カテゴリー「Killswitch Engage」の10件の記事

2020年5月11日 (月)

KILLSWITCH ENGAGE『ATONEMENT II: B-SIDES FOR CHARITY』(2020)

2020年5月初頭にデジタルリリースされた、KILLSWITCH ENGAGEのミニアルバム。5月1日にBandcampで1週間先行配信され、同月8日から各種ダウンロード/ストリーミングサービスにて配信が開始されています。

タイトルからもおわかりのように、本作に収録された楽曲はすべて昨年8月にリリースされた最新オリジナルアルバム『ATONEMENT』と同時期にレコーディングされたもの。世が世ならシングルのカップリングや、追って販売されたであろうリパッケージ盤に追加収録されていたのかもしれません。

しかし、ここ数ヶ月世界中を絶望のどん底に陥れている新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、音楽産業自体が停滞(あるいは停止)してしまっている。KSE自身もこの春から新たなツアーを開始予定でしたが、残念ながら延期に追い込まれています。本作はそんな彼らを心待ちにしているファンへのプレゼントであると同時に、災害慈善センターのためのCOVID-19救済基金チャリティのために準備されたものでもあるのです(本作の収益の100%は同救済基金へ寄付されるとのこと)。

アルバムからのアウトテイクというと、実際にリリースされたアルバム本編収録曲より劣る印象があるかもしれませんが、今回リリースされた6曲は『ATONEMENT』全体のカラーからなんとなくズレてしまうため、泣く泣くカットしたものであり、完成度自体はアルバム本編と同等と言っていいでしょう。実際、どの曲もどこからどう聴いてもKSEそのものですし、彼ららしさや魅力は随所から感じられるはずです。

確かに、突き抜けるような壮大さが伝わる「I Feel Alive Again」やハードコアパンクの流れにある「Killing Of Leviathan」などは、もし本編に収録されていたらアルバムの統一感を損なっていたかもしれません。だからといって、これらの曲が悪いわけではなく、単にタイミングが悪かったということなんでしょうね。

歌詞に関しても、ジェシー・リーチ(Vo)は『ATONEMENT』で歌われているテーマと同様で、彼の人生における非常にハードな時期に書かれたものなので統一性があると述べています。なので、『ATONEMENT』と同じ時間軸の中で表現された、もうひとつの可能性と捉えれば本編と同じノリで楽しめるのではないでしょうか。

ストリーミングに関しては、再生すればするだけ権利者に収益が入ります。SpotifyなりApple Musicなりでヘヴィローテーションすることで然るべき団体に寄付されるので、気軽な寄付のつもりで(できれば爆音で)リピートすることをオススメします。

 


▼KILLSWITCH ENGAGE『ATONEMENT II: B-SIDES FOR CHARITY』
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2020年5月 2日 (土)

V.A.『RONNIE JAMES DIO: THIS IS YOUR LIFE』(2014)

2014年4月初頭にリリースされた、ロニー・ジェイムズ・ディオのトリビュートアルバム。日本盤は海外に先駆け、同年3月下旬に発売されました。

2010年5月にがんのためこの世を去ったディオを追悼すべく、メタル界の重鎮から次世代バンドまで幅広い層が一堂に会したこのアルバム。全14曲(ボーナストラック除く)中、本作のために録音された未発表テイクは10曲と単なる埋め合わせ的アルバムでないことが伺えます。

そのラインナップもロブ・ハルフォードJUDAS PRIEST)やグレン・ヒューズ(ex. DEEP PURPLE)、SCORPIONSMOTÖRHEAD、ビフ・バイフォード(SAXON)といった大御所からMETALLICAANTHRAX、DOROなど直接的なフォロワー、そしてHALESTORM、コリィ・テイラー(SLIPKNOTSTONE SOUR)、KILLSWITCH ENGAGEなどの次世代アーティスト、さらにはヴィニー・アピス、ダグ・アルドリッジ、ジェフ・ピルソン、ルディ・サーゾ、クレイグ・ゴールディ、サイモン・ライト、スコット・ウォーレンといったDIOオールスターズまで、世代的にもかなり広いものとなっています。

本編ラストに収められたDIO「This Is Your Life」(1996年の『ANGRY MACHINES』収録曲)を除く13曲中、RAINBOWナンバーを選んだのが5組、BLACK SABBATHナンバーが3組、DIOナンバーが5組とやはりRAINBOWへの人気が集中。METALLICAに至ってはメドレー形式で4曲取り上げてますからね。ズルいわ(笑)。

サバス曲は当然すべて80年代の……と思いきや、オニ・ローガン(Vo/ex. LYNCH MOB)は『DEHUMANIZER』(1992年)からの「I」を選ぶ通ぶりを発揮。こちらはジミー・ベイン(B)やローワン・ロバートソン(G)といった旧DIO組も参加しています。この曲、こうやって聴くと思ったほどモダンなテイストが少なくて、80年代のディオ・サバスを踏襲してたんだねと気づかされます。

1曲ずつ解説していたらキリがないので割愛しますが、ANTHRAX「Neon Knights」におけるジョー・ベラドナのモノマネぶりが相変わらず最高なことと、SCORPIONS「The Temple Of The King」が完全に自分のものと化していること、METALLICAメドレーの強引ぶりなどは特筆すべきものがあるかなと。もちろん、ほかの楽曲も最高なので、原曲を知らないリスナーでも楽しめるはずです。

なお、日本盤にはSTRYPERによる「Heaven & Hell」、DIO DISCIPLES(DIO最終ラインナップのディオ抜き)による「Stand Up And Shout」を追加収録。ストリーミングなどのデジタルバージョンではHATEBREEDのフロントマン、ジャスタによる「Buried Alive」を聴くことができます。ここはぜひ、日本盤を手に入れておきたいところです。

 


▼V.A.『RONNIE JAMES DIO: THIS IS YOUR LIFE』
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2019年12月31日 (火)

2019年総括:③HR/HM、ラウドロック編

一昨年秋から『リアルサウンド』でスタートした、HR/HMやラウドロックなどエクストリーム・ミュージックの新譜キュレーション記事を連載しているのですが、2019年のまとめ記事となる年間ベスト10紹介エントリー「西廣智一が選ぶ、2019年ラウドロック年間ベスト10 BMTH、Russian Circles、Slipknotなど意欲作が気になる1年に」が12月26日に公開されております。

年明け発売の雑誌『ヘドバン』最新号でも同様の企画にアルバム10選をお送りしているのですが、こちらでは『リアルサウンド』の記事で紹介した10枚に加えて、次点となった10枚とあわせて紹介できたらと思います。

まずは、すでに公開済みの上位10作品について。こちらはあえて記事執筆時と同じままで進めたいと思います。

01. BRING ME THE HORIZON『amo』(レビュー
02. TOOL『FEAR INOCULUM』(レビュー
03. RUSSIAN CIRCLES『BLOOD YEAR』(レビュー
04. LEPROUS『PITFALLS』(レビュー
05. KILLSWITCH ENGAGE『ATONEMENT』(レビュー
06. SLIPKNOT『WE ARE NOT YOUR KIND』(レビュー
07. BARONESS『GOLD & GREY』(レビュー
08. GATECREEPER『DESERTED』(レビュー
09. MAMIFFER『THE BRILLIANT TABERNACLE』(レビュー
10. ALCEST『SPIRITUAL INSTINCT』(レビュー

選出した理由は『リアルサウンド』のエントリーにてご確認を。ちなみに、『ヘドバン』のほうではあるアルバムの代わりにOPETH『IN CAUDA VENENUM』を選出しております(順位は若干の変動あり)。

続いて、選に漏れた次点10作品もご紹介。

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2019年8月23日 (金)

LIGHT THE TORCH『REVIVAL』(2018)

KILLSWITCH ENGAGEのシンガー、ハワード・ジョーンズがバンド脱退後の2012年に結成したバンドDEVIL YOU KNOW。これまでに『THE BEAUTY OF DESTRUCTION』(2014年)、『THE BLEED RED』(2015年)と2枚のアルバムを発表してきましたが、2017年にバンド名をLIGHT THE TORCHに変更。改名後初となるアルバム(通算3作目)『REVIVAL』を2018年3月にリリースしました。

デビュー時はツインギターの5人編成でしたが、前作の時点で正式メンバーは4人(シングルギター編成)となり、ライブのみギタリスト1名をサポートメンバーとして迎えています。

オリジナルメンバーはすでにハワードのほか、元ALL SHALL PERISHのフランチェスコ・アルトゥサト(G)の2人のみですが、デビューアルバム完成後に加入したライアン・ウォンバチャー(B / BLEEDING THROUGH)も初期メンバーと捉えれば、ドラム以外は不動のメンバーということになります。

さて、本作で展開されているサウンドですが、DEVIL YOU KNOW時代のサウンドを引き継ぎつつも、よりモダンで重低音を活かした(若干ジェント的な香りのする)メロディアスなヘヴィメタルが展開されています。

KILLSWITCH ENGAGE時代の諸作品……代表作となった3rdアルバム『THE END OF HEARTACHE』(2004年)ほどメタルコア的でもなく、スクリームの比率もかなり抑えられており(とはいえ、皆無というわけではないのでご心配なく)、軸になるのはあくまでメロディアスな“歌”。シンガロングできそうなサビが豊富に用意されており、そういった点においては古巣のKILLSWITCH ENGAGEが最近発表した最新作『ATONEMENT』(2019年)にも共通するものがあると言えるでしょう。

本作を聴くと、改めてハワードは個性的で歌のうまいシンガーだということに気づかされます。もちろん、そんな事実は重々理解していたのですが、それでもそう思わされるということは、べらぼうにダメ押しされているってことなんでしょうか。ミドルテンポでヘヴィ、だけどメロディアスという本作で展開されている楽曲群はまさに歌を聴かせるハワードに最適で、そこに楽器隊のモダンさや、適度に取り入れたデジタル要素などが良いアクセントとなり、バンドとしての個性をさらに強いものへと引き立てている。本作を聴いて、そんな印象を受けました。

正直、DEVIL YOU KNOW時代は「良いんだけど、歌以外は平均的」といったどっちつかずな印象がありましたが、本作でようやく“らしさ”のきっかけを手に入れられたのかな、と。ハワード自身も第二の、いや、第三のデビュー作でようやく本当のスタート地点に立てたのかもしれませんね。

残念ながら本作は日本でのリリースは叶いませんでしたが、メタルフェスなどを通じて来日の機会を得たら、一気に知名度が向上するはず。ぜひ来年の春あたりに予定されているフェスでの“初来日”に期待したいところです。

 


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2019年8月22日 (木)

KILLSWITCH ENGAGE『ATONEMENT』(2019)

2019年8月16日リリースの、KILLSWITCH ENGAGE通算8枚目のスタジオアルバム。日本盤は海外から少しだけ遅れて8月21日にリリースされています。

2ndアルバム『ALIVE OR JUST BREATHING』(2002年)から前作『INCARNATE』(2016年)まで6作をRoadrunner Recordsから発表してきた彼らですが、今作からアメリカではMetal Blade Records、イギリスではMusic For Nations、それ以外の海外はColumbia / Sonyからのリリースとなり、ここ日本でも本作はソニー・ミュージックからの第1弾作品となっています。

初代シンガーのジェシー・リーチ(Vo)が復帰してから3作目、通算5作目のアルバムということで、すでに後任を務めたハワード・ジョーンズ(Vo / 現LIGHT THE TORCH)在籍枚数を超えていたんですね。

さて、本作ですが全11曲で39分という非常にコンパクトで聴きやすい内容にまとまっています。実際、1曲1曲の仕上がりも非常にわかりやすく(と同時に、2〜3分台の楽曲中心なので聴きやすい)、かつ的確に仕上げられている印象が強く、スルスルと聴き進められる1枚じゃないかと思います。

全体的にはハワード在籍時の3rdアルバム『THE END OF HEARTACHE』(2004年)で確立された個性が、そのまま円熟期を迎えたような完成度の高さを誇り、「(2000年代以降の)メタルコアってカッコいい!」と再認識させられる内容だと思いました。

とにかく、ヘヴィなオープニングナンバー「Unleashed」から、ジェシー&ハワードという夢の共演が実現した「The Signal Fire」、もはやメロディアスな王道ヘヴィメタルそのものの「Us Against The World」、大先輩のチャック・ビリー(Vo / TESTAMENT)をフィーチャーした「The Crownless King」、コンパクトな歌モノメタル「I Am Broken Too」などなど、とにかく聴きどころが多く、それもあって先のように39分があっという間に感じられるのです。

ニューメタル以降のアメリカン・ヘヴィメタルを再建させた代表格として、申し分なしの内容ですし、もはや普遍性の強いヘヴィメタルバンドにまで成長しきったんじゃないかと思わせられるくらいの集大成感もある。仮にここから、このアルバムを基盤に同クオリティの作品を増産させることになっても……いや、そんなバンドじゃないな(笑)。そうならないように、ここをまた“仮想敵”としてさらに上へと突き進んでいくはず。

とにかく、文句の付けどころがないほどに完璧なモダン・ヘヴィメタル・アルバム。年間ベスト候補決定です。

 


▼KILLSWITCH ENGAGE『ATONEMENT』
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2019年8月 2日 (金)

KILLSWITCH ENGAGE『DISARM THE DESCENT』(2013)

2013年4月にリリースされた、KILLSWITCH ENGAGEの6thアルバム。日本では1週間前倒しの、3月末に先行発売されています。

バンドがセールス的に初めて成功を収めた3作目『THE END OF HEARTACHE』(2004年)から二度目のセルフタイトル作となる前作『KILLSWITCH ENGAGE』(2009年)まで、約10年近くにわたり在籍したハワード・ジョーンズ(Vo)が脱退し、初代シンガーのジェリー・リーチ(Vo)が復帰したのが本作。チャート的に過去最高(全米7位)を記録した前作から引き続き、本作も全米7位という数字を残しています。

ジェシー在籍時の2ndアルバム『ALIVE OR JUST BREATHING』(2002年)がメタルコアというジャンルにおいて、ひとつの教科書的な存在として高く評価され、続くハワード加入後の『THE END OF HEARTACHE』でメロディアスなスタイルを強調することで、メタルコアというジャンルをさらに高い次元へと到達させたKILLSWITCH ENGAGE。特に『ALIVE OR JUST BREATHING』は現在に至るまで神聖化されていることもあり、ジェシーの再加入により当時は「新作は“第二の『ALIVE OR JUST BREATHING』”になるのでは!?」なんて囁かれたほどでした。

しかし、聴いていただけばおわかりのように、ここで展開されている基本的なスタイルは『THE END OF HEARTACHE』から前作『KILLSWITCH ENGAGE』までバンドが築き上げてきた独自のスタイルを、さらに高い次元に昇華させたもの。そりゃあそうなりますよね。なもんで、“第二の『ALIVE OR JUST BREATHING』”を期待した層からは当時相当低い評価を与えられたのでした。

ですが、これそんな酷いアルバム? いや、むしろ“メタルコア以降”のヘヴィメタル作品としてはかなりレベルの高い1枚だと思うのですが、いかがでしょう?

ジェシーらしさも要所要所に垣間見えるし、何よりもクリーン&メロウなパートを高い表現力で聴かせてくれる彼の実力たるや、相当なものがあると思います。確かに歌唱力やクリーンパートの個性という点においては前任のハワードに劣るかもしれません。が、スクリームやグロウルに関してはさすがの一言ですし、この緩急こそが“今のKILLSWITCH ENGAGE”なのだ、本作はその“今のKILLSWITCH ENGAGE”をより高いレベルへと導いた力作なのだ、と思うのですが……。

アグレッションという点においては過去数作の中では一番ですし、全12曲で40分少々というトータルランニングも文句なしで、とにかく最初から最後まで気持ちよく聴ける(デラックス盤はボーナストラック4曲が追加されて54分。これもこれで悪くない)。まもなくジェシー再加入後3作目となる新作『ATONEMENT』がリリースされます。ぜひこのタイミングに、ジェシー再加入後の作品をしっかり振り返ってみてはどうでしょう。

 


▼KILLSWITCH ENGAGE『DISARM THE DESCENT』
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2018年12月13日 (木)

UNEARTH『EXTINCTION(S)』(2018)

MA(=マサチューセッツ)メタルも今は昔。気づけば20年選手になっていたメタルコアバンド、UNEARTHの通算7枚目のオリジナルアルバム。

長年在籍したMetal Blade Recordsを離れ、前作『WATCHERS OF RULE』(2014年)を北米ではeOne Music Recordsから、ヨーロッパではCentury Media Recordsから発表した彼らでしたが、続く本作もCentury Media Recordsからのリリース。プロデューサーには新たにウィル・パットニー(GOJIRAPIG DESTROYERSHADOWS FALLなど)を迎え、レコーディグドラマーとして同じMAメタルの盟友KILLSWITCH ENGAGEからアダム・デュトキエヴィッチ(本来はギタリスト)が参加した意欲作となっています。

4年ぶりの新作となる今作では、“これぞメタルコア!”と膝をパンパン叩きなくなるような、王道サウンドが展開されています。オープニングを飾る「Incinerate」での不穏なギターフレーズと、メロディを無視してひたすらガナり叫びまくるトレヴァー・フィップス(Vo)のボーカル。要所要所に導入されたブレイクダウンとメロウなギターソロ。そうだよね、10数年前はこういうサウンドに夢中になって、フロアを駆け回ってたよね。そんなことを思い出させてくれる、非常に真っ当な1枚です。

なだけに、聴く人が聴いたら「古臭い」と感じるかもしれません。最近のメタルコアにありがちなクリーントーンでの歌唱など“歌う”要素は皆無ですし(セリフのようなパートはありますけどね)、ギターフレーズもごく当たり前のことしか弾いていません。もうやり尽くしたじゃん。そう思われても仕方ないかもしれません。

しかし、一周回って、いや、二周くらい軽く回って本作を聴くと、なぜか新鮮に聴こえてくるのです。もはやこのスタイルすらもオールドスクールと言えるのかどうかわかりませんが、今の耳には間違いなく“新しく”聴こえる。それは、いろいろと過剰なサウンド、過剰な楽曲アレンジを導入するバンドが増えた結果ではないでしょうか。

変わり続けることにアイデンティティを見出すバンドもいれば、変わらないでいることでバンドとしてのアイデンティティを維持するUNEARTHのようなバンドもいる。結成20周年という節目のタイミングにリリースする記念碑的1枚だからこ、あえてこういったスタイルにこだわったのかもしれませんが、そうすることがファンに対しても、そして自分たちに対しても正直であると。そう考えた結果が、このストロングスタイルの力作なんでしょうね。

何も考えずに大音量で聴けば、きっと20年選手の深みや凄みが浮き上がってくるはず。最後まで緊張感が一切途切れることがない、濃厚な37分。いやあ、素直にカッコいいと思える1枚です。



▼UNEARTH『EXTINCTION(S)』
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2018年11月 2日 (金)

WITHIN TEMPTATION『HYDRA』(2014)

オランダ出身のシンフォニックメタルバンド、WITHIN TEMPTATIONが2014年2月に発表した6thアルバム。前2作(2007年の『THE HEART OF EVERYTHING』、2011年の『THE UNFORGIVING』)をRoadrunner Recordsからリリースした彼らでしたが、このアルバムでNuclear Blast Recordsへ移籍。ここ日本でもワーナーからビクターへとリリース元を変更しております。

そういった環境の変化が音楽性にも変化を及ぼした……のかどうかは不明ですが、本作では新たな試みがいくつか用意されています。

まず、従来のゴシックなシンフォニックメタル路線からもう少し真ん中寄りの、ストレートなヘヴィロック(ただし美しいメロディを備えている)へと接近したこと。もちろん以前の作品にもそういった要素はところどころから感じられましたが、本作では少しだけそのテイストに変化が生じ、これによりバンドの雰囲気も若干変わったように感じられます。

そして、過去にもアルバムに1曲くらいは存在した他シンガーとの共演曲が4曲に急増していること。しかも、その人選もいかにも彼ららしいターヤ(元NIGHTWISH)から、ゼロ年代モダンヘヴィネスの代表格であるKILLSWITCH ENGAGEの元シンガー、ハワード・ジョーンズ、アメリカのラッパーであるイグジビット、さらにはUSオルタナティヴロックバンドSOUL ASYLUMのフロントマン、デイヴ・パーナーまで、かなりバラエティに富んだ布陣が揃っています。

僕自身は前作からこのバンドに入ったので、『THE UNFORGIVING』の路線はとても気に入っていたのですが、だからといって本作で展開される世界観がダメということはまったくなく、むしろこのバンドが本来持っているであろう色がより濃くなったことにより、焦点がよりぴったり合ったのではないかと感じました(過去作を大して聴いてないくせして言う意見ではないですが)。そんな中でも、より美しさを追求したターヤとのコラボ曲「Paradise (What About Us?)」はそれこそターヤ在籍時のNIGHTWISHを彷彿とさせ、ラップを導入した「And We Run」も特別風変わりなことをやっているようには感じられない。むしろアクセントとして良い方向に作用しているように思いました。

ファストチューンこそないものの、それに匹敵する攻撃的な「Silver Moonlight」や「Dangerous」は存在する。けれど、本作の醍醐味はやはり紅一点のシャロン・デン・アデル(Vo)の色香が濃厚なバラード、「Edge Of The World」や「Dog Days」、「Whole World Is Watching」にこそあるのではないか。そう感じています。

間もなく約5年ぶりの新作『RESIST』がリリース予定ですが、こちらでもさらなる変化を遂げているようですので、この『HYDRA』がその変化の第一歩だった……そう捉えることもできるでしょう。後から振り返ると、本作がバンドにとっての大きなターニングポイントだった……そう評価されるまでには、もうちょっと時間がかかるのかもしれませんね。



▼WITHIN TEMPTATION『HYDRA』
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2006年10月20日 (金)

LOUD PARK 06 : DAY 2 (2006.10.15)

 「LOUD PARK」2日目のレポートをお贈りします。いやぁ、サマソニと同じような時間からスタートして、終了時間があれよりも遅いんで都内から2日連続で通うとなると、相当な体力が必要ですね……正直まいりました。実際、初日よりは早く目が覚めたものの、会場入りしたら13時半を軽く回ってたもんなぁ。

 じゃ、いきますよ。ワンクッション入れてから始めますんで、メロイックサインの準備を(クドいってばw)。

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2006年9月19日 (火)

KILLSWITCH ENGAGE『THE END OF HEARTACHE』(2004)

 アメリカ・マサチューセッツ州出身のメタルコアバンド、2004年の3rdアルバム「THE END OF HEARTACHE」。このアルバムからボーカルがハワード・ジョーンズという黒人シンガーにチェンジしてるんだけど、俺はそれ以前の2作を聴いていなかったので比較しようがないのね。でも特に評判も悪くないようだし、実際このアルバムはアメリカでもかなりの数売れたようなので、今後の代表作ってことになるのかしら。前作「ALIVE OR JUST BREATHING」もファンの間では評価高いので、ぜひこれを機に聴いてみようと思います。間もなく4thアルバムも出るようだしね。

 「LOUD PARK 06」での来日を控えた彼らですが、実は2004年から毎年来日してるんだよね。でも俺は今回初めて観るわけで、相当期待してるわけですよ。いわゆる「MAメタル」と呼ばれるジャンル(ジャンルではないよな)の先駆者的存在なわけで、どうして彼らが高く評価されるのか、この目でしかと確認してやろうと。

 いや、もちろんアルバムは素晴らしいですよ。スゴい完成度高いと思うし、メタルコアと呼ばれるバンドの中でもひと際存在感あるサウンドを放っているし。でも、正直に書くと、すごくこじんまりしてる印象も強くて。曲自体というよりも、全体的にとてもコンパクトにまとまってる気がするのね。それが聴きやすさに繋がってると思うんだけど……例えば他の新鋭バンド……TRIVIUMでもいいし、BULLET FOR MY VALENTINEでもいいや。あの辺とはちょっと違うんだよね。かと思えば、同じMAメタルに括られるSHADOWSFALLともちょっと違う。この辺の良い意味でのポップさが、例えば映画サントラに何度も起用される起因なのかな、と。実際このアルバムに収録されている "When Darkness Falls" は2003年の映画「フレディVSジェイソン」に、"The End Of Heartache" は2004年の映画「バイオハザードII アポカリプス」に使用されてるわけ。

 そういったことがファンから反感買う要素に繋がるとは思わないけど、どうなのかな。彼らはもう7〜8年やってるわけだから、その辺のぽっと出のバンドとは違うし、そんな彼らがこういうポップでコンパクトな方向に進むのは……いや、それが悪いとは思わないけど。やっぱりこういうバンドは実際にライブ観てみないと何とも言えないのかなぁ。とにかく期待してます。

 って彼ら、ライブDVDも去年出したんだよね。それを観てからライブに臨めばいいのか。なんだーアハハー

 ま、冗談はさておき。年内には4thアルバムも出るのかな。こちらにも大期待。


 
▼KILLSWITCH ENGAGE「THE END OF HEARTACHE」(amazon:US通常盤US限定盤日本通常盤日本限定盤

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