2017/03/08

JACK RUSSELL'S GREAT WHITE『HE SAW IT COMIN'』(2017)

2つの同じ名前のバンドが同時期に存在する……日本だったらまずありえないことですが、海外に目を向けるとこういった案件がいくつか存在します。最近だとドラマーのボビー・ブロッツァー以外は知らないメンバーからなるRATTと、スティーヴン・パーシー(Vo)、ウォーレン・デ・マルティーニ(G)、フォアン・クルーシェ(B)という“バンドの顔”が在籍するRATT。今も裁判で揉めてますよね。ちょっと前だと、バンドを首になったフロントマンのジェフ・テイトひとりが名乗るQUEENSRYCHEと、ジェフを首にして新たなフロントマンを迎えて活動を続けるQUEENSRYCHE。こっちはもっと厄介で、同じ年に同じ名前の2つのバンドがアルバムを発表してしまいました。結果、初期のヘヴィメタル路線へと回帰した後者がチャート的にも成功。ジェフ側はOPERATION: MINDCRIMEと名を変え、今も活動を続けています。

なぜこんな面倒な話題を書いたかというと、今日紹介するGREAT WHITEもそんな状況に陥っているからです。彼らはジャック・ラッセル(Vo)、マーク・ケンドール(G)、マイケル・ローディ(G, Key)、オーディ・デスブロウ(Dr)、トニー・モンタナ(B)という編成で80年代後半にいくつかのヒットを飛ばし、メンバーチェンジを繰り返しつつも活動を継続。2003年2月にはライブハウスの火災事故でメンバーを含む100名が亡くなり活動休止。2006年頃に活動再開しますが、2009年に怪我を理由にジャックが脱退。回復後もバンドに戻らず、JACK RUSSELL'S GREAT WHITE名義でバンド活動を再びスタートさせるのです。

この『HE SAW IT COMIN'』はそのJACK RUSSELL'S GREAT WHITEが2017年1月に発表した1stアルバム。ちなみにこちらのバンドには元GREAT WHITEのトニー・モンタナ(B)が加わり、現在はベースではなくリズムギターやキーボードを担当しています。

ジャックのボーカルは80〜90年代のよりもトーンは低めながらも、一聴して“あのGREAT WHITEの声”とわかるもの。すでに50代半ばですもの、そりゃ枯れまくっているわけですが、逆にそれがGREAT WHITEが80年代後半から徐々に深めていったブルーステイストのHRサウンドにはぴったりとマッチしています。楽曲自体も派手さは皆無で、従来のGREAT WHITEっぽい楽曲も数曲(オープニングの「Sign Of The Times」、リズミカルなブギー「My Addiction」、アコースティックバラード「Anything For You」、リフでぐいぐい引っ張るストレートなハードロック「Blame It On The Night」)あるにはありますが、その他の曲はもっとAOR調というか……曲によってはFREEやBAD COMPANY、あるいはFORINGNERなどをイメージさせられるし、ファンキーなソウルナンバー「Don't Let Me Go」、グラマラスなブリティッシュロック「He Saw It Comin'」みたいな曲もあって、アルバムとしてはとてもバラエティに富んだ仕上がりとなっています。そういう意味では、THUNDERの最新アルバム『RIP IT UP』にも近い雰囲気があるかもしれません。

特にリードギターのロビー・ロックナーが適度にテクニカルなフレーズを散りばめており、それが地味になりがちなアルバムに適度なフックを作っています。いわゆるブルースギタリストとは異なる、正統派ハードロックギタリストを要するJACK RUSSELL'S GREAT WHITEが今後、どういう方向に向かっていくのか。本家GREAT WHITEよりも拡散方向に進みつつあることがわかっただけでも、このアルバムは大きな収穫と言えるのではないでしょうか。大絶賛するまでの作品ではないかもしれませんが、リラックスしながら聴くには最適な1枚かと思います。

ちなみに、本家GREAT WHITEはこの1月から新作制作のためスタジオ入り。マイケル・ワグナーをプロデューサーに迎え、2012年の『ELATION』に続くアルバムを今年中に発表するようです。



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投稿: 2017 03 08 12:00 午前 [2017年の作品, Great White] | 固定リンク

2005/07/10

寝る前にこれ聴け!(2)

 微妙にまたドタバタしとります。つーわけでお茶を濁すわけではありませんが、またこのコーナーの更新をば。メタルに興味ない人スマン。けどマジで今、俺の中で十数年振りにメタルが盛り上がってるもんで‥‥ま、聴いてるのは全部10代半ば〜20代前半に聴いてたものばかりだけどね。しかも一度売り払ってしまったものを、最近はまた中古で買い直してるような状況。

 まぁ‥‥あれですよ。このメタル熱再発を記念して、近々何か面白い企画が発表できるかもしれませんよ‥‥イヒヒ。夏フェス終ったらまた会いましょうね!(ニヤリ)

 それでは今夜の3枚。テーマはズバリ『ブルージー』。声がセクシーでブルージーなシンガーのいるバンド。一部それに該当しないかもしれないけど‥‥まぁ気にするなや。


・GREAT WHITE「...TWICE SHY」('89)
 イアン・ハンター(元MOTT THE HOOPLE)ヒット曲 "Once Bitten, Twice Shy" のカバーが当時全米トップ10入りしたお陰で、このアルバムも大ヒットしたんだよね(確かアルバムもトップ10入りしたはず)。もっとも、個人的にはこれの前の「ONCE BITTEN...」の方が好きな曲多いんだけど。これはこれで「枯れた」感じが良いんです。ま、この後更に「枯れ」過ぎちゃうんですけどね。「...TWICE SHY」はやはり初来日絡みの騒動(メンバーの過去の犯罪歴が問題になり、入国できる/できない等揉め、最終的にビザが下りる)があったから、思い出深いのです。行ったなぁ、ライヴ。確か雑誌「BURRN!」のシリーズ企画「BURRNING LIVE」とかいうやつの第1弾だったんだよね。懐かしいです。


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・BAD MOON RISING「BAD MOON RISING」('91)
  元LIONのカル・スワンとダグ・アルドリッジによるバンド。バンド名は恐らくCCRの同名曲から取った、と記憶してます。LION末期のゴタゴタ(ドラムのマーク・エドワーズの事故〜バンド休止〜日本での不透明なチャリティーイベント開催、そこへのカル・スワン不参加等)を経て、いよいよ主要メンバーの2人が本格的に動き出した感が強かったよね、当時。LIONのそのチャリティーにも行ったし、BMRの初来日公演も行ったなぁ‥‥
 カル・スワンの声ってデヴィッド・カヴァーデイル(WHITESNAKE)をより隠らせてパワーダウンさせたような印象が強くて。要するに「どこまでいっても一流になれない宿命」を背負ったような声というか。ま、そのB級っぽさが好きなんですが。それこそ「ブルーズ」という気もしないでもないよね‥‥偏見かしら。ちなみにダグのギターは微妙なんだけどね。個人的にはそんなに好きなタイプではないです。ソロもそんなに印象に残らないし。けど今や彼もWHITESNAKEの一員ですからね。感慨深いですよ、それを思うと。


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・TESLA「PSYCHOTIC SUPPER」('91)
 オリジナルアルバムでいうと3枚目になるのかな。これの前にアンプラグドアルバム(「FIVE MAN ACOUSTICAL JAM」)が出て、それが大ヒットした後の作品なんだけど、完全に振り切れちゃってるというか、ハード&ヘヴィなんスよ。特に頭3曲("Change In The Weather" 〜 "Edison's Medicine" 〜 "Don't De-Rock Me")の怒濤の流れがスゲエ。中盤〜後半にメロウ/スロウナンバーがあるんだけど、これもアンプラグドの二番煎じってわけじゃなく、普通にブルージーなロックバンドのバラードといった印象。かなり良かったのに売れなかったのが残念。あ、東京ドームのカウントダウン(1991年大晦日。METALLICA、EUROPE、THUNDERが出演)で観たなぁ、この年の年末に。それを最後に来日してないんですよね‥‥数年前に再結成して、オリジナルアルバムまで出してるようだし、是非小さいハコでいいんで来日して欲しいなぁ。絶対に行くのに。


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投稿: 2005 07 10 10:35 午後 [1989年の作品, 1991年の作品, Bad Moon Rising, Great White, Tesla] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック