2003/10/03

ELECTRIC SIX『FIRE』(2003)

この夏、初来日にしてフジロックフェスティバルへの出演も果たし、更に11月には単独来日公演も控えているデトロイトの新星・ELECTRIC SIX。メンバーが5人しかいないのにバンド名に「Six」と付いていたり、デトロイト出身のくせしてディスコパンクだったり(それはあんまり関係ないか)、本国アメリカよりも先にイギリスでブレイクしてしまったり、とにかく風変わりなのに妙に親近感を感じてしまう、そういうサウンドを持ったバンドなんですね。自分は最初、シングル曲の"Danger! High Voltage"を聴いてこのバンドの存在を知ったんですが、正直これ1曲でどういうバンドだ、というのは判断つかなかったんですよ。'80年代的なバンドなのかな?と最初に感じたものの、どうも昨今のリフ・ロックの枠で括られてるみたいだし(それもどうかと思うけど)。で、続く"Gay Bar"のバカバカしいまでの爆走振りに更に惹かれて。気づけばアルバム買って、フジロックのステージ観て余計にハマって。そこで演奏されていたQUEENの "Radio Ga Ga" カバーを聴いて、何となくこのバンドの方向性みたいなものが見えてきたりして。いや本当はまだこのバンドのこと、何も判ってないのかもしれない‥‥といった具合に、どこまでがマジでどこまでが冗談なのかが正直判断つかないんですよね。ま、それがこのバンドの魅力なんでしょうけど。

ディスコ・ロックというかディスコ・パンクというか、とにかくそういったダンスビートを取り入れたパンキッシュなリフ・ロック‥‥大まかに言えばそんな感じなんじゃないでしょうか。サウンドは意外と骨太で男っぽいんだけど、そこに乗る歌は完全に聴き手をおちょくってるし。デトロイト出身ってことで、古くはイギー・ポップ率いるTHE STOOGES、最近では日英米で大成功を収めたTHE WHITE STRIPESといったバンドと比較されてるみたいだし、厳密に言えばデトロイト出身じゃないけどKISSなんかとも比較されることがあるみたいですね。"Detroit Rock City" を歌っただけで‥‥ま、"I Was Made For Loving You" というディスコ・チューンもヒットさせてるから余計に比較されるんでしょうけどね。エンターテイメント的要素で語れば、確かにKISSからの影響ってのもあるんでしょうね。ま、QUEENのカバーをやるくらいですからね。

'80年代から時代が一巡りも二巡りもして、今やあの時代にヒットしたニューウェーブやニューロマンティック、ヘヴィメタル等が新鮮に響く現在、同じような意味でこのELECTRIC SIXもヒットしたのか、それともTHE STROKESやTHE HIVES、あるいはANDREW W.K.と同じ流れで「次世代の○○○」みたいな感じでブレイクしたのか(ま、ANDREW W.K.も上記の'80年代リバイバルの流れにいるアーティストだと思いますけどね)。ただひとつだけ、確実に言えるのは、このELECTRIC SIXの楽曲が非常にポップでカッコよかったこと。じゃなかったら俺、絶対に見向きしてなかったって。上に挙げたシングル2曲以外にも引っ掛かる曲が沢山あったし、アルバムとしても十分楽しめたし。今年登場した新人の中では、個人的に一番面白いと思ったバンドですよ、彼等は。

やっぱりね、何か人と違ったことをやるには、徹底的に何かを演じ切らなきゃならないんですよ。このおバカさん達も、全てにおいて徹底的におバカですしね(そのサウンドに反してね)。まぁこのバンドに次作があるのかどうかはまた別の話ですが‥‥



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投稿: 2003 10 03 08:40 午前 [2003年の作品, Electric Six] | 固定リンク