カテゴリー「Enuff Z' Nuff」の12件の記事

2020年11月21日 (土)

ELLEFSON『NO COVER』(2020)

2020年11月20日にリリースされたデイヴィッド・“ジュニア”・エレフソン(B/MEGADETH)のソロアルバム第2弾。

日本では今年3月に発売された初のソロアルバム『SLEEPING GIANTS』(海外では2019年7月リリース)に続く今作は、全曲豪華ゲストを迎えたカバー集。全19曲の大半はエレフソンのルーツ的楽曲になるのでしょうが、そんな中にFIGHTの「Nailed To The Gun」があったり、ビリー・アイドル「Rebel Yell」やW.A.S.P.「Love Machine」といったMEGADETHのデビューと非常に近しい時期の楽曲も含まれています。これは相方のトム・ハザート(Vo)の趣味なんでしょうかね。

さてさて。そんな本作のレコーディングメンバーですが、ベーシックはトム、エレフソン、アンディ・マルトンジェリ(G/ARTHEMIS)の3人が中心で、曲によって以下のようなゲストが参加しています(とにかく長いのでご注意を)。

※ボーカル
ジェイソン・マクマスター(DANGEROUR TOYS、WATCHTOWER)、ドロ・ペッシュ、ジェイコブ・バントン(ミック・マーズ、LYNAM、ex. STEVE RILEY'S L.A. GUNS、ex. MARS ELECTRICなど)、アンドリュー・フリーマン(LAST IN LINE)、アル・ジュールゲンセン(MINSTRY)、ブランドン・イーグレイ(CROBOT)、デイヴ・アルヴィン(WHITE TRASH)、トッド・カーンズ(THE AGE OF ELECTRIC)、マーク・スローターSLAUGHTER)、チップ・ズナフENUFF Z' NUFF

※ギター
ロン・“バンブルフット”・サール(一部ボーカルも/SONS OF APOLLOASIAなど)、ガス・G(FIREWIND)、アンディ・ジェイムズ(ex. SACRED MOTHER TONGUE)、エディ・オヘダ(ex. TWISTED SISTER)、グレッグ・ハンデヴィット(KUBLAI KHAN、ex. MEGADETH)、フランク・ハノン(TESLA)、ラス・パリッシュ(STEEL PANTHER、ex. FIGHT)、ジョン・アクイリノ(ICON)、タイソン・レズリー、デイヴ・シャープ(DEAD BY WEDNESDAY)、シャニ・キメルマン、ドリュー・フォーティアー(ZEN FROM MARS)

※ドラム
パオロ・カリディ(HOLLOW HAZE、ex. KILLING TOUCH)、デイヴ・マクレイン(SACRED REICH、ex. MACHINE HEAD)、チャック・ビーラー(ex. MEGADETH)、チャーリー・ベナンテ(ANTHRAX)、デイヴ・ロンバード(SUICIDAL TENDENCIESDEAD CROSSMR. BUNGLE、ex. SLAYER)、ジミー・デグラッソ(ex. BLACK STAR RIDERS、ex. MEGADETH、ex. Y&Tなど)、ダーク・ヴェルビューレン(MEGADETH、ex. SOILWORK)、オーパス(DEAD BY WEDNESDAY)、トロイ・ルケッタ(TESLA)、マイク・ヘラー(RAVEN、ZEN FROM MARS、ex. FEAR FACTORY

演奏はどれも原曲に忠実で、可もなく不可もなくといったところ。トム・ハザートがメインで歌う前半はダミ声中心なので、曲によっては「う〜ん……」と思うものも含まれています。が、中盤から後半……「Riff Raff」(AC/DC)、「Over The Mountain」(オジー・オズボーン)、「Sweet F.A.」(SWEET)、「Downed」(CHEAP TRICK)あたりはトム不参加でそれぞれマイク・マクマスター、アンドリュー・フリーマン、トッド・カーンズ、チップ・ズナフが歌っているので安心して楽しめるはずです。また、「Sheer Heart Attack」(QUEEN)や「Love Me Like A Reptile」(MOTÖRHEAD)にはドロ・ペッシュが、「Say What You Will」(FASTWAY)にはマーク・スローターがそれぞれ参加しており、聴けばそれとすぐにわかるボーカルで楽しませてくれます。

まあ、こういうアルバムはああだこうだ言わずに無心で楽しむのが一番なんでしょうね。強いて言うなら……ジュニアってそんなにCHEAP TRICK好きだったんだ、と(笑)。あと、DEF LEPPARDもね(アートワークの話)。なんだかんだこの人、ポップなものが好きなんでしょうかね。

 


▼ELLEFSON『NO COVER』
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2020年9月20日 (日)

CHIP Z'NUFF『STRANGE TIME』(2015)

2015年2月3日にリリースされたチップ・ズナフの1stソロアルバム。日本盤未発売。

ドニー・ヴィ(Vo, G)と並び、初期からENUFF Z'NUFFの主要メンバーとして知られるチップ・ズナフ(B, Vo)。ドニー脱退後は自身がリードボーカルを兼任し活動を継続していますが、ドニーがバンドを再脱退してしばらくバンド活動がままならなかった時期に、こんなソロアルバムを出していたんですね。実はつい最近まで未チェックでした。

本作はTHE KINKSのカバー「All Day And All Of The Night」を含むアルバム本編10曲に、元GUNS N' ROSESのスティーヴン・アドラー(Dr)とタッグを組んだEP『ADLER Z'NUFF』収録の5曲をボーナストラックとして追加した全15曲入り。アルバムとしては約70分とかなり長尺ですが、ひとまずここでは本編10曲とボートラ5曲を分けて考えたいと思います。

まずは、アルバム本編から。気心知れた仲間とともに、自身のスタジオなどで制作された本作は、基本的にENUFF Z'NUFFの延長線上にある作風。穏やかでダークでサイケデリック……という点においては初期や90年代半ばのENUFF Z'NUFFを髣髴とさせ、大半の楽曲がチップひとりで書かれたものだという事実に驚かされます。というのも、どの曲もチップ&ドニー名義で制作されたENUFF Z'NUFFのアルバムに収録されていても不思議じゃないくらい、完成度が高いのです。

オープニングを飾るダウナーな「Sunshine」からして、王道のENUFF Z'NUFF流サイケナンバーだし、中にはNINE INCH NAILSのトレント・レズナーと共作&リック・ルービンがプロデュースしたヘヴィな「Strange Time」という異色作まで存在する。で、その異色作から続く「Dragonfly」のダウナー感もたまらない。なにこれ、なんでENUFF Z'NUFFで出してくれなかったの? っていうか、ドニーばかりが天才だと思い込んでいて、バンドを守り続けるチップのことを過小評価していて本当にゴメン! そう思わずにはいられない内容でした。

90年代後期の作品に収録されていても不思議じゃないシャッフルビートのポップナンバー「Still Love Your Face」、ファンクの影響が強いダンサブルなオルタナチューン「F..Mary..Kill」、ダウナー感強めのパワーポップ「Strike Three」や「Hello To The Drugs」など、派手めの演奏でアレンジされたら確実にENUFF Z'NUFFナンバーとして通用する良曲ばかり。しかし、チップのボーカルの地味さが悪い方向に手伝って、この良曲たちをうまく生かせていない。そこだけが本当に勿体ない! ドニーのアクが強いボーカルで表現されていたら、どれだけ名作になっていたことか……。

ちなみに、「All Day And All Of The Night」にはゲストとしてCHEAP TRICKのロビン・ザンダー、そして元ガンズのスティーヴン・アドラーがゲスト参加。これもロビンがリードをとればよかったのに……と思わずにはいられません。それくらい、コーラス&ハモリでのロビンの声が特徴的すぎるんですよ。はあ。

一方、スティーヴン・アドラーと完全共作で挑んだEP5曲は、元ガンズのアドラーらしい派手さが加わった、非常にハードロック色の強い作風。オープニングを飾る「My Town」なんて完全にソレですよね。そこに、チップらしいパワーポップ感(美メロハーモニーやアナログシンセを使ったフレージングなど)が加わることで、デビュー時のENUFF Z'NUFFをちょっとだけ思い出させてくれます。全体の音作りもファットでキラキラ感が強く、アルバム本編のダーク&シンプルと対極にある構成です(メロディライン自体は同じくらい良質なのに。不思議です)。なお、「Tonight We Met (And Now We're Going To Fuck)」にはアドラーの盟友スラッシュがゲスト参加。いかにもなギタープレイを聴かせてくれます。

アルバム本編然りEP然り、楽曲を軸にした作品評価は高くなりますが、ボーカルを軸にした場合はどうしてもそこよりも劣るものになってしまう。頭では「もうドニーとは決別したんだ……」と理解していても、体がドニーの声を求めてしまう。チップって、つくづく不幸な人だなと思います。と同時に、ドニーをいつまでも求め続けてしまう僕らもね(苦笑)。

 


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2020年7月28日 (火)

ENUFF Z'NUFF『BRAINWASHED GENERATION』(2020)

2000年7月上旬にリリースされたENUFF Z'NUFFの15thアルバム。日本盤未発売。

チップ・ズナフ(Vo, B)をリードボーカルに据えた編成が本格化し、それまでのドニー・ヴィ(Vo, G)路線に慣れ親しんだ耳に違和感を残した前作『DIAMOND BOY』(2018年)から、ほぼ2年ぶりの新作となる本作。チップがリードボーカルなのはもちろんなのですが、楽曲のスタイルのせいでしょうか、前作よりも馴染んだ感が強まった印象を受けます。

そのひとつ前の『CLOWNS LOUNGE』(2016年)が初期のデモ音源が多く含まれていたせいか、その流れを汲む前作は初期のグラムメタル路線やサイケポップ/メタル路線が復調していました。こういう派手さを伴う楽曲に、チップのこもり気味でインパクトの弱い歌声は合っていなかったんですよね。ところが、今回は中期パワーポップ路線が再び強まったせいで、彼のセンチメンタルな歌声が妙にマッチした。これが本作の成功の秘訣だったのではないでしょうか。

とはいえ、前作までのメタリックな色も要所要所に散りばめられている。見方によっては、これまでの集大成感が強い内容なのかな。それは参加ゲストによる影響も大きく、「Strangers In My Head」では脱退したドニー・ヴィがリードボーカルを担当。さらにマイク・ポートノイ(Dr/SONS OF APOLLOなど)やエース・フレーリー(G/ex. KISS)、ダックス・ニールセン(Dr/CHEAP TRICK)なども華を添えており、程よい派手さを保ちつつも軸にあるパワーポップ感は損なわれることはないという、絶妙なバランス感で成立しております。

なお、ドニー参加の「Strangers In My Head」はドラマーがドニー在籍時のメンバーであるヴィニー・カスタルドなので、もしかしたら新曲ではなく、前々作『CLOWNS LOUNGE』からのさらなるアウトテイクかもしれませんね。

楽曲の良さは近作の中でもピカイチだと思います。オープニングのショートチューン「The Gospel」からリードトラック「Fatal Distraction」への流れ、「I Got My Money Where My Mouth Is」や「Help I'm In Hell」といった楽曲群、どれも素晴らしいんですよ。ただ……これを全部ドニーが歌ったら、きっと2000年前後の諸作にも匹敵する良作として評価されたのではないでしょうか。しかし、如何せんボーカルが弱すぎる……派手なギターソロに全部持っていかれちゃうんですよね。そこだけが勿体ない。やっぱりこのバンドは、早急にフロントマンらしいフロントマンを探して立て直すのが正解だと思います。チップ・ズナフ、ソングライターとしては一流中の一流だけど、フロントマン&リードボーカルの器ではないですよ、残念ながら。

大好きなバンドだからこそ評価が厳しくなってしまいますが、ボーカル以外は90点以上のレベルをキープしているので、ぜひ……(本当はドニーが復帰して歌ってくれるのが一番なんですけどね!)。

 


▼ENUFF Z'NUFF『BRAINWASHED GENERATION』
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2019年5月14日 (火)

ENUFF Z'NUFF『10』(2000)

ENUFF Z'NUFFが2000年10月にリリースした通算9作目のスタジオアルバム(日本では同年3月に先行リリース)。9作目なのに『10』というタイトル? と当時は疑問に思ったものですが、これは1998年のライブアルバム『LIVE』を加えた「通算10作目のアルバム」という意味なんだとか。紛らわしいですね。

この頃の彼らは海外ではインディーズ、日本ではメジャー(ポニーキャニオン)という非常に不安定な状況下でしたが、こうやって安定した良作を日本でしっかり流通させてくれる、しかも海外よりも半年以上も前にリリースしてくれるという恵まれた現状を喜ばしく思ったものです。

が、そういった活動状況が災いしてか、本作は日本でリリースされたバージョンと、半年後に海外でリリースされたバージョンとで収録内容および曲順が一部異なりました(もっと言えばジャケットもね)。SpotifyやApple Musicで聴けるストリーミングバージョンは今でこそ日本バージョンに準じた内容なので、ここでは初出の日本バージョンで話を進めます。

前作『PARAPHERNALIA』(1999年)までの数年は過去に制作した音源をパッケージしてお茶を濁していた感が強かった彼らですが、その『PARAPHERNALIA』で本格的に息を吹き返し、続く今作『10』では当時の彼らが目指した「普遍的なロック/パワーポップ」スタイルがひとつの到達点にまで達したように思います。

デビュー当時のようなフラッシーなギタープレイや重厚なハードロックサウンドを完全に排除して、地味ながらも普遍的な楽曲作りに専念した結果が本作なのかなと。それに、『PARAPHERNALIA』までは確実に存在したハードロック的要素が本作では可能な限り払拭されている。スタイル的にはダークな『TWEAKED』(1995年)とアコースティックベースの『SEVEN』(1997年)をよりスケールアップさせたような印象を受けますが、今作でのソングライターとしての手応えは、間違いなくバンドの(というよりもフロントマンであるドニー・ヴィの)その後の方向性を決定づけたと言っても過言ではない気がします。

若干ダークながらもヘヴィすぎない「Wake Up」から「The Beast」への流れ、そこから一気に弾ける「There Goes My Heart」という構成も素晴らしいですし、何よりも「There Goes My Heart」という名曲が含まれているというだけで本作に対する評価は大きく変わる気がします。

さらに「All Right」や「Holiday」といった良メロナンバーも含まれていますし、「Bang On」みたいなアップテンポのロックンロールやサイケデリック調の「Fly Away」、本作でもっともハードロック色が強い「No Place To Go」(USバージョンの『PARAPHERNALIA』にオリジナルバージョン収録。今作のバージョンではチップ・ズナフが歌唱)があったりと、アルバムとしてもバラエティ豊か。「ENUFF Z'NUFFってどんなバンド?」と質問されたら、まずこれを聴かせておけ!と言いたくなるくらい、“らしさ”がたっぷり詰まった1枚です。

 


▼ENUFF Z'NUFF『10』
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2018年8月26日 (日)

DONNIE VIE『GOODBYE: ENOUGH Z'NUFF』(2014)

2013年にENUFF Z'NUFFを脱退したドニー・ヴィ(Vo, G)が、同年に行ったツアー「Magical History Tour」からセレクトされた音源で構成された、2014年2月発売のライブアルバム。フィジカルではCD+DVDで発売され、DVDにはライブの模様に加え、ENUFF Z'NUFF時代のMVがたっぷり収録されています(MV自体の画質はかなりひどいですが)。

さて、このアルバムタイトル……ズナフの2ndアルバム『STRANGTH』(1991年)の収録曲から取ったものです(本ライブアルバムの最後にも収録されています)が、サブタイトルとして付けられた「ENOUGH Z'NUFF」によってその意味合いがかなり変わってくるのではないでしょうか。そこにこのアルバムジャケット。これを知ったときは「ああ、もう復帰はあり得ないんだろうな……」と気持ちを切り替えたことをよく覚えています。悲しかったけどね。

ここで演奏されている楽曲は、ファンならお気づきかと思いますがすべてENUFF Z'NUFF時代の楽曲。これらがドニーのアコギやピアノ弾き語りで表現されています。やっぱりこの“声”なんですよね。何ものにも変えがたい、唯一無二の歌声。この声でグラムメタルやパワーポップ的な楽曲を歌うからこそ、ほかの同系統バンドとは異なる艶やかさが生まれ、オリジナルな存在になれたわけですから。

そして、改めて良曲の多いバンドであると同時に、こうやってギター1本で歌っても魅力が落ちないことに驚かされる楽曲をたくさんもっとバンドだったんだな……と過去形で言いたくなるくらい、いろんなしがらみから解き放たれたドニーの歌を楽しめる、好企画盤だと思います。たとえこれが小金稼ぎのために無理やり作ったものだとしても、すでに脱退したメンバーを含む、30年近く前の音源を発表する今のあのバンドより、こちらを支持したいな。

曲によってはシンガーソングライターのバズ・フランシスがハーモニーで華を添えています。「You Got A Hold On Me」や「New Thing」あたりが、まさにそれ。ラスト2曲(「Someday」「Goodbye」)のバラードもそうですね。

にしても、「There Goes My Heart」や「Fly High Michelle」「Time To Let You Go」はいつ聴いても色褪せない名曲中の名曲だなと。「There Goes My Heart」が発表された時期には、ズナフも再びオーバーグラウンドへ浮上できるんじゃないか……と思ったんですけどね。残念です。



▼DONNIE VIE『GOODBYE: ENOUGH Z'NUFF』
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2018年8月25日 (土)

ENUFF Z'NUFF『DIAMOND BOY』(2018)

2018年8月リリースの、ENUFF Z'NUFF通算14枚目(かな? 未発表曲集などの編集盤含めて)のスタジオアルバム。ドニー・ヴィ(Vo, G)在籍時のデモ音源などを含む前作『CLOWNS LOUNGE』(2016年)で、チップ・ズナフ(Vo, B)を中心にした新編成で本格的再始動を果たした彼ら。続く本作は、すべてチップ、トリー・ストッフリーゲン(G)、トニー・フェンネル(G, Key)、ダニエル・ヒル(Dr)という布陣で制作。もちろん、ボーカルはすべてチップが担当しています。

 

正直、チップの歌声にはドニーのような艶や危うさ(そこが“これぞフロントマン”的で良かったんですが)は皆無で、なんとなく録音の質感で“それっぽさ”は表現できているものの、ちょっとパンチに欠けるかな……楽曲のインパクトも以前と比べて弱めなだけに、歌が弱いと全体的にナヨナヨしたものに感じられちゃうんですよね。本当に勿体ない。

 

 

その楽曲も、インパクトは若干弱いものの、全体的にはよくできているほうではないかと。オープニングのSE「Transcendence」には少々驚くものの、続く「Diamond Boy」「Where Did You Go」は初期のグラムメタル然とした彼らをイメージさせるし、「We're All The Same」は王道のパワーポップ感がにじみ出ている。けど、歌がパッとしないから(以下同文)。

 

その後も初期っぽいヘヴィサイケロック「Fire & Ice」、ストレンジポップ風の「Down On Luck」、タイトルのわりにそこまでメタルっぽくない「Metalheart」、サイケバラード「Love Is On The Line」、豪快なハードロック「Faith Hope & Luv」、バラード調の「Dopesick」「Imaginary Man」と“惜しい”楽曲が並びます。悪くはないんですよ、どれもこれも。だって、ドニーが歌うだけでもうちょっと点数が高くなったと思うし。

 

 

本当に歌って大事。特にこの手のサウンドを信条とするバンドは、絶対に歌をごまかしちゃダメ。全部ラジオボイスみたいなエフェクトをかけて逃げようとするぐらいなら、もっとこのバンドに合ったフロントマンを見つけてこなくちゃ。それとも、過去の遺産(ENUFF Z'NUFFというバンド名さえあればやれること含め)を使ってミュージシャンとして延命したいだけなんでしょうかね、チップは。前作の録り下ろし曲「Dog On A Bone」は普通に録音してたぶん、まだよかったのに……。

 

ひどいことばかり書いているけど、本当に好きなバンドだからハードルを高く設定したくなるんですよ。ドニーを呼び戻すことが考えられないなら、本当にね、早急に歌える色気あるシンガーを捕まえてくること。チップが歌い続ける限り、100点は与えることはできないと思うな、自分。

 

 

 

▼ENUFF Z'NUFF『DIAMOND BOY』
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2018年4月16日 (月)

ENUFF Z'NUFF『TWEAKED』(1995)

日本では1994年11月に、海外では翌1995年にリリースされたENUFF Z'NUFFの4thオリジナルアルバム。1994年5月に発売された、初期のデモ音源をまとめた『1985』は当初企画アルバム扱いでしたが、のちにこちらが4thアルバムとして認識されているようになり、この『TWEAKED』が5thアルバムに繰り下げとなっています。

メジャーのAtlantic Recordsからデビューし、2枚のアルバムを発表後、3枚目の『ANIMALS WITH HUMAN INTELLIGENCE』(1993年)をArista Recordsからリリースするも、1枚で契約終了。『1985』からインディーズに拠点を移し、この『TWEAKED』もインディーズからのリリースとなりました。

それもあってなのか、本作のサウンドは過去3枚と比較すると非常にチープで生々しいプロダクションです。もちろん、80年代的なビッグプロダクションが時代遅れになっていたというのもあるでしょうが、それにしてももう少しどうにかできなかったのかなと思うものの、今作が今後リマスターなりされる機会もまずないでしょうから、これはこういうものとして受け取ることにしましょう。

内容についてですが、録り下ろしオリジナル作品として前作にあたる『ANIMALS WITH HUMAN INTELLIGENCE』に多少孕んでいたグランジなどダークなロックからの影響は本作にも見え隠れしますが、当時言われたほどグランジ的なカラーは今聴くと感じられない気がしていて。むしろ、2ndアルバム『STRENGTH』(1991年)にあったダークさに近いようなイメージかもしれません。要するに、このカラーって彼らが本来持ち合わせていたもの……例えばビートルズにおけるジョン・レノンの色だったり、CHEAP TRICKのヘヴィさだったり、そういうものと同質なんじゃないかなと。

そして、ダークかつヘヴィだからといってポップではない、なんてこともなく。どの曲にも彼ららしいメロディアスさがしっかり混在していますし、中には「My Dear Dream」や「We're All Alright」「It's 2 Late」みたいな極上のポップチューンも含まれている。すべてがすべて、この3曲のようではないけれど、それでもENUFF Z'NUFFというバンドの本質的な部分はしっかり感じられる。いや、むしろこのバンドが本来どういうルーツを持つバンドなのかが、初期3作、さらにはデモ音源集『1985』以上に色濃く刻まれているのではないか。その後彼らが進んだ道を認識すればするほど、この『TWEAKED』という作品は非常に重要な1枚だったのではないかと思うわけです。

冒頭の「Stoned」から重々しいですが、そんな中にもキラリと光るメロディアスさとセンスがしっかり感じられる。曲によっては従来のグラマラスさに加え、ブルースフィーリングあふれるナンバーも混在しており、内向的な作風に花を添えています。『STRENGTH』を好むようなリスナーにはうってつけの1枚ではないでしょうか(だからこそ、サウンドプロダクションがもう少し……ね。苦笑)。

最後に、ジャケットについても。本作は2タイプのジャケットが存在しており、初版はアイルランドの葬儀の様子をとらえた写真が用いられており、作品本来がもつダークさと相まって不気味さを醸し出しています。が、のちの再発では不気味かつサイケなイラストが用いられており、こちらもこちらでどうかと思うもの。僕は初版のジャケが気に入っています。



▼ENUFF Z'NUFF『TWEAKED』
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2017年3月23日 (木)

ENUFF Z'NUFF『CLOWNS LOUNGE』(2016)

また随分と微妙な作品をぶっこんできたなぁ……というのが正直な感想。まぁそこも含めてENUFF Z'NUFFらしいっちゃあらしいんですが。

日本では2009年、海外では2010年に発表された前作『DISSONANCE』から実に7年ぶりに発表された本作『CLOWNS LOUNGE』は、1988〜89年頃に制作されたデモ音源をベースに、2004年に制作されつつも未発表だった楽曲、そして新たに2016年に録音された楽曲を含む、とても“ニュー”アルバムとは呼べない代物。もちろんZ'NUFFにはこれまでにも未発表音源をまとめたアルバムはいくつか発表されているので、これもその一環と考えれば全然受け入れられるんだけど……要は、現在バンドには往年のフロントマン、ドニー・ヴィ(Vo, G)が在籍していないのに、その彼が歌う楽曲が中心のアルバムを新作として発表するのはどうなの?という疑問が残るわけです。こればかりは、過去のケースとはまったく異なりますからね。

しかも、1988〜89年というと1989年のメジャーデビュー作『ENUFF Z'NUFF』発表前夜。メンバーもドニーのほか、現在もバンドに在籍するチップ・ズナフ(Vo, B)、2004年に亡くなったデレク・フリーゴ(G)、バンド脱退後にヴィンス・ニールのソロプロジェクトに加わるヴィッキー・フォックス(Dr)という懐かしい布陣で、演奏スタイルも中〜後期(1990年代後半以降)とは異なる“もろに”ハードロックスタイル。楽曲の質感もその系統ですが、メロディが持つポップさ、普遍性はのちの彼らにも通ずる……というか、この時点ですでに一貫していたんだなと気づかされます。そう、“あの頃のENUFF Z'NUFF”が好きな人にはうってつけの1枚なのですよ(ただし、あくまでデモ音源がベースなので、それなりの音質。そこにこだわる人はご注意を)。

しかし、そこに現体制……チップがボーカルを務める楽曲も含まれていて、それがしらじらしくアルバムのオープニングを飾るんだから、なんとも言えない気持ち悪さを冒頭から感じてしまうんです。過去の遺産(と、世の中的には言えないレベルかもしれないけど)を食い潰す、あるいは過去の名声に便乗する……ドニー時代を愛する自分からしたら、そう見えてしまうアルバムなんです。

そんな中、アルバム中盤に突如登場する「The Devil Of Shakespeare」。この曲のみ2004年の録音なんですが、ボーカルを担当するのが元WARRANTのジェイニー・レイン。彼も2011年にお亡くなりになってますし、そんなことを考えながら聴くとよりいたたまれない気持ちになってしまうのです(ちなみにリードギターはSTYXのジェイムズ・ヤングがプレイ)。

彼らも5月に開催されるL.A.メタル系フェス『L.A. METAL SUMMIT in TOKYO』で久々に来日。「あれ、L.A.関係あったっけ?」という疑問も残りますが、“ドニーがいないZ'NUFF”を観て現実を受け入れるしかないのでしょうか。いい曲がそれなりに多い本作を聴くたびに、モヤモヤした気持ちになってしまうのです。



▼ENUFF Z'NUFF『CLOWNS LOUNGE』
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2003年10月28日 (火)

ENUFF Z'NUFF『1985』(1994)

ENUFF Z'NUFFが1994年にリリースした企画アルバム。正式なオリジナル・アルバムではなく、これは1985年頃に録音されたデモ音源を編集して1枚にまとめたもの。メジャーデビューが1989年だから、それよりも4年も前ってことになるんだけど、これがかなり面白い音源集でして。

メジャーデビュー後の彼等は時代のせいか(80年代中~後半、アメリカではハードロックがブームだった)かなり硬質でビッグプロダクションなアルバムを連発してきたけど、ここで聴ける音源は、まぁインディーズ紛いのデモ音源ということもあってかなりチープなんだけど、楽曲の構成がまず違うのね。

メロディの潤いや根本的な部分は既にこの時点で完成されてるといっていいんだけど、何せ曲調がハードロックというよりもパワーポップ色の方が強いというか。確かに現在にも通ずるハードな面もあるし、いかにもアメリカ人的な大袈裟な面も同時に存在するんだけど、ここではもっとルーツに忠実というか。例えば彼等がインディーズシーンでのブレイクの切っ掛けとなった「Catholic Girls」なんて曲調とかドニー・ヴィの歌声がまんまエルヴィス・コステロなのね。他にもコステロを彷彿させる楽曲はいくつもあるんだけど、他にもCHEAP TRICKだったり、それこそビートルズだったり。そういったルーツを臆面もなくひけらかしてるのがこのアルバム。実はこのアルバムが好き、っていうズナフ・ファンって結構いるんじゃない?

メンバーはさすがにリリース当時のメンツとは違い、ドニーとベースのチップ・ズナフは基本メンバーだからいいとして、ギターには90年代中盤の彼等を支えた旧友・ジーノ・マルティノが、ドラムにはB・W・ボウスキーという人が参加してます。ま、ジーノに関しては「おいおい、こういう曲でそんなに弾きまくらなくても……」とちょっと困ってしまう面もあるにはあるんですが、まぁそれも時代ってことで、ええ。基本的にはギターもそんなに歪んでないし(メジャー3作と比べてね)もっと温かみがある音がするんですよね。ドラムの音色も前作までにあった人工色は全くないし。ま、プロデュースらしいプロデュースがされてないってのも大きな要因なんでしょうけど。けどミックスに関しては一応一流所のクリス・シェパードが担当してるんですよね。だからちゃんと聴けるものに仕上がってるってのもあるんでしょうね。

アルバムはいきなりSMOKEY ROBINSON & THE MIRACLESの70年のナンバー1ヒット曲、「Tears Of A Clown」で始まるんですが、このへんの遊び心もまた憎い。ギターソロを除いてですけどね(相変わらず弾き過ぎ)。余韻を引きずったまま名曲「Catholic Girls」へと流れていくんですが、これが自然な感じでまたいいんですわ。

コステロっぽい「Day By Day」、絶対にジョン・レノンを意識してるであろうピアノバラード「No Second Time」ときて、イントロの泣きメロが印象深い「Hollywood Squares」(どう聴いてもコステロ!)、ちょっとCHEAP TRICK的かな?と思えなくもないポップロック「Fingers On It」、BON JOVIあたりの哀メロ・ハードロックを彷彿させる美メロ・マイナーチューン「Aroused」、これぞアメリカン!なハード・シャッフル「Marie」、典型的なアメリカンロック「I'll B The 1 2 Luv U」、アルバム中最もヘヴィな側面を持つメロディアスロック「Goodbye, Goodbye」で終わるかと思わせて、シークレットトラックとなるアコースティックナンバー「You Got A Hold Of Me」で終了。約40分というトータルランニングも丁度いいし、とにかくメジャー3部作と違って気楽に聴けるのがいいですね。

ここにはドラッグによるドンヨリとした重い空気もないし、サイケな色合いもないし、意図したヘヴィさもない。凄く自然体なんですね。自然体だからこそ、若気の至りでギターソロ弾きまくったり、聴いてて恥ずかしくなるような「まんま」な引用も登場する。けどそれは決して悪いことだと思わないし、むしろその後の「完成された」ズナフを考えると「これがあったから今があるんだな」と素直に思えるんですね。そういった意味で非常に重要な1枚ですし、むしろファーストから聴くよりもこのアルバムを最初に聴いた方がいいんじゃないか、って思える程。ま、これから聴いちゃうと、その後のハードロック路線がちょっと歯がゆく感じるかもしれませんが。

そうそう。丁度このアルバムの頃(1994年)ってアメリカでもレコード契約がなくて、日本でアルバムを3枚(『1985』含む)リリースしてるんですよ。アルバムジャケットだけでなくリリースした時期とか順番も若干変わってくるんですね。一応今回はUSでのリリース順を参考にレビューで取り上げる順番を決めてます。ま、読む方としてはあまり関係ない話かと思いますが。



▼ENUFF Z'NUFF『1985』
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2003年10月13日 (月)

ENUFF Z'NUFF『ANIMALS WITH HUMAN INTELLIGENCE』(1993)

アメリカのハードロック/パワーポップ/グラムロック・バンド、ENUFF Z'NUFFが1993年春にリリースした、通算3作目となるオリジナルアルバム。前2作をリリースしていた「Atlantic/Atco」レーベルから契約解除され(1stアルバム『ENUFF Z'NUFF』に比べ、2nd『STRENGETH』はまったくといっていい程ヒットしなかった)、新たに「Arista/BMG」と契約。前作から約2年振り、満を持してのリリースとなるはずが、出鼻を挫かれるような出来事が起きます。

それはデビュー時から参加していたドラムのヴィッキー・フォックスの脱退です。レコーディングには参加しているものの、丁度この頃から元MOTLEY CRUE(当時)のシンガー、ヴィンス・ニールと活動を共にし始め、結局ENUFF Z'NUFFを脱退し、ヴィンス・バンドに加入することになるのです。そういうこともあって当時のアルバムジャケットにはメンバーが3人しかいないのです。が、ジャケット撮影終了後に無事、リッキー・ペアレントという人物の加入が決まります(その後、現在に至るまで彼はバンドに在籍しています)。

更に、ギタリストのデレク・フリーゴにもレコーディング中に脱退騒動が持ち上がります。実際、一時期バンドを離れたようです。レコーディングには初期のバンドに関わっていたジーノ・マルティノが参加したものの最終的には復帰、ツアーにも参加しています(が、このアルバムのツアー終了後に正式脱退)。

そして、レコーディングに入る前に、シンガー/ギタリストのドニー・ヴィがドラッグ問題で入院~リハビリのため、数ヶ月バンドを離脱する事件も起きています。2ndアルバム『STRENGETH』がデビュー作以上にダークでヘヴィな作風だったのは、ソングライターであるドニーのドラッグ癖が影響していたのだ、と後に自身が語っています。

レコード契約を失ったりメンバー個人の問題や脱退騒動等、バンドとしてはどん底といっていい状態だった彼等ですが、心機一転、このアルバムではこれまでとは違ったアプローチで新たな側面を見せてくれています。

まずこのアルバムのレコーディング・セッションは2度行われています。HEARTや復活後のCHEAP TRICKPOISONBAD ENGLISHといったハードロック/産業ロックを多く手掛けてきたリッチー・ズィトーをプロデューサーに迎えた7曲(「Right By Your Side」「These Daze」「Innocence」「One Step Closer To You」「Takin' A Ride」「The Love Train」「Mary Anne Lost Her Baby」)と、ドニー&チップ・ズナフ&フィル・ボナーノという布陣でプロデュースされた5曲(「Superstitious」「Black Rain」「Master Of Pain」「Bring It On Home」「Rock N World」)に分かれるのですが、こうやってレコーディング時期毎に分けてまとめて聴いてみると前者と後者とで作風が若干違うことに気づきます。

リッチー・ズィトーが手掛けたということもあってか、前作までにあったビートルズ的なポップな側面を更にシュガーコーティングしたかのような人工的なサウンドエフェクトをあしらった前者に対して、1993年という時代背景(産業ハードロックの後退~グランジ/ヘヴィロックの台頭)を踏まえた上でそういった要素を取り込んで自己流に表現しようとする新たな側面を見せてくれる後者は、確かに前作までの「ヘヴィ」とは違ったヘヴィさを表現してるように感じます。内面的ヘヴィさを強調した『STRENGETH』とは違った、単純に装飾としてのヘヴィさ。楽曲の持つメロディ自体はそれまでと何ら変わっておらず、むしろそのポップなメロディセンスは更に磨きがかかっているようにも感じられます。

確かに「時流に乗って便乗しようとしてる」と非難することも出来るでしょうし、「完全に消化しきれていない」という声もあるでしょう。けど、個人的な趣味からいえば初期3枚のメジャーレーベルからのアルバムの中では、これが一番聴きやすいと思うんですよね。保守的ながらもメロの冴えは抜群なリッチー・ズィトーが手掛けた楽曲群といい、時流に乗ったアレンジを持つヘヴィなセルフ・プロデュース作といい、とにかく聴きやすい。ハードロックの範疇でのサウンドですが、これはこれで素晴らしい1枚だと思いますよ。

とにかく名曲揃いなんですよ。後にガールズ・ポップバンドであるTUESDAY GIRLS(後にTUESDAYSに改名)はENUFF Z'NUFFの曲を幾つかカバーしてるんですが、特にこのアルバムからのリードシングルにもなった「Right By Your Side」は出色の出来で、Z'NUFFバージョンは勿論、TUESDAY GIRLSバージョンもまた良いんですよね。他にも名バラード「Innocence」や、やはりメロの冴えが異常に優れている「Mary Anne Lost Her Baby」等、印象に残る曲は沢山あります。

しかし、いくら1曲1曲が優れているからといっても、アルバムのトータルバランスとしてはちょっと……という気もしたりして。プロデューサーが2チームあったり、レコーディング時期やアプローチがそれぞれ異なっていたり等、いろんな事情が絡んでくるんですが、それらは全てバンドの意思ではなくレコード会社の指示だったことも、彼等の弁護のために記しておきます。その後、そういったメジャーレーベルのやり方に嫌気が差した彼等は、インディーレーベルで地道に活動していくことになります。

そうそう。このアルバムはリリース後、暫くして廃盤になってしまうんですが(唯一日本盤のみ入手可能でしたが、非常に品薄で手に入りにくかったのも事実)、このアルバムの権利を「BMG」から買い取り、2000年秋にインディーレーベルから再発されています。ジャケットが2種類あるのはそのためです。また、当初は日本盤にのみボーナストラックとして収録されていた「Fingertips」というバラードも、再発盤に無事追加収録され、現在では世界共通の全13曲入りとなっています。その他、再発時にバラされた事実として、当時GUNS N' ROSESのメンバーだったスラッシュが1曲、「The Love Train」でギターを弾いているというのも、新たな魅力となっているのではないでしょうか(ま、言われるまで気づかなかったし、言われても「そんな気がする」程度なわけですが)。



▼ENUFF Z'NUFF『ANIMALS WITH HUMAN INTELLIGENCE』
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