GLIM SPANKY『BIZARRE CARNIVAL』(2017)
タイアップ曲満載だった前作『Next One』と今作との間にこの新作への導入編的ミニアルバム『I STAND ALONE』(今年4月発売)があったおかげで、今回の大胆な変化・進化に難なく対応できたリスナーは多いのではないでしょうか。そう、彼らはこの3rdアルバムで一気に“化けた”のです。
『Next One』でのポップネスはそのままに、従来のヴィンテージロック感をベースにしながらサイケデリック度増し増し。冒頭3曲の流れなんてブリットポップからの影響すら見え隠れする。さらにはゼロ年代以降のダンスロック的な楽曲も存在するのだから、とにかく驚きの連続なのです。
もちろん、これは単なる“過去の偉大なバンドたちの焼き直し”なんかじゃない。GLIM SPANKYならではのカラーがサウンドやメロディ、歌詞にしっかり根付いているし、全体のテンポ感含めすべてが“現代の音/ビート”として鳴らされているのですから。ミニアルバム収録曲も2曲含まれているが、それらも新機軸のアルバム曲と並ぶことで最初に聴いたときとは異なる意味まで見えてくる。ホント、末恐ろしいバンドに進化したものですね。
※このレビューは本作リリース時、『TV BROS.』に掲載されものを加筆・修正して掲載しています。