GHEEE『GHEEE』(2007)
昨日のHARISSのところで触れたので、せっかくだからGHEEEについても何か書いてみましょうか。
GHEEEは今年結成された4人組ギターロックバンド。メンバーは近藤智洋(Vo&G:ex.PEALOUT)、深沼元昭(Vo&G:Mellowhead、PLAGUES)、hiisayo(B:東京ピンサロックス)、YANA(Dr:DRYASDUST、ex.ZEPPET STORE)という豪華な布陣。近藤さんと深沼さんによるツインボーカルが魅力で、とにかくハードにロックンロールするちょっとひねくれたサウンドが魅力的です。
PEALOUTにしろPLAGUESにしろZEPPET STOREにしろ、みな洋楽を感じさせるようなサウンドで'90年代後半からロックファンを魅了したバンドなんだけど、そこに所属したメンバーが一堂に会した新バンドというのにまずドキリ。そして紅一点のベース・hisayoの存在ね。これが非常に大事です。ステージを観てもらえばわかると思うけど、独特なしなやかさをバンドに吹き込んでるんですよ。コーラス要因としても大活躍だし、スラッとした長身の彼女がムサい30〜40代のオッサンたち(笑)の中にいるだけでぜんぜん違うわけですよ。
サウンドは……PEALOUTともPLAGUESともZEPPET STOREとも、もちろん東京ピンサロックスともMellowheadとも違う、独特なもの。ポイントポイントでこれらのバンドの要素は感じられるんだけど、そのものズバリとか、「あぁ、そうそう!これこれ!」というようなものではないのね。そりゃもちろん、近藤さんが歌えばどこかPEALOUTっぽく感じられなくもないし、深沼さんが歌ってギター弾きまくればPLAGUES的と言えなくもない。だけど、違うの。完全に新しいものを構築しようとしてるんですわ。意図的なのか、自然になのかは別として……多分、自然に出てきた音なんでしょうね。手前味噌ですが、うちの会社でGHEEEにインタビューしているので、よかったら読んでみてください(しかも、メディアとして初だしね)。
初期のPEALOUTやZEPPETがそうだったように、このバンドも歌詞は英語。ギターはとにかく歪んでる……ライブを一度観ましたけど(確か結成してから2度目とか、それくらいのライブ)、音はデカイですよ。あと、曲は確実にライブで聴くべきだと思いました。ライブ観る前から、すでに出来上がっていた1stのサンプルを何度も聴いていたんだけど、それ以上でしたね。そういう意味では、まだこのバンドとしての最大の魅力をCDには詰め込みきれてないとも言えるわけですが……まぁそれは、作品を重ねていくごとに解消されてくんじゃないかな。とにかく、ライブ観てほしいですね、ライブ。
ストレートなようで、変なクセがある。だけどライブを観ると一発でノックアウトされてしまう。そんなカッコイイバンドですよ、GHEEEは。恐らくフェスとかに出て多くの人の目に触れる機会を得れば、さらに飛躍すると思いますよ(人気も、そしてバンドとしてのケミストリーも。やっぱりバンドは人に見られてナンボですからね)。
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