2017/06/16

FREE『FIRE AND WATER』(1970)

FREEのスタジオアルバムでもっともヒットしがのが、1970年6月に発売された通算3枚目のスタジオアルバム『FIRE AND WATER』です。実は彼ら、我々が思っている以上に実働期間が短く、1969年にデビューして1971年には一度解散。1972年に再結成するものの、翌1973年には再度解散しているのです。

1969年に発表された2枚のスタジオ作『TONS OF SOBS』『FREE』も決して悪くはないのですが、やはり『FIRE AND WATER』には「All Right Now」という大ヒットシングル(全英2位、全米4位)が含まれていることもあり、アルバム自体も全英2位、全米17位という出世作につながったと言えます。

考えてみたら、たった7曲しか入っていない35分程度のアルバムなのですが、その中身はかなり濃密。ポール・ロジャース(Vo)の歌声も脂が乗った状態で艶やかだし、ポール・コゾフ(G)のギターソロも非常にセクシー。アンディ・フレイザー(B)のベースラインは無駄に動き回るし、サイモン・カーク(Dr)のドラミングは大きな特徴があるわけじゃないけど妙にしっくりくるし。4人の個性は本当にバラバラなのですが、そのすべてが良い方向に噛み合った奇跡的な1枚ではないでしょうか。

前半4曲(アナログA面)の気だるさは若い頃に聴いたときは退屈に聴こえたのに、今はなぜかグッとくるものがある。で、B面(5曲目以降)のその気だるさは引き続きなんですが、「Mr. Big」後半のインタープレイはいつ聴いてもカッコ良いし、最後はポップでキャッチーな(本作中唯一陽気な)「All Right Now」で締めくくる。最後だけ取って付けた感がなきにしもあらずですが、まぁこの時代のアルバムってこういうものなんじゃないの?という一言でここは済ませたいと思います。

個人的ベストソングは、オープニングからどっしり構えた「Fire And Water」と、ピアノとポール・ロジャースのセクシーな歌声の相性抜群な「Heavy Load」、そして(バンドのほうの)MR. BIGのカバーよりやっぱり原曲のほうが最高でしょ!ってことで「Mr. Big」。もちろんそれ以外の楽曲もすべて良し。「Oh I Wept」も「Remember」も良いしね。

人によっては「FREEはライブ盤『FREE LIVE!』とベスト盤を聴いておけばOK!」と言うかもしれませんが、ここはあえて本作を真っ先にオススメしておきたいと思います。



▼FREE『FIRE AND WATER』
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投稿: 2017 06 16 12:00 午前 [1970年の作品, Free] | 固定リンク

2005/10/31

QUEEN + PAUL RODGERS@横浜アリーナ(10/30)

 俺とQUEENとの関係性については、「とみぃの宮殿」時代からいろいろ書いてきてるし、このブログに移行してからも幾つかQUEEN絡みのレビューを書いてるので、その中から伺い知ることができるかと思うんだけど‥‥今日のレポートは、レポートにならない、単なる感情の捌け口として書かせてもらうつもりなので、そういう感情的なレポートやレビューが嫌いって人は見ない方がいいかと思います。つーか、このサイト(ブログ)に冷静なものを求めてるんだとしたら、二度と来なくていいや。そういうのは、そういう文章が上手い人のサイトで読んで。うちはどう足掻いたって、そういう文章しか書けないんで。むしろ変えるつもり、一切ないし。俺自身が感情のこもってない文章やレポート、レビューが大嫌いというのが大きいからね。もうそこだけは、どうやったって変えようがない。変えるつもりがないんで。さ、他所行った方がいいよ!


 というわけで‥‥本当に「好きな人」だけ読んでください。ここから先はかなり長くなるんで。。



 念願のQUEENのライヴに行ってきました。いや、正確にはこれはQUEENではないんだけど。FREEやBAD COMPANYとして活躍し、10年くらい前にジミ・ヘンドリクスやブルーズのカバーを引っ提げて来日したポール・ロジャースをシンガーに迎えて(その10年前の来日、観に行ってますから)、敢えて『QUEEN + PAUL RODGERS』という名義にして。ベースのジョン・ディーコンも参加してない(もう隠居してしまったみたいですね)、ある意味ではQUEENの二分の一しかいない、「それ、ホントにQUEEN名乗っちゃっていいの?」状態なわけですが‥‥ライヴで、ブライアン・メイやロジャー・テイラーが演奏し歌うQUEENナンバーを聴けるってだけで、俺は幸せだと思うんですけど‥‥先にライヴ盤を聴いて好意的に捉えられてたんで、今回の来日にも喜んで行くことを決めてました。

 さ、ここからはセットリストに沿って、箇条書きですがレポートというか感想を書いていきます。まず最初に10/30のセットリストから。


  01. Reaching Out
  02. Tie Your Mother Down
  03. Fat Bottomed Girls
  04. I Want To Break Free
  05. Wishing Well [FREE]
  06. Crazy Little Thing Called Love
  07. Say It's Not True (Vo:Roger)
  08. '39 (Vo:Brian)
  09. Long Away (Vo:Brian)
  10. Love Of My Life (Vo:Brian)
  11. Teo Torriatte (Vo:Brian&Paul)
  12. Hammer To Fall
  13. Feel Like Makin' Love [BAD COMPANY]
  14. Let There Be Drums (Instrumental)
  15. I'm In Love With My Car (Vo:Roger)
  16. Guitar Solo (Instrumental)
  17. Last Horizon (Instrumental)
  18. These Are The Days Of Our Lives (Vo:Roger)
  19. Radio Ga Ga (Vo:Roger&Paul)
  20. Can't Get Enough [BAD COMPANY]
  21. A Kind Of Magic
  22. I Want It All
  23. Bohemian Rhapsody (Vo:Freddie&Paul)
  ---Encore---
  24. I Was Born To Love You (Vo:Roger&Brian)
  25. The Show Must Go On
  26. All Right Now [FREE]
  27. We Will Rock You
  28. We Are The Champions
  29. God Save The Queen (Instrumental)


 オープニングS.E.は "It's A Beautiful Day" のダンスミックス。そこで皆立ち上がるんだけど、更にこの後、何故かEMINEMの "Lose Yourself" が。それに合わせてギターがギュイーンと鳴る。ブライアン、遊び過ぎ。
 ステージには暗幕がかかったまま。"Reaching Out" でポールひとりが最初に出て来て歌う。途中からブライアンも出て来て、そのまま "Tie Your Mother Down" のリフを弾き、ドラムが入るところで、暗幕降りる。
 ポールの歌、ライヴ盤でも安定感あったけど、この日も年齢を感じさせない余裕さと安定感。2日連続の2日目とは思えない声量。さすが。
 "Fat Bottomed Girls" はズッシリするドラムが気持ちよい。けどロジャー・テイラーのドラムはちょっと‥‥時々危なっかしい場面あり。暫くドラムから遠ざかってたからか?
 日本公演では今日が初お披露目となる "I Want To Break Free" に好リアクション。ただ、「God knows♪」って歌わせるところでは、みんなキョトンとしてた。なんだ、やっぱりにわかファンが殆どか。。
 "Wishing Well" は前日外されてただけに、聴けて嬉しかった。んだけど‥‥前の曲とのリアクションの違いが凄い。客席寒過ぎ。歌ってる客なんて殆どいなかった。ポールがマイク向けるんだけど、誰も歌えてない。それでもポール、「Good」を連発。さすがプロ。泣ける。
 本来ならここで "Another One Bites The Dust" にいくんだけど、この日はカット。そのまま "Crazy Little Thing Called Love" へ。ポールもギターを抱え、3人でアコギ。サビで弾くのを止めて、ブライアンもエレキに持ち替える。ロジャーのドラムはこういうスウィングする曲に合ってる気がする。

 "Say It's Not True" ではロジャーと、サポートのギター&ベースの2人がアコギ抱えて花道中央へ。それまでずっとかけてたサングラスを外して熱唱。悪くないね。
 ここでブライアンに交代。花道中央で椅子に座ってギブソンのアコギを抱える。日本語の挨拶しまくり。ヨコハマ、トウキョウ、ニッポンって全部言ってるよ!
 みんな歌って!って言ったはいいものの、明らかに古いファンしか歌えてない "'39"。そりゃ最近ベスト盤で知ったような客には難しいわな。その後に嬉しい "Long Away" が。前日はボロボロだったみたいだけど、今日は良かった。
 そして‥‥"Love Of My Life"。さすがにこの曲は大合唱だった。ワンコーラス殆ど歌ってたし。鳥肌立った。そして泣いた。いろんな思い出のある1曲なだけに、いろんなことを思い出して、泣けて泣けて仕方なかった。曲の最後に天を見上げて、フレディが見てるよ、みたいなことを言って、フレディコール。この時点で俺、ボロボロ泣きまくり。
 そこから更にアコギで "Teo Torriatte" を歌うブライアン。こっちは客の声がちょっと小さかった。途中からバンドが加わり、後半にポールが戻ってきて一緒に歌う。

 "Hammer To Fall" は変な構成のアレンジにされてるんだよね。いきなりサビ→ブリッジ→ソロ、みたいな。唐突過ぎ。恐らくポールにはキーが高いから省いてるんだと思うけど。
 バドカンの "Feel Like Makin' Love"。やはり日本ではFREEとかバドカンって弱い。あとQUEENのファンって聴いてなさそうだもんな、この辺のロック。客の反応最悪なんだけど。それに反してポールのパフォーマンスが凄い。あの節回しはさすが。天才だと思った。10年前にも聴いてるんだけど、あの時以上だわ。
 その後、ロジャーのドラムソロ。ブライアンも途中加わったりするんだけど、まずまずって感じ。年齢の割りには頑張ってた。久し振りだな、ドラムソロやるライヴなんて。そしてそのまま "I'm In Love With My Car" をドラム叩きながら歌う。カッコいいな、この曲は。
 そこからブライアンのギターソロへ。ディレイやハーモナイザー(かな?)を駆使した長編ソロ。途中、「さくら」のフレーズを取り入れたソロや、例の津軽じょんがら風フレーズも飛び出し、それなりに飽きさせない。そのままインストナンバー "Lost Horizon" へ。ツインリードがカッコいい。

 ロジャーがドラムセットから降りて、ハンドマイク持って "These Are The Days Of Our Lives" を歌う。ハーモニーはブライアンがつける。こうやって「INNUENDO」の曲をライヴで聴ける日が来ようとは、夢にも思わなかったなぁ。
 そのまま打ち込みリズムで "Radio Ga Ga" へ。原曲通りですよ、打ち込みだけに。サビではあの手拍子をみんな一緒にやりました。つーか折角来たなら、やらなきゃ損でしょ? 最後のサビ前にポールが戻ってきて、ロジャーはドラムセットに座り、再度叩き始める。
 ポールの持ち歌 "Can't Get Enough" へ。あんな簡単なサビを歌えないお客が不憫すぎる。つーかホントにポールかわいそう。この曲でもポールの歌はホントに凄い。やっぱり自分の持ち歌の時は、歌い慣れてるせいか節回しがQUEENの時と全然違う。もっともブルージーとクラシカルっていう違いも大きいかもしれないけど(グルーヴィーとストレートともいうか)。ポールって前者だから、QUEENの曲では不思議な融合感が味わえるんだよね。俺は好きだよ。この曲でのブライアンのギターも良いね。すっげー楽しそうに弾いてるのな。あと、ロジャーはやっぱりこういうスウィングするリズムが合ってるんだと思った。
 "A Kind Of Magic" ではさすがにポールにはキーが高過ぎるので、ロジャーやキーボードのスパイク・エドニーがサポート。でもロジャーの節回しもカッコいい。そしてブライアンのソロが気持ちいいんだよな、この曲は。
 これまたライヴ活動休止後の曲 "I Want It All"。こういうヘヴィな曲はポールの声に合ってると思う。中盤のソロパート(テンポが早くなるパート)はやっぱりライヴならでは。是非一度、フレディが歌うライヴテイクを聴いて/観てみたかった。。
 スクリーンにフレディの姿が映される。"Bohemian Rhapsody" なんだけど、ライヴ映像とフレディの歌とピアノ音声を抜き出して、そこにライヴ演奏を足すという荒業が。hideのライヴかよ! でもこの演出が泣けるんだよね。映像と歌テイクはウェンブリー'86のやつかな? オペラパート後のテンポアップするところで、ポール再登場。あのパートをポールが歌い、その後再び静かになるパートでは、ポールとフレディが交互に歌うという演出。何か知らないけど、涙が止まらない状態に。この曲でこんなに泣けるとは思いもしなかった。頭で判っていても、やっぱりいざこの演出を目の当たりにすると、泣くしかない状況に。
 ここで本編終了。時間にして約1時間50分。

 アンコールはブライアンとロジャーが揃って登場。花道中央で二人して "I Was Born To Love You" のショートバージョンを歌う。演奏はブライアンのアコギのみ。つーかこの曲がこの日一番の歓声ってのはどういうことよ? この曲の人気/評価がここまで高いのって、日本だけじゃん。そもそもこの曲、QUEENの曲ではなくて、フレディ・マーキュリーのソロアルバムの曲なのに。ビールのCMやドラマの主題歌じゃなくて、ノエビア化粧品のCMソングなのに! そこを忘れるなよ!
 終ると、あのストリングス系キーボードのフレーズが。待ってました!の "The Show Must Go On"。ポール用にキーは落としてあるので、意外と合ってました、ポールの歌声に。ただ、終盤の盛り上がる部分では、フレディみたいな高音はなかったけどね。決してライヴでやるような曲だとは思わないんだけど、やっぱりメッセージなんだろうな、我々に対する。
 ポールの持ち歌では最も知名度が高い(はずの)"All Right Now"。さすがにこれはみんな歌えてた。安心した。俺もポールも(何様だ俺は)。カッコいい、全てがカッコいい。ポールも、ブライアンも、ロジャーも、そしてサポートメンバーも。みんないい仕事してるよ。ホント最高な1曲だった。

 そしてQUEENライヴ終盤のお約束の2曲‥‥いよいよラストが近づいてるんだな。。

 "We Will Rock You" では勿論あの手拍子を一緒にやって、サビで大合唱。ポールの節回しがハンパなくカッコいい。ブルージーな "We Will Rock You" ってのも、また味わい深くて良いね。
 間髪入れずにそのまま "We Are The Champions" へ。サビ前のオペラ風コーラスまでしっかり再現するサポート隊に拍手。ポールの節回しって勿論独自のものも多いんだけど、基本的にはフレディのライヴでの歌い方や節回しに忠実なんだよね。そこに凄く好印象を受けたし、ちゃんと意思を継いでるような気がして、古くからのファンとしては嬉しいし、聴いてて気持ちよいんだよ。これがジョージ・マイケルだったら、あるいは他のシンガーだったら、ここまでは出来なかったと思う。やはりポールで大正解だったと思います。ま、勿論単なる「QUEENの再結成」ではないけどね、今回は。
 曲終了と共にイギリス国歌 "God Save The Queen" が流れ、約2時間20分に渡るライヴは終了。感無量。バンドに拍手を送ると同時に、自分自身にも拍手してたよ、俺。あーやっぱり最後も泣いたなぁ。目が真っ赤なのが自分でもよく判るくらいに、泣いた。絶対に周りの人から不審がられてたと思うけど、これだけは仕方ない。20年待ったんだもん。いや、14年前には待つどころかもう諦めたんだけどね、二度と観れないって。なのに、今回こういう形で観れた。純粋なQUEENじゃないけど、その夢を無惨にぶち壊すことなく、大切に扱ってくれているのがしっかり伝わったし、そして観る側も安心して楽しめた。QUEENであってQUEENではないんだけど‥‥俺の中ではひとつの達成感があったし、もの凄い満足感があった。これでよかったんだと思う。観なかったら、多分この先の人生、ずーっと後悔してたと思うから。だからこれで良かったんだよ。うん。



▼QUEEN + PAUL RODGERS「RETURN OF THE CHAMPIONS」(amazon:日本盤US盤


 これを機に、是非BAD COMPANYやFREEも聴いてみて!


▼BAD COMPANY「IN CONCERT : MERCHANTS OF COOL」(amazon


▼FREE「FREE LIVE!」(amazon

投稿: 2005 10 31 02:19 午前 [2005年のライブ, Free, Queen] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/09/27

QUEEN + PAUL RODGERS『RETURN OF THE CHAMPIONS』(2005)

 QUEENはフレディ・マーキュリーが亡くなった時点で、ほぼ解散してしまったも同様なわけですよ。そう、1991年11月24日に幕を閉じたと言っても過言ではないのです。その翌年4月、残された3人のメンバーは様々なシンガーを迎えてチャリティーライヴを行い、それから数年後には生前に残されたフレディのボーカルトラックを用いて「ニューアルバム」を完成させ、更に数年後には「フレディ抜きのQUEEN」として新曲まで発表しました。しかし、俺にとってのQUEENは間違いなく、あの日に終っていたんです。

 QUEEN復活(敢えて「再結成」とは呼びません)について周囲がざわつき始めたのは、結構前の話です。当初はジョージ・マイケルをシンガーに迎えてアルバムを作るなんて話もありました。しかしここ数年、ロビー・ウィリアムスを迎えてツアーに出るのではないか?なんて噂が飛び交ったりもしました。

 とあるイベントでブライアン・メイとポール・ロジャース(元FREE/元BAD COMPANY等)が共演したことが切っ掛けみたいですが、この両者が「QUEEN + PAUL RODGERS」名義でライヴツアーを行うことを発表、ライヴではポールがQUEENの曲を歌うだけでなく、FREEやBAD COMPANYの曲をQUEENのメンバーが演奏する、ということまで発表され、多くのQUEENファンは複雑な思いの中、その『復活の日』を待つことになったのです。更にこのツアーにはQUEENのベーシスト、ジョン・ディーコンの姿はなく、バンドメンバーはQUEENやブライアン・メイのツアー・サポートメンバーによって固められていました。

 当初、俺もこの組み合わせには疑問だったし、少々ガッカリしたのも確かでした。QUEENの歴史をあのままキレイに閉じて欲しかった‥‥しかし、この6月に新宿コマ劇場であのミュージカル『WE WILL ROCK YOU』を観る機会がありまして。この時、ああいう形でQUEENの名曲をライヴ形式で聴くことが出来、ファンとしては非常に嬉しかったのも確かです。だって‥‥俺、QUEENを生で一度も観たことなかったんですよ? 俺が彼等を知った時には、既に最後の来日公演が終了した後だったんですから。ブラウン管の中でしか動くQUEENを観たことない世代なんですから‥‥

 そんなことも手伝って、このライヴ盤「RETURN OF THE CHAMPIONS」にもフラットな気持ちで接することができたのです。QUEENの曲を、歌の上手いシンガー(しかもそれが大好きなバドカンのポール・ロジャース)が歌い、更に懐かしい "All Right Now" や "Can't Get Enough"、"Feel Like Makin' Love" といったFREE/バドカンの名曲まで聴くことができる。でもそれは決して俺の知ってるQUEENではない‥‥そう素直に割り切ることができたのです。自分も大人になったんだなぁ‥‥それが良いことなのか悪いことなのかは別としてね。

 このライヴアルバム、非常に良い出来だと思います。ポール・ロジャースは十数年前に、マディ・ウォーターズのカバーアルバムをリリースした時、JOURNEYのニール・ショーン等を引き連れて来日した時に観てるので、その上手さに関しては熟知してるつもりですし、何気に俺、BAD COMPANYが大好きなんですよ。昔、バンドでもコピーしてた程でして。そんな慣れ親しんだQUEENやバドカンの曲を2005年の現代に、ライヴで聴くことが出来るというのは、素直に喜ぶべきことなんじゃないですかね? 俺はそう思います。確かに曲によってはフレディのように歌えてないし、あるいはポールの声に合わせてキーを下げてる楽曲もあります。でも、逆にそれが「ポール・ロジャースらしさ」を垣間見せる機会となってるのも確か。フレディにはない枯れた感じ(共にソウルフルではあるけど、ブルージーさではポールの方が数歩上じゃないでしょうか?)が曲によってはマッチングしているし、またブライアン・メイがギターを弾く "All Right Now" というのも興味深い。ポール・コゾフは「向こう」でこれ聴いて、どう思うんですかね?

 確かにこのアルバムの中で繰り広げられているのは、QUEENのあの名曲達であり、俺の知ってるQUEENの断片なんだけど、でも‥‥矛盾するけど、同時に俺の知ってるあのQUEENでもないんだよね。なんていうか‥‥凄く庶民的で浮世離れしてない、素朴なQUEENというか。別にスケールダウンしてるわけじゃないんだけど、もっと手に届くところにいそうなイメージというか。それがポール・ロジャースによるものなのか、あるいはフレディの不在によるものなのかは判りません。でも‥‥俺は素直に喜びたいと思う。だって来月、これらの曲を生で聴く機会を得ることが出来たんだから。

 10月30日。このアルバムを聴き込んで、横浜アリーナに臨もうと思います。二度とQUEENは観れないと思ってたのに、こういう形で実現する日が訪れようとは。少々複雑な心境もあるにはあるんですが‥‥とりあえず、今はこのアルバムを心から楽しみたいです。



▼QUEEN + PAUL RODGERS『RETURN OF THE CHAMPIONS』(amazon:日本盤US盤

投稿: 2005 09 27 01:12 午前 [2005年の作品, Free, Queen] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック