2018年4月18日 (水)

FAIR WARNING『FAIR WARNING』(1992)

ドイツ出身のメロディアスハードロックバンドFAIR WARNINGが、1992年に発表したデビューアルバム。ドイツ本国では同年3月、日本では半年遅れて9月にリリースされましたが、音専誌などで高く評価されたことから翌1993年には初来日公演も実現。本国以上にここ日本で強い支持を誇る、“ビッグ・イン・ジャパン”的な存在のひとつです。

もちろん、それだからといって一発屋だとか作品が一過性のものだとか、そんなことはまったくなく、リリースから25年以上経った今聴いても非常に優れたハードロックアルバムであることには間違いありません。

昨日紹介したPINK CREAM 69同様、このバンドもいわゆるジャーマンメタル的なカラーを持ち合わせない存在のひとつで、ウレ・リトゲン(B)とヘルゲ・エンゲルケ(G)の書くヨーロッパのバンドらしい哀愁味強めのメロディを武器に、それらを非常に卓越したバンドアンサンブルとフロントマンであるトミー・ハート(Vo)の圧倒的なボーカルで表現することにより生まれるマジックで、このデビュー作は埋め尽くされている。それがすべてだと思います。

「Out On The Run」や「The Heat Of Emotion」(かのジノ・ロートによる書き下ろし曲)といったメロウなアップチューン、「When Love Fails」「One Step Closer」「Take A Look At The Future」をはじめとする聴き応えのあるミディアムナンバー、そして「The Call Of The Heart」「Long Gone」「Take Me Up」などこのバンドにとって大きな武器のひとつであるメロディアスなバラードなど、どこをどう切り取っても名曲ばかり。

かと思えば、「The Eyes Of Rock」みたいにメジャーキーの疾走ナンバー、シンセを味付けに加えることでキラキラ度が増す「Hang On」のような楽曲もあり、同系統の楽曲一辺倒では終わらない。ヨーロッパを基盤にしたバンドにアメリカンフレイバーを散りばめるという点においては、先に名前を挙げたPINK CREAM 69と共通する要素も多々ありますが、ボーカリストのカラーが違うと印象もここまで変わるんだな、ということを強く実感できるはず。僕はアンディ・デリスタイプのシンガーが好きだったので、最初こそFAIR WARNINGには苦手意識があったけど、ちゃんとアルバムを聴くとその曲の良さに気づかされ、いつの間にか苦手意識もなくなっていました。

そういった意味ではこのバンド、同郷の大先輩であるSCORPIONSの80年代以降のスタンスに近いものがあるのかもしれません。そう考えると、『LOVE AT FIRST STING』(1984年)以降のSCORPIONSとの共通点も見えてくるのではないでしょうか。

その後も名作と呼ばれる作品を数々発表していますが、トータルとしての完成度の高さはこのデビュー作が随一だと思っています。



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投稿: 2018 04 18 12:00 午前 [1992年の作品, Fair Warning] | 固定リンク