J『go crazy』(2002)
2001年12月27日、1年前にLUNA SEAが「終幕」したのと同じ日にアルバム「BLOOD MUZIK」をリリースしたJ。そのアルバムにおける某雑誌での取材で記者に「このアルバムにはバンド時代の"Rosier"のような、J得意のキラーチューンがない」というようなことを言われたのを切っ掛けに、すぐさまスタジオに入って作ったのがこの"go crazy"だ、と言われている。その逸話に納得がいく、如何にもJなキラーチューンに本当になっているのだから恐れ入る。つうか、何で敢えてこういう曲をやらなかったんだろうね、アルバムでは(そういう心境じゃなかったのか、はたまた意図的に書かなかっただけなのか)。例の如く、この曲リリース後に行われたツアーでは大盛り上がりの1曲となったそうだし。今から言うのもなんだけど、この曲があるとないとでは次のアルバム、全然違うものになりそうだね。こればLUNA SEA時代の"STORM"や"TONIGHT"にも匹敵するメロウな疾走ナンバーといえるだろう。けど、それだけで終わってないのは一聴してお判りの通り。
レコーディングにはドラムに元THE BELL'Sの大島馨、ギター(ソロのみ)にDOOMの藤田高志(最初、ベースの諸田氏死去に伴って解散したと思って「元」と付けたのだけど、どうやら3年前に藤田さんはDOOM名義でアルバムもリリースしているようなので現存してるみたいです)というお馴染みのメンツを向かえて、それ以外のベース、リズムギター、ボーカル全てはJが担当している。何故かスコットが叩く曲よりもドラムが生き生きとしてるのは、気のせいかな? というよりも、こういう疾走系の曲はスコットよりも大島の方が合ってるかもしれない(同じような疾走チューンでも前シングルの"Route 666"なんてちょっとモッタリ感があったし)。
さて、カップリングだが‥‥3曲全部がアルバム「BLOOD MUZIK」収録曲のリミックスバージョンだ。"Gabriel"を手掛けたのは、ニューヨーク在住の日本人DJ、GOMI。かなりテクノ的な味付けがされていて、そのままクラブで流れても何ら違和感ないリミックス。さすが本職。続いて"Twisted dreams"をPOLYSICSのハヤシがリミックス。イントロを聴いた瞬間、「あ、ポリだ」と思ってしまう程に印象的なシンセの音。だけど曲が進むに連れ、原曲を更にアッパーにしたゴツいアレンジに驚く。原曲が英語歌詞なせいもあるけど、なんか以上にカッコイイんだよね、このリミックス。欧米のラウドロックのリミックスチューンみたい。これもクラブで使えそう。そして最後は前シングル曲の"Perfect World"の"HOT remix #002 for J"。手掛けたのは、ホテロックこと、あの布袋寅泰。なんかね‥‥知名度が一番高い割に、一番面白くないんですけど‥‥そういえば、自身のリミックスアルバムも大して(略
‥‥と、ま、まぁ‥‥全部が当たりなんてあり得ないからね、リミックスものは(と話をそらしてみる)。そういえばJは布袋の新作でも1曲ベースを弾いてるみたいだし、いろいろ交流があるみたいだね。出来ればJのアルバムに参加、になんてならない事を祈るばかり‥‥(布袋は嫌いじゃないけど、やっぱり何か違うのね、この場合)。
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