カテゴリー「Helloween」の5件の記事

2018年4月17日 (火)

PINK CREAM 69『ONE SIZE FITS ALL』(1991)

ドイツ出身のハードロックバンド、PINK CREAM 69が1991年2月に発表した2ndアルバム。日本では同年5月に発表されており、今作にて日本デビューを飾りました。

当時のメンバーはアンディ・デリス(Vo, G/現HELLOWEEN)、アルフレッド・コフラー(G)、デニス・ワード(B)、コスタ・ツァフィリオ(Dr)で、アンディとアルフレッドのみドイツ人。デニスはアメリカ人、コスタはスイス人という、ドイツ出身ながらも編成は多国籍なバンドでした。それも影響してか、そのサウンドは当時主流だったクサメロによるジャーマンメタルとは一線を画する、アメリカンハードロックに近いものでした。

確か僕は当時、本作のオープニングを飾る「Livin' My Life For You」をラジオで最初に聴き、それでしばらくしてから発売された国内盤を手に取ったのかな。日本人好みのメロディと適度な疾走感とハードなサウンドに、当時すでにブレイクしていたFIREHOUSEや、80年代のDOKKENあたりにも通ずる魅力を感じたことをよく覚えています。

アルバム自体も、とてもドイツ出身バンドとは思えないくらいジャーマンメタルとはかけ離れたもので、ヘヴィメタル調のサウンドに不思議なハーモニーを乗せた「Hell's Gone Crazy」や、どこかWINGERあたりに似たものを感じる「Do You Like It Like That」、プログレッシヴなパワーバラードといった印象の「Ballerina」とひと癖もふた癖もある楽曲がずらりと並びます。

後半もリフがひたすらカッコいいアグレッシヴな「Signs Of Danger」を筆頭に、不思議な変拍子を取り入れた「Walkin' Out To Heaven」、演奏力の高さがキラリと光る「Piggy Back Bitch」、アコースティックギターの切ないメロディが耳に残るバラード「Where The Eagle Learns To Fly」などなど、印象的な楽曲が目白押し。アメリカンなカラーもありつつ、歌メロにヨーロッパのバンドらしい泣きの要素や湿り気の強いメロディも至るところに散りばめられており、そこがこのバンドの独特な魅力確立に一役買っています。

セルフタイトルのデビューアルバムもあとから国内盤がリリースされ、追って聴くと本作に勝るとも劣らない名盤だったわけですが、個人的にはこの2枚目のほうが好きだったりします。それはアンディが参加した3作品中もっとも「アンディ・デリス色の強いアルバム」だからなのかな。実際、のちの参加するHELLOWEENにも通ずる要素がいろんな曲から感じられますし。自分がアンディ加入後のHELLOWEENが好きなのは、そういう理由もあるのかもしれませんね。

現在は別のシンガーを加え、独自のスタンスで活動を続けるPINK CREAM 69。今も悪いわけじゃないけど、個人的にはあまり引っかからないのは、上記のような理由も大きいんでしょう。

追伸。AppleMusicやSpotifyでは1stと3rd『GAMES PEOPLE PLAY』(1993年)は配信されているのに、この2ndは未配信というのは、何故なんでしょうね。勿体ない。

(追記:2019年6月)気づいたら、本作もようやくストリーミング配信がスタートしていました。よかったよかった。



▼PINK CREAM 69『ONE SIZE FITS ALL』
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2017年11月30日 (木)

HELLOWEEN『KEEPER OF THE SEVEN KEYS, PART I』(1987)

カイ・ハンセン(G, Vo)、マイケル・ヴァイカート(G)、マーカス・グロスコフ(B)、インゴ・シュヴィヒテンバーグ(Dr)という布陣で1985年にデビューしたHELLOWEENが、新たに専任シンガーのマイケル・キスクを迎えて1987年春に発表した日本デビューアルバム(通算2枚目のフルアルバム)。このアルバムで彼らを知ったという40オーバーのHR/HMは多いかもしれません(耳の早いリスナーは前作『WALLS OF JERICHO』で知ったでしょうが)。

カイ・ハンセンみたいに不器用でまっすぐなシンガーは、バタ臭い正統派メタルには最適ですが、ドイツ国内から世界に飛び出そうとするともっと器用な歌い手が必要になる。しかも、ハンセンはリードギターも担当しているので、どうしても限界が生じる。こうしてキスクが加入するのですが、伸びやかなハイトーンを得意としながらも、ドスの利いた低音も聞かせられるし優しく柔らかな歌声も出せる、これぞメタルシンガーといった適任者でした。

また、器用に歌えるキスクの加入により、楽曲の幅も一気に拡大。「I'm Alive」のような彼ららしいドラマチックな楽曲もあれば、じっくり聞かせるバラード「A Tale That Wasn't Right」、ポップでキャッチーな「Future World」もある。そしてアルバム終盤には13分超の大作「Halloween」が控えている。この曲が本作のメインテーマであるかのように、それ以前の6曲がアルバムの流れを盛り上げる。しかも、この大作が非常に緩急に富んだプログレッシヴなナンバーで、まさに“メタルオペラ”と呼ぶにふさわしい仕上がり。

実は僕、初めて聴いたHELLOWEENの楽曲がこれなんですよ。当時、ラジオで流れたこの曲を聴いて一目惚れならぬ“一耳惚れ”をしたわけです。しかも、その直後に深夜にMVを流す番組で同曲のビデオを目にしたのですが……5分程度にエディットされているという(笑)。しかも、イントロがこのアルバムの1曲目「Initiation」からの引用で、最初に聴いた(観た)ときはてっきり別の曲かと思いました(この時点でアルバムはまだ聴いておらず。のちにアルバムをレンタルして、ようやく意味を理解したのでした)。

ラストの小楽曲「Follow The Sign」までを含めた全8曲。アナログだとA面5曲、B面3曲(実質A面4曲、B面2曲ですが)でトータル35分ちょっとというコンパクトな作風もあって、非常に聴きやすい。だからこそ、アルバムが「Halloween」という大作に向かって熱を帯びていくようで、聴き手をまったく飽きさせないんです。対となる次作『KEEPER OF THE SEVEN KEYS, PART II』(1988年)は本作をさらに進化&深化させた力作で、この2枚でひとつの作品という解釈もできると思います(実際、当初は2枚組でのリリースを計画してましたから)。曲のバラツキは次作のほうがあるような気もするので、アルバム単位ではこちらの完成度は高いのかもしれませんが、個人的にはやっぱり2枚あわせて楽しみたい作品集という認識です。



▼HELLOWEEN『KEEPER OF THE SEVEN KEYS, PART I』
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2017年1月28日 (土)

HELLOWEEN『KEEPER OF THE SEVEN KEYS, PART II』(1988)

80年代前半にSCORPIONSやACCEPTがドイツ出身ということだけで付けられた“ジャーマンメタル”というレッテルが大きな意味を持ち始めるのは、HELLOWEENが登場してからのこと。多くのHR/HMファンがイメージする“ジャーマンメタル”の音楽性を確立させたのが、「守護神伝」という邦題が冠された2部作でした。

そのうちの2枚目にあたる『KEEPER OF THE SEVEN KEYS, PART II』は1988年に発売。マイケル・キスク(Vo)、カイ・ハンセン(G)、マイケル・ヴァイカート(G)、マーカス・グロスコフ(B)、インゴ・シュヴィヒテンバーグ(Dr)という黄金期メンバーでは本作と、その前作『KEEPER OF THE SEVEN KEYS, PART I』(1987年)の2枚しか制作されておらず、『KEEPER OF THE SEVEN KEYS, PART II』リリースから数ヶ月後にカイ・ハンセンがバンドを離れてしまうのです。なので、本作を携えた来日公演はカイを含む編成では実現しませんでした。

前作からの連作ということで、音楽性は基本的に同じ枠内にあるものと言えるでしょう。しかし、第2弾となる本作では楽曲の幅が前作から少し広がりが感じられます。オープニングのオーバーチュアー「Invitation」から「Eagle Fly Free」の流れは、JUDAS PRIESTにおける「The Hellion」〜「Electric Eye」に匹敵する“メタル古典組曲”。コミカルな「Rise And Fall」もあれば、アンセミックな「Dr. Stein」もある。仰々しいメタルバラード「We Got The Right」や、攻撃的な「March Of Time」、疾走感が気持ち良いパワーメタル「I Want Out」ときて、最後は13分もの大作「Keeper Of The Seven Keys」で幕を降ろす。ラストの大作に関しては前作の「Halloween」のほうが完成度は上ですが、これはこれで悪くないと思います。

曲によって前作を超えていたり前作に満たなかったりするものの、そこはあくまで“2枚でひとつ”の連作だからこそ、と目をつぶっておきましょう。とはいえ、アルバム単体としての完成度は並のメタル作品以上ですし、1988年という名盤揃いの1年の中でも歴史的価値が非常に高い1枚なのは間違いありません。

今年は現編成のHELLOWEENに元メンバーのカイ・ハンセン、マイケル・キスクが加わり、「PUMPKINS UNITED WORLD TOUR」と題して世界各国を回る予定。インゴ・シュヴィヒテンバーグは22年前に亡くなっているため黄金期編成が完璧な形で復活することはできませんが、それでも5分の4が揃うわけですから、来日した際にはこのアルバムの楽曲をオリジナルに近い編成で楽しむことができそうです。



▼HELLOWEEN『KEEPER OF THE SEVEN KEYS, PART II』
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2005年11月 3日 (木)

HELLOWEEN『KEEPER OF THE SEVEN KEYS -THE LEGACY』(2005)

 HELLOWEENの新作を買うなんて、何時以来だろう‥‥多分アンディ・デリス加入後2〜3作は買ってたから‥‥7〜8年振り? 丁度俺がメタルから離れたのもそれくらいだから、多分間違いないと思う。一度全部売り払って、現在手元にあるのは中古で買った「守護神伝 完全版」「BETTER THA RAW」だけなんだよね。それ以外は‥‥別に聴きたいとも思わないし、聴きたくもならないし。

 そんな俺が今回、このCDを手にしたのは‥‥間違いなく、「守護神伝」の続編という要素が俺の中で引っかかったんだと思う。リアルタイムでは間違いなく1作目の「守護神伝」を聴いてハマり、初来日公演にまで足を運んだ程だから。続く2作目も大好きだったけど、リリース後すぐにカイ・ハンセンが脱退。それと共に自分の興味も少しずつ盛り下がっていき‥‥PINK CREAM 69が大好きだったからアンディ加入後も聴いたけど‥‥結果はご存知の通り。そんな俺が今のHELLOWEENを楽しめるのか、「守護神伝」という偉大な比較対象を前にこの新作とちゃんと接することが出来るのか。謎でしたよ、聴き終えるまでは。

 通算11作目のオリジナルアルバムとなる今回の新作は、2枚組の大作。が、各ディスク40分前後なので、これ無理すればCD1枚に収まったじゃん。って最初は思ったけど、各ディスクの1曲目を聴くと、バラした意味が何となく理解できた気がした。それぞれ1曲目が10数分に渡る長編。多少蛇足かなぁと思えるパートもあるにはあるけど、総じて平均点以上かと。もはやカイ・ハンセン時代と比較するのはナンセンスなんだろうね。個人的にはアンディが書く曲や声が大好きだったけど、このアルバムでは完全にPC69臭が消えてるのね。「らしさ」は所々に残っているんだけど。思えばもう加入してから10年以上経つもんね。マイケル・キスクよりも在籍年数が長いわけだ。

 あと新しいギタリストのサシャがいい仕事してると思う(まだ28才なんだね、驚いた)。曲も相当書いてるんだけど、わざと「ヴァイキーっぽい」、HELLOWEEN王道路線を意識して書いた曲("Silent Rain" 等)とかあって、けど単なるセルフパロディになってない。もうオリジナルメンバーが2人しか残ってないってのも大きいんだろうね。今回から加入したドラムも若々しい手数の多いドラミングで、今回の路線には合ってるんじゃないかと。

 でもなー、シングルの "Mrs.God" が浮いてるんだよね、全体を通しても(この曲最初聴いた時、アルバム期待出来ねーなぁって思って、買うの躊躇したしな)。これだけ初期のおちゃらけ路線っつーか "Dr.Stein" 辺りの流れなんだよね。しかも妙にポップだし。もはやメタルでもなんでもない。楽曲としては悪くないけど、それまでクラシカルで劇的展開をする長尺楽曲が続く中(何せディスク1はいきなり14分、7分、6分ときて)"Mrs.God" で3分欠けますからね。その辺だけ初期の「守護神伝」シリーズっぽいというか。他にも3分代、4分台の曲は数曲あるけど、やっぱりこれだけ違うんだよね。無理矢理シングル曲作りました、みたいな作為があからさまに見えちゃってさ(これ、アンディの単独作なのか‥‥ソロでやればいいのに)。

 ディスク2のオープニング曲 "Occasion Avenue" に過去「守護神伝」シリーズの音源("Eagle Fly Free" とか "Halloween" 等)が挿入されてて、確かに聴くと気持ちが盛り上がる(でもアンディ単独作)。ストーリーの構成とかはまだ歌詞ちゃんと読んでないんで理解してないけど、これはこれでアリなんじゃないの?と思った。あ、キャンディス・ナイト(リッチー・ブラックモアの内縁の妻な)とデュエットしてる "Light The Universe"(これもアンディ単独作)とか良かったな。って結局俺、アンディが書く曲が好きなんじゃん。HELLOWEENじゃなくて、アンディ・デリスのソロアルバム聴いてればいいのか。成る程‥‥ってオイ!

 とまぁいろいろ書いたけど、7〜8年振りに聴いたHELLOWEENの新作、結果としては非常に新鮮でしたよ。もはやこの手のサウンドは古いのしか聴いてなかったし、最近はこういう風になってるんだーってなんとなく見えてきたし。もうちょっと聴き込もうかな。決して数回聴いてハイ終わり的アルバムではないと思ったので。あと、これをどうライヴで表現するのかな、ってのも気になるね。となると、約20年振りにライヴ観に‥‥ってことになるのかしら。いや判らないけどさ。



▼HELLOWEEN『KEEPER OF THE SEVEN KEYS -THE LEGACY』
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2005年9月17日 (土)

寝る前にこれ聴け!(5)

 さ、久し振りにやってみましょうか、「こんなもん聴いて寝れるか!」とお叱りの声が来たり来なかったりする、このコーナー。フェスも終わり、ちょっと落ち着いて来た今日この頃。イベント前も何のその、しっかり更新しますよー。

 さて。そんな今夜のテーマは『ジャーマンメタル』。 しかも'80年代後半〜'90年代初頭の、ジャーマンメタルが最もジャーマンメタルらしかった時代のアルバムばかりを3枚。ま、基本的にはこの辺りを中心にどんどん派生していったといった感じでしょうか。実は俺自身も久し振りに聴くアルバムばかりで、多少ノスタルジーに浸ってますが、そんなことはお構いなし、男汁150%でお送りします。


・BLIND GUARDIAN「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」('90)
 あれ、何でこのCDが我が家にあるんだろう‥‥確かにブラガはこのアルバムだけリリース当時(浪人生時代)買ったけど、田舎に引っ込む時に売り払った記憶が‥‥あ、会社辞めた先輩から借りっ放しだ。ま、いいか‥‥
 んで今、久し振りに聴いてるんですが、今じゃもっと洗練されてるんだろうけど、この当時はモッサリ感が強くて、尚かつ「そうそう、ドイツっぽいよね!」っていう‥‥ある種ACCEPT辺りにも通ずる男臭さも備わってるのな。いや、いいんじゃないの。


▼BLIND GUARDIAN「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」(amazon


・GAMMA RAY「INSANITY AND GENIUS」('93)
 これも多分、先輩から借りっ放しの1枚‥‥借りパクってこういう事を言うんですか?(汗)まぁいいや。こうやって話のネタになればこのCDも浮ばれるだろうよ(死んでないって)。
 GAMMA RAYで一番好きなアルバムかも。ていうか、このアルバム以降は聴いてないんですが(えー)。1stよりも2nd派だった数少ない人間だった俺ですが、この3rdでの振り切れっぷりに当時ハマったものです。カイ・ハンセンはHELLOWEENの初来日以来観てなかったんですが、このアルバムの時は来日公演行った。そんくらい気に入ってました。


▼GAMMA RAY「INSANITY AND GENIUS」(amazon


・HELLOWEEN「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PT.1&2」('87/'88)
 ゴメン、反則だけどこの日本限定の2枚組完全版を選ばせて。思い入れだと「〜1」だけど(初来日公演観てるだけに)、"Eagle Fly Free" とか "I Want Out" が入ってるから「〜2」も外せないのよ。
 HELLOWEENはマイケル・キスク時代ってこの2枚しかちゃんと聴いてないんだけど(カイ・ハンセンのボーカル時代はちゃんと聴いてるし、アンディ・デリス加入後は2枚くらい聴いた)やはり特別ですわな。あのアホっぽいPVといい、このガキっぽい名前といい(「Halloween」と「Hell」を引っ掛けてる、3歳児級の駄洒落だしな)、ANIMETALも真っ青なメロといい‥‥だから良いんだよ、うん。


▼HELLOWEEN「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PT.1&2」(amazon

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