2017/10/05

JOSH TODD & THE CONFLICT『YEAR OF THE TIGER』(2017)

BUCKCHERRYが2015年夏に発表した7thアルバム『ROCK 'N' ROLL』はそれまでの生々しいまでにパンキッシュなロックンロールとは異なる、文字通りの“ロックンロール”に立ち返った作品集で、個人的には好みだったものの、世間的には不評だったようです。それもあってなのか、今春にはオリジナルメンバーにしてジョシュ・トッド(Vo)とバンドを維持し続けてきたキース・ネルソン(G)、そして復活後にドラマーとして加入したイグザビエル・ムリエルがBUCKCHERRYを脱退。サポートメンバーを迎えて夏のツアーを乗り切ったようですが、どう考えても存続は難しいのではないでしょうか。

そんなタイミングに、ジョシュとスティーヴィー・D(G)がバンドと並行してレコーディングを続けてきたプロジェクトが、この9月にデビューアルバムをリリース。最終的にはJOSH TODD & THE CONFLICTというバンドとして、しばらくはこちらの活動に専念するようです。

ご存知のとおり、ジョシュはBUCKCHERRYが一度解散した際、ソロ名義で『YOU MADE ME』(2003年)というアルバムを1枚だけ発表しています。同作はBUCKCHERRYのイメージを引き継ぎつつも(そりゃそうだ、彼の声こそがバンドの持ち味のひとつだったんだから)、ニューメタル以降のヘヴィ&ラウドなサウンドを取り入れたモダンな仕上がり。正直、BUCKCHERRYよ再び……と思っていたファンには厳しい内容だったと思います。

そこを踏まえつつ、今回の新バンドのデビューアルバムと向き合ったのですが、思った以上に“俺たちのBUCKCHERRY”な仕上がりだったので肩透かしを食らったというか。いや、嬉しかったんですけどね。

ヘヴィな要素は要所要所から感じられつつも、本作で展開されているのはハードドライヴィングでパンキッシュなロックンロール。『ROCK 'N' ROLL』でBUCKCHERRに少し足りなかったものがここで解消されている気がしました。もしかしたらその“足りなかったもの”は、レーベル的にはアウトなものであり、そこに嫌気がさしてキースは脱退したんじゃ……なんて邪推したくなるくらい、“これをBUCKCHERRYでやれよ!”と思ってしまう内容なのです。

攻めもあれば、「Rain」みたいにヘヴィなバラードもあれば、「Good Enough」のようにダークなアコースティックナンバーもある。ダンスミュージックとハードコアをミックスしたような「The Conflict」、ファンキーなヘヴィロック「Atomic」、さらにプリンスの「Erotic City」のカバーまであるんだから(過去にBUCKCHERRYがプリンスの「Cream」をカバーしてたのはジョシュの趣味だったのかしら)、ファンが聴きたかったBUCKCHERRYをジョシュとスティーヴィーの2人が具現化してくれたと言っても過言ではないでしょう。

きっとJOSH TODD & THE CONFLICTのライブではBUCKCHERRYの楽曲も披露されることでしょう。シングルギターバンドなので完全な再現は難しいし、演奏できる曲も限られるかもしれませんが、ひとまずジョシュがまだまだ前のめりでロックし続けたいという意思が強く感じられるこのバンドの成功を陰ながら祈りたいと思います。



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投稿: 2017 10 05 12:00 午前 [2017年の作品, Buckcherry, Josh Todd, Josh Todd & The Conflict] | 固定リンク

2004/07/04

JOSH TODD『YOU MADE ME』(2004)

元BUCKCHERRYのシンガー、ジョシュア・トッドによる新バンド(ソロではなく、あくまでバンドらしい)・JOSH TODDの記念すべきファーストアルバム。一瞬「んん、日本だけのリリースor日本超先行リリース??」って勘違いしてたけど(ほら、最近多いじゃない、いち時代を築いたメタル系アーティストの最新作や新バンドのデビュー作が日本限定リリースとか、日本盤半年先行リリース!とか)、日米ほぼ同時期のリリース、しかもアメリカ盤の方が先に出てたんですね。いやー、勘違いしてゴメンよ!

BUCKCHERRYに関しては、そのデビュー時にはかなり期待してたし、肩入れしてたんですよね。ライヴこそ一度も観れなかったけど、彼らがアメリカのメジャーレーベルから出現したという事実が俺には嬉しくてね。当時はGUNS N'ROSESもMOTLEY CRUEもほぼ隠居に近い状態だったし、かろうじてAEROSMITHが最前線で頑張ってるのみといった、ハードドライヴィングなロックンロールを愛するファンにとってはかなり厳しい状況。そりゃ日本ではやれTHE WiLDHEARTSだ、BACKYARD BABIESだ、THE HELLACOPTERSだと矢継ぎ早に来日して盛り上がってた時期ではありましたが、それはホントに局地的な盛り上がりで。アメリカではラップメタル/ニューメタルが主流の時代、前時代的なグラマラス・ロケンローは既に「死んだ」状況だったわけ。そこに登場した如何にも「前時代的な」風貌とサウンドを持つBUCKCHERRY。1stはアメリカでもそこそこのヒットを記録し、超期待の中リリースされた「TIME BOMB」で本格的ブレイクか‥‥といった中での空中分裂。正直、俺はこのアルバム、あまり気に入ってなかったのね。買ってないもん、未だに。数曲ラジオで耳にして、CDショップで試聴して。それで終わり。あー、結局そっちに行っちゃうか、みたいな。別にヘヴィロックやラップメタルをやってたわけじゃないんだけどさ‥‥もっとバカでもいいじゃないのよ、何でそんなに小賢くなろうとするかなぁ‥‥と、当時は感じたわけですよ(そろそろちゃんと聴いてみてもいいかな、とは思ってるけどね)。

当初、ジョシュのこの新バンドでのデビュー盤にもそういった「小賢さ」みたいなものを感じたのね。サウンド的には「何を今更」な路線も含まれているし。1曲目のハードドライヴィンな "Mind Infection" でおおっ!と唸ったものの、続く "Broken" での例のニューメタル的なヘヴィサウンド‥‥彼がこれをやる意味が本当にあるの? これが彼が本当にやりたかったこと??みたいな疑問が沸々とわき上がってきてね‥‥そりゃ確かに曲はよく出来てるのよ。4曲目 "Flowers & Cages" なんてそういったヘヴィな側面を持ちつつも、彼らしい(らしいのか?)メロウな面もしっかり残ってるし、PVにもなった "Shine" は歌モノとしても十分通用するし。けどさ‥‥彼の資質ってもっとラフでルーズなサウンドで更に栄えるもんだと勝手に思い込んでたもんだからさ‥‥すっげー違和感が終始あったわけ。アルバムリリースから4ヶ月近く経ったけど、ずっと感じてたもん。

けどさ‥‥ハードロック・アルバムとしてのクオリティの高さは認めざるを得ないよな、と。そりゃさ、嫌いじゃないよ、この手のサウンドは。けどね‥‥もっと彼が特異とする手段があるはずなんだよね。頭から否定するような発言ばかり書いてるけど‥‥期待してるだけに、このアレンジ(もっと言ってしまえば、バックを支える若手メンバーの力量)にはね‥‥安直過ぎるというか。6曲目 "Afraid" にしろ、アレンジ次第ではもっとカッコ良くなってるはずなのにさ(いや、これでも十分にカッコいいじゃん!っていう人はいると思うけどさ。メロディの良さを本当に生かし切れてるのかな?と疑問を感じるわけですよ)。言い方悪いけど‥‥「イエスマン」だけじゃバンドは成り立たないわけですよ。もっと(いい意味で)衝突出来るようなメンバー、あるいはパートナーとバンドを組むべきなんじゃないかな‥‥何となくだけど、今のバンドメンバーってジョシュがオーディションで選んだ、「ジョシュの理想像をそのまま具現化してくれる」サイドマンばかりな気がするんだよね‥‥「ソロアルバムじゃなくて、『JOSH TODD』という新しいバンドの1stアルバム」だと言い切るならば、余計にね‥‥ま、その辺は次作に期待すればいいのかな?

う~ん、悪くないアルバム‥‥いや、むしろこの手のジャンルとしてはかなりクオリティが高い方なだけに、余計歯痒く感じるんだよね‥‥ライヴ観れば印象も変わるのかしら‥‥あ、そうか。BUCKCHERRYの曲とかもやるんだよな、間違いなく‥‥嗚呼、余計に歯痒さを感じるんだろうな、それ。



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投稿: 2004 07 04 03:23 午前 [2004年の作品, Buckcherry, Josh Todd] | 固定リンク