カテゴリー「Iron Maiden」の26件の記事

2024年9月14日 (土)

Spotifyでもっとも再生されているIRON MAIDENの楽曲(2024年9月14日現在)

いよいよ来週9月22日から開催となる、IRON MAIDEN実に8年ぶりの来日公演『THE FUTURE PAST WORLD TOUR 2024』。筆者も9月26日公演と29日公演に足を運ぶ予定ですが、今回はタイトルやアートワークからなんとなく想像がつくと思いますが、2021年の最新作『SENJUTSU』に加え、1986年の名作『SOMEWHERE IN TIME』の楽曲を中心に展開されるというもの。ライブタイトル自体は『SENJUTSU』収録曲「Days of Future Past」にもじったものですが、戦国時代(=Past)にスポットを当てた『SENJUTSU』、サウンド的にもシンセギターを用いるなど近未来(=Future)を強く打ち出した『SOMEWHERE IN TIME』という対照的な2枚を並べており、個人的には面白い試みだなと感じています。

昨年から始まった今回のツアーは現在に至るまでセットリストを固定して進行しているので、事前に予習しておきたいという方はこのあたりでチェックしておくといいでしょう。僕自身も事前にライブの流れを把握しておきたくて、Spotifyにプレイリストを作ってみたのですが、いろいろ漁っているうちに過去作と近作の再生回数に目が行きまして。そこで思いました。

 

IRON MAIDENって世界中でどれくらい再生されているんだろう、と。

 

で、調べました。すると、興味深いデータが得られました。今回はオリジナルアルバムに絞って、それぞれの作品で再生回数が多い上位3曲を紹介してみたいと思います。なお、数字は2024年9月14日現在のもの。万単位基準で、1000以下は四捨五入しておりますのでご了承ください。

1stアルバム『IRON MAIDEN』(1980年)
・Phantom Of The Opera(4842万回)
・Running Free(2397万回)
・Prowler(2334万回)

2ndアルバム『KILLERS』(1981年)
・Wrathchild(3015万回)
・Killers(1732万回)
・Murder In The Rue Morgue(1062万回)

ポール・ディアノ(Vo)時代の2枚は、思っていたよりも再生されていない印象でした。1stアルバムが2ndアルバムより再生数が多いのは予想の範疇でしたが、それでもバンド名を冠した代表トラック「Iron Maiden」がTOP3入りしていないのは意外といいますか(ちなみに同曲は2173万回再生で、1stアルバムでは4番目)。

3rdアルバム『THE NUMBER OF THE BEAST』(1982年)
・Run To The Hills(3億7798万回)
・The Number Of The Beast(2億2331万回)
・Hallowed Be Thy Name(1億7281万回)

4thアルバム『PIECE OF MIND』(1983年)
・The Trooper(4億5823万回)
・Fight of Icarus(5779万回)
・Where Eagles Dare(3217万回)

5thアルバム『POWERSLAVE』(1984年)
・2 Minutes To Midnight(1億4944万回)
・Aces High(1億1906万回)
・Powerslave(3408万回)

6thアルバム『SOMEWHERE IN TIME』(1986年)
・Wasted Years(1億5740万回)
・Caught Somewhere In Time(2395万回)
・Alexander The Great (356-323.B.C.)(2288万回)

7thアルバム『SEVENTH SON OF A SEVENTH SON』(1988年)
・Can I Play With Madness(5341万回)
・The Evil That Men Do(4499万回)
・Seventh Son Of A Seventh Son(2178万回)

ブルース・ディッキンソン(Vo)加入後の、いわゆる黄金期と呼ばれる80年代中盤から後半にかけて。『THE NUMBER OF THE BEAST』からは3曲、『PIECE OF MIND』からは1曲、『POWERSLAVE』からは2曲、『SOMEWHERE IN TIME』からは1曲と、それぞれ1億回を超える再生数の楽曲が複数生まれています。概ねシングルヒットが数多く再生されている印象ですが、そんな中で「Powerslave」「Caught Somewhere In Time」「Seventh Son Of A Seventh Son」と各アルバムのタイトルトラックがTOP3入りしているという意外な結果も。「Caught Somewhere In Time」のようにアルバムのオープニングトラックなら再生数が多くなるのもなっとくですが、「Powerslave」はアルバム終盤、「Seventh Son Of A Seventh Son」は中盤とそれぞれ異なる配置。アルバムタイトルトラックだから聴いてみるか……ということなのでしょうか。あと、「Alexander The Great」は昨年からのツアーで久しぶりに演奏されていることもあって、再生数が伸びたんでしょうかね。ライブの定番曲「Heaven Can Waite」(1353万回)よりも遥かに多い数字に驚かされます。

8thアルバム『NO PRAYERS FOR THE DYING』(1990年)
・Bring Your Daughter... To The Slaughter(1682万回)
・Holy Smoke(1123万回)
・No Prayer For The Dying(555万回)

9thアルバム『FEAR OF THE DARK』(1992年)
・Fear Of The Dark(3億3666万回)
・Wasting Love(9789万回)
・Afraid To Shoot Strangers(3832万回)

ヤニック・ガース(G)が加入、ブルース在籍時末期の90年代初頭の2枚。『NO PRAYERS FOR THE DYING』は作品の評価同様、黄金期の諸作品と比べると再生数が著しく劣ります。が、『FEAR OF THE DARK』からはライブ定番曲となったタイトルトラックの3億回再生を筆頭に、シングル曲とはいえライブで頻繁に演奏されるわけでもない、なのに1億回近い再生数を誇る「Wasting Love」、地味に人気の高い「Afraid To Shoot Strangers」が上位入り。面白い結果です。なお、同作からシングルヒットした「Be Quick Or Be Dead」は3646万回、「From Here To Eternity」は1248万回にとどまっています。

10thアルバム『THE X FACTOR』(1995年)
・Man On The Edge(886万回)
・Sign Of The Cross(862万回)
・Lord Of The Flies(270万回)

11thアルバム『VIRTUAL XI』(1998年)
・The Clansman(1655万回)
・Futureal(797万回)
・Como Estais Amigos(242万回)

ブレイズ・ベイリー(Vo)が参加した2作品は、やはりというかあまり再生されていない印象。ブルース復帰後も演奏される機会の多い「The Clansman」こそ1000万回再生を超えていますが、それ以外は低調気味。そういえば当サイトでもこの2枚はまだ紹介していませんでしたね……そのうち改めて書いてみようと思います。

12thアルバム『BRAVE NEW WORLD』(2000年)
・The Wicker Man(6090万回)
・Blood Brothers(4323万回)
・Brave New World(2655万回)

13thアルバム『DANCE OF DEATH』(2003年)
・Dance Of Death(3793万回)
・Rainmaker(1361万回)
・Raschendale(1173万回)

14thアルバム『A MATTER OF LIFE AND DEATH』(2006年)
・For The Greater Good Of God(1493万回)
・Different World(1212万回)
・These Colours Don't Run(1075万回)

15thアルバム『THE FINAL FRONTIER』(2010年)
・When The Wild Wind Blows(1096万回)
・Coming Home(997万回)
・El Dorado(731万回)

ブルースやエイドリアン・スミス(G)が復帰し、現在の6人体制になってから制作された2000年代のアルバム4作品。復帰一発目の『BRAVE NEW WORLD』はやはり注目度が高いのと、現在もライブで披露される機会の多い楽曲が複数含まれていることから、以降の3作品と比べると全体的に数字が高い。が、作品を重ねるごとに数字が落ち始めています。作品のクオリティはどれもそう変わらないはずですが、なかなか難しいものですね。

16thアルバム『THE BOOK OF SOULS』(2015年)
・Speed Of Light(3080万回)
・If Eternity Should Fail(1998万回)
・The Red And The Black(1498万回)

17th『SENJUTSU』(2021年)
・The Writing On The Wall(4136万回)
・Days Of Future Past(1977万回)
・Stratego(1811万回)

2010年代半ば以降の2作品。フィジカルではCD2枚組の長尺アルバムですが、ここ日本でもサブスクがスタートして以降のリリースとあってか再生数はかなり安定している印象。シングルカット曲、ライブで頻繁に披露される曲が多く再生されているのは納得でしょうか。

ちなみにライブアルバムに関してですが、どれも数百万回再生止まりで、億単位はゼロ。1000万回超えは『ROCK IN RIO』(2002年)収録の「Fear Of The Dark」(2116万回)と『A REAL LIVE DEAD ONE』(1993年)収録の「The Trooper」(1212万回)の2曲のみでした。

以上を踏まえて、2024年9月中旬時点での「Spotifyでもっとも再生されているIRON MAIDENの楽曲」上位20曲は下記のようになりました。

1位:The Trooper(4億5823万回)
2位:Run To The Hills(3億7798万回)
3位:Fear Of The Dark(3億3666万回)
4位:The Number Of The Beast(2億2331万回)
5位:Hallowed Be Thy Name(1億7281万回)
6位:Wasted Years(1億5740万回)
7位:2 Minutes To Midnight(1億4944万回)
8位:Aces High(1億1906万回)
9位:Wasting Love(9789万回)
10位:The Wicker Man(6090万回)
11位:Flight Of Icarus(5779万回)
12位:Can I Play With Madness(5341万回)
13位:Phantom Of The Opera(4842万回)
14位:The Evil That Men Do(4499万回)
15位:Blood Brothers(4323万回)
16位:The Writing On The Wall(4136万回)
17位:Afraid To Shoot Strangers(3832万回)
18位:Dance Of Death(3793万回)
19位:Children Of The Damned(3724万回)
20位:Be Quick Or Be Dead(3646万回)

億超えの上位8曲は納得の結果でしょうか。そういう意味では、億に届きそうで届かないライン(「Wasting Love」「The Wicker Man」をはじめとする楽曲群)が個人的には興味深かったです。40年以上のキャリアを持つヘヴィメタルバンドとして、この数字は順当なものなのかどうかは正直わかりませんが、我々のような80年代リアルタイム通過組のみならず、まだ彼らの音楽に触れたことがない世代にも少しは興味を持ってほしいな……と思わずにはいられません(まあ、安くても1万8000円という来日公演に足を運ぶ若年層は皆無かもしれませんが……)。

 

2023年3月15日 (水)

IRON MAIDEN『PIECE OF MIND』(1983)

1983年5月16日にリリースされたIRON MAIDENの4thアルバム。日本盤タイトルは『頭脳改革』。

ブルース・ディッキンソン(Vo)が加わって最初のアルバム『THE NUMBER OF THE BEAST』(1982年)は、本国イギリスで初の1位を獲得。アメリカでも初のTOP40入り(最高33位)を果たすなど、バンドの知名度を世界中に向けて一気に広めることに成功しました。そんな好機の中、クライヴ・バー(Dr)がバンドを脱退。代わりにパット・トラヴァースやTRUSTと音楽活動を積み重ねてきたニコ・マクブレインが、新ドラマーとしてIRON MAIDENに加わることになります。ここで1989年まで続く黄金期メンバー……ブルース、スティーヴ・ハリス(B)デイヴ・マーレイ(G)、エイドリアン・スミス(G)、ニコという布陣が完成するわけですね。

作風的には前作で顕著だった、ブルースのボーカルを軸にしたハードロックナンバー中心。そこにスティーヴらしさの伝わるプログレッシヴなテイストのアレンジを散りばめた長尺曲も配置し、アルバムとしてはバランス感に優れた1枚。「Die With Your Boots On」や「The Trooper」「Sun And Steel」といったアップチューンもしっかり用意されているものの、初期のような前作までにあったパンキッシュなやけくそ感はだいぶ後退し、アルバムとしての完成度を高める方向にシフトしている印象もあります。そのへんは、ドラマーの交代も大きく影響しているのかもしれませんね。

そう考えると、グルーヴ感を重視した楽曲で固められたアルバム序盤の作風も、ある意味特徴的と言えるかもしれません。オープニングを飾る「Where Eagles Dare」やライブでも披露される機会も多い「Revelations」、シングルカットもされた「Flight Of Icarus」あたりはまさにその好例ですよね。そこから後半に入ると、ムーディーな「Still Life」やギャロップリズムとシャッフルの中間みたいな「Quest For Fire」、スティーヴの気合いが一番入ったであろう7分半の大作「To Tame A Land」と、従来のカラーを絡めながら前半のテイストに合わせた楽曲群を並べる。言い方が正しいかどうかわかりませんが、IRON MAIDENにしてはちょっと「お行儀の良い」内容のような気がしてなりません。

そういうこともあってか、実は個人的にはあまり印象が強くない1枚なんですよね。聴く頻度もほかの80年代のアルバムと比べると一歩劣ると言いますか。たまに聴くと「意外といい曲多いんだよね」と思うものの、全体的に地味に思えてしまって、そこまでリピートすることなく、またしばらく時間が経ってから引っ張り出すみたいな。欧米での高評価と比べると、僕の中ではそんなポジションの1枚です。

で、今回久しぶりに聴いてみたら「……やっぱりいいじゃん!」といいうことに(笑)。ただ、このアルバムってオープニングとエンディング(最後の締め)がインパクト弱で、どうしても「また続けて聴いてみよう」という気持ちになれなくて(「このあと、まだ続くの?」っていう終わり方だし)。なので、特にラストに関してはマイナスポイントかな。

なお、本作はイギリスで最高3位と前作から数字を落とすものの、アメリカでは最高14位と初のTOP20入り。「Flight Of Icarus」(英11位)、「The Trooper」(英12位)というヒットシングルも生まれ、続く名盤『POWERSLAVE』(1984年)まで続く最盛期のとっかかりを作ることに成功します。

 


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2021年9月16日 (木)

IRON MAIDEN『SENJUTSU』(2021)

2021年9月3日にリリースされた、IRON MAIDENの17thアルバム。

全英1位/全米4位を記録した前作『THE BOOK OF SOULS』(2015年)から6年ぶりのオリジナルアルバム。バンドはこの期間にも『THE BOOK OF SOULS: LIVE CHAPTER』(2017年)、『NIGHTS OF THE DEAD, LEGACY OF THE BEAST: LIVE IN MEXICO CITY』(2020年)とライブアルバム2作を発表しており、それぞれ全英17位/全米49位、全英7位/全米53位というまずまずの数字を残しています。

前作は初のCD2枚組/全11曲・92分という過去最長の内容でしたが、続く今作もCD2枚組という形態に。今作は全10曲・82分とボリューム的には前作には及ばないものの、CD1枚に収録するには2分ほど長すぎるということで2枚組になったようです。それでも70年代だったら、アナログ盤4枚組に相当するボリュームですけどね。

さて、内容について。リードトラック「The Writing On The Wall」が比較的地味なミディアムナンバーだったこともあり、個人的には「なんとなく『A MATTER OF LIVE AND DEATH』(2006年)の作風に似てるかな?」と感じていました。で、いざアルバムを通して聴いてみると……地味。前作『THE BOOK OF SOULS』も決して派手な作品ではなかったですし、あのときも「なんとなく『A MATTER OF LIVE AND DEATH』の作風に似てるかな?」という感想を抱きましたが、今作に関してはそれ以上。むしろ『A MATTER OF LIVE AND DEATH』をまた聴いているんじゃないか?というデジャブに陥ったほどです。

こういう作風のときって、間違いなくスティーヴ・ハリス(B)の創作意欲にブーストがかかっているときなんですよね。『A MATTER OF LIVE AND DEATH』然り、『THE BOOK OF SOULS』然り。『THE FINAL FRONTIER』(2010年)のときも比較的その傾向にありましたが、あのときはほかのメンバーの創作意欲も強まっていた時期だと思うので、もうちょっと全体的なバランスが整っていた気がしますが、今作に関してはスティーヴ・ハリス無双という表現がぴったり。80年代から90年代初頭にかけて、ファンが喜ぶことに徹しつつ自身の表現したいことも重ねてきた彼ら、そういったことを散々やってきたのだから、メンバー全員が60代に突入した今はもう余生。リスナーが、ファンが、過去のメイデンがといった外野の声を無視して、本当にやりたいことを、作りたい音楽を、表現したい芸術を形にするのがベストなのかもしれません。そういった意味で、このアルバムで表現されている内容は純度100%のIRON MAIDEN=スティーヴ・ハリスだと思います。文句なし。

ただ、そこに従来のファンが求めるであろう派手さ、尖った部分、わかりやすさが伴っていないだけ。商業作品としては間違っているのかもしれないけど、IRON MAIDENが2021年に表現すべき音楽としては大正解。この矛盾を孕んだ作品、果たしてどこまで正しく評価されるのかわかりません。きっとこの先、あと1枚2枚アルバムを作れるのかどうか。あるいは、何か突発的な事故が起こってこのアルバムがラストアルバムになる可能性だってある。年齢的に、そして時勢的に考えると、近年のメイデンは毎回「これがラストアルバム」という気持ちで制作と向き合っていると思うんです。

商業的に成功するような作品は『FEAR OF THE DARK』(1992年)でひとつ完結している。あるいは、6人になって最初の1、2枚(『BRAVE NEW WORLD』『DANCE OF DEATH』)でもう一度トライしてきた。もう昔のような「売れるアルバム」「大衆にアピールするアルバム」という鎖に縛られる必要はない。演奏していて楽しい音楽、自分たちが聴いて楽しい音楽を作ればいい。その答えが今回の『SENJUTSU』というアルバムなのかもしれません。

ブルース・ディッキンソン(Vo)は前作制作前に舌癌と向き合い、さらに加齢による声域減退から、ボーカリストとしては確実に下り坂へと折り返しています。それにより、メロディラインが以前と比べて単調になり始めている。これはもう仕方のないこと。楽曲のテンポ問題も一緒でしょう。そういった肉体的制限が以前よりも厳しい中で、ここまでまとめるのは相当苦労したはずです。

ですが、そういった問題は作品の質とは無関係。以前より地味だからダメ、サヨナラ、という人もいるはずです。実は、このアルバムを最初に聴いたときは自分もそっち側に行ってしまうのかな、と思っていました。しかし、二度三度とリピートしているうちに、嫌いになれない自分に気づく。むしろこれ、好きなやつじゃん、と気づくのです。そうか、自分『A MATTER OF LIVE AND DEATH』も『THE BOOK OF SOULS』も嫌いになれなかったもんな。じゃあ好きなわけだ。特にDISC 2(7分20秒、10分20秒、12分40秒、11分20秒という長尺曲4曲収録)がお気に入りです。

こんなのレビューでもなんでもないですし、単なる自己肯定のための戯言に過ぎません。しかし、現在進行形のIRON MAIDENが自分にとってどんな存在なのか、それを再認識する上で今回のアルバムは非常に重要な“踏み絵”になったような気がします。最高傑作ではないけれど、真ん中より2、3歩上に位置する「気づいたら手に取っているお気に入り」。そういうユルいポジションの良作だと断言しておきます。

最後に。本作はイギリスで3作連続1位を獲得することができませんでしたが(最高2位)、アメリカではキャリア最高位となる3位にランキングしたことを記して、この長い駄文を締めたいと思います。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 


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2021年7月23日 (金)

IRON MAIDEN『KILLERS』(1981)

1981年2月にリリースされたIRON MAIDENの2ndアルバム。

前作『IRON MAIDEN』(1980年)はデビューアルバムながらも全英4位という好記録を残しましたが、続く本作は全英12位とランクを落としてしまっています。しかし、一方で初の全米チャートへのランクイン(最高78位)などもあり、着実に進歩していることは数字からも伝わってきます。

今作からデニス・ストラットン(G)に代わりエイドリアン・スミス(G)が加入。また、今作を最後にポール・ディアーノ(Vo)が脱退するなど、早くも大きな転換期を迎えます。しかし、内容的にはそんないざこざがまったく感じられない、前作からの成長がダイレクトに伝わる良作に仕上がっています。

前作では全体的に勢いで押す曲(「Prowler」「Charlotte The Harlot」など)とプログレッシヴさを全面に打ち出す曲(「Phantom Of The Opera」「Transylvania」など)と二分された感がありますが、今作からはその個性により磨きをかけた感が伝わる。前作の流れを組むパンキッシュさは「Purgatory」程度に収められ、「Murders In The Rue Morgue」や「Another Life」のようなアップチューンはメタリックに整頓されている感がより強まっています。

一方で、オープニングを飾るドラマチックなインスト「The Ides Of March」から「Wrathchild」へ、「Genghis Khan」から「Innocent Exile」へと続く組曲的構成や、6分強におよぶプログレッシヴな「Prodigal Son」、前作における「Iron Maiden」的な展開を持つ「Drifter」などは現在まで続くスタイルのプロトタイプと言えるもの。ブルース・ディッキンソン(Vo)加入後に確立されるスタイルの処女作、といえばわかりやすいのかな。そういった過渡期的な立ち位置にあるアルバムだなと、個人的には昔から感じていました。それもあってか、初期の作品の中でも不思議と手に取る機会の少ない1枚だったんですよね。

ところが、最近久しぶりに聴いたら……面白いことに、1stアルバム以上に気に入ってしまった。周期的なものもあるんでしょうけど、今まで気づいていなかった魅力(暴力的な1作目よりコントロールされている感)にハマってしまったんです。実はこのへんの魅力って、プロデューサーをマーティン・バーチ(BLACK SABBATHDEEP PURPLERAINBOWWHITESNAKEなど)に交代したのも大きく作用しているのかなと。さすがです。

1 stアルバムと比べたらインパクトは若干弱いかもしれませんが、中身の濃さは前作以上。あなどれない1枚です。

 


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2021年3月31日 (水)

SMITH/KOTZEN『SMITH/KOTZEN』(2021)

2021年3月26日にリリースされたSMITH/KOTZENの1stアルバム。日本盤未発売。

このSMITH/KOTZENはIRON MAIDENのエイドリアン・スミス(G)とTHE WINERY DOGS、ex. POISON、ex. MR. BIGなどで知られるリッチー・コッツェン(G, Vo)によるバンド/プロジェクト。UKを代表する王道ヘヴィメタルバンドのギタリストと、ブルースフィーリング溢れるUSギタリスト/シンガーの邂逅はなかなか想像しにくいものがあるかと思いますが、そもそもエイドリアンはその昔、ASAP(ADRIAN SMITH AND PROJECT)というアメリカンハードロック寄りのソロバンドを組んで、そっち側に傾倒してメイデンを脱退したなんて話もあったほど、根っこの部分ではUSロックをルーツに持つ人なわけで、どこかでつながる機会があれば意気投合するのも理解できるわけです。

数年前に知人を通じて出会った2人は、以降ジャムセッションを何度か重ねたとのこと。エイドリアンによると「僕らはクラシック・ロックとブルージー・ロックへの愛を共有しているから、一緒になって曲を書き始めようと決めたんだ」そうで……ほらね(笑)。昨年2月、ミックスエンジニアにケヴィン・シャーリー(IRON MAIDEN、DREAM THEATERJOURNEYなど)を迎え、ギターとベースはエイドリアン&リッチーが、ドラムも5曲をリッチーがそれぞれ担当し、IRON MAIDENのニコ・マクブレイン(Dr)とリッチーの盟友タル・バーグマン(Dr)のゲスト参加を含めてレコーディングを実施。昨年12月に1stシングル「Taking My Chances」をリリース後、楽曲を小出しにしつつ、レコーディングから1年強の歳月を経てついにアルバムが届けられたわけです。

この2人のタッグにIRON MAIDEN的な側面を求めて本作に手を出したなんて方はまずいないと思いますが、上記のような事情を知っている方なら納得のブルース/ソウル/R&Bを通過したアメリカン・クラシックロック/ハードロック満載の本作。ボーカルも2人で歌いわけられており、リッチーのしゃがれた声と、どこか頼りなさげなエイドリアンの歌(笑)が、それぞれ異なる個性を発しながら独特のグルーヴを作り上げています。ギターとベースは交互に担当しているようで、リッチーのプレイはなんとなく「これかな?」と予想できるので、それ以外がエイドリアンのプレイということでしょう(苦笑)。

非常にシンプルなバンドアンサンブルで、無駄が一切ないトラディショナルなハードロックは、リッチーのソロ作の延長として楽しめるはずです。また、リッチーの味わい深いボーカルがしっかりと確立されているからこそ、程よいバランスで組み込まれたエイドリアンの歌声も同時に楽しむことができる。ギターも適度な派手さと色気、ヘヴィさが備わっており、すべてにおいて「痒いところに手が届く」作りかなと。

特別新しい要素や突出した個性こそ感じられないものの、文句なしに何度も楽しめる安心安定の1枚ではないでしょうか。個人的には大好物ですが、年間ベストに選ぶようなタイプとは違うかな。だけど、気づくと何年経っても手に取っている、そんな良作だと断言できます。できれば、忘れた頃に2作目、3作目も作ってほしいなと思う、そんな良プロジェクトです。

 


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2020年11月20日 (金)

IRON MAIDEN『NIGHTS OF THE DEAD, LEGACY OF THE BEAST: LIVE IN MEXICO CITY』(2020)

2020年11月20日にリリースされたIRON MAIDENの最新ライブアルバム。

本作は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になった、今年5月の来日公演を含むワールドツアー『LEGACY OF THE BEAST WORLD TOUR』から、2019年9月にメキシコ・シティで行われたライブの模様を完全収録したもの。ライブアルバムとしては現時点での最新オリジナルアルバム『THE BOOK OF SOULS』(2015年)を携えたワールドツアーの模様を収めた『THE BOOK OF SOULS: LIVE CHAPTER』(2017年)以来3年ぶりとなります。この10年で考えると、すでに4作目……オリジナル作のリリース間隔がどんどん長くなっている一方で、その隙間を埋めるようにライブアルバムが(過去のアーカイブ含め)どんどん発表されるのは、ファンとしてうれしいような「いや、そんなに出されても」と困るような……。

とはいえ、『THE BOOK OF SOULS: LIVE CHAPTER』が日本を含むワールドツアーのハイライト的内容(世界各国のライブからベストテイクを集めたもの)だったのに対し、今作は1公演をまるまる収録。しかも、血気盛んなメキシコ公演の模様ですから、どれだけ贔屓目に見ても悪いわけがない。実際、約100分におよぶ全17曲のパフォーマンスは最高の一言なわけですから、困ったものです(苦笑)。

「Aces High」からスタートするセットリストがそもそも悪いわけないし、そこから「Where Eagles Dare」「2 Minutes To Midnight」という流れも最高。また、このツアーでは「The Clansman」や「Sign Of The Cross」といったブルース・ディッキンソン(Vo)不在時期の楽曲(過去のツアーでも披露していましたが)や、「The Wickerman」「For The Greater Good of God」という2000年代の楽曲も含まれており、まさにオールタイムベスト的なセットリストで、定番曲以外は『THE BOOK OF SOULS: LIVE CHAPTER』とそこまで被らないようになっているのも特徴ではないでしょうか。まあそこまで意外な曲はほぼないですけど、このセトリを生で味わったら確かにうれしくてたまらないですよね。

僕、ブルースの歌う「The Clansman」が原曲以上に大好きなんですよ。同曲が収録されたオリジナルアルバム『VIRTUAL XI』(1998年)って、生活環境が変わったタイミングだったのでそこまで真面目に聴き込めていなかったので、同作に対する印象も薄かったのですが、ライブバージョンで(かつブルースのボーカルパフォーマンスによって)急激に惹きつけられたのです。これは「Sign Of The Cross」も同様で、ブレイズ・ベイリー(Vo)には申し訳ないですが……。

ただ、2000年代に発表された『ROCK IN RIO』(2002年)や『DEATH ON THE ROAD』(2005年)あたりのボーカルパフォーマンスと比べると、さすがにブルースも歳をとったと感じずにはいられません。観客に歌わせるパートも増えている印象を受けるし、声の張りも……それでも、60歳を超えてここまで歌えるヘヴィメタル・シンガー、そうそういませんけどね。

逆に、演奏面に関してはより脂が乗っているように感じるのは気のせいでしょうか。初期の楽曲におけるアグレッシヴさこそ薄まっているものの、特に上に挙げたここ10〜20年くらいのプログレッシヴな楽曲では円熟味が伝わってくるんですよね。要するに、ヘヴィメタルバンドとしてまだまだ現役すぎるってことです。すげえバンドだな、相変わらず。

一応、『LEGACY OF THE BEAST WORLD TOUR』は2021年夏まで延期される形となりましたが、この最高の選曲/パフォーマンスのライブを日本でも楽しめる未来があるのか……こればかりは本当に神のみぞ知るといったところですが、今はこのライブアルバムをできる限り爆音で聴いて、デビュー40周年を迎えたIRON MAIDENに賞賛の拍手を送り続けたいと思います。

 


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2020年7月 2日 (木)

IRON MAIDEN『NO PRAYER FO THE DYING』(1990)

1990年10月にリリースされたIRON MAIDENの8thアルバム。

前作『SEVENTH SON OF A SEVENTH SON』(1988年)を携えたツアーを終えたあと、バンドとして長めの休暇期間へと突入。その間にエイドリアン・スミス(G)が自身もボーカルを務めるソロプロジェクトA.S.A.P(ADRIAN SMITH AND PROJECT)でアルバム『SILVER AND GOLD』(1989年)を発表。続いてブルース・ディッキンソン(Vo)も映画『エルム街の悪夢5 ザ・ドリームチャイルド』サウンドトラックにソロ曲「Bring Your Daughter To The Slaughter」を提供し、続いてソロアルバム『TATTOOED MILLIONAIRE』(1990年)を発表します。

各メンバーが順調にソロ活動を続けていましたが、ブルースのアルバムリリース前後にバンド再集結の召集がかかります。ここで、音楽性の違いから独自の活動を続けたかったエイドリアンがバンドを脱退。代わりに、ブルースのアルバム『TATTOOED MILLIONAIRE』や同作を帯同したショートツアーでギターをプレイしたヤニック・ガーズ(G)がメイデンに加入することになりました。

こうして完成したメイデン8作目のオリジナルアルバムは、前作で見せたスティーヴ・ハリス(B)らしいプログレッシヴな要素が後退した、コンパクトでロックンロール色の強い異色の1枚に仕上がりました。

メンバーチェンジも大きな影響を与えたのでしょうが、メジャーデビュー10周年というタイミングに迎えた久しぶりの大きな変化を前に、バンドは原点回帰的なラフさ/アグレッシヴさでレコーディングに臨みます。どの曲も3〜4分台で非常にコンパクト、かつ複雑なアレンジは比較的避けられており、そのノリの良さからスルスルと聴き進められる内容なのです。

とはいえ、このバンドらしいプログレ感をにじませたタイトルトラック「No Prayer For The Dying」や、本作唯一の5分超えナンバー「Motehr Russia」からは従来の複雑さも見え隠れしますが、それも必要最低限に留められており、メイデンにしては淡白であっさりめ。そこに物足りなさを感じるリスナーも少なくないでしょう。

なんとなく、スタジオセッションでの成果をそのまま形にしたかのような内容ですし、制作もかなり短期間で進行したんだろうなというのが伺えます。事実、埋め合わせなのかどうかわかりませんが、ブルースのソロ曲「Bring Your Daughter... To The Slaughter」がバンドで再録音されているくらいですから(しかも、この曲がバンド唯一の全英No.1シングルになるというのも皮肉な話です)。

名曲「Aces High」の続編ナンバー「Tailgunner」もどこか軽いですし、リード曲「Holy Smoke」や「Hooks In You」のようなロックンロールテイストの強い楽曲も含まれていることから、メイデンファンの間ではそこまで評価が高くないような印象を受けます。が、聴き込むとクセになるのも本作。「Public Enema Number On」や「Fates Warning」「The Assassin」などは侮れませんし、なによりも「Motehr Russia」という名曲の存在が本作を駄作で終わらせずに済んでいるわけですから。真っ先に聴くべき作品とは言いませんが、最近の大作主義に疲れてきたらぜひ試してみてください。意外とイケるので!

 


▼IRON MAIDEN『NO PRAYER FO THE DYING』
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2020年7月 1日 (水)

IRON MAIDEN『THE FINAL FRONTIER』(2010)

2010年8月発売の、IRON MAIDEN通算15作目のスタジオアルバム。

1980年にメジャーデビューを果たしたメイデンにとって、本作はデビュー30周年を祝す記念すべき1枚であり、10作目『THE X FACTOR』(1995年)から始まったプログレッシヴロック/大作路線のひとつの完成形と言える内容でもあります。なにぜ全10曲で約77分という、CDの収録容量ギリギリまで詰め込んだ1枚ですからね(結局、次の『THE BOOK OF SOULS』(2015年)では1枚で収まり切らず、初のCD2枚組作品を生み出すことになるわけですが)。

『BRAVE NEW WORLD』(2000年)からの付き合いとなるケヴィン・シャーリー(AEROSMITHDREAM THEATERJOURNEYなど)と、スティーヴ・ハリス(B)との共同プロデュース作品となる本作は、質感的には同作以降の流れを組みつつ、よりタイトで若干丸みを帯びた音色で非常に聴きやすいものになっています。これだけ長尺のアルバムだと、やはり聴きやすい音色じゃないと長続きしないですものね。

アルバム冒頭を飾る「Satellite 15... The Final Frontier」からして9分近くにおよぶ大作ですが、これは4分以上におよぶインダストリアル・チックなインスト(「Satellite 15」)に続いて、いかにもメイデンらしいハードロック(「The Final Frontier」)へと続く、組曲というよりは2部構成の楽曲と呼んだほうがいいのかしら。そこから、“いかにも”なキャッチーさと楽器陣のプログレッシヴ感がキラリと光るリードシングル「El Dorado」へと続くのですが、前作『A MATTER OF LIFE AND DEATH』(2006年)でのシリアス路線を若干引きずっているような印象も受けます。けど、キャッチーさでは前作以上なんですけどね。

ただ、歌メロに関しては前作あたりから若干不安視されてきた「ネタ切れ感」と「マンネリさ」がより強まった印象も。これはブルース・ディッキンソン(Vo)が悪いというよりは、メインソングライター(ここではスティーヴ・ハリスかな)の責任が強いような気がします。楽器陣(特に、ニコ・マクブレインのドラミング)が30周年というタイミングに新たな領域に片足突っ込み始めているだけに、そこだけはちょっと残念かな。

だけど、決して退屈な作品ではありません。「Mother of Mercy」や「Coming Home」のようにアレンジで新たな魅力を見せる楽曲や、メイデンらしいツインリードソロを用いた王道メタル「The Alchemist」、ドラマチックさは随一な「Starblind」などフックとなる楽曲は多数用意されています。『THE X FACTOR』以降のスティーヴ・ハリスの方向性を「あり」と認めるリスナーなら、本作も満足の1枚ではないでしょうか。少なくとも、前作で少々がっかりしたというリスナーも納得できる内容だと思います。

と同時に、本作での経験が続く傑作『THE BOOK OF SOULS』で確実に活かされていることもまた事実。そういった意味では次作へ至るまでの習作的1枚とも言えるでしょう。

 


▼IRON MAIDEN『THE FINAL FRONTIER』
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2020年4月14日 (火)

IRON MAIDEN『BRAVE NEW WORLD』(2000)

IRON MAIDEN、来日中止になっちゃいましたね……前回の両国国技館はいろいろあって行けなかったので、今回は……と楽しみにしていただけに、残念でなりません。まあ、こんなご時世ですから素直にライブを楽しめるのか?と問われると、確かに疑問なんですけどね。とにかく今は、早く健康な世の中になって再来日が決まることを願っております。

というわけで、今回紹介するのは2000年5月末にリリースされたIRON MAIDENの12thアルバムです。

1999年に3代目シンガーのブレイズ・ベイリーが脱退。これと代わるように先代のブルース・ディッキンソンがバンドに再加入し、さらにやニック・ガース(G)の前に在籍したエイドリアン・スミス(G)までもが再加入。ギタリストの誰か1人が抜けるのではなく、トリプル・ギター編成の6人組バンドとしてIRON MAIDENは新たなディケイドへと突入することになります。

アルバムデビュー20周年という節目に発表された本作は、ケヴィン・シャーリー(AEROSMITHDREAM THEATERJOURNEYなど)という若手エンジニアを共同プロデューサーに迎えパリでレコーディングを敢行。ライブ・レコーディングに近い形で、トラックごとにではなく一斉に演奏した音を録っていったそうで、これは現編成になってまず行われたツアー「The Ed Hunter Tour」での勢いをそのまま残す意味もあったのかなと(楽曲自体はツアー前から書かれていたようですが)。

いくつかの楽曲(「The Nomad」「Dream of Mirrors」「The Mercenary」)はブレイズ在籍時の前作『VIRTUAL XI』(1998年)から存在したようで、本作収録にあたりブラッシュアップされたとのこと。そういえば、ブレイズ加入後の2作(『VIRTUAL XI』と1995年の『THE X FACTOR』)はスティーヴ・ハリス(B)のカラーが強すぎたのか、長尺だけどモノトーンという印象の楽曲が多かったように思います。本作にもそういったタイプの楽曲(特に「The Nomad」あたり)は存在するものの、いくぶん彩り豊かになった印象も受けます。

それは、ブルースという“歌える”シンガーが歌っていることも大きいのかなと。ブレイズはどこか一本調子なところがありましたからね。あれはあれでよかったんだけど、曲によっては合わなかったですし。また、オープニングを飾る「The Wicker Man」のキャッチーさ(エイドリアン、スティーヴ、ブルース共作)や、続く「Ghost Of The Navigator」「Brave New World」などが持つ“複雑なのに親しみやすい”要素は、過去2作には確実になかったもの。なんというか、1曲1曲の作りが丁寧な印象を受けるんです。それはクリアなサウンドのせいもあるでしょうけど、なによりも曲作りにいろんな声や意見がしっかり反映されたのかなと。そこの違いが形となって表れた1枚なんじゃないかと思います。

全10曲で70分近い作風は相変わらずですが、それでも先の3曲や「Blood Brothers」「The Fallen Angel」「Out Of The Silent Planet」など印象に残る楽曲は多数存在します。長めの曲を1曲削って、コンパクトな疾走チューンを加えただけでだいぶ印象は違ったと思いますが、現在までの“メイデンらしさ”を決定づけたという点においてはひとつの雛形となる、メイデン史を語る上で欠かせない1枚です。

 


▼IRON MAIDEN『BRAVE NEW WORLD』
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2020年2月 7日 (金)

BRITISH LION『THE BURNING』(2020)

2020年1月中旬に発表されたBRITISH LIONの2ndアルバム。

BRITISH LIONはIRON MAIDENのスティーヴ・ハリス(B)がサイドプロジェクトとしてスタートさせた5人組バンドで、メンバーはスティーヴのほかリチャード・テイラー(Vo)、デヴィッド・ホーキンズ(G)、グレアム・レスリー(G)、サイモン・ドーソン(Dr)という編成。2012年にセルフタイトルの1stアルバムを発表し(同作はスティーヴ・ハリス名義でのリリース)、短いながらもツアーも敢行。その後はメイデンの活動にシフトしていきましたが、2018年秋にはアルバムリリースから6年を経て待望の初来日公演も実現しております。

デビュー作から7年を経て届けられた2ndアルバムは、BRITISH LION名義でのリリースという事実のみならず、その内容からもスティーヴのサイドプロジェクトからひとつの独立したバンドに昇格した印象を受けます。

前作の時点でソングライティングにスティーヴ以外のメンバーも積極的に関わっていましたが、それは本作も同様。むしろ、そういったスティーヴ以外の4人のカラーも強く反映された結果、前作にあった“取っ付きにくさ”が解消されています。

基本的には前作の延長線上にある、スティーヴが若い頃に強く影響を受けたクラシックロック……UFOTHIN LIZZYをはじめとするブリティッシュロックバンドを現代によみがえらせたような楽曲を展開しています。が、それらが今作ではよりわかりやすく昇華されているんです。ところどころでスティーヴらしいパーカッシヴなベースプレイを見つけることもできるし、リチャードの節回しも初期メイデンに通ずるものがあるので、メイデンファンの耳にも優しい内容となっているはずです。

また、それは随所にフィーチャーされたツインリードや適度なプログレッシヴロック的アレンジにも表れており、2バンドの共通点を見つけ出すのは容易いことかもしれません。が、アルバムを通して聴き進めていくにつれて、このバンドは良い意味で“後ろ向き”なんだなってことにも気づかされます。

メイデンが伝統を守りながらも現代のシーンと向き合っているのに比べると、BRITISH LIONのこのアルバムは「あの頃の俺よ、もう一度」みたいな“童心に帰って楽しんでいる”感が強く伝わってくる。この“後ろ向き”さをネガティヴに捉えてしまえば、本作は今のリスナーにとってつまらない1枚かもしれません。が、メインのバンドがあるからこそ“わかっている”人が“やるべき”ことを徹底してやった結果がこれなのです。だから全然アリなんですよね。

メイデンファンはもちろんのこと、“古き良き時代のブリティッシュハードロック”に関心のあるリスナーにも手に取ってもらいたい本作。派手さ皆無、本当に地味で音の“隙間”が多い1枚ですが、だからこそ若いリスナーにはその隙間に身を委ねつつディープな音世界に浸っていただきたいものです。

 


▼BRITISH LION『THE BURNING』
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