2018年9月22日 (土)

SANTANA『GUITAR HEAVEN: THE GREATEST GUITAR CLASSICS OF ALL TIME』(2010)

2010年9月にリリースされた、SANTANA通算20枚目のスタジオアルバム。全米2位を記録した前作『ALL THAT I AM』(2005年)から5年ぶりの新作は、全曲60〜90年代のロッククラシックスのカバーで占められた意欲作。もちろん、メガヒットした『SUPERNATURAL』(1999年)以降の作品同様に、全曲異なるボーカリストがフィーチャーされた豪華なカバー集となっています。

その組み合わせも興味深いところで、クリス・コーネルSOUNDGARDEN)とLED ZEPPELIN「Whole Lotta Love」をコラボしたかと思えば、もはやおなじみのロブ・トーマス(MATCHBOX TWENTY)とはCREAM「Sunshine Of Your Love」で再共演。かと思うと、ラッパーのNASとAC/DC「Back In Black」で異色共演を果たしたり、ビートルズ「While My Guitar Gently Weeps」ではインディア・アリー(本作唯一の女性ボーカル)の歌声とヨーヨー・マのチェロとコラボ。もう無茶苦茶なわけですよ。

選曲もカルロス・サンタナが気に入ったものというより、アメリカで人気のロッククラシックスといった印象が強く、DEF LEPPARD「Photograph」(クリス・ドートリーが熱唱)やVAN HALEN「Dance The Night Away」(TRAINのパトリックが担当)あたりは確実に別の思惑が働いている気がする(笑)。

かと思うと、ストーンズが「Can't You Hear The Knocking」(スコット・ウェイランドがいい味出してる!)だったりTHE DOORSが「Riders On The Storm」(LINKIN PARKのチェスター・ベニントンと本家レイ・マンザレクが参加)だったりと、ちゃんとこだわりも感じられるから本当に不思議。

もちろんDEEP PURPLE「Smoke On The Water」(PAPA ROACHのジャコビー)やT. REX「Bang A Gong (Get It On)」(BUSHのギャヴィン)、ジミヘン「Little Wings」(ジョー・コッカー御大!)といったスタンダードも忘れてない。

デラックスエディションのみ、CCR「Fortunate Son」(CREEDのスコット)とレッチリ「Under The Bridge」(SANTANAのバンドメンバー)が追加されているんですが、日本盤は「Under The Bridge」の代わりにベンジー(浅井健一)が歌うZZ TOP「La Grange」が収録されています。いかにも日本仕様といったボートラですが、これもなかなかの出来なので機会があったらチェックしてみてください。

全体的にサンタナらしいラテンアレンジが加えられており、それがどの曲においても良いフレイバーになっているから不思議。もちろん、そんなアレンジに合いそうな曲を選んでいるんでしょうけど、ツェッペリンにしろストーンズにしろドアーズにしろ、これがオリジナルなんじゃないかと錯覚してしまうほどの出来栄え。原曲レイプで終わらず、しっかりサンタナらしいプレイ(=個性)が加えられているので、彼のファン以外でもちゃんと楽しめるはず。まあ、遊びとしては最高に贅沢ですわな。



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投稿: 2018 09 22 12:00 午前 [2010年の作品, Bush, Chris Cornell, Creed, Daughtry, Doors, The, Johnny Winter, Linkin Park, Matchbox Twenty, Papa Roach, Santana, Scott Weiland, Soundgarden, Train, 浅井健一] | 固定リンク

2018年2月20日 (火)

JOHNNY WINTER『LET ME IN』(1991)

ジョニー・ウィンターが1991年6月(US)に発表した通算15作目のスタジオアルバム。ジョニー・ウィンターというと70年代のスタジ諸作品やライブアルバムが代表作に挙げられたり、まずはそこから聴くのが筋だろいうと言われていますが、ひねくれ者だった10代の僕はいきなりこの当時の新作『LET ME IN』を手に取ったのでした。まあ10代の自分からすれば、古臭い録音よりも最新のクリアな音と脂の乗った今のプレイのほうが聴くに値するんじゃないか、そう思ったわけです。

で、この『LET ME IN』ですが。アルバート・コリンズやジョン・リー・フッカーらが所属したVirgin参加のブルース/ソウルレーベル「Point Blank Records」移籍第1弾アルバムで、レコーディングにはDr.ジョン(Piano)らが参加。ブルースレーベルに所属したことで、落ち着いた方向性へとシフトするかと思いきや(もちろんそういうアコースティックナンバーも含まれていますが)、全体としてはブルースを下地にした、いかにもジョニー・ウィンターらしい豪快なロックが展開されています。

オープニングの「Illustrated Man」から自由奔放なギタープレイと力強いボーカルを響かせるジョニー。続く「Barefootin’」では気持ち良いスライドプレイも楽しめるし、「Life Is Hard」では年相応な渋みを増したギタープレイが堪能できる。「Hey You」ではブルースハープとの掛け合いもカッコいいし、小気味良いシャッフルビートが心地よい「You’re Humbuggin’ Me」やスリリングなバンドアンサンブルが最高な「Got To Find My Baby」など、とにかく聴きどころが多いのが本作の特徴。ブルースベースのアルバムで全13曲49分と聞くと長すぎるイメージがあるかもしれませんが、まったくそんなことなく、スルスルと聴き進めることができるはずです。

オリジナル曲はもちろんのこと、「Shame Shame Shame」などオールドロックファンなら一度は耳にしたことがある名曲カバーも含まれているので、そういった点でも楽しめる1枚かもしれません。

個人的なオススメは、前半のハイライトといえる「Life Is Hard」と、それまでの空気をガラッと変える「Got To Find My Baby」や「Let Me In」といったところかな。「Got To Find My Baby」は当時自分のバンドでもカバーしていたので、すごく印象に残っている1曲でもあります。

先にも書いたように、どうしても初期の作品に注目が集まりがちなジョニー・ウィンターですが、本作は後期作品の中でも特に充実した楽曲とプレイが楽しめる作品集だと思います。言うなれば、後期の代表作。そう言い切ってしまってもおかしくないと思いますよ。ここ最近、ゲイリー・ムーアクラプトンなどをピックアップしてきましたが、そのへんの作品が好きな人なら間違いなくお気に入りの1枚になることでしょう。



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投稿: 2018 02 20 12:00 午前 [1991年の作品, Johnny Winter] | 固定リンク