2007/10/27

THE HIVES『THE BLACK AND WHITE ALBUM』(2007)

前作「TYRANNOSAURUS HIVES」から約3年ぶりに発表される、通算4枚目のオリジナル・フルアルバム。実は……正直な話をすれば、前作ってあまりピンとこなかったんだよね。なんだろう、彼らに対してガツンとくるガレージロックを期待しすぎていたのかなぁ。そういうこともあって、ミドルテンポの曲が増えて、聴かせる要素が増えた前作に違和感を覚えたのかもしれないね。

そんなこともあり、しばらく自分の中で忘れ去られていたTHE HIVES。このひさしぶりの新作を聴いてまず驚いたのは、これまでの作品の集大成的な内容に感じられたこと。疾走感あふれるガレージロックから、前作の延長線上にあるミドルテンポのナンバー、さらには渋いブルーズナンバーやディスコチューンまで(!)、新たな要素も加えつつもこれまでの活動を総括するようなパワフルな作品に仕上がっています。

曲の制作やレコーディングはいろいろな国やスタジオで行われ、プロデューサーも複数導入。しかもその中にはファレル・ウィリアムズまで! ソウルやファンク、モータウン・サウンドといったブラック・ミュージックからの影響がこれまで以上に濃厚に表れていて、これぞガレージロックと言わんばかりの説得力を持ったサウンドを鳴らしています。まさに、タイトルに偽りなしといったところでしょうか。1曲1曲は独立した魅力を放っていて、アルバム通して聴いたらバラつきあるかなぁと思ってたけど、意外とそんな印象も受けずすんなりと聴けちゃう1枚。これはもう、THE HIVESとしての個性が勝っちゃってるってことなんでしょうね。

あと、モータウンなどのソウルミュージックからの影響という意味では、RAMONESとの共通点も改めて感じました。ていうか、アルバム中の数曲でペレ(Vo)の歌い方や歌声がジョーイ・ラモーンっぽくて、ゾクゾクしましたもん。

このアルバムを聴いた後に前述の前作を聴くと、あら不思議。これまたすんなり聴けちゃうんですよ。すべてはバランスなのかもしれませんね……そういう意味じゃ、これから聴いてみようという人にうってつけのアルバムかもしれません(まぁそれ以前にコンピレーション盤「YOUR NEW FAVOURITE BAND」に手を出すのは必須ですけどね!)。



▼THE HIVES「THE BLACK AND WHITE ALBUM」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2007 10 27 12:01 午前 [2007年の作品, Hives, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/01/29

THE HIVES『YOUR NEW FAVOURITE BAND』(2001)

「ロックンロール・リバイバル」だとか「リフロック」だとか「ネオ・ガレージ」だとか、とにかくいろんな呼び名が蔓延る昨今のロックンロール・シーン。個人的には「暴走ロック」とか「リフロック」という言い方がしっくりきてるだけに、どうにも「ロックンロール・リバイバル」という言い方には抵抗あるんだよね。だってさ、別にリバイバルされる程、ロックは長きに渡って死んでたわけじゃないでしょ? ただ単にお前等(そういう呼称で呼んで大騒ぎしてるバカ共)が今まで見向きもしなかっただけだろ!?、と。ま、そうやってブームとか流行りってのは生まれるんでしょうけどね。

今回紹介するTHE HIVESも、そういったブームとか流行りに振り回されたバンドのひとつといっていいでしょう。このスウェーデン出身の5人組は'93年から地元で活動開始、'96年には初音源をリリース、翌'97年のパンクやガレージで有名なインディーレーベル「Burning Heart Records」からファースト・フルアルバム「BARELY LEGAL」をリリース、'00年にはセカンド「VENI VIDI VICIOUS」を本国やここ日本でもリリースしています。俺が彼らの音に触れたのは、多分この頃かな? コンピ盤とか友人に焼いて貰ったCD-Rに彼らの曲が入っていたのが切っ掛け。けどこの頃はまだ「数ある北欧の暴走ロケンローバンドのひとつ」程度の認識。アルバムをちゃんと聴いてみようとは思わなくて。それよりも、同郷の先輩格・THE HELLACOPTERSの方が大好きでね(それは現時点においても逆転することなく)。特に来日するって話もないし、そんな熱心に注目してこなくてさ。

ところが'01年に入って、話が急展開に進んでいってね‥‥かの「Creation Records」の社長だったアラン・マッギーが新たに立ち上げたレーベル「Poptones」から、彼らのコンピ盤が出るということになって。しかもそのアルバムがイギリスでトップ10に入り、結果ここ日本でも改めて注目の的となり、最終的にはアメリカでもそこそこの成功を収めることになったんだから、あら大変。やっぱり「アラン・マッギーがイチ押しする新世代バンド!」みたいな触れ込みがあったんだろうね。どういうわけかこの「Poptones」、この手のガレージ系バンドを多く扱ってたんだよね‥‥OASISやPRIMAL SCREAM、TEENAGE FANCLUBのようなバンドには飽きたってこと? ま、ビジネスマンとしてはホントに頭の回転が早く、しかも感性豊かな男だなと思いますよ。

つうわけで、その大ヒットしたコンピ盤こそが、ここに取り上げた「YOUR NEW FAVOURITE BAND」という、まんまなタイトルのアルバムなわけ。全12曲で30分にも満たない、あっという間に終わってしまう1枚なんだけど、これがね、何度聴いても飽きないわけ。勿論、曲が良いというのは大前提としてあるんだけど、選曲・配置の妙技にも助けられてるよなぁ、と。当時の最新作だったセカンドからの曲が頭4曲で固められ、ファーストからも3曲、他はシングル・オンリーの楽曲を集めたもので、レコーディング時期の違いからか、多少のバラツキはあるものの、そこはこの手のバンド特有の「勢い」と「熱」でフォローされてるので問題なし。テンポ良くスタートして、途中で急激にスピードアップして、その勢いのまま終了するのかと思いきや、最後は肩の力が抜けたインスト曲で終わらせる辺りに、選曲者のこだわりを感じちゃったりしてね。アラン・マッギー、やるな?、と。

所謂「リフロック」と呼ばれる最近のバンド群の中でも最も異色とされるのは、全員が同じユニフォームという点かな。日本だとTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTやギターウルフなんかにも通じる要素かな。勿論、そういったビジュアル要素以外も魅力的で、フル回転したパブロックというか、スマートなガレージ・パンクというか‥‥明らかに他のバンド達とは違う流れにいるバンドじゃないかな、と。それは北欧(スウェーデン)出身というのも大きく関係してると思うんだけど(そして北欧にはまだまだ、これに匹敵する魅力的なバンドが腐る程いるという現実に、みんな早く気づいてください!)、だからこそUKやUSでも面白がられたのかな? 日本には既にそういう土壌があるし、あと雑誌がいち早く騒いだってのも大きいのかな。で、このコンピ盤リリース後すぐに「SUMMER SONIC」で初来日を果たしたしね(けど、ライヴは個人的には思った程じゃなかったな、と。つうかアリーナ向きのバンドじゃないし。野外のメインステージは失敗だと思います)。

ま、俺が今更こんなところで声を大にして「必聴盤!」って叫ばなくても、既にみんな聴いてると思うけどね‥‥まだ聴いたことがないという「モグリ」がいたら、悪いことは言わないからまずはこのアルバムから聴いてみてください‥‥そしてそのままHELLACOPTERS等の北欧バンドにも手を伸ばしてみては如何でしょうか?



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投稿: 2004 01 29 04:36 午前 [2001年の作品, Hives, The] | 固定リンク