2004/05/16

FRANZ FERDINAND『FRANZ FERDINAND』(2004)

FRANZ FERDINANDというこのヘンテコなバンド名。昨年末辺りからよく目に/耳にするようになり、今年に入ってからも英「NME」で大々的に取り上げられたことから話題が日本に飛び火し、まだ見ぬ(というよりもまだ音さえも聴いていない人も多いのに)「期待の大型新人」と大騒ぎ。雑誌メディア等でも既に取り上げられ、ようやくファーストアルバムがヨーロッパで今年2月にリリース。アメリカでも4月にリリースされ、時同じくして日本では「FUJI ROCK FESTIVAL 04」への出演が決定。そして遅ればせながら6月にここ日本でもアルバムがようやくリリース決定。一部の洋楽ファンの間ではその名前だけが先行している感が強い彼らも、この日本盤リリースによって、いよいよ本格的にブレイクするのかなぁ、という気が。

イギリスはスコットランド、グラスゴー出身の4人組。言われてみれば「成る程」と納得してしまう風変わりなバンドですよね。グラスゴー出身というと妙に「ヘンテコ」「風変わり」「一筋縄でいかない」というイメージが強いもんですから。しかもこのファーストアルバム、THE CARDIGANSといった'90年代中盤に流行したスウェディッシュ・ポップの仕掛人としても名高く、日本でも原田知世やBONNIE PINK等を手掛けてきたプロデューサー、トーレ・ヨハンセンが手掛けています。どういう経緯で彼を起用したのかは判りませんが、これは非常に面白い組み合わせだなぁと思います。グラスゴー繋がりでその筋で名の知れた方々を起用するという手もあったはずですが、このひねくれ具合もスコティッシュ・バンドならではかな、と。まぁ勝手に妄想してるだけですが。

とにかく、そのサウンドも一筋縄ではいかないもので、ガレージロック(リバイバル・ロックンロール?)風なものからディスコ風、ニューウェーブ風、ポストパンク風と、とにかく多彩。そういう意味では昨年ブレイクしたELECTRIC SIXを彷彿させましたが、こちらの方がもっとミニマルなイメージがありますね。ELECTRIC SIXってステージングやその音そのものもそうだけど、もっとエンターテイメント色が強いしね(QUEENの "Radio Ga Ga" をカバーする辺りにも出てますしね)。

決して演奏が特別上手いとか凄いという印象はないんですが、シンプルな4ピースの演奏(+時代を感じさせるシンセサウンド)がいい味を出してるのも確かで、曲毎にいろんな要素や色を見せつつも、最終的には(これは個人的な感想ですが)ポストパンク色で統一されたアルバムだなぁというイメージを抱くんですよね、アルバムを聴き終えた後。このごった煮感がポストパンクのそれと被るのかもしれないけど、だからといって‥‥例えばTHE RAPTUREやRADIO 4みたいなバンドともちょっと違う。あー英国産のバンドだなぁというイメージもしっかり持ってる。このFRANZ FERDINANDが『新世代USポストパンクに対する、英国からの回答』と評される意味、なんとなく理解できますね。

またロックンロール・リバイバル~ニューウェーブという側面からTHE STROKES辺りとも比較されてるようですが‥‥成る程、確かにそれも一理あるかな、と。音の触感は確かにその流れにあるかも。けどやっぱり別物だよね‥‥当たり前の話だけど。今上に挙げたようなここ数年の間に登場した新世代バンドが全部アメリカ産なのに対して、これがイギリスからの答えだ!と胸を張りたいのも判るよ。バンド側がそれを狙ってるとは思えないけど、結果としてそうなってしまうのも仕方ないのかな、と。

個人的に最近、よく聴くアルバムの1枚なんですよね。「Rough Trade」のポスト・パンクのコンピ盤と併せて聴くと、その面白味もまた増していい感じです。勿論、上に挙げたような新世代USバンドが好きな人も気に入ると思うし、最近のUKロックを追ってる人にもオススメしたバンドのひとつだし。音楽以外の面でも、やれエミネムのボディーガードに殴り掛かったとか、いろいろと面白話題を提供してくれてるし、かのOASISも「いろんな意味で」注目してるみたいだし、これはひょっとして‥‥今年後半、いろいろな意味で音楽シーンを盛り上げてくれるバンドになるかもですね。ま、とりあえずは夏の初来日時に彼らのステージを観て、最終的な判断をしてみたいと思います。



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投稿: 2004 05 16 07:26 午後 [2004年の作品, Franz Ferdinand] | 固定リンク