2017/09/14

ESKIMO CALLBOY『THE SCENE』(2017)

ドイツ出身のスクリーモ/エレクトロニコアバンドの4thアルバム。2014年発売の2ndアルバム『WE ARE THE MESS』は聴いていたのですが、続く3rdアルバム『CRYSTALS』(2015年)の未聴のままで今作に触れてみました。

まず、本作ではサウンド/楽曲が非常に整理されているなという印象が強い。以前の彼らが持っていたハチャメチャな雰囲気が一掃され、全体的にシリアスな空気が漂っている。どこかBRING ME THE HORIZONの最新作『THAT'S THE SPIRT』(2015年)の空気感に通ずるものがあり、あの作品の成功に影響を受けたのは明白かと思います。

また、もろもろ整理されたことで非常に聴きやすくなったのも本作の特徴。どの曲もキャッチーだし、耳障りの良いメロディとシンガロングしたくなるサビメロを持ち合わせている。アクセントとしてしっかりEDMの要素も取り入れているものの、そのへんは以前ほど濃いものではない。例えば4曲目「Banshee」でのゴリゴリしたサウンドに、色付け程度でシンセのシーケンスサウンドが乗る程度。正直、このくらいの取り入れ方だったら同じようなバンドは他にもたくさんいるよね、と。

そう、このバンドならではの“絶対的な個性”が本作ではメロディセンス以外に感じられないんですよね。もちろん、そこが強いバンドが最終的に生き残るとは思うんですが、サウンドメイキングに関しては“絶対的な個性”は薄まっているんじゃないかなと。そこがすごく勿体ない気がするんですが、これってこの手のバンドが必ず通る鬼門なのかもしれないですね。

曲単位でも『THAT'S THE SPIRT』を意識したナンバーがいくつか見受けられるのは、微笑ましいといえばそれまでだけど、もうあのアルバムも2年前のヒット作であり、BMTH自身も次に進むべき道を現在模索してる最中だと思うんですよ。うん、そういう意味では本作でやっていることは、少なくともあと1年早くやるべきでしたよね。全体的な出来が良いだけに、非常に勿体ない。本当にその一言です。

なんて否定的なことばかり書いてますが、基本的にアルバムとしての出来は素晴らしいです。平均以上の仕上がり。80点以上あげてもいいとさえ思ってる。けど、90点の壁を超えられないのは、先に触れた“絶対的な個性”の部分ね。もしかしたら次のアルバムでさらに化けるのかも……と期待しておきます。



▼ESKIMO CALLBOY『THE SCENE』
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投稿: 2017 09 14 12:00 午前 [2017年の作品, Eskimo Callboy] | 固定リンク