2017/03/16

FIREHOUSE『FIREHOUSE』(1990)

WARRANTと同じく、ギリギリHR/HMブームの恩恵を受けることができたのが、1990年に本国デビューを果たしたアメリカの4人組バンドFIREHOUSE。彼らのデビューアルバム『FIREHOUSE』は同年8月にリリースされましたが、結成自体はその前年1989年のこと。意外とトントン拍子でデビューまでこぎ着けたんですね。つまり、ライブでの生え抜きということではなく、単純に楽曲が認められたということなのかもしれません。

ところが、ここ日本でのCDデビューはそこから半年以上経った1991年4月のこと。そう考えると、デビュー時のFIREHOUSEはそこまで好待遇というわけではなかったのかな。それに、本国と日本での推し曲のタイプがここまで違うか?というのも興味深いバンドだったし。日本ではマイナーメロHR「All She Wrote」がシングルカットされ、本国ではアーシーさも感じられるアメリカンロック調の「Don't Treat Me Bad」をシングル化。アルバムジャケットも海外盤の“美女が放火すると言わんばかりに火のついたマッチ棒を持つ”デザインから、日本オリジナルのもの(メラメラと燃える炎の中にメンバー4人のシルエットを浮かび上がらせたもの)に変更されています。

で、日本デビューと前後して「Don't Treat Me Bad」はBillboardチャートぐいぐい上昇して、全米19位という記録を残します。これが正しい選択だったということなんでしょうね。ちなみに「All She Wrote」ものちにアメリカでシングルカットされましたが、58位と低調な結果で終わっています。

続く2ndシングルは名バラード「Love Of A Lifetime」。この曲が全米5位という大ヒットとなり、アルバムも最高21位、計200万枚を売り上げる、デビュー作としては上出来な結果を残します。

「Don't Treat Me Bad」のようにアコースティックギターをうまく取り入れた土着的な楽曲は、この時点ではFIREHOUSEの軸ではなかったのですが、のちの“アンプラグド”ブームと結びついてアコースティックアルバムを出すまでにつながっていきます(これが形となるにはもう数年かかるのですが)。が、やはりこのバンドの強みは「All She Wrote」や「Overnight Sensation」で聴ける繊細なメロと、「Rock On The Radio」「Snake & Tumble」「Don't Walk Away」などで味わえるワイルドでダイナミックなハードロックサウンドだと思います。その2面性をしっかり使い分けることができるからこそ、「Don't Treat Me Bad」や「Love Of A Lifetime」のような楽曲が映えるわけです。

また、C.J.スネア(Vo)のクセの強いハイトーンボイス、ところどころで自己主張しまくりなビル・レヴァティー(G)のギタープレイも、個性の強さのわりに曲の邪魔をしていない。それどころか、曲の良さに拍車をかけているんだから、さすがとしか言いようがないわけです。本当、(WARRANTとは別の意味で)よくできたデビューアルバムだと思います。



▼FIREHOUSE『FIREHOUSE』
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投稿: 2017 03 16 12:00 午前 [1990年の作品, Firehouse] | 固定リンク