた……というよりは、各アーティストが平常運転でKISSの楽曲をカバーしたといったほうが正しいのかもしれませんね。だって、1曲目の「Deuce」からレニー・クラヴィッツ、直球勝負でカバーしつつも彼らしく味付けしてますから。ちなみにこの曲、ハーモニカでスティーヴィー・ワンダーもゲスト参加してます。

かと思えば、KISSご本家が演奏で加わったガース・ブルックス「Hard Luck Woman」は、カバーというよりもコピー。本家がいつもどおりに演奏して、ポール・スタンレーがハーモニーで加わっているんだから、そりゃあ“まんま”になっても仕方ないですよね(笑)。ANTHRAXの「She」も平常運転、というか途中まで“まんま”すぎて、後半に彼らならではのこだわりのアレンジが加わるという。この時期の彼らは、ボーカルがジョン・ブッシュ時代なので、こういったジーン・シモンズ色の強い曲はピッタリですね。

そういえば、1994年というとグランジブーム末期というタイミングで、KISSから影響を受けたと公言するグランジバンドも少なくありませんでした。そういうこともあって、GIN BLOSSOMS、TOAD THE WET SPROCKET、DINOSAUR JR.あたりのグランジ/オルタナロックバンドのKISSカバーは良い味を醸し出しています。GIN BLOSSOMS「Christine Sixteen」こそストレートなカバーですが、TOAD THE WET SPROCKET「Rock And Roll All Nite」のアコースティックスローカバー、DINOSAUR JR.「Goin' Blind」のヘヴィで泣きまくり、かつ脱力系なカバーは完璧すぎるほどの素晴らしい仕上がり。1994年という時代感を見事に反映した、本作の中でもベストテイクと言えるでしょう。

そして、本作中もっとも異色のカバーがSHANDI'S ADDICTION「Calling Dr. Love」。トム・モレロの変態ギターを存分に活かしたテイクで、参加メンバーの各バンドの個性が見事に反映されたアレンジは、最高の一言。のちのヘヴィロック/ラウドロック一大革命を先取った1曲と言えるかもしれません。

その他にも、EXTREMEらしくファンクロック的“ハネた”ミディアムナンバーへと昇華させた「Strutter」、あの有名なツインリードギターをブラスで再現した爆笑モノのTHE MIGHTY MIGHTY BOSSTONES「Detroit Rock City」、いかにもYOSHIKI、というかまんまX JAPANな「Black Diamond」のオーケストラバージョン、ボーナストラックとして追加されたドイツのバンドDIE ÄRZTEの「Unholy」ドイツ語カバー(途中でディスコな“あの曲”も飛び出したり)など、聴きどころ満載。トリビュートアルバムとしては、かなり力の入った1枚ではないでしょうか。そりゃまあ、アーティスト本人が尽力してるんだもんね。

ちなみに本作、今のようにKISSがメイク時代に戻る前の作品ながらも、全米19位まで上昇。50万枚を超えるヒット作となりました。今思えば、このへんの成功が数年後のオリメン&メイク復活の布石になったんでしょうね。

なお、本作はストリーミング配信はおろか、デジタル配信自体が行われておりません。勿体ないったらありゃしない。



▼V.A.『KISS MY ASS: CLASSIC KISS REGROOVED』
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2017年12月19日 (火)

V.A.『JUDGEMENT NIGHT: MUSIC FROM THE MOTION PICTURE』(1993)

1993年公開のアメリカのアクション映画『ジャッジメント・ナイト』のサウンドトラックとして、同年秋にリリースされたのが本作。映画自体は未見ですが(ずいぶん前に地上波で深夜に放送されていたようですが、完全に忘れてました)、ここではその内容はどうでもよく。いや、ぶっちゃけ音楽ファン的には映画以上にサントラのほうが重要視されている作品ではないでしょうか。

本作は、曲ごとにヘヴィ/オルタナティヴロックバンドがヒップホップアーティストとコラボレートするという、およそ映画の内容とは関係のない構成。ロックファン的には参加バンドが気になるところですが、このセレクトがかなり謎でして。

以下にコラボレーションの詳細を記します(前者がロック系、後者がヒップホップ系アーティスト)


HELMET / HOUSE OF PAIN
TEENAGE FANCLUB / DE LA SOUL
LIVING COLOUR / RUN DMC
・BIOHAZARD / ONYX
SLAYER / ICE-T
FAITH NO MORE / BOO-YAA T.R.I.B.E.
・SONIC YOUTH / CYPRESS HILL
MUDHONEY / SIR MIX-A-LOT
DINOSAUR JR. / DEL THE FUNKY HOMOSAPIEN
THERAPY? / FATAL
PEARL JAM / CYPRESS HILL


SLAYERのような大御所メタルバンドやHELMET、FAITH NO MOREといったヘヴィなオルタナティヴバンド、LIVING COLOURみたいな黒人ハードロックバンドもいれば、MUDHONEYやPEARL JAMといったグランジ勢もいる。かと思うと、まだアメリカでは無名に等しいアイルランドのTHERAPY?まで参加しているんだから、本当に謎です。

実際に収録されている楽曲も、それぞれの個性が出た面白いものが多数。1曲目のHELMET / HOUSE OF PAINによる「Just Another Victim」からしてカッコ良いし、続く脱力系なTEENAGE FANCLUB / DE LA SOULの「Fallin'」も意外と悪くない。LIVING COLOUR / RUN DMCの「Me, Myself & My Microphone」なんてそもそも両者黒人なんだから相性が悪いわけがない(しまもRUN DMCはAEROSMITHとの“前科”もあるしね)。

本作の山場となるのが4曲目のBIOHAZARD / ONYX「Judgement Night」と、5曲目 のSLAYER / ICE-T「Disorder」、そして6曲目のFAITH NO MORE / BOO-YAA T.R.I.B.E.「Another Body Murdered」かな。「Judgement Night」は完全にヒップホップに寄せていて、そこにハードなギターが乗るという。こちらの組合せも非常に自然なものですし、そりゃあこうなるわなと。

で、SLAYER / ICE-Tという組み合わせですよ。ICE-T自身もBODY COUNTというハードコアバンドをやってますし、この組み合わせだったらそりゃあロック寄りになるでしょうね……っていうか、完全にSLAYERの土俵にICE-Tが踏み込んでるし。曲自体はEXPLOITEDのカバー(「War」「UK '82」「Disorder」のメドレー)で、このへんの試みがパンク/ハードコアのカバーアルバム『UNDISPUTED ATTITUDE』(1996年)につながったのかもしれませんね。

FAITH NO MORE / BOO-YAA T.R.I.B.E.という組み合わせも、実際に曲を聴いてしまうと何ら違和感がなく、むしろマイク・パットン先生の土俵ですね、これ。FAITH NO MOREのアルバムにそのまま入っていたとしても、別に不思議じゃない仕上がり。いやあ、面白い。

確かに全部が全部、成功しているとは言い切れないコラボアルバムではありますが、ここでの実験が翌年以降のメタル/ラウドシーンに大きな影響を与えた……というのは言い過ぎでしょうか? でも、それくらい意味のある実験でしたし、重要な作品だと思うんですよね。

ちなみに、数年後に映画『スポーン』のサウンドトラックで、今度はロックバンドとダンス/エレクトロ系アーティストのコラボレーションが実践されましたが、こちらは成功とは言い難い仕上がりでした。柳の下に二匹目のドジョウはいなかったわけですね。わかります。



▼V.A.『JUDGEMENT NIGHT: MUSIC FROM THE MOTION PICTURE』
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2015年1月13日 (火)

祝ご成人(1994年4月〜1995年3月発売の洋楽アルバム20枚) ※改訂版

新成人の皆さん、おめでとうございます。というわけで今回は、新成人の皆さんが生まれた年(学年的に1994年4月〜1995年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れがある作品を20枚ピックアップしました。どれも名盤ばかりなので、もし聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にお手にしてみてはいかがでしょうか。とは言いながらも大半が名盤中の名盤なので、聴いたことがあるものばかりかもしれませんが。

あ、並びはすべてアルファベット順です。

Beastie Boys「Ill Communication」(Amazon

Blur「Parklife」(Amazon

Dinosaur Jr.「Without a Sound」(Amazon

Helmet「Betty」(Amazon

Jeff Buckley「Grace」(Amazon

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2006年3月20日 (月)

WITCH『WITCH』(2006)

 ついさっきまで、今日買ってきたBLACK SABBATHのアルバムを聴いてたんだけど。ある瞬間にふと、あるアルバムの存在を思い出して。今月の頭にAmazonで購入したはいいものの、全然聴く余裕がなくて放ったらかしにしてたアルバムを。

 WITCHというバンドについて、皆さんどれくらいの知識があるでしょうか? へっ、ANGEL WITCHじゃないですよ。そう、WITCH。しかも今年デビューした新人バンド。2006年にWITCHなんてバンド名を付けてしまうそのセンスもすごいですが、やってる音楽もこれまた2006年の音じゃなくてね‥‥完全なヘヴィーロック/ストーナーロックですわ、これ。

 DINOSAUR JR.のファンの人なら知ってるかもしれませんが、実はこのバンドってDINOSAURのJマスシスが結成した新バンドなんですよ。しかもJはギターやボーカルじゃなくて、ドラマーとして参加してるんですね。何でもJはここ最近、ハードロックにとても興味があるようでして(つーかお前がこれまでやってきたこと自体がハードロックじゃねーか!っていうツッコミはなしの方向で)。友人のデイヴ・スウィートアップル(Bass)と一緒に始めたのが、このWITCHというバンドでして。そこにニュー・イングランド出身のカイル・トーマス(Guitar & Vocal)とアーサ・アイアンズ(Guitar)という、FEATHERSってバンドのメンバーを迎えて4人でアルバム作って。それがこの「WITCH」ってアルバムなんですよ。

 ま、DINOSAUR以上にハードロックですよね、これは。完全に'70年代のアーシーなハードロック。現代のカテゴリーでいうと、ストーナーとかドゥームロックっていうのかしら(要するに、ハッパでアレして(Stoned)演奏して、聴く方もキメて聴く音楽っていうことね)。古くはBLACK SABBATH、最近でメジャーなのだとQUEENS OF THE STONE AGE辺りになるのかな?(むしろその前身のKYUSS辺りか)あとは‥‥って名前を出したところでそのへんとの比較論になりそうなので、止めておきますが。

 とにかく、Jのドラムも面白いんだけど、それ以上に普通にストーナーしててカッコいい。数年前にデイヴ・グロール(FOO FIGHTERS)がメタルをやるっていう企画盤(PROBOT)があったけど、アレはあくまで企画モノなイメージが強い。でも今回は「バンド」っていう意識が強いのかな、聴いててすごく自然なのね。真性のドゥームロック/ストーナーロックファンにどう受け入れられるのかは判らないけど、DINOSAUR好きで普通にハードロックも好きな俺にとっては、これは良いアルバムですよ、普通に楽しめるもん。

 ギターのファズのかけ具合が妙にJっぽいのは気のせい? ソロとかは‥‥まぁちょっと違うかな、って気もするけど。つーかJのドラミングが笑える笑える。その姿を想像しただけで、もうニヤニヤもんですよ。

 ま、確かにこれよりも遥かにカッコいいストーナーものは沢山あるだろうし、これやるんだったら早くDINOSAURのアルバム作れよ!って声もあるだろうけど。俺は別にこれ、楽しめたからいいや。つーか、すっかり買ったことを忘れてたから、ちょっと儲けモンかな、って。

 っていうか、このアルバムをぜひ今のBLACK SABBATHの面々に聴かせてみたいね。君ら、進むべき道に迷ってる場合じゃないよ?って。



▼WITCH「WITCH」(amazon

2006年2月26日 (日)

DINOSAUR Jr.『ZOMBIE WORM』(2006)

 DINOSAUR Jr.が初期のメンバー‥‥J・マスシス、ルー・バーロウ、マーフの3人で活動再開したのが去年の春。それから世界中をツアーし、いろいろなフェスにも出演し、そして2005年7月にはいよいよ日本に上陸。過去、何度かDINOSAUR Jr.名義では来日しているものの、それはルー脱退後の、所謂「メジャー後」の彼等。つまり昨年のフジロックでのステージが、初期メンバーでの初来日となったわけ。

 人にやっては「DINOSAUR Jr.といえば "The Wagon" でしょ?」とか「"Out There" は名曲だよね」とか「"Feel The Pain" のPVが面白くてさぁ〜」と、メジャー移籍後のイメージしかできないかと思います。実はこの俺も、そのひとりだったわけ。少なくとも去年のフジロックを観るまでは。勿論初期の作品もひと通り聴いてきてたし、好きな曲も多かったけど、どうしても思い入れとなるとメジャー後の作品になっちゃって。リアルタイムで聴いたのが多分「GREEN MIND」の頃だからさ‥‥

 J・マスシス(発音的には「マスキス」が正しいんだよね確か)というソングライター。実は個人的にすごく好きなひとりでして。ギタリストとしても勿論好きだし、あのやる気を感じさせないボーカルスタイルも気に入ってるんですが、やはりこの人のソングライターとしての非凡さには目を見張るものがあるな、と。それは既に1stアルバム「DINOSAUR」の頃から確立されていて、それが時間を追う毎にどんどんと覚醒、整頓されていく様がすごいなぁ、とアルバムを時系列に沿って聴いてくと思うわけ。その辺は、オールタイムベストとなる「EAR BLEEDING COUNTRY : THE BEST OF DINOSAUR Jr.」を聴いてもらうと非常に判りやすいんじゃないかと(ほぼリリース順に曲が並び、最後にDINOSAUR後のJのバンド「J MASCIS + THE FOG」の音源が入ってますからね)。

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2005年8月12日 (金)

ドキュメント・FRF'05

 遅くなりましたが、7/28〜8/1の間参加した今年のフジロックフェスティバルについて、簡単なレポートというか、まぁ「記憶の記録」でもしておこうかと。ハッキリ言って、他所のサイトみたいに(あるいはこれまでのライヴみたいに)キッチリしたライヴレポートは書く気、全くないです。つーか書きたくないので。今、そういうのに対して殆ど興味がないというか、やりたいと思わないのですよ。

 てなわけで、今年は趣向を変えて、7/28〜7/31の4日間、某所にてリアルタイム更新をしていた時のログと携帯で撮影した写真とを併せてアップしようかな、と。そんなこまめに更新してたわけじゃないけど(いや、今見たら結構尋常じゃない数アップしてたのね俺)雰囲気だけは伝わるかな、と。正直、苗場でのフジロックは個人的にも今年で6回目だし、そろそろそういう「ライヴレポ」的なものはいいかな、と‥‥

 ではでは前夜祭当日、7/28(木)早朝からいきましょう。もう2週間も経っちゃったのね‥‥

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2004年5月 8日 (土)

DINOSAUR JR.『WHERE YOU BEEN』(1993)

J・マスシス率いるDINOSAUR JR.の、通算6作目(だよね?)となるアルバム「WHERE YOU BEEN」は、ある意味『時代のど真ん中』に投下された爆弾みたいなものでした。前作「GREEN MIND」がリリースされたのが'91年初頭。そう、まだNIRVANAを始めとするグランジの波が訪れる以前の制作/リリース。いろんな意味でその後のアメリカ・ギターロック・シーンを変えてしまったグランジ・ムーブメント‥‥ある意味「GREEN MIND」という傑作は、そのシーンの中で語られる機会が多かったと記憶しています。

そして'93年2月。グランジの津波が依然絶えない時期にドロップされたこのアルバム。メディアや音楽ファンの間でも賛否両論だった1枚‥‥当時の音楽雑誌では確か「J・マスシスがニール・ヤングになってしまった」とか何とかいって、酷評されていたような気が‥‥それくらい前作との違いを感じさせる、意欲的な1枚だったといえるでしょうね。

確かに泣きのギターやドッシリとしたマイナーミドルチューンにJ・マスシスの歌が載ると、何となくニール・ヤングっぽいような気さえするよな‥‥うん、そういえば当時このアルバムを聴いた時、同じようなことを感じたかも。けどそれって雑誌での予備知識があったからかもしれないし(聴いたのが先か、雑誌読んだのが先か、実はもうよく覚えてないんですが)‥‥ただね、ひとつだけ確かなことがあるのよ。それは‥‥俺にとっては、明らかに「GREEN MIND」よりもこの「WHERE YOU BEEN」の方が好きだった、一発で気に入ってしまったという点。この事実だけは変えようがないしね。事実、今でもよく聴くDINOSAUR JR.のアルバムとなると、真っ先に手を出すのはこのアルバムだしね(ま、だから最初に取り上げる作品もこれに決めたわけだけど)。世間的には「GREEN MIND」であったり、あるいはそれ以前のインディーズ時代の作品なんだろうけどさ、俺が彼ら(というかJ)を認識し、受け入れたのがこのアルバムからだったんだから、そりゃ仕方ないよね。

単なる轟音ギターバカで終わらない、いちソングライターとして、そしていちミュージシャンとしての成長を伺わせる内容で、楽曲のバラエティーも非常に広がっていると思います。NIRVANAという存在がいたからこその成長/変化だった、と取ることもできますが‥‥まぁ単純にそういう時期だったんでしょうね。決して歌の上手い人ではないんだけど、このギターとこの曲には、やはりこの頼りなさげなJのボーカルじゃないとハマらないんだよね。

俺、よくさ、「胸を掻きむしられるような情熱的な曲」ってのを求める時期があるのね。どうしようもなく切なくなって‥‥本当はそれを他者(=女性)に求めればいいんだろうけど、なかなかそうもいかないこともあってね(深く追求するなそこ)。そういう時に必ず聴きたくなるのが、このアルバムの1曲目、"Out There"。熱すぎないボーカルなのに、ギターフレーズだけはもう涙腺緩みまくりな名フレーズの連続。ホント、この1曲だけの為にアルバム引っ張り出すこともしばしば。そんだけ俺、愛に飢えてるってことか‥‥!?

ほのぼのした歌モノあり、轟音ギターが載った疾走チューンあり、アコースティック主体の聴かせる曲ありで、インディーギターロックやグランジといった表現では片付けられない、いや、片付けてはいけない魅力的な楽曲ばかり。ま、初期の彼らを好む人達からは「終わった」作品なのかもしれないけど、正直俺はここから「今のJ・マスシス」が始まったと思ってるような人なのでね。現在の彼のソロアルバムが好きな人は間違いなく一発で気に入る作品集だと思いますよ。

NIRVANAとかニール・ヤングとかグランジとかインディーギターロックとか‥‥正直、そんなのどうでもいいのよ。別にDINOSAUR JR.を語るのに必ず必要な要素だとも思えないし(いや、必要なのかもしれないけどさ)‥‥個人的にはまず、まっさらな状態でいきなり聴いて欲しい1枚。そう、こんな駄文読む前に、まずは聴いてみてくださいよ!



▼DINOSAUR JR.『WHERE YOU BEEN』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

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