2016/12/12

GREEN DAY『REVOLUTION RADIO』(2016)

先日、GREEN DAYのニューアルバム『REVOLUTION RADIO』リリースに際して、日本デビューから名作『AMERICAN IDIOT』の期間までA&Rを担当したスタッフさんにインタビューしたのですが、このインタビューをする際に事前にニューアルバムを試聴したり、個人的に過去のアルバムをすべて振り返ったりと、久しぶりにGREEN DAYの音楽と真正面から向き合う機会を得ました。いや、「久しぶり」と書いてみたものの、ここまで真剣に彼らの音楽と向き合ったのは、もしかしたら初めてかもしれない。それくらい真剣に聴くこと、なかなかなかったなって今気づかされました。自分にとって彼らの音楽ってもっと日常と密接した聴き方をしてきたから、家でじっくり歌詞読みながら向き合うとかそんなことはまずなかったから。

彼らの3部作『¡UNO!』『¡DOS!』『¡TRE!』が連続リリースされたのが2012年後半のこと(1作目が9月、続いて11、12月と連続発売)。その後、ビリー・ジョー・アームストロングとノラ・ジョーンズとのデュエットアルバム『FOREVERLY』(2013年)を筆頭に、3部作のメイキング映像集『¡CUATRO!』(2013年)や3部作制作時のデモ音源集『DEMOLICIOUS』(2014年)大ヒット作『AMERICAN IDIOT』のレコーディング時の舞台裏を収めたドキュメンタリー作品『HEART LIKE A HAND GRENADE』(2016年)が次々と発表されてきたので、実は『REVOLUTION RADIO』が4年ぶりという感覚があまりなくて。正直、そこまで空いてたんだ!という驚きのほうが大きかったかも。とはいえ、あの3部作は個人的にそこまでしっくりくる作品集ではなかったし、そもそも来日も1作目『¡UNO!』が発売される1ヶ月前にサマソニのヘッドライナーで来たっきり。むしろそっちでの飢餓感のほうが大きかったかも。

そんなわけで、個人的に満足のいく“ニュー”アルバムとなると2009年の『21ST CENTURY BREAKDOWN』以来。それはきっと多くのリスナーにとっても一緒だったんじゃないでしょうか。しかも『21ST CENTURY BREAKDOWN』以降はポップサイドに振れてパンク度が低くなったと感じていたファンも少なからずいたと思いますし、そういう人にとっては「満足いく内容のアルバムは2004年の『AMERICAN IDIOT』以来」なんて言うかもしれないし。そう期待させてしまうだけのリードトラック2曲(「Revolution Radio」と「Bang Bang」)が先行公開されてたから、余計にね。

この2曲を聴いてしまえば、『AMERICAN IDIOT』、いや『DOOKIE』などのパンキッシュな初期作品のようなアルバムを期待してしまうのは仕方ないこと。誰もが「GREEN DAY、パンクに帰還!」なんて歓喜したはずです。

ところが、実際はどうだったでしょう。確かにそういった楽曲も少なくないですが、アルバムは『AMERICAN IDIOT』や『21ST CENTURY BREAKDOWN』を通過した壮大なミディアムチューン「Somewhere Now」からスタートするわけですから、中には「裏切られた!」と思ってしまった人も少なからずいたはずです。

では、そうやって切り捨てるようなアルバムかというと、まったくそんなことはありません。直線的なパンクロック作品ではないかもしれませんが、これは間違いなく「僕たちが知ってるパンクロックバンドGREEN DAY」以外の何ものでもありません。ただ、『DOOKIE』から確実に20年以上が経過しており、私たちが年を取ったようにバンドも同じだけ年を重ねているわけです。そこには人間としての成長もあればミュージシャンとしての成長、そしてパンクロッカーとしての成長も間違いなく存在する。そうした多くの経験を経たわけですから、仮に1994年に『DOOKIE』で鳴らしていたものを2016年の今の技術と思考で表現すれば、こうなるのではないでしょうか。

もちろん、この『REVOLUTION RADIO』で表現しようとしたことは「『DOOKIE』の焼き直し」ではありません。40代になったGREEN DAYの面々がパンクというスタイルを用いて、現在の考えや思いを音楽に乗せた。それが時に「Revolution Radio」や「Bang Bang」であり、時にポップな「Still Breathing」や「Youngblood」であり、時にプログレッシヴで組曲のような「Somewhere Now」や「Forever Now」であっただけの話なのです。3分前後の疾走ナンバーもあれば、複雑な展開を持つ7分近い大作もある。バンドの3人だけでは再現が難しそうなアレンジの曲もあれば、アコギ1本の弾き語りで表現できる曲もある。戦う姿勢を直球で示すだけではなく、さまざまな表現方法を用いてより幅広い人たちに届けようとした。それが大人になったGREEN DAYからの“答え”だったのではないかと、僕はこのアルバムを解釈しています。

そんなわけで、嫌いになれるわけがないこのアルバム。彼らの作品としては久しぶりにヘヴィローテーションする1枚となりました。パンキッシュなショートチューンも悪くないですが、個人的には(以前だったら毛嫌いしてたような)どポップな「Still Breathing」や、THE BEATLES「While My Guitar Gently Weeps」にも通ずる物悲しいメロディの「Troubled Times」、そしていかにも彼ららしい“パンクオペラ”「Forever Now」が好みだったりします。10年前の自分だったら「GREEN DAYのこういう長い曲、苦手なんだよな……」なんて思ってただろうな(苦笑)。



▼GREEN DAY『REVOLUTION RADIO』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2016 12 12 12:38 午前 [2016年の作品, Green Day] | 固定リンク

2004/10/05

えーっ、今週のビルボード、GREEN DAYがアルバムチャート1位取っちゃってるよ。「DOOKIE」でさえ2位止まりだったのに!

 そうなんですよ。「DOOKIE」以降、人気下り坂だった彼等が、初の1位ですよ。まぁ確かに良いアルバムだけどね、今度のは。

 イギリスでも初の1位を取ってるし、シングルもイギリスでは2位でしょ。ありゃりゃ、10年周期とはよく言ったものだ。



▼GREEN DAY「AMERICAN IDIOT」(amazon


 そして下位に目をやると更にビックリ。CHEVELLEの初登場8位にもビックリだけど、その下の方‥‥20位にSHADOWS FALLですよ! メタルですよ! しかもド直球の! 何がどうまかり間違ってこんな結果に‥‥こんなコア寄りのパワーメタルバンドが。しかも「Century Media」みたいな二流インディーレーベルから。

 新しい波が来てるのかしら。だとしたらちょっと面白そう。その音に興味があるかどうかは別として。暫くビルボードを追っかけてみようと思います。



▼SHADOWS FALL「THE WAR WITHIN」(amazon

投稿: 2004 10 05 10:06 午後 [Green Day, Shadows Fall] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック