2017/09/18

PRONG『CLEANSING』(1994)

ニューヨーク出身のクロスオーバー(懐かしい響き……)/スラッシュメタルバンドPRONGが1994年初頭に発表した、通算4作目(メジャー3作目)のスタジオアルバム。前作までのマーク・ドッドソン(ANTHRAXSUICIDAL TENDENCIESMETAL CHURCHなど)から代わり、今作ではテリー・デイト(SOUNDGARDENPANTERADEFTONESなど)にプロデューサー変更。さらにベーシストが元KILLING JOKEのポール・レイヴンに替わったほか、新たにキーボーディストが加わり4人編成に。

とはいえ、スラッシュメタルを軸にしつつもどこか無機質でインダストリアル調のヘヴィサウンドは健在です。ヘヴィなリフとグルーヴィーなリズムが織り成す気持ち良さが最高なオープニング曲「Another Wordly Device」からスラッシーなファストチューン「Cut-Rate」まで、頭4曲の構成は圧巻の一言。そこからヒップホップの影響すら感じさせるミディアムテンポの「Broken Peace」、“もしBLACK SABBATHがインダストリアル調になったら”な表現がぴったりな「One Outnumbered」など、とにかく聴きどころの多い1枚です。

トミー・ヴィクター(Vo, G)のダミ声ボーカルは、PANTERAというよりもHELMETのそれに近く、スラッシュメタルのカラーを残しつつグルーヴ感を強調した作風からもHELMETと比較されることが当時は多かったように記憶しています。

しかし、こうやって今聴いてみると新加入のポール・レイヴンのカラーなのか、どこかKILLING JOKEにも通ずる点も多いんですよね。そういう意味では、最新のテイストを取り入れつつもバンドの原点へと接近していった“原点回帰にして新境地に突入した”意欲作と呼べるでしょう。本作があったから続く次作『RUDE AWAKENING』(1996年)にたどり着けたわけですしね。

PANTERAの大ブレイク以降HR/HMシーンの主流となりつつあった“モダンヘヴィネス”の流れを汲む、非常に気持ち良いノリと重さを兼ね備えた好盤にも関わらず、ここ日本ではさほど高い評価を得ることがなかった。HELMETのほうが先に成功を収めたしまったため、またメタル上がりだったことからPRONGは本国アメリカでもこれといった大成功を収められませんでした。とはいえ、本作は本国でもっとも成功したアルバムなんですよね(全米126位ながらも30万枚以上のセールスを記録)。バンドは『RUDE AWAKENING』リリース後に解散してしまいますが、2002年には早くも再結成。ここ数年は毎年のように新作をリリースしているので、興味を持った人は本作と『RUDE AWAKENING』あたりからぜひ手に取ってみてはどうでしょう。



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投稿: 2017 09 18 12:00 午前 [1994年の作品, Killing Joke, Prong] | 固定リンク

2006/05/26

KILLING JOKE『HOSANNAS FROM THE BASEMENT OF HELL』(2006)

 21世紀に入ってからのKILLING JOKEが、なぜか良いカンジなんだよね。なぜだろう? インダストリアルな方向により歩み寄った'90年代の2作(「PANDEMONIUM」「DEMOCRACY」は決して悪くなかったけど、個人的にはそこまでグッとこなかったんだよね、当時は(でも最近聴いたら結構良かった)。で、実はそういうこともあって、2003年リリースの「KILLING JOKE」は出た当初、聴いてなかったんだよね(聴くのが怖かった)。デイヴ・グロウル(FOO FIGHTERS)が参加してるってだけで、まぁいいんだろうなーと思ってたし、なによりもオリジナルメンバーが揃ってたってだけで、個人的には結構グッとくるものがあったんだけど。んで、1年くらい経ってから聴いて。そしたらホント良くて。

 で、あれから3年(俺が聴いてから2年)。意外と早くに届いた新作「HOSANNAS FROM THE BASEMENT OF HELL」は再びインディー落ちしちゃったけど、そんなこと全く関係ないぜ!ってくらいに素晴らしい。残念ながらユースは脱退しちゃってるしドラムも新メンバーなんだけど、そんなの全然関係ないです。すごい良い。冒頭から攻めっぱなし。スラッシーな曲も多いし、妙にインダストリアルに偏ってもない。そりゃ最近のMINISTRYみたいな派手さはないけど、デビュー26年目のオッサンを通り越した年代のジジイが今、この音を鳴らしてるってだけで、個人的にはググっとくるものがあるんだよね。贔屓目かしら?

 ジャズ・コールマンの声はさらに凄みを増してるし、ギターのザクザクした感じもさらに強調されてる。曲の長さもちょうど良いし(ミドルスローの曲はさすがに7〜8分台あって、有無をも言わせぬ迫力があるね)、全体的にバランスが良いと思う。いやいや、ホント会心の出来ですよ。

 そんな彼らがこの夏、「FUJI ROCK FESTIVAL '06」で久しぶりの来日を果たすっていうんだから、そりゃ観ないわけにはいかないでしょ! このアルバムの世界観を野外で再現し、さらに初期の曲(勿論 "Wardance" や "The Wait" もね!)も生で聴けるっていうんだから‥‥ま、それがなくてもフジロックには例のごとく、今年も行くんだけどね!



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投稿: 2006 05 26 02:06 午前 [2006年の作品, Killing Joke] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック