2019年2月 8日 (金)

HARDCORE SUPERSTAR『YOU CAN'T KILL MY ROCK 'N ROLL』(2018)

スウェーデンのハードロックバンド、HARDCORE SUPERSTARが2018年9月に発表した11thアルバム。前作『HCSS』から3年半ぶり、デビュー20周年を祝う記念碑的1枚となっています。また、本作を携えた7年ぶりの来日公演(単独公演としては10年ぶり!)も同年11月に実現し、大成功を収めたばかりです。

2008年にヴィック・ジーノ(G)が加入し、現在の編成が落ち着いたこともあるのでしょう。久しぶりのアルバムとなった今作はそのタイトルのとおり、デビュー時から一貫した彼らのスタイルが非常に良い形で体現された、終始ご機嫌なハードロックアルバムに仕上げられています。

正直なところ、ここ数作の彼らに対してあまり良い印象を持っていませんでした。「数曲良い曲はあるんだけど、アルバムとしては……」というイメージは、日本での2作目(通算3作目)『THANK YOU (FOR LETTING US BE OURSELVES)』(2001年)の頃から多少あったと思います。ぶっちゃけ、アルバムまるまる楽しめたのって日本4作目(通算5作目)『HARDCORE SUPERSTAR』(2005年)が最後だったんじゃないか……そんな気すらします。

ところが、今作はどうでしょう。オープニングの「AD/HD」からキャッチーでグラマラス、それでいてヘヴィさもしっかり備わっているハードロックが展開されている。特にこの曲はモータウンナンバーにも通ずるキャッチーさが備わっていて(元ネタ、わかりますよね?笑)、冒頭でいきなりハートを鷲掴みにされてしまう。以降も要所要所にシンガロングしたくなるフレーズが用意されており、1コーラス聴いたら口ずさみたくなるようなメロディばかり。あれ、このバンドってこんなに良かったっけ?と自分を疑いたくなるほど、良曲目白押しなんです。

極め付けは、タイトルトラックのM-5「You Can't Kill My Rock N' Roll」でしょうか。このアンセム感といったら……なんだろう、こんな気持ちになるの久しぶりってくらいの懐かしさを思い出させてくれる。アルバムの芯の太さといい、楽曲のキャッチーさといい、すべてにおいてMOTLEY CRUEの傑作『DR. FEELGOOD』(1989年)に匹敵するものがある。しかもそれらは30年前の焼き直しではなく、ちゃんと2018年の音として成立している。そりゃあグッとくるわけですよ。

残念ながら来日公演はスケジュールの都合で足を運ぶことができませんでしたが、こんなに悔やんだライブも久しぶりのこと。昨年のベストアルバム20選に入れるかどうかギリギリまで悩みましたが、別の日に選んでいたらトップ10内にさえ選んでいた可能性すらある、頭を空っぽにして終始無心で楽しめる“2018年裏ベストNo.1”アルバムです。



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投稿: 2019 02 08 12:00 午前 [2018年の作品, Hardcore Superstar] | 固定リンク

2018年4月13日 (金)

HARDCORE SUPERSTAR『BAD SNEAKERS AND A PINA COLADA』(2000)

海外で2000年3月、日本で同年4月に発表された、スウェーデン出身の4人組ハードロックバンドHARDCORE SUPERSTARのワールドワイドデビューアルバム(本国では通算2作目)。ここ日本では90年代末にBACKYARD BABIESTHE HELLACOPTERSといった北欧出身のハードロック/ガレージロックバンドに大きな注目が集まったことにより、当初はその流れで語られることの多いバンドでした。が、そのスタイル的には80年代のLAメタル(ヘアメタル)バンドに近いのかなと。

とはいえ、本作では北欧のバンドらしい哀愁味に満ち溢れたメロディアス、かつハイテンションなハードロックを鳴らしています。オープニングナンバー「Hello / Goodbye」の無駄に高いテンションと勢いは、このアルバムを突破口に世界へ羽ばたいていこうとするバンドの強い意思すら感じられます。

かと思えば、HANOI ROCKSあたりにも通ずるマイナーキーの「Liberation」があったり、ポップで親しみやすくシンガロングしたくなるミディアムナンバー「Someone Special」もある。彼らがなぜここ日本ですぐ受け入れられたのか、なるほど納得といった気がします。

プロデュースはバンド自体によるものですが、楽曲アレンジ含め非常によく練られたものが多い気がします。が、本作収録曲の多くが、本国のみで発表したインディーズアルバム『IT'S ONLY ROCK 'N' ROLL』(1998年)にて発表済みの楽曲ばかりという事実があり、それをリレコーディングするうえでより練りこまれていったと取るのが正解のようです。だからデビュー盤なのにクオリティが高いんですね。

ノリの良さとメロディのキャッチーさ、全13曲で45分未満というトータルランニング、2000年という年代を考えるといささか時代錯誤なメンバーのルックス&ファッション、すべてが奇跡のようにマッチした1枚。だからこそ、彼らは続く『THANK YOU (FOR LETTING US BE OURSELVES)』(2001年)以降、決定打を生み出せずにだいぶ苦労を重ねるわけですが。

なお、日本盤のみボーナストラックとしてHANOI ROCKSの名曲「Don't You Ever Leave Me」のカバーを追加収録。若干チープな録音なので、アルバムの流れで聴くと最後にショボンとしてしまいますが、もちろん曲自体は名曲なのでオマケ程度で楽しんでもらえると。



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投稿: 2018 04 13 12:00 午前 [2000年の作品, Hardcore Superstar] | 固定リンク