2018年6月24日 (日)

JONATHAN DAVIS『BLACK LABYRINTH』(2018)

KORNのフロントマン、ジョナサン・デイヴィスによる初のソロアルバム。バンドとしての最新作『THE SERENITY OF SUFFERING』が2016年の作品だったので、そろそろ新作を聴けるのかなと思っていたら、昨年くらいからジワジワ噂になり始めていたソロ作を先に出したのですね。まあ、この春にはバンドとして『VANS WARPED TOUR JAPAN 2018』で来日公演も行なったばかりなので、まだそこまでの飢餓感はありませんが。

さて、ソロ作ということで、本作はバンドサウンドにこだわらない縦横無尽かつ自由度の高い楽曲/サウンドで聴き手を楽しませてくれます。ジョナサンがあの声で歌っていれば、確かにそれはKORNそのものですし、過去にはバンドとしてEDMにも挑戦している(2011年の『THE PATH OF TOTALITY』)くらいですから、本作も抵抗なく、違和感なく接することができました。

アルバムにはLIMP BIZKITのウェス・ボーランド(G)やジャズミュージシャンのマイルズ・モズリー(B)、KORNとのコラボレーションでも知られる音楽家のザック・ベアード(Key)、そしてKORNのメンバーでもあるレイ・ルジアー(Dr)など気心知れた面々が参加。ジョナサン自身もギターやキーボードやプログラミングのほか、バイオリンやシタールなどを披露する多才ぶりを見せています。

「Happiness」や「Your God」などちいったヘヴィな楽曲も存在するものの、もちろんKORNとは異なるアプローチが取られており、変態性は薄いかも。プログラミングによるリズムを同期させたドラムビートには非常にダンサブルなものが多いし、低音を強調したヘヴィなギターサウンドと同じくらいスペーシーなシンセが被せられている。KORNでも似たようなことに挑戦しているものの、やはり表現するメンツが変わればこうも違うんだなと。とにかく、聴きやすさがKORNのそれとはまったく違います。

近年のKORNは初期のようなダークさとは異なる世界観が展開されていますし、そのへんがいまだに好きで近年の諸作が苦手という人には今作もダメかもしれません。が、最近のKORNに対して好意的なリスナーなら、本作も“その延長として”楽しめるのではないでしょうか。僕みたいに『THE PATH OF TOTALITY』を前のめりで楽しめた方なら、間違いなく取っつきやすい1枚だと思います。

あ、あとダークはダークでもどこかニューウェイブ風ダークさの漂う本作は、DEPECHE MODEとかあのへんのアーティストが好きな人にも引っかかる内容ではないかと。KORNに対して偏見を持っているリスナーにこそ聴いてもらいたい、隠れた名盤です。純粋に好き。

あと、本作も日本盤未発売。最近、本当に増えましたね、こういうケースが。そりゃあ某フェスも開催なくなるはずだ……(それだけが理由じゃないだろうけど)。



▼JONATHAN DAVIS『BLACK LABYRINTH』
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投稿: 2018 06 24 12:00 午前 [2018年の作品, Jonathan Davis, Korn, Limp Bizkit] | 固定リンク