HARISS『NEW WORLD』(2007)
元THE COLTSやSIDE-ONE、PEALOUTのメンバー4人によって結成されたバンドの2ndアルバム(といってもミニアルバム)。今年の3月に1stアルバム「POP SAVE US」がリリースされてるので、半年というわりと短いスパンで発表された作品ということになりますが、これを聴けばこのバンドが今かなりイイ感じだということが理解できると思います。
4ピースのバンドで、ベースがウッドベース、なのにサウンドはパワーポップという非常に変わったスタイルのバンドですが、とにかく曲がキャッチーで気持ちいい。歌詞は英詞(ときどき日本語も登場)なんだけど、歌詞カードを見ると全部漢字や似た響きの単語(日本語)が充ててあるというこだわりよう。そう考えると、実際に歌われている歌詞にもあまり意味はないのかも……いや、そういう言語を超越した気持ちよさ/カッコよさがこのバンドには備わっています。
各メンバーが過去に携わったバンドとも違うサウンドを鳴らしているという意味では、昨年から今年にかけて登場したHOODISやGHEEEと同じ流れなのかもしれない。ただ、HARISSのほうが……サウンド的にも……フットワークが軽いような印象があるかな。それはHOODISがうまく続いていなかったり、GHEEEが一般的にまだ浸透してないのも関係するのかも(まぁGHEEEは年明けに2ndが出て、また状況が変わると思いますけどね)。HARISSはライブもかなり精力的にやってるようだし、とにかく「これが好きなんです!」という意気込みがその音からもダイレクトに伝わってくるんだよね。ま、伝わりやすい音・音楽性だというのもあるんだけどさ。
パワーポップ好きにはどこかしらに引っかかると思います。あるいはカバー曲(DEEP PURPLEやKULA SHAKERでおなじみの「HUSH」や、THE CLASHの「CAPITAL RADIO」)から聴くと入りやすいとかね。僕の場合は、アルバムタイトル曲の「NEW WORLD」でノックアウトされました。これぞパワーポップ!みたいなド直球のナンバーで、とにかくカッコイイ。アルバムラストの「GOOBYE MY REASON」なんて、WEEZERやRENTALSあたりを彷彿させる雰囲気もあるしね。
元PEALOUTのタカハシ(Dr)が参加しているから気になるというのもあるんだけど、それ以上にウッドベースを含む編成で「目の前で展開するパワーポップ・ワールド」を、ぜひ一度生で観てみたいなぁ。機会があったらぜひライブに足を運んでみたいと思います。
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