2018年8月26日 (日)

DONNIE VIE『GOODBYE: ENOUGH Z'NUFF』(2014)

2013年にENUFF Z'NUFFを脱退したドニー・ヴィ(Vo, G)が、同年に行ったツアー「Magical History Tour」からセレクトされた音源で構成された、2014年2月発売のライブアルバム。フィジカルではCD+DVDで発売され、DVDにはライブの模様に加え、ENUFF Z'NUFF時代のMVがたっぷり収録されています(MV自体の画質はかなりひどいですが)。

さて、このアルバムタイトル……ズナフの2ndアルバム『STRANGTH』(1991年)の収録曲から取ったものです(本ライブアルバムの最後にも収録されています)が、サブタイトルとして付けられた「ENOUGH Z'NUFF」によってその意味合いがかなり変わってくるのではないでしょうか。そこにこのアルバムジャケット。これを知ったときは「ああ、もう復帰はあり得ないんだろうな……」と気持ちを切り替えたことをよく覚えています。悲しかったけどね。

ここで演奏されている楽曲は、ファンならお気づきかと思いますがすべてENUFF Z'NUFF時代の楽曲。これらがドニーのアコギやピアノ弾き語りで表現されています。やっぱりこの“声”なんですよね。何ものにも変えがたい、唯一無二の歌声。この声でグラムメタルやパワーポップ的な楽曲を歌うからこそ、ほかの同系統バンドとは異なる艶やかさが生まれ、オリジナルな存在になれたわけですから。

そして、改めて良曲の多いバンドであると同時に、こうやってギター1本で歌っても魅力が落ちないことに驚かされる楽曲をたくさんもっとバンドだったんだな……と過去形で言いたくなるくらい、いろんなしがらみから解き放たれたドニーの歌を楽しめる、好企画盤だと思います。たとえこれが小金稼ぎのために無理やり作ったものだとしても、すでに脱退したメンバーを含む、30年近く前の音源を発表する今のあのバンドより、こちらを支持したいな。

曲によってはシンガーソングライターのバズ・フランシスがハーモニーで華を添えています。「You Got A Hold On Me」や「New Thing」あたりが、まさにそれ。ラスト2曲(「Someday」「Goodbye」)のバラードもそうですね。

にしても、「There Goes My Heart」や「Fly High Michelle」「Time To Let You Go」はいつ聴いても色褪せない名曲中の名曲だなと。「There Goes My Heart」が発表された時期には、ズナフも再びオーバーグラウンドへ浮上できるんじゃないか……と思ったんですけどね。残念です。



▼DONNIE VIE『GOODBYE: ENOUGH Z'NUFF』
(amazon:海外盤CD+DVD / MP3

投稿: 2018 08 26 12:00 午前 [2014年の作品, Donnie Vie, Enuff Z' Nuff] | 固定リンク