2018年6月23日 (土)

GHOST『PREQUELLE』(2018)

スウェーデン出身のハードロックバンド、GHOST(北米地区ではGHOST B.C.と表記されることも)の4thアルバム。前作『MELIORA』(2016年)の全米8位にも驚かされましたが、本作はそのさらに上をいく全米3位に輝くという大成功を収めています。アメリカ人、こういうキャラものが結局好きなのかね。

はい、キャラものと書きましたが、フロントマンのパパ・エメリタスことコピア枢機卿こと本名トビアス・フォージ(Vo/ややこしいわ!)のルックスやそのステージングを過去の映像で観たら、納得してもらえると思います(最新のMVではかなり地味になっていますが)。まあメンバーのその名前もふざけてますし、バンド名が“おばけ”って時点で世の中ナメてますからね(笑)。

だけど、音そのものは非常に聴きやすいメロディアスかつプログレッシヴな80年代風ハードロックを聴かせてくれます。スタート時こそリー・ドリアン(元CATHEDRAL)主宰のRise Avobe Records所属のドゥームメタルバンドでしたが、今やちょっと古臭いオールドスクールなハードロックを展開しているんですから驚きです(しかもこのルックスで)。

でも、アルバムで取り上げているテーマには彼ら(というかトビアス・フォージ)ならではのこだわりがあり、過去には「迫りくる破滅」「反キリストと宗教裁判」「人文主義と強欲さ」(以上、レーベルサイトより)を取り扱っており、本作では「暗黒時代」をテーマにアルバムは制作されています。

とにかく、聴きやすい。見た目の印象からもうちょっとおどろおどろしいものをイメージするかもしれませんが、まったくそんなことはなく、歌声も意外と?爽やか。メロディもしっかりしており、適度にフィーチャーされたキーボードと適度に歪んだギターの音が気持ちよく響きます。

また、アルバムにはインストナンバーも2曲含まれており、中盤の「Miasma」ではサックスまでフィーチャーされています。さらに、「Pro Memoria」では壮大なストリングス&コーラス隊も導入されており、どこか往年のヨーロピアンプログレを思い出させてくれます。

ボーカルのトーンが高くなく、中音域をメインにしていることからHIMあたりにも通ずるものがあったりします。そのへんが好きなリスナーなら絶対に気にいる1枚かと。こういったアルバムが純粋に評価されるのは、ロック低迷といわれる2018年だからこそ嬉しくもあります。ですが、本作は日本盤のリリース予定なし。ちなみに前作も日本盤はスルーされています。来日が決まったりしたら、また違うんでしょうかね……過去にはサマソニで来日しているのですが、ぜひ秋恒例の大型フェスで観たいものです(まあ今年はなしですけどね)。

なお、本作のデラックス盤にはボーナストラックとして2曲のカバー(PET SHOP BOYS 「It's A Sin」、レオナード・コーエン「Avalanche」)が追加されているので、カバーソング好きはこちらもチェックしてみてはどうでしょう。



▼GHOST『PREQUELLE』
(amazon:海外盤CD / 海外デラックス盤CD / MP3

投稿: 2018 06 23 12:00 午前 [2018年の作品, Ghost] | 固定リンク