カテゴリー「Dream Theater」の7件の記事

2020年10月26日 (月)

PERIPHERY『PERIPHERY II』(2012)

2012年7月3日にリリースされたPERIPHERYの2ndアルバム。日本盤は同年9月19日に発売されました。

デビューアルバム『PERIPHERY』(2010年)、EP『ICARUS EP』(2011年)に続く本作は、ジェントと呼ばれるコアなジャンル(セグメント)をよりわかりやすい形でシーンに広める役割を果たした重要作。全米チャートでも初めてTOP100入り(最高44位)を達成するなど、名実ともに彼らの代表作と呼んでいいのではないでしょうか。

僕自身、このアルバムでPERIPHERYに初めて触れたのですが、それまでジェントというジャンルに持っていたイメージ(それは非常に極端かつ限定されたものでしが)をいい意味で壊してくれた作品でもあり、また「ジェントっていうけど、これってプログレメタルじゃないの?」という新たな気づきも与えてくれた1枚でもあります。いや、今聴いても新種のプログレメタルだよね?(笑)

オープニングの「Muramasa」でゆらゆら、ジワジワと空気を温めて、続く「Have A Blast」で一気に爆発するこのオープニングの構成、何度聴いても痺れますね。特に「Have A Blast」は冒頭のストリングス系音色を使ったフレーズから、エレクトロチックなフレーズを経てのブラストビート、しかもメジャーキーを軸にした軽やかなメロディといういかにもアメリカンな構成が本当に気持ちよくて。ぶっちゃけ、DREAM THEATERあたりを好きなリスナーにも引っかかるものがあると思うし、逆にDREAM THEATERほど世界観がカッチリと作り込まれていないからこそ入っていきやすいというのもあるんじゃないかな(とかいって、「Erised」にはそのDTからジョン・ペトルーシがゲスト参加しているんですが)。

……ってそれ、完全に僕のことですけどね(笑)。

以降も激甘要素を散りばめつつも、多弦ギターを巧みに駆使した気持ち良いリズム&フレーズの応酬、と同時にしっかり口ずさめる耳なじみの良いメロディラインが挿入されており、70分近い長尺作品ながらも最後まで飽きずに楽しむことができます。そうそう、ギターに関しては低音にこだわったリフワークよりも、メロウなソロワークのほうに耳が行くことが多いのも、本作の特徴ではないでしょうか。

「Muramasa」や「Masamune」といった名刀をモチーフにしたタイトルや、その「Masamune」あたりにフィーチャーされたゲーム効果音的なエフェクト(というかフレーズ)、偏った趣味趣向が感じられるMVもオタクっぽくて最高だし(笑)、日本盤のほか一部海外限定盤にはボーナストラックとしてSLIPKNOT「The Heretic Anthem」のカバーなども収録。徹底した作り込みなど含め、この人たちいろんな意味でオタクなんだろうな……という親近感込みで、もっと広く愛されるべき1枚だと思っています。

 


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2020年8月 3日 (月)

DREAM THEATER『FALLING INTO INFINITY』(1997)

1997年9月にリリースされたDREAM THEATERの4thアルバム。

前作『AWAKE』(1994年)発表前後にケヴィン・ムーア(Key)が脱退し、新たにデレク・シェリニアン(現SONS OF APOLLO)が加入。1995年秋には23分にもおよぶ超大作タイトルトラックを含むEP『A CHANGE OF SEASONS』をリリースし、満を辞してこのフルアルバムに取り組みます。

新たなプロデューサーとしてケヴィン・シャーリー(AEROSMITHIRON MAIDENJOURNEYなど)を迎え制作した本作は、前作での作風をベースにしつつも楽曲1つひとつの完成度を高めることに注力し、なおかつそれらにDTらしいインタープレイを効果的に取り入れるという進化したバンドの姿を提示しています。メロディに関して言えば、前作がそのヘヴィな音像に合わせるかのようにモノトーン調だったのに対し、今作はより色彩豊かで耳に残る良メロを量産。『IMAGES AND WORDS』(1992年)のようにメタル的ハイトーンを多用したメロとは異なる、大人の落ち着きと、純粋に「ポップスとして成立する」メロディが多数用意されています。

また、楽曲の質感やジャンルの幅もかなり広がっており、一概にHR/HMの枠には収まりきらない楽曲も増え始めています。そのもっともたる例が「Hollow Years」や「Anna Lee」といったバラードでしょう。特に前者はリリース時期的にもスティング「Shape Of My Heart」(映画『レオン』でおなじみ)と重なる印象があり、間違いなくそのへんの層を意識した1曲なのでしょう。

かと思えば、難解なプレイが全面フィーチャーされた12分におよぶ「Lines In The Sand」ではソウルフルなフィーリングが強まることで曲が持つ緊張感が強まっているし(ゲスト参加のKING'S Xのフロントマン、ダグ・ピニックのボーカルパフォーマンスのさすがの一言)、モノトーンな前半からどんどんヘヴィさが増していく「Peruvian Skies」なんて90年代のMETALLICA的な色合いすら感じられる。「Hell's Kitchen」のような“らしい”インストナンバーがあったり、シングルカットできそうなポップなミディアムバラード「Take Away My Pain」、今でもライブではおなじみの「Just Let Me Breathe」もあり、アルバムラストには13分超の3部作「Trial Of Tears」も存在する。全体のバランスとしてはかなり緩急に富んだ1枚で、もしかしたら前作『AWAKE』でふるいにかけられた『IMAGES AND WORDS』からのHR/HMリスナーの中には、ここで離脱してしまったなんて人もいるのではないでしょうか。

良く言えばバンドとしての表現の幅が急速に広がった実験的意欲作、悪く言えば「売れる」ことを意識しすぎてメタルバンドとしての焦点がぼやけた不発作と言えなくもありません。しかし、ファンには馴染み深い良曲/人気曲も多く含まれていることから、決して駄作ではないはず。その後20年以上続くDTの歴史的にも評価の難しい1枚ですが、個人的には前作『AWAKE』から引き続き愛聴した“好み”の作品です。もしかしたら自分、このバンドに対してヘヴィメタル的な側面はそこまで求めていないのかもしれませんね(苦笑)。

 


▼DREAM THEATER『FALLING INTO INFINITY』
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2019年12月13日 (金)

DREAM THEATER『DISTANCE OVER TIME』(2019)

2019年2月下旬にリリースされたDREAM THEATERの14thアルバム。前作『THE ASTONISHING』(2016年)から3年ぶり、Inside Out Music移籍第1弾アルバムとなります(流通はソニー)。

2枚組でトータル130分超という大ボリュームだった前作のあとに聴くと、非常にシンプルに感じられるから不思議。いや、前のやつが無駄に長すぎただけか。個人的には前作、ピンと来る曲も少なく、ただ時間だけが流れていくというイメージが強くて、実はトータルで聴いたのは数回のみ。気に入った曲だけをピックアップして、プレイリストで再生していたという……同じ聴き方した人、多いんじゃないでしょうか。

そこと比べたら(って、すでに閾値が低いですが)、本作の聴きやすいことといったら……8〜9分台の楽曲も2曲ありますが、基本的には4〜6分台の楽曲が中心。コンセプトアルバムや組曲のような形ではないし、曲単位で演奏のメリハリもしっかりしているから、1曲ごと気軽に楽しめるのも大きい。今の主流的には3分台になってくるので、そこと比べたら全体的に長尺すぎるっちゃあすぎるんですけど、それでも気軽に聴けてしまうのはありがたい。

でも、全面的に手放しで絶賛できる1枚!……というわけでもないんですよ。

以前も書いたように、僕自身は『IMAGES AND WORDS』(1992年)信者でもないし、むしろその後の『AWAKE』(1994年)のほうが好みっていう変わり者なので、そんなリスナーのいち意見という程度で収めてほしいのですが……。

このバンドって、こんなにメロディが弱かったっけ? というのが、本作最大の問題点なのでは。これって、ジェイムズ・ラブリエ(Vo)の声域が加齢に狭まったことも大きいのかな。近年の来日公演、特に前回の『IMAGES AND WORDS』再現ライブ時にそこは嫌という程実感させられましたが、こうやって新曲でいざその問題にぶち当たるといろいろ考えさせられるところがあります。

狭い声域の中でいかに魅力的なメロディを作り出すか……って、そりゃあ限界がありますよね。特に近年のアルバムではそういった命題と向き合いながら創作活動を続けてきたと思うのですが、そこに関してもそろそろ限界を迎えているのではないでしょうか。演奏面でなんとか標準以上のレベルをキープしているものの、肝心のメロディが平坦だと飽きがくるのも早いわけでして。

なんだかね、一時期のイアン・ギラン(DEEP PURPLE)を見ているようで、ちょっとつらくなるんですよ。うん(もちろん、ギラン以上に歌えているんですけどね、圧倒的に)。

この問題、DEEP PURPLEについては作品を重ねていく中である程度クリアできていると思うのですが、DREAM THEATERの場合はどうすることが正解なんでしょうね。デビュー30周年というこのタイミングに、彼らはすごく難しいフェーズに突入してしまったのかもしれません。

いろんな複雑な思いが交差する、良くも悪くも印象に残る1枚です。

 


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2019年11月15日 (金)

DREAM THEATER『WHEN DREAM AND DAY UNITE』(1989)

1989年3月に発売された、DREAM THEATERのデビューアルバム。日本では1ヶ月遅れ、同年4月上旬に発表されています。

昨日紹介したVOIVOD『NOTHINGFACE』(1989年)同様、MCA Records傘下のMechanic Recordsから唯一リリースされた本作は、現在も在籍するジェイムズ・ラブリエ(Vo)加入にチャーリー・ドミニシ(Vo)が唯一参加した作品でもあります。

プロデュースはバンドとテリー・デイト(PANTERASOUNDGARDENOVERKILLなど)が担当。ミックスもテリー・デイトが手がけており、それもあってか次作『IMAGES AND WORDS』(1992年)以降の作品と比較すると線が細く、迫力が足りない印象を受けます。

また、ケヴィン・ムーア(Key)のシンセの音色が前時代的といいますか、若干シンフォニックメタル系のそれに近く、そこも次作以上との違い(というか違和感)となっているのかな。

ただ、楽曲自体は以降の“らしさ”にも通ずる要素が見え隠れし、ここでの実験をブラッシュアップすることでのちの『IMAGES AND WORDS』へとつながっていったことは、聴けば容易に想像できると思います。

とはいっても、そこはDREAM THEATERのこと。6分近いスリリングなインストゥルメンタル・ナンバー「The Ytse Jam」は最高にカッコいいですし、2ndアルバム以降もライブで披露される機会が少なくなかった「A Fortune In Lies」や約9分におよぶ組曲「The Killing Hand」、スラッシーかつグルーヴィーな「Afterlife」など、今聴いても存分に楽しめる楽曲は少なくありません。うん、逆にこっちのほうが好きってリスナーも少なくないんじゃないでしょうか。

ラブリエのヘヴィメタルシンガー的歌い上げは苦手(自分含む)だけど、ゲディ・リー(RUSH)を彷彿とさせる“ハイトーンだけど、どこか淡々としている”チャーリー・ドミニシの歌唱は許せるっていうリスナー、少なくないのでは。自分もそうですから。

この軽くてペタペタしたドラムのサウンドプロダクションだけスルーできれば(いや、かなりハードル高いけど)、かなり楽しめる1枚だと思います。これはもはやリマスターの次元ではなく、今すぐリミックスしてもらいたい作品1位ですね(これまでも国内リマスター盤は発売されていますが、元の音質が音質なのでどうにもね)。

 


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2019年9月14日 (土)

DREAM THEATER『AWAKE』(1994)

1994年10月リリースの、DREAM THEATER通算3作目のフルアルバム。

ジェイムズ・ラブリエ(Vo)加入後初のアルバムとなった前作『IMAGES AND WORDS』(1992年)が本国アメリカ以上に、ここ日本で好成績を残したことにより、続く今作への期待は当時、相当高いものがありました。それもあってか、ここ日本(オリコン週間ランキング)では全米チャート(32位)を超える7位を記録。日本だけで20万枚を超える大ヒット作となりました。

で、本作は『IMAGES AND WORDS』で日本のメタルファンを虜にさせたメロディアス・プログレハード/メタル路線を踏襲しているのかと問われると、答えはノー。そう、完全にその手のファンの期待を裏切る内容だったのです(笑)。

作風的にはモダンヘヴィネス寄りで、時流に乗ったと言えなくもありません。事実、「Caught In A Web」や「The Mirror」「Lie」といったヘヴィ路線は前作にはなかったものですし、ザクザクしたギターリフは完全にMETALLICAブラックアルバムPANTERA『俗悪』以降のもの。そりゃあ“『IMAGES AND WORDS』パート2”を求めるファンからしたら裏切り行為以外の何物でもないですよね。

では、その裏切り行為の塊(笑)である本作はそんなに悪くて酷い内容なのかと言いますと、全然そんなことはない。むしろ、僕はDREAM THEATERの全キャリア中トップクラスで好きな1枚なんですよね。そう、こういう天邪鬼なリスナーも世の中にはいるんですよ。

モダンでシリアスさの強い「6:00」から始まる構成は、どことなく当時のQUEENSRYCHEにも通ずるものがあるし、ただヘヴィなだけではなくて「Innocence Faded」のようなポップなプログレハードも「The Silent Man」のようなアコースティックバラードも存在する。「Lifting Shadows Off A Dream」で聴かせる穏やかさと繊細さは、ぶっちゃけ大味気味だった『IMAGES AND WORDS』では表現できなかったものだと思いますし、アルバムラストを飾るダークなゴシックバラード「Space-Dye Vest」もひんやり感も捨てがたい。ダークだけどドラマチックさが備わった「Scarred」から「Space-Dye Vest」へと流れるこのラストの構成も、文句なしで素晴らしいと思います。

で、個人的に「Space-Dye Vest」と同じくらいプッシュしたいのが、本作のキモと言えなくもないダークなインストチューン「Erotomania」。このカッコよさと言ったら、もう……痺れますわ。実はこの曲と、続く「Voices」「The Silent Man」は「A Mind Beside Itself」と題した3部作の組曲となっていて、トータル20分という聴き応えのある構成なんです。また、「The Mirror」と「Lie」のヘヴィ2連発も曲間のない組曲的な構成となっていて、全体的にそういうシームレスさがこのアルバムが持つ独特の緊張感を高めている気がします。

世の中的には『IMAGES AND WORDS』は名盤で間違いないですし、入門編としても素晴らしい1枚だと思います。が、DREAM THEATERというバンドがその後も活動を続けていく上でひとつの指針となったのは、実はこの『AWAKE』のほうなんじゃないか。そんな気がしています。これがなければ、続くミニアルバム『A CHANGE OF SEASONS』(1995年)も、一大コンセプトアルバム『METROPOLIS PT.2: SCENES FROM A MEMORY』(1999年)も、2枚組の大作『SIX DEGREES OF INNER TURBULENCE』(2002年)も生まれなかったか、あるいはああいう作品にならなかったんじゃないでしょうか。そう思わずにはいられません。

 


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2017年11月26日 (日)

SONS OF APOLLO『PSYCHOTIC SYMPHONY』(2017)

ヘヴィメタルが世界的に大きなヒットを飛ばした80年代後半になると、“スーパーグループ”と呼ばれるような組み合わせの新バンドがいくつか結成され話題になりました。MR. BIGなんてまさにそれでしょうし、BLUR MURDERBAD ENGLISHもそう呼べるでしょう。90年代に入りメタルシーンが低迷し始めると、解散したバンドのメンバーが集まって新しいバンドを組み始める。必然的にそれらは“スーパーバンド”と呼ばれても不思議じゃないメンツになっており、もはや「“スーパー”とは?」とスーパー感がごく当たり前になってしまったことで有り難みが薄れてしまった。それは2017年になった現在、より強まっているのではないでしょうか。

しかし、そんな自分ですら「そうきたか!」と思わせられた最新の“スーパーバンド”が、今回紹介するSONS OF APOLLO。マイク・ポートノイ(Dr)、デレク・シェリニアン(Key)、ロン・“バンブルフット”・サール(G)、ビリー・シーン(B)、ジェフ・スコット・ソート(Vo)という80〜90年代のHR/HMファンなら誰もが一度は名前を耳にしたことがあるであろう面々ばかり。マイクとデレクは90年代後半にDREAM THEATERで一緒だったし、ビリーは現在MR. BIGのみならずTHE WINERY DOGSではマイクと活動をともにしている。バンブルフットは元GUNS N' ROSESで現在はART OF ANARCHYのメンバーだし、ジェフは初期YNGWIE MALMSTEEN'S RISING FORCEのシンガーで、一時はJOURNEYにも在籍していた。過去に在籍したバンドをカードに勝負することがあったら、間違いなく“勝てる”組み合わせです。

そんな彼らが組んだSONS OF APOLLOのデビューアルバム『PSYCHOTIC SYMPHONY』は、このメンツから想像できる音=プロヴレッシヴメタルが展開されています。DREAM THEATER的でもあり、昨今のヘヴィ/ラウドロック的でもある。ボーカルがジェフという時点でDREAM THEATERに似ないことはわかっていましたが、ここまでオリジナリティに満ちあふれた存在感を打ち出すかと、一聴して驚かされました。

80年代以降のDEEP PURPLE的な側面もあり、90年代以降のプログレメタルのカラーもしっかり受け継いでいる。それでいて現代にも通用するラウド感を持ち合わせているんだから、強いったらありゃしない。

楽曲もいきなり11分超の大作「God Of The Sun」から始まり、中盤に9分超えの「Labyrinth」を配置しながら、ラストは11分近いインストナンバー「Opus Maximus」で幕を降ろす。その間には4分前後のコンパクトな楽曲が配置されており(それでも十分に“プログレ”してるんですが)、とにかく情報量と聴きどころ詰め込みすぎな印象。すべてを理解するには、3回、4回と何度も聴き込む必要があります。

けど、最近のアルバムって数回聴いて「しばらくいいか」と思ってしまうようなものも少なくないので、こういう密度が高くて「もっと理解したい!」と思わせてくれる力作との出会いは正直嬉しくもあるんですよね。

5人の個性と技術が克明に打ち出されたこのデビュー作をもって、彼らは2018年に本格的なツアーを行うそうです。これ、ライブで観たら本当にどうなっちゃうんだろう……今からドキドキとワクワクが止まらない、そう久しぶりに感じさせてくれた1枚です。

 


▼SONS OF APOLLO『PSYCHOTIC SYMPHONY』
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2017年9月24日 (日)

DREAM THEATER『IMAGES AND WORDS』(1992)

1992年初夏にリリースされた、DREAM THEATER通算2作目のフルアルバム。デビュー作『WHEN DREAM AND DAY UNITE』(1989年)はここ日本でも一部マニアの間で話題となりましたが、ボーカル脱退などもありその後しばらくは話題になることはありませんでした。

が、“正統派メタル冬の時代”に突入した1992年、突然変異と言われてもおかしくない形で復活。ジェイムズ・ラブリエ(Vo)という“ちゃんと歌える”メタルシンガーを迎えたことで、QUEENSRYCHEの成功以降いくつも誕生した“プログレッシヴメタル”中でも頭ひとつ抜けた存在へと成長します。

ギターやベース、キーボードのテクニカルなユニゾンプレイ、長尺で起承転結のしっかりした楽曲(全8曲で57分。最長はラストの「Learning To Live」の11分半)、ボーカルパートよりもインストパートのほうがはるかに長いなど、プログレ特有のカラーは確かに強いものの、今聴くとこのアルバムってヘヴィメタル以外の何ものでもないんですよね。

時代背景を考えると、グランジ全盛でメタルといえばMETALLICAブラックアルバムPANTERAHELMETをはじめとするヘヴィでグルーヴィーなバンドがトレンドの時期。いわゆる様式美を軸にした正統派ヘヴィメタルや華やかに着飾ったファッションメタル、テクニック至上主義のバンドは“時代遅れ”だったわけです。実際この時期を境に、それまでメインストリームにいたHR/HMバンドはどんどんグランジやグルーヴメタル系からの影響をあからさまに見せた作品を出して、次々と失敗していく。なのに、DREAM THEATERはこんなにも“ど真ん中”なアルバムを、メジャーレーベルから堂々とリリースしたのですから、驚くのを通り越して「何考えてるんだよ!?」と言いたくなってしまうわけですよ。

思えば制作自体はグランジだグルーヴメタルだと騒がれる前には始まっているわけで、良い意味でそういったトレンドに影響を受けていない。ただ自分たちの信じた道をまっすぐ進んだら、世の中的に“突然変異”と受け取られるような作品を完成させた。これが真実なんでしょうね。

また、彼らがここまでど直球にヘヴィメタルと向き合ったのも、きっと本作が最初で最後なんじゃないでしょうか。もちろん本作以降のアルバムもすべてヘヴィメタルアルバムには違いないのですが、続く『AWAKE』(1994年)以降の作品では、DREAM THEATER自身もトレンドから影響を受け、低音を効かせたヘヴィロック路線へと移行しているんですから。そういう意味でも本作は奇跡であり、やっぱり異色なんですよね。

楽曲単位では本当にどれも素晴らしいので、ここで何か解説するよりもまずは聴いてもらうのが一番かなと。ちなみに、先日の来日公演で本作の完全再現ライブが披露されましたが、そこで改めて感じたのは、自分はアルバムB面(「Metropolis Part I: The Miracle And The Sleeper」「Under A Glass Moon」「Wait For Sleep」「Learning To Live」)が本当に好きだということ。これらの名曲を現在のテクニックで再現されるなんて、最高以外の何ものでもないですよね。



▼DREAM THEATER『IMAGES AND WORDS』
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