2004/10/18

とみぃ洋楽100番勝負(61)

●第61回:「Stop」 JANE'S ADDICTION ('90)

 JANE'S ADDICTIONは自分にとって衝撃以外の何ものでもなかったですね。「NOTHING'S SHOCKING」というアルバムはそれ以前に聴いていたんですが、当時の俺には難し過ぎたんですよ‥‥何だろ、LED ZEPPELINをもっと宗教っぽくしたようなイメージが強くて、音が。けどこの曲を収録した「RITUAL DE LO HABITUAL」ってアルバムは、非常に判りやすい曲と、前作で繰り広げた壮大なサイケデリック・ワールドを上手くミクスチャーした、正しく『ミクスチャー・ロック』のお手本のひとつとなったわけです。まだグランジなんて言葉もなかったし、オルタナティヴなんて呼び名ももうちょっと後じゃなかったかなぁ‥‥

 ギターがしっかりハードロックしてて、それでいてうねっていて。ボーカルがメタルっぽくなく、ホントに動物っぽい‥‥それこそ爬虫類っぽい。リズムもZEPやレッチリみたいにファンキーでもヘヴィーでもない。適度なスカスカ感があって、それでいてタイトで。こんなバンド、それまでに聴いたことなかったもんだから‥‥それこそ衝撃だったんですよ。普段SLAYERとかNAPALM DEATHとかそういったバンドばかり聴いてた自分にとって。

 多分‥‥彼等との出会いがなかったらその後、SONIC YOUTHにも手を出すこともなかったろうし、それこそNIRVANAとの出会いもなかったかも。それくらい大きいかな、俺にとってのJANE'Sは。だって、彼等に影響を受けたオリジナル・バンドを組んだ程ですからね‥‥楽器隊はAEROSMITHとかGUNS N'ROSES、あるいはWHITESNAKEとかLED ZEPPELINみたいなバンドからの影響を強く受けていて、シンガーの俺はJANE'S ADDICTIONやALICE IN CHAINS、SOUNDGARDENみたいなバンドから強く影響を受けた、そんなバンド。メンバー全員の共通項が何故か日本のDEAD ENDという、そんな不思議なバンド。ま、短命でしたけどね。でも俺の人生にとって、生涯でただひとつの「命賭けた」バンドだったんだよね‥‥

 JANE'Sを語る時、どうしてもその話題を持ち出さずにはいられないんだよね‥‥それくらい、自分にとってこのアルバム、そしてこの曲ってのは重要であって、そしてある意味全てを「リセット」させてくれた1曲だからさ。



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投稿: 2004 10 18 12:00 午前 [1990年の作品, Jane's Addiction, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2003/10/21

JANE'S ADDICTION『RITUAL DE LO HABITUAL』(1990)

'90年代前半のアメリカ・オルタナティヴシーンを語る上でどうしても避けられないのが、移動フェス「ロラパルーザ」でしょう。今年、久し振りに復活したみたいですが、その後のフェスティバルのある種指針のひとつとなったと言ってもいいであろう「ロラパルーザ」。オーガナイザーはこのJANE'S ADDICTIONのシンガー、ペリー・ファレルでした。そしてその第一回目である'91年、ヘッドライナーを務めたJANE'S ADDICTIONはツアー終了後、解散を発表したのでした‥‥その後もペリーはオーガナイザーとして参加しましたが、数回運営した後にその座を退き、気づけばいつの間にか「ロラパルーザ」自体が衰退していったのでしが。

オルタナ見本市と呼ばれることの多かった「ロラパルーザ」。ブレイク前のRED HOT CHILI PEPPERSやNINE INCH NAILS、RAGE AGAINST THE MACHINEといったバンドを始め、SOUNDGARDENやALICE IN CHAINSといったシアトル勢も参加していましたし、後にはヒップホップ系のアーティストなんかも数多く参加していましたよね。そうやってどんどんと受け皿を大きくしていった結果、衰退していったのかもしれませんし、あるいはそういったオルタナと呼ばれる音楽自体の衰退だったのかもしれないし(ある時期を境に「オルタナティヴ」だったものが「メインストリーム」になってしまったわけですしね、'90年代は)。まぁその真相を語るのはまた別の機会にして‥‥今回はそんな「'80年代と'90年代のオルタナシーンの架け橋」となったJANE'S ADDICTIONについて紹介していきましょう。

今回紹介する「RITUAL DE LO HABITUAL」はメジャー第2弾、通算3作目にしてラストアルバムとなった'90年の作品。右のジャケットは上が日本盤やアメリカでの通常ジャケットですが、猥雑だと非難される恐れがあった為(彼等の前作「NOTHING'S SHOCKING」がそういうジャケットでしたからね)、ペリーが裏をかいてワザと作ったのが下の白ジャケットの方。バンド名とタイトル、その下には確か「表現の自由」についての条文か何かが書いてあったと記憶しています(学生の頃、この辺の検閲についてレポート書いたっけなぁ。懐かしい)。もっとも、ジャケットは違っても中身は一緒なわけですから、ファンにすれば単なるコレクターズ・アイテムのひとつに過ぎないという、ねっ。

メジャーデビュー作「NOTHING'S SHOCKING」が非常にハードロック色が強い作品だったのに対し、今作はサウンドプロダクションのせいもあるでしょうけど、もっとスカスカな印象を受けます。それは主にドラムサウンドの違いが大きいのですが、曲自体もヘヴィだった前作と比べてストレートなものが多くなり、聴きやすくなっているように感じます。実際、日本では過小評価されてきた彼等、このアルバムを当時渋谷陽一がラジオで褒めてた記憶があります。自分の周りでもようやく「JANE'S、カッコイイよね」って声が聞こえてきたのも、このアルバムリリース後ですしね。

このバンドの要はやはりペリー・ファレルの浮遊感漂わせるボーカルスタイルと、デイヴ・ナヴァロのこれでもか!?って程に弾きまくるギターでしょうね。ペリーの歌に関しては好き嫌い分かれるでしょうけど、少なくともデイヴのギターはロック好きな奴だったら誰もが一度は憧れるようなプレイなんじゃないでしょうか。リフやカッティングは気持ちいいし、ギターソロになると暴れまくる。ムーディーな曲でのボリューム・コントロール等、とにかくギター弾く人間には勉強になるポイントが沢山あるはず。何故この人が当時GUNS N'ROSESやレッチリにスカウトされたか、何となく理解できますよね?

曲が聴きやすく、尚かつポップなものが増えてるのもこのアルバムのポイント。1曲目 "Stop!" のカッコよさときたら‥‥今聴いても冒頭の「Here we go!」の所は鳥肌立つ程カッコいいし。前半はとにかくストレートな曲調が続き、そのハイライトとなるのがシングルにもなった "Been Caught Stealing" でしょう。そして後半‥‥プログレッシヴでムーディーな曲が続きます。まずいきなり10分を超える "Three Days" に息を呑み、同じく8分以上ある "Then She Did..." に聴き入り、東洋的な要素をふんだんに取り込んだ "Of Course"‥‥ここまで聴いて感じるのは、LED ZEPPELIN的だな、ということ。例えばSOUNDGARDENがサウンドやスタイルを引用したのに対し、JANE'Sの場合は音楽面でもそうだけど、それ以上に精神面での影響が強いように感じられます。特にこのアルバムなんて、ZEPの4枚目に匹敵する作品集なんじゃないでしょうかね(っていうのは、言い過ぎですかね?)。ま、確かに当時「'80年代のLED ZEPPELIN」なんて声も聞こえてきましたしね(ストレートにパクッたKINGDOM COMEなんてのも当時いましたが、それとは完全に別物ですから)。

バンドはこのアルバムのリリースから1年後に解散、その後ペリーとドラムのスティーヴン・パーキンスは新たにPORNO FOR PYROSを結成、ギターのデイヴは後にレッチリに加入して「ONE HOT MINITES」というアルバムを制作、'97年のフジロック初年度に来日してるので覚えている人もいるでしょう。そして'97年に一時的に再結成。この時はオリジナル・ベーシストのエリック・Aは参加せず、変わりにレッチリのフリーが参加しています。そして'01年に本格的な再結成を果たし、'02年にはフジロックにて初来日を果たし、今夏に約13年振りとなるオリジナルアルバム「STRAYS」をリリースしています。勿論、現在も順調にツアー中。音楽的には更にストレートになったものの、まだまだ怪しさ全開です。

とりあえず初心者の方はこのアルバムか最新作から聴いてみることをオススメします。そして順々に遡っていけばいいんじゃないかな、と。とにかく'90年代を語る上で欠かせない1枚であり、10~20代の俺に大きな影響を与えた1枚なんで、機会があったら是非聴いてみてください。



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投稿: 2003 10 21 05:08 午前 [1990年の作品, Jane's Addiction] | 固定リンク