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2004年8月15日 (日)

『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2004 in EZO』初参加ドキュメント

このエントリーは僕が2004年8月14日、生まれて初めて『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2004 in EZO』に初参加した際、当サイトでリアルタイム更新したものをひとつにまとめたものです。更新当時は問題なく観ることができた各エントリーが、ココログ側のリニューアルなどが影響してか、うまく見られないようになってしまい、2020年に入ってからこうして新たに編集し直しました。

北海道に行くことを決めたのが、出発の3日前の夜のこと。行きの飛行機は取れたものの、帰りはお盆と重なったため、記載のとおり電車を乗り継いで、まる半日かけて東京まで戻っています。これが意外と楽しくて、翌年に参加した際も帰りだけ電車で帰ったんだよね(笑)。

さてさて、そんなわけで、8月11日夜にエゾへ行くことを決めてから、15日に朝日を迎えるまでのリアルタイムドキュメント。ぜひお楽しみください。

 

[08/11 20:12]

怒濤の展開。

急にレディング/リーズ・フェスに行く事にしたり(嘘)、ラジオの方に急展開があったり(本当)、 仕事がドタバタしてたり(嘘だと言ってよ)、いろいろアレなお盆ですが。

明日まで通常勤務。13日は休日出勤でフル出勤。帰宅後、風呂入って荷物準備して、最終の高速バスに乗る予定。この日の夜はマンガ喫茶で朝まで。 寝坊しないようにな、俺。7時半の飛行機に乗って、9時に着いて、そこからバスに次ぐバス。予定通りなら11時過ぎには現地入りできる‥‥はず。

とりあえず、誰か現地で遊んでください。今回の俺のメインアクトは、そのものズバリ、









ZIGGYですから!!!!!(マヂで)
ついでに電気なー(えーっ!?)

で、問題は帰り。どういう感じで帰ろうかしら。非常に悩ましいわ。とりあえず月曜休み取れてるんで、全然ゆっくりで構わないわけだけど‥‥あんまり早く東京に着いても。ちょっと地元に帰れない事情とかあるわけですよ、いろいろと。誰か夕方まで仮眠させてくれ。笑

さ、パッキング自体は楽でいいんだけどね。フジの時のが半分近くそのままになってるから。 それに今回はキャンプってわけじゃないしね。その点は非情に不満なんだけど。

まぁ来年に備えて、とりあえず今年は様子見ですな。つうか行けること自体が奇跡なわけですから。

いや、奇跡ってぇーのは自分で切っ掛けを作るもんなんですよ。いつだってそうじゃないか、えぇ、そうだろうが?

 

というわけで、8/14。『RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO』、行ってきます。マジで。

 

[08/11 22:35]

何となく決まった帰り方。

さっき友人に電話して(いきなりゴメンね!)アドバイスを乞う。んで、寝台列車は多分キャンセル待ちとかになりそうなので‥‥だったらってことで、日曜は札幌に一泊! 豪華! けど多分チェックインしたらそのまま爆睡!

帰りは月曜朝。予定は以下の通りに。

●札幌 7:30発
  ↓
 JR特急北斗4号
  ↓
●函館 11:10着、11:30発
  ↓
 JR特急白鳥20号
  ↓
●八戸 14:45着、14:55発
  ↓
 JR新幹線はやて20号
  ↓
●東京 18:08着、18:50発
  ↓
 高速バス
  ↓
●銚子最寄りのバス停 21:03着

‥‥どうよこれ? ま、全部予定通りに行けばの話な。これ、千歳空港に着いてから切符とか買った方がいいのかしら?

 

[08/14 00:11]

ただいま漫喫より。

食った!
呑んだ!
眠い!!

とりあえず4時まで仮眠する!
その後シャワー浴びて5時半には出るからな!
今日はマンガは一切読まないからな!!

本気で寝るから!!!

 

[08/14 00:41]

ダメだ。気持ちが高ぶりすぎて眠れない。。

ちなみに明日のメインアクト、ほんっとーのホントにZIGGYですから!

バンプとTHA BLUE HERBが微妙に被っててどっちを観ようか悩んでる、なんて他の誰にも言えやしない。 復活電気はもちろん観たいけど、その裏がROVOなんだよねー、とか口が裂けても言えない。

でも、明日はPUFFYちゃんに始まり、オリジナルラブで終わる予定。多分な。

 

[08/14 06:43]

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現在羽田空港ロビーにて。7:30出発ですが、前後の札幌行きは全て満席。エゾロッカーの姿もちらほら。

 

[08/14 09:35]

北海道上陸。

ただ今、札幌へ向かう電車。千歳空港着いた途端に仕事の電話って‥‥

こっちは気温18度。心地よい涼しさなり。快晴だしぬー。いい1日になるといいなぁ。

 

[08/14 11:19]

入場ー!

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来たぞコノヤロー!

 

[08/14 16:19]

まったり。

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宮沢和史→Dragon Ash→SUN PAULOという流れ。座って聴いてたら寝ちまった。さて、ZIGGYまでどうしようかしら‥‥ちなみにこれはSUN PAULO後の風景。

 

[08/14 18:38]

日が暮れるよ。

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なんか切ない‥‥

 

[08/14 18:42]

来年はキャンプしたい。

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THE PRIVATESと原爆オナニーズを観ました。遠くからTHE MAD CAPSULE MARKETSの音が。これからeastern youthかな。ホロ酔いだけど。

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ホントに空がキレイで、空の写真ばかり撮ってるし。

 

[08/14 20:10]

ZIGGYさん待ち。

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エゾでツーバスフルセットは多分JOE‥‥というか、彼らだけ? 今日はキーボードがあるってことで、サポートにキーボードで三国義貴さんが付くっぽいです。前の方にはコアなファンが既に陣取ってるし。後方からはドンドンお客が入って来てます。物珍しさで観る人、マジで観たい人、久し振りに名前を見て感慨深げに足を運ぶ人、等々。ちょっと面白いものが見れるかもしれませんぜ?

 

[08/14 22:15]

終わった‥‥

奇跡を見た! この場に居た奴ら、全員を抱きしめたい! 笑いたければ笑え! ホント、今まで観た中で最高のZIGGYだった!!

とりあえず、セットリスト!

1. BOOGIE WOOGIE TRAIN
2. I'M GETTIN' BLUE
3. MAKE IT LOUD
4. 悪魔と踊れ(新曲)
5. JEALOUSY 〜ジェラシー〜
6. 翳りゆく夏に
7. GLORIA
8. HEAVEN AND HELL

いきなり1stから3連発! フェスのこと、よく判ってるんだか判ってないんだか。ま、この場に居合わせたオールドファン及び昔は聴いてたぜ的オサーン&オバサン達大興奮。そして2曲目でいきなりピークに。だってさ、その場にいた客全員が大合唱してるんだぜ? マジあり得ない! だってどうみても10代の小僧共が「あぃ〜げでぃんぶ〜」って。大声で。歌ってるんですから。マジで!

新曲が聴けたのもよかった。今度出るボックスセットに入るやつかな。けどこれが全然「新曲ぽくない」のがある意味凄い。スローに始まって一瞬バラードか?と思わせておいて、ホンキートンク調のラフなロックンロールなんだから。カッコいいったらありゃしない。松尾までコーラス張り切ってやってるし。

その後、意外な "JEALOUSY" が飛び出したり、唯一SNAKE HIP SHAKES時代から選ばれた "翳りゆく夏に" でクールダウンした後、この日最大のピーク‥‥あのタムタムの4つ打ちが‥‥イントロのリフが鳴り響いた瞬間、大歓声を通り越して、大悲鳴ですよ! ええ、"GLORIA" ですよ‥‥14年振りの、生 "GLORIA" ですよ‥‥とうとうSHS時代のライヴで俺が体験することのなかったあの曲を、14年振りにこの北の大地で聴くことになろうとは‥‥いや、やらないわけないと思ってたけど、いざ聴くとやっぱり感慨深い‥‥もうこの時点で声ガラガラで歌えないんだけど、それでも一緒に口パクパクして歌ってやったよ。本気で泣きそうになった!

そして最後の最後は、今現在のZIGGYの代表曲というかテーマ曲である "HEAVEN AND HELL"。前の曲でいい意味で温まったお陰で、この曲もナイスリアクションを得られました。つーか俺の周り、歌える率高すぎ! みんなファンかよ!!

いやぁ‥‥高い金かけて、ここまで来た甲斐があったってもんですよ‥‥俺の夏フェス、サイコーッ!

 

[08/14 22:52]

電気登場ーっ!

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キタキタキタキターッ!

(後日追記)
この日の電気のセットリスト。

1. ガリガリ君
2. Nothing's Gonna Change
3. 誰だ!
4. スマイルレス スマイル
5. 虹
6. サマンサ
7. 電気ビリビリ
8. 富士山

 

[08/15 02:39]

思わずウルってきた……バンプ蹴ってTHA BLUE HERB選んで正解だった。死ぬ程寒いけど、これだけは観ておきたかった。ZIGGYのおまけとか言ってられないくらい、強烈なインパクトを受けたよ。

以下、セットリスト。

01. INTRO
02. COAST 2 COAST 2
03. RAGING BULL
04. 北風
05. TRANCE SAPPORO EXPRESS
06. アンダーグラウンド vs アマチュア
07. BOSSIZM
08. AME NI MO MAKEZ
09. 知恵の輪
10. S.S.B.
11. SMILE with Tears
12. STOICIZM
13. サイの角のようにただ独り歩め
14. 未来はオレ等の手の中

 

[08/15 02:57]

ここまでの流れ。

昼間から順を追って再確認。

宮沢和史(RED STAR FIELD)
  ↓
Dragon Ash(SUN STAGE)
  ↓
Sun Paulo(MOON CIRCUS)
  ↓
THE PRIVATES(EARTH TENT)
  ↓
原爆オナニーズ(EARTH TENT)
  ↓
eastern youth(EARTH TENT)
  ↓
ZIGGY(EARTH TENT)
  ↓
Buffalo Daughter(RED STAR TENT/音聴いてただけ)
  ↓
DENKI GROOVE(MOON CIRCUS)
  ↓
サンボマスター(EARTH TENT/最後の1曲だけ)
  ↓
THA BLUE HERB(RED STAR FIELD)

サンボは "そのぬくもりに用がある" だけ聴けた! 周りから聞いてた通りのバンドで、思わず笑った。けど‥‥今日は聴きたい気分じゃなかったんだよね、悪いけど。

あ、原爆オナニーズが外道の "香り" のカバーやってたよ! 思わず一緒に歌った!笑

さて。これから友人と合流して、渋さでも観るか。その後の選択(ニューロティカかオリジナルラヴか)はまだ迷ってるけどね!

 

[08/15 04:09]

夜明け前。

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渋さはいつも(フジロック)と違って、ちょっと人数少ない&手加減してた? そんな気がしないでもないけど‥‥でも相変わらず楽しく踊らさせていただきました。フジとかに行ったことない子達は、結構面白がって観てたようですが‥‥どうだったかな?

さて、あと1バンド、オリジナルラヴかニューロティカのどっちをとるか(まだ悩んでたのか俺)‥‥

 

[08/15 04:53]

夜明け!

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ヤベエ、泣きそう‥‥

 

[08/15 05:00]

今日も快晴っぽい。

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[08/15 20:27]

エゾを終えて。

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5時半過ぎにオリジナルラヴ終了。7時過ぎには札幌駅に。昼までホームレス状態。

「もう二度と会えないかもしれない今に 俺はときめいていたい
 行き先が奈落の底でもかまわない」
 ‥‥ZIGGY「HEAVEN AND HELL」

RSRFでの、あの奇跡のライヴを観た今、ホント怖いものないわ。うん、本気で腹をくくったよ。行くとこまで行ってみるわ。あの北海道の壮大な大地で観た朝日も忘れないし、そこで聴けたオリジナルラヴ "朝日のあたる道" も忘れない。勿論 "接吻" や "JUMPIN' JACK JIVE" もな。

もうずっとZIGGYばかり聴いてるよ。完全に18才の頃に逆戻りだな。

つうか2004年を代表する1曲は間違いなく "GLORIA" に決定! 今更とか言うなやそこ!! そしてエゾ行っておいてZIGGYを苦笑してスルーした奴らも全員死刑な。ホント駄目だね!

2000年8月14日 (月)

「SUMMER SONIC 2000」DAY 1@富士急ハイランド・コニファーフォレスト(2000年8月5日)

  SUMMER SONIC 2000のライヴ・レポートです。音楽以外の、純粋にイベントに対して思ったことは日記の方にまとめたので、そちらも併せてご覧ください。


◎SPRING NO.1

  「SPRING NO.1」‥‥何のことはない、春一番のことだ。(笑)オープニングMCを務めることになったわけだが、司会の男性のコールに合わせて流れた音楽は‥‥そう、アントニオ猪木の入場テーマ! 勿論会場が一丸となって唄う。そして登場した春一番は白の闘魂ガウンを着て現れた。開口一発「元気ですかーっ!!」場内大歓声&大爆笑。当然大喜びする俺。今日はこんなに大勢の人が集まってくれてとても嬉しいこと、そして今日一番楽しみにしているアーティストはジェームズ・ブラウンだということを、司会者に質問され答えた。最後に彼は「道はどんなに険しくても、笑って歩いていこうぜ」ってなことを言って(合ってるかな?)、お約束の「いくぞーっ、いーっち、にーい、さーん、ダァーッ!!!」を会場と一丸になって叫ぶ。そして大きな拍手。間違いなく、会場がひとつになった瞬間だ。そう、どんなアーティストよりも。(笑)もうつかみはOKってとこだろうか? 一番見れて嬉しかったのは、実は俺だったのかもね?


◎MUSE

  富士急でのトップバッターはイギリスからの新人トリオ、MUSEだ。この春に発売されたファーストアルバムは雑誌等で話題になったようだが、今年に入ってその手の雑誌を読まなくなった自分にとっては、今回が音・ビジュアル共に初体験である。実は会場入りする前に1~2曲だけ、アルバムを聴かせてもらったのだけど、いまいちピンとこなかった。早朝、高速を飛ばしてる最中の車の中というシチュエーションには合わない音だったのは確かだろう。

  ステージに登場したメンバーは簡単な挨拶を交わした後に演奏を開始した。髪の青いギタリストがボーカルを兼任している。声質や高音の地声から裏声に切り替わる辺りの発声が確かにRADIOHEADのトム・ヨークに似てなくもないが、音楽的にはそれ程RADIOHEADっぽいとは感じなかった。むしろ、そのRADIOHEADも間接的に影響を受けているであろうKING CRIMSONのアンサンブルに近いものを感じた。ギターもトム・モレノやロバート・フリップからの影響が伺える効果音的ギタープレイが随所に登場し、聴いてて気持ちいい。演奏全体がとてもヘヴィで、想像していたものとは違った(もっと内向的で、イギリス特有の根暗ロックかと思っていたが)。メロディは確かに潤いあるヨーロッパ色を感じさせたが、それを支えるバックは昨今のヘヴィロックにも負けない力強さを感じた。アルバムはそれ程ヘヴィと感じなかったが‥‥俺の好みかというと、それ程「最高!」とまで感じなかったのも、また事実。あの炎天下の野外という環境も合わなかったのかもしれないし、トップバッターということもあって、こっちも構えてしまっていたし。ただ、これを切っ掛けにアルバムだけはちゃんと聴いてみようと思う。それ次第では10月の単独公演にも足を運ぶかもしれないし。悪くはないが最高でもない、それが第一印象だろうか。


◎REEF

  本来なら昨年KULA SHAKERを脱退したクリスピアン・ミルズの、ソロとしての初ステージとなるはずだったが、急遽DUST BROTHERSとのレコーディングが決定したため、残念ながら出演キャンセルとなり、それに代わって登場となったのが、俺も大好きなREEFである。なにげに初REEFだったんだわ、これが。アルバムはこれほど聴き込んでるくせして、初ライヴ。しかも野外。とっても野外が合うバンド/音だと思うよ♪

  ステージに登場したボーカルのゲイリーは、既に上半身裸だった。おおっ、体毛濃いぃなぁ。(笑)いきなり"Place Your Hands"からスタートするとは、反則モノだ!! MUSEよりもお客が少なくなっていたにも関わらず、このスタートに客席にいた者は歓声を上げ、一緒に大声で唄いながら踊った。この日はこれまでのシングルヒット曲を中心に、8月下旬にもうリリースされてしまう4枚目のアルバム「GETAWAY」からの新曲3曲も披露された。新曲はこれまでよりもストレートな印象を受けたが、メンバーの演奏力とゲイリーの歌唱力/テクニックの向上によって、より深みを感じ取ることが出来た。興味深かったのは前作「RIDES」からはたった1曲しか選曲されていなかったこと。今となっては気に入っていないのか、それとも単に演奏時間の関係上削っただけなのか‥‥俺としてはREEF史上ベスト3に入る"New Bird"が聴きたかったのだが‥‥

  メディア等で「ベースは煽るだけ煽って、演奏が疎かになる」という話を耳にしていたが、確かに1番よく動いていたが、それ程下手とも感じなかったし、あれはあれでいいと思った。むしろ、ああいう「おバカ・キャラ」がいなきゃバンドとしては‥‥ねぇ? そうそう、"Good Feeling"の時だったかな。ゲイリー、ステージから降りてお客と握手したり、柵に登ったりしてた。(笑)そして、そこから客席にダイブ!(爆)何か下にいた女の子が潰されてしまったみたいで、ちょっと前のブロックが大騒ぎ。ゲイリー、バツが悪そうにステージに戻っていった。(笑)その後も何度もステージから降りたけど、スタッフに注意されたのかどうか知らないが、あまりお客にタッチしていなかったように思う(少なくとも、モニターで見た限りでは)。けど、お客の煽りはこの日一番だった。ドラムも途中で感極まったのか、フロアタムをドラムライザーから蹴り落とすし。(笑)もうハチャメチャ(そういえば、この人達初来日の時もリキッドルームでの「ナニシテモイイヨ事件」という前科があるしな/笑)。勿論曲はグレイテスト・ヒッツ的内容だし、演奏はガッチリしてるし。ただアクが強い分、MUSEが好きっていう「ごく一般的な」UKロックファンには敬遠されてしまうのね。こんなにかっこいいのに‥‥間違いなく、この日のベストアクトでしょう! 次は絶対に単独公演、行くもんね‥‥と思ってたら、何と早くも来年1月に再来日決定!!!


◎THE MAD CAPSULE MARKETS

  こいつら見たさにフジロック蹴って、こっちを選んだようなもんだから。ステージに現れたメンバーは3人‥‥あれ、ひとり足りない‥‥ギターでしょ、ドラムでしょ、ベース‥‥あれ、ベース持ってない。ターンテーブルみたいなの、いじってる。そう、いきなり未発表のインストナンバーからスタート。これがアップテンポで気持ちいい曲だった。そして曲終了と共にボーカルが登場し、「OSC-DIS」の1曲目"Tribe"がスタート。最前ブロックでは既にボディサーファーやダイブする者が続出。そうそう、こうじゃなくっちゃ! 禁止されてても、やっちゃうんだよなぁ‥‥たとえ怪我したとしてもそれは自分の責任だし、周りも怪我させないように気遣って協力してくれる。最近のヘヴィ系やパンク系のライヴでよく見かける光景だが、すごく一体感を感じる瞬間だ。個々が楽しければいいのではなく、みんなで楽しくやる、みんなで盛り上げる。ここ10年くらいで日本もライヴの流れが随分と変わった気がするな。

  この日の選曲は新曲2曲と前作からの"Systematic"以外は、最新アルバムからの曲だった。コアなファンは「もっと昔の曲を‥‥」って不満だったようだが、俺は大満足だった。だって、俺が本格的にのめり込んで聴くようになったの、「OSC-DIS」からだし。勿論前作も好きだけどね。その新曲2曲の内、もう1曲はとてもサイケ色が強いミディアムヘヴィナンバーだった。所謂サビのパートにくるまでギターが入らず、ベースが独特な和音を奏でていた。そこにラップ調ボーカルが乗り、サビでドカーン‥‥ともならず、メロウなサビだけど意外と単調な感じの曲だった。何となくだけど、DEFTONESの新作で感じた冷たさと同じものを感じたのは俺だけだろうか? もしマッドの新作がこういう方向にいくとしたら、それはそれで興味深い。常に前進するバンドなだけに、それもアリだと思う。

  とにかく「上手いな」と思った。前のREEFとは正反対のタイプかもしれないが、それぞれがやはり一流のプレイヤーと一流のパフォーマーの集まりなんだと思う。シーケンサーを中心にバンドが動くわけだが、ドラムは機械以上に暴力性を感じさせるプレイで気持ちよくさせてくれたし、ギターのザクザクしたクランチも気持ちよかった。ただ残念なのは、音響の酷さだろうか。こういうタイプのバンドの場合、どうしても野外だと全体がグシャッとしてしまって、聴き難くなる。けど、それに負けないだけのパワーと熱意を感じ、それを受け取った。十分だった。足が痛くなる程踊ったし。また観たい、素直にそう思わせてくれるパフォーマンスだった。


◎DRAGON ASH

  マッドの後、休憩をした為に311やアレステッド、SUPERCARといったところは断念した。明日もあるし。やはり去年フジロック3日間での教訓が活かされているのだろうか、すごくマイペースに観てる気がする。最前ブロックに行くこともなかったし(単に歳だ、っていう話もあるが/笑)

  さて、DRAGON ASH。実はこいつらも初めて観る。音は随分聴いてきた気がするけど、まぁ最近ではチケットも取り難くなったし、こういう機会でもないと観れないだろうから、俺は大歓迎だった。けど、多くの「自称」ロックファンにとっては休憩タイムだったようだ。いいけどね、こんなにガラガラな環境で彼等が観れるなんてさ、得した気分だし。

  実はDRAGON ASHが今回、どういう方法で自分達をアピールするかが結構楽しみだった。ひとつはこれまで通りのヒップホップ路線を誇示する形。まぁアルバム「VIVA LA REVOLUTION」を中心とした選曲かな、と。そしてもうひとつが‥‥絶対にないとは判っていたが‥‥フェス仕様の、ヒット曲のオンパレード。つまり最近では殆ど演奏されることもなくなったであろう"陽はまたのぼりくりかえす"や"Under Age's Song"を最近のヒット曲と一緒に演奏してしまう、本来のミクスチャーバンドとしての形。ないと判っていても、やっぱり期待してしまう。

  で、実際はどうだったかというと‥‥言うまでもなく、前者でした。(笑)「VIVA LA REVOLUTION」からパンクナンバーを抜いて、最近のシングル2枚("Deep Impact"、"Summer Tribe")を追加した形。すごく潔かった。アレステッドとJBに挟まれるという、'97年フジロックでのレイジとレッチリに挟まれたイエモン状態だったのも関わらず、気負いせずに最高のパフォーマンスを見せてくれた。思ってた以上に降谷がお客に対して紳士的だったのがとても意外だった。前の方の熱心なお客以外は冷めた目で彼等を見つめていた。ヒップホップがこれだけ市民権を得ていても、やっぱ今日のお客にはキツいのかね?とも思ったが‥‥やっぱ別の理由からだろう。(苦笑)

  ここで俺の中で1回目のピークが‥‥ライヴ後半に登場した大ヒット曲"Let Yourself Go, Let Myself Go"のイントロを聴いた瞬間、鳥肌が立った。そしてそれまで静かだった後方からも歓声が。やっぱりヒット曲を持っているバンドは強い。降谷や馬場は右へ左へと大忙し。それがまた嫌みになってないからかっこいい。続けざまに"Deep Impact"に突入‥‥いいのか? だってこの曲ではラッパ我リヤが重要なパートを受け持っているのに‥‥サンプリングで済ますのか、と思っていた。それにしては声が生々しいな、と感じていたら‥‥ステージ袖から見覚えのある2人が‥‥ラッパ我リヤだった! 何とDRAGON ASHはラッパ我リヤをスペシャルゲストとして、この1曲だけのために連れてきていたのだ。おお、こりゃお得だわ! お客とのコミュニケーションもうまくいき、最後の曲として「みんなが一番好きな曲をやります」と降谷。おおっ!?と思ったが、そこは今の彼等。最後に披露されたのは"Viva La Revolution"だったという‥‥(苦笑)けど、気持ちよかったな。すごく感動的だったし。それまで彼等に見向きもしていなかった俺の周りのお客も、この時には彼等に夢中になっていた。やっぱり変な色眼鏡を抜きにして、実際に体験してしまえば彼等の良さが判るのよ‥‥勝ったんだよね、彼等は。そして最後の最後まで自分達のファン以外のお客にも気を遣って「この後にはJBが待ち構えてるからね。俺も楽しみ♪」とか言ったり。きっと自分も楽しんでるんだろうな‥‥そう感じた。

  改めて今のDRAGON ASHを観て思ったのは、彼等はヒップホップでもなんでもない、それまでと何ら変わらないロックバンドだったという事。ラップを中心とした曲をやっているものの、やはり、まこっちゃんのドラムと馬場さんのベースが入れば、どこから切ってもロックになっている。サポートギタリストが入った分、降谷がギターを弾く比率は低くなったが(この日も"Dark Cherries"1曲のみ)、その分歌(ラップ)にパフォーマンスに集中する事が出来るようになった。きっと今後も彼等はこの路線で突き進むだろうが、何も悲しむ事はない。彼等はこれまでもロックバンドでなくなった時は1度だってなかったのだから。そしてそれは今後も変わらないだろう。この4人でやっていく限りは‥‥とにかく今回観れたことで、胸のつっかえが取れた気がした。


◎SPRING NO.1

  JB登場の前に、再び「イノキッ、ボンバイエッ!」が‥‥おいおい、ここでも登場か?(笑)今度は赤いガウンを着て登場の春一番。「ジェームズ・ブラウンと皆さんにこの言葉を‥‥」てな感じで始まったのは‥‥「この道を行けば、どうなるものか~」って、おいおい、「道」かよ!!(爆)生で聞いちまったぜ!!! 勿論最後は「ダァー!」で占める。「アリガトーッ!」とステージを去る春一番。あんた‥‥やっぱ、今日の主役だよ♪ JBを食うつもりか、あんた‥‥(笑)


◎JAMES BROWN

  今何故にJB!?とも思ったが、これはこれで「飛び道具」として成り立つのだから面白い。いや、彼が出演する事によってこの1日目の色が決まったも同然だった。REEF、マッド、311、アレステッド、DRAGON ASH、そしてジョンスペ‥‥この日出演のアーティスト達は音楽性こそ異なるものの、それぞれに「踊る/踊らせる」事に長けた人達ばかりだ。2日目がどちらかといえばロック色が濃いだけに、俺はJBにはすごく期待していたのだ。

  もう既にご存知だろうが、彼は本来の持ち時間の60分を更に1時間近くオーバーした。フルステージやっちまったようなもんだ。(笑)いくら時間限定されたフェスだろうが、「よい子ちゃんではここまでやってこれないんだよ!?」と言わんばかりの暴走ステージ。まさに「俺がJBだっ、文句あっか!」な内容だった。だって、頭2曲ではJB登場しないし。始まって20分くらいしてから勿体ぶって登場するし、とにかくゴージャスなステージで、ツインドラム、ツインベース、ギターも2人、ホーンセクションにキーボーディスト、パーカッション、女性コーラス3人に「レイク・エンジェルズ」みたいな(笑)女性ダンサー3人、更に男女ソロボーカリストに、MC(マント・パフォーマンスの要となる人/笑)‥‥総勢20人以上ですから。富士の裾野がこの時だけ、ラスベガスに変わってしまったのだった。

  でもね、やっぱりプロだよ、そこは。非常に楽しかったもん。ただ疲れたけど。(苦笑)JBはさ、それこそキーボードも弾くし、ドラムも叩いちゃうし、ベースもお手のもの、ダンスまで披露したからね。まさに「俺様ショー」だわ、こりゃ。嫌いな人にとっては「ジャイアン・オンステージ」と同じくらい苦痛なんだろうけどね。(笑)

  そうそう、中盤で空ペットボトルをステージに向かって投げつけた方がいらっしゃって、それが「俺様」の気に障ったらしく、ステージ中断(当たり前だ!)。JBご立腹。マイク倒してたもん。ものすごい威圧感を感じ取った観客、2万人が黙りこくり「ドンッ!」とデカい音だけが静寂の中に響くのだった。あんな緊張感、二度と味わいたくない。(苦笑)

  まぁそれはさておき、やっぱり何十年とやってきたプロの仕事を昨年のZZ TOPに続いて観れただけでも、俺にとっては収穫だった。なんてったって「KING OF SOUL」ですからなぁ‥‥自分の曲以外にもオーティス・レディングの曲なんかもやってたし。やっぱり俺様だしね♪(笑)


◎THE JON SPENCER BLUES EXPLOSION

  JBによる1時間押し、更に直前に雨に見舞われ、最悪の形でのトリとなってしまったジョンスペ。残念ながら最初の10分ちょっとは雨宿りしてたために観れなかった。よって"2Kindsa Love"や"Attack"といった曲は、遠くからぼんやり聞こえる程度だった。(涙)

  やっぱり去年フジロックでBLURを選んだがために観れなかった事をこの1年後悔してきたので、何としても観ようと小雨の中突進した。やっぱJBの後だけに、何を観てもスケールダウンして見えてしまう。実際にJBの時と比べれば、照明も暗い。しかも3人だし。音も小さいよ。雨降ってるからか? 「時間押しても延長ナシよ?」っていう重圧なのか、これは? とにかくね、すごい気迫を感じた。JBに対する怒りなのか、それとも元々こんな感じのステージを繰り広げるバンドなのか‥‥って後者だろうけど。

  この日初めて彼等を生で観たわけだけど‥‥何故彼等がこういうバンド名(BLUES EXPLOSION)を付けたのかがよ~く解った。だって、本当にブルーズがEXPLOSION(爆発)してたもん! これ以外にどうやって表現すればいいのさ!?って音だったよ、マジで。ベースがいない分、音が薄くなるのは目に見えているけど、あのスカスカ感が逆に気持ちよいのであって、それこそこの3人以外には考えられないアンサンブルなんだろうな? マジでかっこいいし、凄くセクシーだった。俺が女だったら惚れるね、ジョンに。(笑)

  悲しいかな、俺が見始めてから5曲程度でステージは終わろうとしていた。実質40分前後だろうか? 本来なら70分の予定だったのに‥‥最後はカオスというか絶頂というか、もう暴れまくり。床をのたうち回ったり‥‥予定通り20時に終わらせられたようで、空には打ち上げ花火が上がり、主催者側の人間が「これをもちまして、本日の公演は全て終了しました~」とアナウンス。が‥‥がっ!! それを振り切り3人がステージに再び!!! うぉぉ! 大歓声。つうか、花火まで上げてしまった主催者、面目丸つぶれ。(笑)最後の1曲は何でもあり。もう「Fuck!」は連呼するわ、マイクは床に叩き付けて壊すわ‥‥そうとう鬱積してたんだろうな‥‥最後の最後で、本当に「EXPLOSION」してしまった彼等。もしこのアンコールがなかったら、俺は不完全燃焼のまま、また1年を過ごすところだった。けど、これで十分満足できた。この日最高に鳥肌が立った瞬間だった。そして「何でロックはかっこいいのか?」という本質に、ちょっとだけ触れたような気がしたのは俺だけだろうか?

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