カテゴリー「hide」の3件の記事

1999年5月 2日 (日)

『hide TRIBUTE : SPIRITS』(1999)

  1998年5月2日。まだ1年しか経っていないのか‥‥hideがこの世を去ってから。たった1年。もう1年。人によっていろいろ違うのだろう。hideの不在がもたらしたものって一体なんだったのだろう、とこのトリビュート・アルバムを聴きながら考えてみた。答えはまだ見つからない。みんなはもう見つかったかい?
  このトリビュート・アルバムには、hideの身近にいた人間、hideに影響を受けた人間、hideとは接点がなかった人間と、いろいろ参加している。それぞれがそれぞれの解釈でhideの楽曲をカヴァーしている。今回は久し振りの「全曲解説」を通して、それぞれのアーティストの解釈についていろいろ感想を述べてみたいと思う。最後までお付き合い願いたい。

M-1. 布袋寅泰「ROCKET DIVE」(from ALBUM 「Ja,Zoo」)
  「HOTEI」ではなく、「布袋寅泰」として発表したこの曲。ハマリ過ぎ。(爆)布袋の為に作られたような名曲だな、これ。最初に布袋がこの「ROCKET DIVE」を選んだことを知った時、爆笑した。「自分の事がよく判ってるじゃん♪」って。ただ、実際に出来上がったアレンジは、ちょっと考え過ぎの部分もあるかな?と思ったのも事実。が、あえて打ち込み中心の「布袋流テクノ・ロック」に仕上げたのには‥‥やっぱり(笑)
  布袋自身はhideとは交流がなかったようだが、自分とhideとの共通項をうまいこと見つけたな、というのが正直な感想。バンド出身、解散後ソロアーティスト、ギタリスト兼ボーカリスト、時代に敏感、よき兄貴分‥‥等々共通点はいくらでもある。だけど布袋は布袋、hideはhide。全く違うアーティストだ。なのに‥‥不思議だ。これこそ「名カヴァー」と言えるのではないだろうか?

M-2. 清春・SHOJI「Beauty & Stupid」(from ALBUM「PSYENCE」)
  元「黒夢」のボーカル、清春の解散後初の仕事がこれ。清春自身もhideとは交流はなかったそうだ。聴く限りでは原曲に忠実な出来。リズムは打ち込みなんだね? あくまで「ロックンロール」にこだわる(?)清春らしからぬアレンジかな?と最初は思ったのだけど‥‥まぁアリ、かな? でも、「カヴァー」というよりは「コピー」に近いような‥‥原曲ではhideの癖の強い唄い方が特徴だったこの曲も清春が唄う事によって、幾分「黒夢」っぽいイメージを与えてくれる。何故彼がこの曲を選んだのか(あるいは与えられたのかもしれない)、彼がこの曲を通して何を伝えたいか?が全く伝わってこない。トリビュートは故人のよいところを新たな解釈で伝えるのがひとつの目的なわけで、これではただ「僕、ソロになったんで、手始めに他人の曲から始めてみました」と取られる可能性もあるわけだ。実際はどうだか知らないが‥‥

M-3. kyo & TETSU「TELL ME」(from ALBUM 「HIDE YOUR FACE」)
  hideとはSABER TIGER時代一緒だったkyoがボーカルを取るこの曲、イントロの走りぎみなTETSUのドラムが印象的。これも基本的には「コピー」だが、kyoが一音一句をとても丁寧に、心を込めて唄っているのが伝わってくる好演だと思う。こういう「元メンバー」といった身内の人間がカヴァーする場合、感傷的になってポシャって終わる事も考えられるのだけど、やはり昨年末のSpread Beaverとの共演が先にあったからよかったのかもしれない。(ちなみにその時、kyoは「Beauty & Stupid」を唄っている)

M-4. SIAM SHADE「ピンクスパイダー」(from ALBUM 「Ja,Zoo」)
  彼等はhideというより、LUNA SEA側の人間なわけで、やはりhideとの直接交流はなかったようだ。それにしても‥‥ファンには悪いが、このアルバム中最悪のケースだと思う。最も悪い「カヴァー/トリビュート参加」のケース。まず、この録音の悪さはどうにかならなかったのだろうか? スタジオ・デモ並である。この程度の録音、現在ならアマチュアでも可能だ。それからロックらしからぬミックス。ボーカルが前に出てリズムが引っ込んでるパターン。歌謡曲じゃないんだから。
  録音技術の事ばかりではない。完全に「コピー」だ、これでは。唯一、ギターが好き放題暴れているといった程度。今回の各曲のクレジットを見て思った事は、今までプロデューサーを立てて作品を作ってきたバンド(GLAY, SIAM SHADEなど)がセルフ・プロデュースを行っている事‥‥つまり、「たった1曲に金かけて(プロデューサーに払う金)らんないでしょ?君らでどうにかしなさい♪」とでもレコード会社から言われたのか? にしても‥‥これは最悪。自分らの曲より酷いよ。ボーカルも自身の曲だと生き生きしてるのに、ここじゃ‥‥と俺は感じたのです。

M-5. shame「LEMONed I Scream」(from ALBUM「PSYENCE」)
  このバンドに関して僕はそれ程知識がないが、hideが主催するレーベル「LEMONed」のバンドだそうだ。ということは、hideが見つけてきたって事? アルバム内のアーティストのコメントを見る限りでは、そう取れるのだけど‥‥いいんじゃない? このアルバムからは唯一の英語曲だけど、気負ってなくていい仕上がりだと思おう。原曲にあった浮遊感・アップテンポ感を、ネオアコっぽい始まり~徐々に盛り上がる持ってき方へとアレンジしたのは正解かも。おそらくこれがこのバンドの色なのだろう。ちょっとオリジナルアルバムの方も聴いてみたくなった。本来カヴァーソングってそういう効力を持ったものなのでは?

M-6. CORNELIUS「ピンクスパイダー」(from ALBUM 「Ja,Zoo」)
  この組み合わせが一番難解かつ厄介だった。(爆)hideと小山田くんとの接点が‥‥まぁ面白い仕事するとは思ってたけど、ここまでやってしまうとは‥‥小山田が参加すると知った時点で、俺は2通りのパターンを考えた。ひとつは「バンドで演奏して、滅茶苦茶に解体するカヴァー」、もうひとつが最近依頼の多い「解体かつリミックス」作業‥‥前者なら、「69/96」アルバムで見せたハードロックへのアプローチが再び見れたのかもしれない。でも、そこは小山田。結局は後者を取ったわけだ。(笑)彼らしい手段だと思う。
  で、これがまた傑作。このアルバム中、確かに異色の出来だが、本来ここまでやらなくてはならないのでは? hideに対する敬意を込めつつ、自分の色を出す‥‥hideの癖の強い楽曲を前にこれすら忘れてしまうアーティストも多いのでは? しかし布袋といい小山田といい‥‥ソロアーティストの方が動きやすいのかもしれない。自身のイメージもひとつというわけではないしね。(バンドだとそうもいかない場合もあるしね)敢えて唄わなかったのも正解かも。しかし‥‥小山田に「ピンクスパイダー」って言葉、合ってない?(笑)

M-7. ZEPPET STORE「FLAME」(from ALBUM「PSYENCE」)
  hide自身が生前「この曲はZEPPET STOREに影響されて書いた曲だ」と言っていたのが印象的なナンバーを、当の御本家ZEPPET STOREがカヴァーすることになるとは。しかもこういう形で‥‥原曲はZEPPET STOREっぽいリズミカルでヘヴィーで繊細な曲を、彼等は違った解釈でカヴァーした。原曲のまま再現してもZEPPET STOREらしい曲には仕上がっただろうが、「それじゃhideが許してくれないだろう」と感じたのか、今現在のZEPPET STOREらしいアレンジで挑んできた。アコースティックギターを軸にして、大陸的な大きなノリ‥‥このまま彼等のオリジナルアルバムに入っていても何ら違和感がない出来だ。原曲に助けられてる部分も多少あるが、それでもここまで説得力があるのは、やはり彼等ZEPPET STOREの底力ではないだろうか? 個人的には、昨年末のSpread Beaverで聴かせてくれたあのピアノアレンジをもう一度聴きたいなぁ‥‥

M-8. LUNA SEA「SCANNER」(from ALBUM 「HIDE YOUR FACE」)
  hideとLUNA SEA(いや、JとSUGIZOと言った方がいいか?)との関係は今さらここで語ることもないだろう。よき兄貴分、よきライバルとして彼等をお互いを意識していたようだ。そして彼等は「無言で」このアルバムに挑んだ(彼等のみ、ライナーノーツにはコメントを載せていない)‥‥「Let the music do the talking」って事だろうか‥‥
  やはりLUNA SEAのカヴァーを聴いても感じる事だが、実力・オリジナリティーを既に持ち合わせたアーティストというのは、誰の曲をカヴァーしても「自分達の曲」にねじ曲げてしまう力量を持っているな、という事。長く活動してればいい、って訳じゃない。結局はいかに「myself」でいられるか‥‥このアレンジなんて、LUNA SEAのオリジナルと言われても信じてしまうんじゃないだろうか? 近年の彼等らしい曲調だし(歌詞はともかく;笑)‥‥が、後半のアップテンポになる展開‥‥久し振りにこんなに激しいLUNA SEAを聴いた気がする。改めてLUNA SEAに惚れ直した。(笑)

M-9. BUCK-TICK「DOUBT '99」(from ALBUM 「Ja,Zoo」)
  hideとBUCK-TICK‥‥繋がりそうで繋がらない。まぁXとBUCK-TICK、と考えればなんとなく繋がるが。布袋同様、まさにハマりまくった選曲・名カヴァーではないか? BUCK-TICKは最近の所謂「ヴィジュアル系」ファンにはそれ程好かれてはいないようだが、LUNA SEA同様ゴス(ゴシック系バンド。BAUHAUSや初期のTHE CURE, JAPANなどがこう呼ばれた。最近ではMARILYN MANSONなども再びこう呼ばれているようだが)に影響を受けたバンドとして、彼等こそが真の意味での「ヴィジュアル系」であり「オルタナ」ではないだろうか? しかしなぁ‥‥「人間ドラムンベース」(笑)‥‥どこまでこの路線を続けるのかが興味深い。

M-10. TRANSTIC NERVE「ever free」(from ALBUM 「Ja,Zoo」)
  確かhideが生前、最後に関わったのがこのバンドだと聞いている。hideとは会った事がなかったようだが‥‥新手のヴィジュアル系、というわけでもなさそうだ。オリジナル作ではラルクを手掛ける岡野ハジメ氏をプロデューサーに迎えているようだが、このカヴァーは自分達で手掛けている。このアルバムに参加してるアーティストの中では最もキャリアが短いだけに、一体どういう解釈で挑んでくるのかが気になったが‥‥これから、といったとこだろうか? 原曲のストレートさをそのままに、音数を多くし、一部16ビートを持ち込んでいる、という至極そつないアレンジだ。新人という事を差し引いて‥‥今後に期待、というところだろうか? だが、改めて「影響を受けたフォロワー」としてのカヴァーが聴きたかった。(本人達はそのつもりかもしれないが、俺にはそれは伝わらなかった。ハードルが高すぎたのか?)

M-11. OBLIVION DUST「限界破裂」(from ALBUM「PSYENCE」)
  Spread Beaverにも参加したギタリストKAZが所属するバンド。元がかなりオルタナ色の強いバンドなだけに、どういう選曲でどういうアレンジになるのかが気になるところだった。選んだのは「限界破裂」。原曲はアップテンポのhideらしい曲だが、オブリのアレンジが‥‥これ、傑作だ! このアルバムの中でも1、2を争う出色の解体振りだと思う。ゴシック調に始まり、サビにくるとドカーンと爆発するグランジ調アレンジ。自分自身を常に持っているバンドのアレンジはこうも違うのだろうか? 原曲にあった「切なさ」が、このアレンジで聴くと「ストーカー的圧迫感」(笑)を感じる。この力技、半端じゃないと思う。OBLIVION DUST、やはり侮れないバンドだ。

M-12. GLAY「MISERY」(from ALBUM「PSYENCE」)
  GLAY、レコード会社移籍第1弾の仕事がこれ。彼等もこの曲には自らがプロデュースに当っている。それにしても‥‥好き放題やってるなぁ、というのが第1印象。こんなにテンポアップにして、原曲のメロディアスさを殺してないか?と思ったのだが‥‥スタッフは誰も何も言わなかったのだろうか?(笑)GLAYにとってもhideという存在は特別だったようだ。それにしても‥‥このパンキッシュなアレンジに、ファン以外の人間はGLAYらしさを感じる事が出来るのだろうか? かなり疑問が残るアレンジだ。中盤のアコースティックによる「和み」の部分に「GLAYらしさ」を垣間見る事は出来るのだけど‥‥

M-13. I.N.A.・Pata・heath「CELEBRATION featuring hide」(from ALBUM「BLUE BLOOD」)
  最後の2曲は完全な「身内」の参加作品。hideがソロ活動の際には常に活動を共にしてきたI.N.A.、X JAPANのメンバーPataとheathが参加したこの曲は‥‥なんとX時代の名曲のリアレンジ曲。しかもボーカルトラックにhideの未発表音源を使用している。ということは‥‥いずれこの曲をX時代とは別のアレンジで発表する計画があったという事か? となると「JOKER」や「SCARS」なんかのデモ音源も残っているのでは?‥‥なんて考えてしまった。それにしてもこれは‥‥もう反則です!(笑)冷静に判断を下せ、という方が難しい。hideが参加してるんだぜ!? これ以上何を言えばいいっていうんだ? 「Ja,Zoo」に入っていてもおかしくないアレンジだし、やはりこれは「hide以上」でも「hide以下」でもない、正真正銘のhideの作品だ、と言いたい。彼がアレンジに関わっていなくても、これはhide以外の何ものでもない。これは嬉しいボーナスだった。

M-14. YOSHIKI「GOOD-BYE」(from ALBUM「PSYENCE」)
  最後まで参加があやふやだったYOSHIKIが選んだのが、この曲‥‥何も言う事はないと思う。僕自身の感情とは別に‥‥あのイントロダクションのピアノソロも彼によるものだろう。あのイントロに、このアウトロ‥‥感傷的になってしまうが、ひとつの作品という意味ではこれで正解かも。


  こうやって通して聴いてみて改めて思った事‥‥hideという「ソングライター/表現者」の非凡さ。こんなにポップで判りやすく、それでいてロック然としている。いろいろなジャンル/新しい表現に常に興味を持ち、それを自己流の消化をしてみんなの前に提示する。何度も言うが、日本のヒットチャートに「ピンクスパイダー」のような楽曲を送り続けた彼は、やはり偉大すぎる。
  hideの不在‥‥それは、こういうイノベィティングなソングライター/表現者を失ったという事。こういうジャンルでこういう事をやるアーティスト。しかもヒットチャートの上位に君臨する「ポップスター」としても機能する存在‥‥確かにLUNA SEAやラルクといった後輩達がそれに追いつけ追いこせと頑張っているが‥‥今世紀、という意味では彼が最後なのかもしれない。今後、「最も影響を受けたアーティストはhideです」という若手が多く出現するだろう。そして、その度に思い出して欲しい。hideが如何に素晴らしいアーティストだったかという事を。忘れないで欲しい。本来、「アーティスト」とはこういう人の事を言うのだという事を‥‥ありきたりの言葉しか言えないが、1年前に言えなかった事を今、言いたい。

‥‥‥‥‥Thank you, and.....I love you.



▼『hide TRIBUTE : SPIRITS』
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1999年1月31日 (日)

hide with Spread Beaver『ja,Zoo』(1988)

  本来なら99年7月には発売されていたこの「ja,Zoo」は、4月の時点で9月以降に発売延期になった。理由はレコーディングの遅れだそうだ。この頃完成していた曲には "Rocket Dive", "Doubt", "Pink Spider", "ever free" のシングル4曲の他に "Leather Face" と "Bleeding" の2曲も完成していたそうだ。これは当時のインタビューなどで確認できり。この時点で6曲しか完成していなかったというのが現実で、やはりこの倍近い曲が必要だったのだろう。しかし、11月にとうとうリリースされたアルバムには10曲、インストが2曲なので、実質的な新曲は2曲のみだ。しかもデモ音源を元に製作された楽曲。決してhideが望んだ形とは言えないだろうが、世に出たこと自体が奇跡みたいなものだろう。

  前にどこかの掲示板で俺はこのアルバムを「中途半端」と書いた。それは「もし生きてたら、もっと曲が入ったろうに、もっと長い作品になったろうに」という意味だった。(勿論長ければ良い作品か?とも思うが)やはり「PSYENCE」が好きだったから、短く感じたんだろう。前作は16曲入りで歌入りが12曲だったし。完璧な「完成品」を聴きたかったという我儘な欲求がリリース当時あったのは事実。ところが‥‥逆に10曲で正解だった、と最近では思うようになった。MDに楽曲部分のみ(最後のエキストラ・トラックを省く)落とすとこのアルバム、40分に満たない。逆に聴きやすい、短くて。考えてみれば、最近のアルバムって長すぎる。俺みたいに通勤時が音楽聴く時間の殆どを占めてしまう人間にとっては、長いと全部通して聴けない事が多い。大体片道40分。そう、この「Ja,Zoo」ってアルバムは正にジャストフィットしている。これくらいが丁度いい。古くからの名作も大体40~50分の作品が殆どだ。もっともその当時の技術では難しかったというのもまた事実。けれど‥‥長くても心に残らない作品より、短いながらも心に訴えかける、何度でも聴ける作品の方が誰だっていいに決まってる。

  音楽的な話を。知り合いの30代の方が言ってたのだが、俺が以前カラオケで hideの曲を唄った時、彼は「アルバム聴いて思ったんだけど、hideの音楽聴くと落ち着くんだよねぇ? 何だか昔、自分が聴いてきた歌謡曲とか洋楽‥‥KISSとかCHEAP TRICKみたいなバンドを思い出すんだよ。多分、彼と同世代だから聴いてきたものは一緒だろうから、だからなんだろうね?」と話してくれた。hide自身同じようなことをインタビューで言っていたことを知った時、ふとその彼の事を思い出した。

  以下はrockin'on JAPAN '98年6月号に掲載された、同年4月7日にロスにて行われた彼へのインタビューからの抜粋だ。

(インタビュアー、今回のアルバムのコンセプト・方向性について問うと)
「あのー、ほんと超仮タイトルがあるんですけど、『日本』ですね。(以下中略)~日本と動物園をくっつけた『JA-ZOO』っていう造語を作ったのね。そこにインスパイアされたりとか指針になったりとかしてるっつう。zilchやっててずっと英語の歌ばっかり歌ってたんだけど、僕が曲作って行くから仮歌は全部日本語なのね。で、メンバーに俺の日本語の詞を聴いて(英語)詞を書く奴がいるんだけど、どっち歌ってもあんま変わんないのね。そういうことから『日本語って素晴らしい!』とか『もしかしたら日本語ってこういうヘヴィーなロックに一番合うんじゃねえかなぁ』って思ったりとか。だからそういうところもありの日本語だったり日本だったり。あと、アメリカ、アフリカとかって似たり寄ったりのチャートだけど、日本だけ絶対的に違うチャートを持ってる国じゃない? そこが面白いなぁと思って。」

(oasisが世界中で1位の中、日本だけglobeが1位みたいな?)
「そうそうそうそう。なんかそれがカッコいいなぁとか思ってたりして(笑)。あと、zilchで一緒にやってる奴は歳が5つとか3つぐらいしか違わないんで、今好きなものとか昔好きなものとか結構一緒だったりするから俺のロックっていう部分はわかるんだけど、でも歌謡曲っていう部分は絶対にわかんないじゃない? 日本にいる時はわりと洋楽コンプレックスとかって言うけど、逆に『これ凄え強い武器!』とかって思ったりしたのね。そういうことかな。」

  多分、きっとこれがhideが一般の普通の人にも、洋楽オンリーの人にも受け入れられる理由なのだと思うが、如何だろうか? 事実そのzilchも、NINE INCH NAILSやMARILYN MANSONなどと同じ枠の中に入れられるのに、他のものとは違う独自性がある‥‥それがhideの持つ「メロディーセンス」なのだろう。あれは外国人には絶対に出せないものだ。

  結局、この「Ja,Zoo」ってアルバムはチャート上でも成功し、100万枚以上のセールスを記録した。もしhideの死の直後にこの作品がリリースされていたら‥‥恐らくこの2倍近いセールスを記録したのだろう。正直な話、そうならないで良かったと思ってる。もしそんなことになったら、尾崎豊の二の舞いだし、きっとこんなに素晴らしい作品も早く忘れ去られていたかもしれない。半年以上間が空いたから、みんな冷静に受け止めることができたのだろう。いや、ファンはまだ冷静に受け取れてないのかもしれないが‥‥少なくとも俺達「音楽ファン」は、彼の最後の作品をちゃんと受け止めたぞ!

  イメージや既成概念・先入観が邪魔をして、作品への本当の評価ができない場合がある。またそこまで辿り着かず、作品に触れることにも嫌悪感を示す人もいる。もしhideに対してこういう感情があるのなら、それはとても不幸なことだと思う。だって邦楽史上に残る名盤をみすみす見逃すことになるのだから‥‥。



▼hide with Spread Beaver『ja,Zoo』
(amazon:国内盤CD

1999年1月15日 (金)

「MY BEST OF 1998」

今回はこのページを使って長々と『とみぃの選ぶ「BEST OF 1998」』を紹介しようじゃないか!ということで、ハイ。数年前までは年賀状に、前年のベストアルバム5枚をよく書いてました。実際好評でしたよ。でもここ数年はいろいろゴタゴタが続いたので、そういう事を考えること自体をやめてました(というか、思いついても翌年の春になってたり、とか)。前にも書いたかもしれませんが、このHPを立ち上げる際、絶対やってみたいアンケート企画というのがこの「BEST OF」でした。立ち上げ自体が昨年末か新年になる予定だったので、こちらにとっても好都合でしたし。それに「皆さんの選ぶものを知りたい」という気持ちも強かったし。でまぁ、どうせやるなら年明け1発目かなぁ、と。そういう訳ですので、どしどしご参加下さい!

では行きましょう! まずは「ALBUM OF1998」から‥‥尚、全てそうですが順位はつけてません。一応アルファベット順ですのでご了承下さい。


hide with Spread Beaver『Ja,Zoo』

1998年5月2日。俺達は決してこの日を忘れることはないだろう。そんな彼の遺作となってしまったアルバムだが、そんな悲壮感とは無縁の、ハイパーポップ&ヘヴィな、日本のロックを代表する大傑作。飛ぶ前に聴けっ!

KORN『FOLLOW THE LEADER』

「聴き易い」、これが全てでしょう。これまでの彼らが有していた「複雑怪奇」なイメージを覆した、メロウでポップでヘヴィなアルバム。このアルバムで初来日ってのも意味がある。今後、もっとここ日本でも注目されるべき存在。

MANIC STREET PREACHERS『THIS IS MY TRUTH TELL ME YOURS』

これまでのマニックスをイメージするとある種の嫌悪感さえ浮かぶかもしれないが、これはこれで最高傑作。もうこれ以上の作品は作れないのでは?とさえ思わせる、孤高の作品・楽曲を前に涙さえ浮かぶ。

MANSUN『SIX』

ここまでファーストとイメージが逆転したバンドも珍しいのでは? マニックスと並び、今のイギリスを代表すべきプログレ・ギターポップバンド。それでいてセンチでメロウなんだから、たまったモンじゃないっ!

MARILYN MANSON『MECHANICAL ANIMALS』

こちらも前作とはイメージがガラリと変わって聴きやすくなった作品。自身のルーツであるグラム指向を更に前面に打ち出した、耽美ながらもヘヴィでポップな「消費されるべき」傑作。

THEE MICHELLE GUN ELEPHAN『GEAR BLUES』

何なんだ、このテンパリはっ!?最初から最後まで息つく場所さえ与えない、バンドと聴き手が一丸となって突っ走る、「ギア!?そんなもん端からねぇよ!」ってなアルバム。出す度にテンションが更に上がってくバンドって‥‥この先どうなるの!?

SLAYER『DIABOLUS IN MUSICA』

CD帯に「スレイヤー史上最も攻撃的なアルバム」と書かれているが、それは嘘。重さに比重を置いたという意味では「SOUTH OF HEAVEN」以上にヘヴィで、更に昨今のヘヴィネスさえも飲み込んだ、正にスラッシュから一歩抜きん出たアルバム。

THE SMASHING PUMPKINS『ADORE』

「これがスマパン!?」と誰もが驚いたであろう、実験的意欲作。ドラムがいなくなった事が上手く作用して、こういう作風になったのだろうけど、俺はこれを断固指示する。唯一ライヴが観れなかった事が悔やまれる‥‥

zilch『3.2.1』

hideのもうひとつの夢。それがこのバンドだった。ワールドワイドなメンツで固められた、正に国境を越えた内容に鳥肌。あくまで主役は彼ではなくバンドメンバー全員だという事実が「Ja,Zoo」とは対極でありながら地繋がりだという事を教えてくれる。

ZOOBOMBS『LET IT BOMB』

このアルバムで初めて彼らの音に触れたのだが、正直ぶったまげた!日本にもこんな音を鳴らすバンドがいたんだと‥‥まだまだ勉強が足りません。出直してきます‥‥。


‥‥というわけですが、如何でしょうか? 皆さん、俺を判ってたつもりでしょうが、意外なのも入ってて驚いたでしょ? MANSUNとかスマパンとか。

まず僕の選定基準。(1) オリジナル・アルバムのみ、(2) ライヴ盤、ベスト盤は除外(というわけで、エアロやTHUNDER, BLACK SABBATH, JUDAS PRIEST等の名盤と呼べるライヴ盤、及びMOTLEY CRUE, U2といった新曲を含むベスト盤も涙ながらに落選)、(3) 純粋に聴く頻度が高かった作品、の3つです。

こうやって見ると、昨年前半の作品が殆ど無いことに気づきました。IAN BROWNとかいい作品はあったのですが、やはり昨年前半は個人的に‥‥ねぇ?(笑/過去の日記参照)昨年前半よく聴いてて選ばなかった作品には邦楽が多いです。ラルク、イエモン、パフィー、スーパーカー、estern youth等。洋楽では‥‥暗いよ、RADIOHEADとかVERVEばっかり聴いてた気がする。で、5~6月頃の作品がようやく登場。スマパンとSLAYER。スマパン、意外ですか? 何か、昨年後半の新譜ラッシュで影薄くなっちゃいましたが、やはり昨年前半の山だと思うのですが‥‥どうでしょうか? もう昨年よく聴いた頻度からいえば、スマパン、マニックス、マリマンの3つですね。で、最後になってhideが追い上げるという‥‥

夏場はこれ!っていう名盤、少なかった気がします。ここではzilchとKORNかな? この2つは夏場よく聴いたかな? 結局、夏場も邦楽がメインだったような気がする‥‥GLAY, LUNA SEA, OBLIVION DUST‥‥hideの旧譜もよく聴いたわ。「PSYENCE」、出た当時はチョット‥‥って思ってたけど、今聴くと思いっきりストライクゾーン。別に死んだからって訳じゃないと思うけど。(否、そう願いたいです)

で秋になると、マニックス!! 待ってました、って内容でしたね? そして同時購入したMANSUNにもやられた! これも意外でしょうか? 個人的には1stの頃から大好きなバンドですが、新譜で化けましたね? もうこれは音楽性こそ違えどKORNに並ぶ「'90年代のプログレ」ですよ、マジで。UKとUSAの違いはありますが。そして忘れちゃならないMARILYN MANSON! これも化けましたね? この時期、毎朝通勤の車の中では「MECHANICAL ANIMALS」が鳴り響いていたという伝説も作ってしまった位、好んで聴きました。(勿論、退社時の車の中ではマニックスが‥‥)この時期は他にもジョンスぺ、ブリグリとか‥‥あ、忘れてた。GRAPEVINEもよく聴いたわ! 危ない、危ない。

最後の数ヶ月はよかったねぇ‥‥ネットで知りあった方々からいろんなバンドを教えてもらったりして。PENPALS, ZOOBOMBS, Dragon Ash, CATATONIA等。中でもZOOBOMBSは飛び抜けて良かった! 誰も指摘しないけど、(っていうか、雑誌等でどういう評価されてるのか知らないけど)'70年代前半の勢いだけだった頃のROLLING STONESが頭に浮かんだのですよ、最初。(いえ、別にZOOBOMBSが勢いだけ、と言いたいのではないです!間違えないで下さい)絶対にストーンズの前座とかやったら受けますよ!

そして、hide‥‥前にどこかの掲示板で、僕はこのアルバムを「中途半端」と書いた気がします。それは「もし生きてたら、もっと曲が入ったろうに、もっと長い作品になったろうに」という意味だったのですが。(勿論長ければ良い作品か?とも思いますが)やはり「PSYENCE」が好きだったから、短く感じたんでしょうね。10曲入りだけど、インストが2曲、既発曲が5曲。つまり純粋な「歌入り」新曲が3曲しか聴けなかった。前作は16曲入りで歌入りが12曲だったし。hide自身、6月頃発売予定だったのを秋以降に延ばしたのですよね、生前。つまりまだ新曲が入る予定だったと‥‥完璧な「完成品」を聴きたかったという我儘な欲求がリリース当時あったのは事実です。ところが‥‥逆に10曲で正解だった、と最近では思うようになりました。MDに楽曲部分のみ(最後のエキストラ・トラックを省く)落とすとこのアルバム、40分に満たないんですよ。逆に聴きやすい、短くて。考えてみれば、最近のアルバムって長すぎる。俺みたいに通勤時が音楽聴く時間の殆どを占めてしまう人間にとっては、長いと全部通して聴けないのです。大体片道40分。そう、この「Ja,Zoo」ってアルバムは正にジャストフィットしたのです!! これくらいが丁度いいのです。ZOOBOMBSもそんなに長いアルバムじゃなかったからよく聴いたし。やはりこれからは「50分以下でまとめられたアルバム」、これです!


さぁ、次は「SONG OF 1998」で笑って頂きましょう!


* hide with Spread Beaver 「ピンクスパイダー」
* MANIC STREET PREACHERS 「THE EVERLASTING」
* SMAP 「夜空ノムコウ」
* THE MONTROSE AVENUE 「WHERE DO I STAND?」
* THE YELLOW MONKEY 「球根」


ね、笑ったでしょ? という訳で、某掲示板の頭堅い輩(笑)が見たら卒倒しそうな選曲ですね? 「な、何事じゃあ、SMAPって!?」‥‥へっ、よい曲じゃないですか? 実は最初はこの曲でなくて、ミスチルの「終わりなき旅」にしようと思ってたんだけど、先日「ミュージック・ステーション」か何かで昨年のベスト50みたいなのやってて、そこで「夜空ノムコウ」を久しぶりに聴いたら「あ、やっぱこっち!」って。これについてはいろいろ意見があるでしょうが、やはり詞じゃないでしょうか? 正直、この曲の詞でスガシカオを認めた感があります、個人的に。

で、他の4曲。これはすんなり決まりました。hideとイエモン。この2曲が(理由はいろいろあるけど)日本のヒットチャートのトップを取ったって事が今年1番面白かったこと。詞の良さは勿論、こういう「へヴィでグランジな」ナンバーがラジオやテレビからバンバン流れるのはチョット爽快でした。まぁhideのは他の理由があったけど‥‥でも、この曲が切っ掛けで再び邦楽聴き始めたって人、結構いるみたいですし。僕の友人も「おお、カッコイイ!」ってハマってましたよ。イエモンも「まんまRADIOHEADじゃん!」って、そいつよくカラオケで歌ってたし。(笑)

実はこの3曲に共通項があるの、ご存知ですか? それは、「変な英文が出てこない、純粋に日本語に拘った曲」だって事。確かに「ピンクスパイダー」はタイトルもそうだけど、他にも「ジェット」なんて単語が出てくるけど、もうこの程度は日本語と同レベルで浸透してるものですからねぇ。特に「球根」には文学性さえ感じてしまいますが。(反論、お待ちしてます)

洋楽は2曲。まぁ他にもいい曲あったけど、飛び抜けてたのはこの2曲。まずマニックス「THE EVERLASTING」。これは正に90年代の名曲の1つでしょう。勿論過去のマニックス同様、メロディアスで入り込みやすい曲ですが、ここまでエモーショナルに且つメロディアスに聴かせる楽曲はマニックス史上初でしょう。しかもアルバム1曲目からこれだし。勿論アルバムにはこれと同等・それ以上の名曲めじろ押しですが、やはり1曲と言われればこの曲ではないでしょうか? だから尚更この曲がイギリスで第2弾シングルとして切られ、チャート初登場11位と聞いたときは怒りを感じましたが。

そしてTHE MONTROSE AVENUEの「WHERE DO I STAND?」。これも反則!って位に名曲。いいんでしょうか、ここまで「泣きメロ」を追求してしまって。こういうのが許されたのって、イギリスではHR系だけだと思ってたから。(笑)新鮮でしたね、逆に。この曲に関しては恥ずかしい逸話が残っていて、実は俺、この曲をこの夏に初めてFMで耳にしたのですが‥‥車の中で眠ってて、そこから引きつけるようなイントロ、メロディ、コーラスワーク‥‥完璧じゃん!って思ったのは皆さんと一緒。となると次に考えるのは「これって誰の曲?」となるのでしょうが、僕はそこで大きな間違いを犯してしまったのです。この曲、サザンの桑田佳祐のソロだと思った。(笑)LITTLE FEATとかDOOBIE BROTHERSといったウェスト・コースト系のカバー・ソングだとばかり思ってた。(苦笑)こうやってCDでクリアな音で聴くと、絶対に間違えるはずはないのですが、小さな音・雑音交じりでしかも寝ぼけた状態‥‥はいはい、俺はどうしようもないですよ!!!(苦笑)

このMONTROSE AVENUE、他にもよい曲いっぱいですが、やはりそういう最初のインパクトが(笑)あったので、結局この曲に。そういえば、先日のCLUB Kでもこの曲で盛り上がってたなぁ‥‥

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