2004/02/05

JOSS STONE『THE SOUL SESSIONS』(2003)

既にここ日本でもFM局を中心に局地的に盛り上がりつつあるジョシュ・ストーンというシンガー。彼女、イギリスの片田舎に住む16歳の女の子だというのだから‥‥いやはや、恐れ入ったというか何と言うか‥‥

この「THE SOUL SESSIONS」と題された彼女のファーストアルバムは、そのタイトル通り、古き良き時代のソウル/R&Bを、'80年代後半生まれのジョシュが、ソウル界/R&B界の大御所ミュージシャン達と「セッション」することで作り上げられた1枚。どの曲もどこかで一度は耳にしたことがあるんじゃなかろうか?と言えるような、その筋では知られた曲ばかり。ちょっとソウルに疎い人でも、"Some Kind Of Wonderful" くらいは知ってるでしょ? そういったスタンダードナンバーを、とても16歳の白人女性には思えない程ディープでソウルフルな歌声で自分のものにしてるんだから、もうなんて言ったらいいのか‥‥日本に数百万人はいると思われる「自称・ディーヴァ」系の方々。ジョシュの爪の垢でも煎じて飲んで、もうちょっと控えめに生きていきなさいって!

例えば、ソウルやR&Bの世界に疎い俺からすれば、ベティ・ライトとかアンジー・ストーンなんて人は「音は聴いたことないけど、名前くらいは知ってる」っていう存在でして、その凄さを実感してないからこそ「超有名なアーティストがプロデュース!」という付加価値は俺にとって意味がないもの。そりゃ、ここでカバーされてるアレサ・フランクリンやカーラ・トーマス、THE ISELY BROTHERSは知ってるし、実際ここに入ってる曲の原曲を知ってるものも多い。だけど、俺にはその辺の重みって殆ど意味がないものでして‥‥単純に「ソウル/R&Bとして以上に、ロックやポップスとしても十分に機能するアルバム」なのですよ。きっとそれは、ラジオでいきなりTHE WIHTE STRIPESのカバー "Fell In Love With A Boy" が流れてきて、俺の中にもの凄い勢いで飛び込んできたからでしょうね。曲が終わってから、これが噂のジョシュ・ストーンの曲だと知って、2度驚いたわけ。以前、うちのサイトのニュースで取り上げたことがあって、その名前は知ってて、しかもWHITE STRIPESのカバーもやってるってのも頭に入ってたから、余計にね。

タイプはちょっと違うけど、マライア・キャリーのファーストアルバムを初めて聴いた時に似たような衝撃を受けましたね。マライアの場合は純粋な意味でのR&B調ポップスと呼べるけど、ジョシュの場合は‥‥ドンズバのソウルをやってるはずなんだけど、もっといろんな可能性を感じさせる作風のアルバムだなぁ、と。全編生バンド(しかも名うてのミュージシャンばかり)ってのも大きいし、アレンジがシンプルながらもズシンとくるものばかりってのも関係あるでしょう。とても16歳の女の子相手のバンドとは思えませんよね? 30代半ば辺り‥‥それこそシェリル・クロウとかあの辺にも共通する色を持ってるし。また曲によっては、昨今流行のリバイバル・ロックにも通ずるし。そう、彼女の登場は必然だったんでしょうね。時代に呼ばれた人だったのかもしれません。

とにかくね、"Fell In Love With A Boy" がカッコ良すぎて‥‥THE ROOTSのメンバーが参加してたりするんですよね、これ。あと、ラストの "For The Love Of You Pts.1&2" での「歌」とか。全編がハイライト。そりゃ16歳なりの「未熟さ」を感じさせる瞬間もあるにはあるんだけど‥‥それが何?っていう感じですかね。そんな「重箱の隅をつつく」ようなことを言ってるような人達は放っておいて、純粋に楽しめばいいと思いますよ。だってさ、これが1作目なんだから‥‥5年後とか10年後って、ホントどうなってるんだろうね‥‥ゾッとするね。

デビュー作が完全カバー集だったこともあり、まだまだ彼女の方向性とか本当の魅力がピンボケしてるようにも思えますが、それは今後彼女に付いたプロデューサーの仕事次第ですよね。折角ベティ・ライトみたいな大物が彼女を支えてるんだから、彼女が曲を書き下ろしてもいいし、あるいは‥‥それこそWHITE STRIPESのジャック・ホワイトが書き下ろして、このアルバムのメンツでアレンジしてみてもいいし。カチッとした個性がまだない分、可能性だけは尽きないですね。ホント、先々が楽しみな人が現れましたよ‥‥



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投稿: 2004 02 05 03:27 午前 [2003年の作品, Joss Stone] | 固定リンク