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カテゴリー「King Crimson」の12件の記事

2021年5月25日 (火)

FROST*『DAY AND AGE』(2021)

2021年5月14日にリリースされたFROST*の4thアルバム。日本盤は同年5月26日発売予定。

前作『FALLING SATELLITES』(2016年)から丸5年ぶりの新作アルバム。その間には5曲入りEP『OTHERS』(2020年)の発表もあり、またストリーミングサービス中心に過去作のリマスターバージョンやレアトラック集『THIS AND THAT』(2020年)の配信もあったので、意外と時間が経っていないように感じていたのですが、そうか、そんなに空いていたんですね。

バンドに約10年在籍した前任ドラマーのクレイグ・ブランデルが、スティーヴ・ハケットのバンドに加入するため2019年に脱退。これを受けて、今作ではパーマネントのドラマーを擁することなく、カズ・ロドリゲス 、ダービー・トッド(OUT OF THIS WORLD、MARCELLOなど)、パット・マステロット(KING CRIMSON、ex. MR. MISTERなど)の3人をゲストプレイヤーとして迎えてレコーディングしています。ロンドンを中心に活動するセッションドラマーのカズ、プログメタル寄りHR/HMプレイヤーのダービー、そして過去20数年のプログシーンで重要な役割を果たしたパットという3人の参加は、リズムという点において本作に多彩さを与えているのではないでしょうか。

作風的には各プレイヤーの技量を活かしたテクニカルなプログメタル的志向よりも、全体でプログロックのムードを作り上げていく楽曲志向が強まった印象を受けます。オープニングを飾る約12分もの大作「Day And Age」こそ従来のプログロック的なイメージを引き継ぐ作風ですが、「Waiting For The Lie」や「The Boy Who Stood Still」「Island Life」といった楽曲群およびこの並びは、80年代前半のJAPANやTHE POLICEなどにも通ずるものが感じられ、個人的には新しさよりも懐かしさを強く感じました。もちろん、それは良い意味での例えで、終始安心して楽しめるということを示しています。

テイストは異なるものの、LEPROUSの近作……特に最新作『PITFALLS』(2019年)にも通ずるポップさ、同じ方向性を見出したのは僕だけでしょうか。同じInsideOut Music所属ということも多少は影響しているのでしょうか、僕自身『PITFALLS』という作品が大好物だっただけに、この『DAY AND AGE』という力作も大変好みの1枚であります。

全8曲中半数が6分超え、かつ2曲が10分前後の大作とあって、ビギナーにはとっつきにくい1枚かもしれませんが、最初の難関である「Day And Age」を一度乗り越えてしまえば、あとはたまらなく魅力的な濃厚世界が待っているのみ。なお、海外盤CDおよびデジタル版(ストリーミング含む)はアルバム本編のインストバージョンと「Day And Age」の5分エディットバージョンを収録したボーナスディスク付き。実はこのインスト版のほうがよりプログロック的に感じられたのが、個人的には大きな収穫でした。やっぱり歌メロが強いアルバムだなと。

 


▼FROST*『DAY AND AGE』
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2021年4月23日 (金)

LIQUID TENSION EXPERIMENT『LTE3』(2021)

2021年4月16日にリリースされたLIQUID TENSION EXPERIMENTの3rdアルバム。日本盤は同年4月14日に先行発売。

LIQUID TENSION EXPERIMENTは1997年にDREAM THEATERのジョン・ペトルーシ(G)と、当時DREAM THEATERのメンバーで現在はSONS OF APOLLOなど多方面で活躍するマイク・ポートノイ(Dr)、KING CRIMSONピーター・ガブリエルとの活動で知られるトニー・レヴィン(B, Chapman Stick)、そして本作での共演を機に後々DREAM THEATERに加入することになるジョーダン・ルーデス(Key)により結成されたインストゥルメンタル・プログレッシヴメタルバンド。1999年までに2枚のアルバムを発表しますが、ジョーダンがDTに正式加入したため「DTとの差別化が難しくなる」との理由で活動休止に。その後、2010年にはマイクがDTを脱退し、さらに再始動は難しいかと思われましたが、ここ数年はマイクとジョーダン、マイクとジョンがそれぞれ共演を果たしていることから「タイミングさえ合えば」再始動もまんざらではない、というところまで復縁できていたようです。

そして、復活の大きなきっかけとなったのが2020年のコロナ禍……海外ではロックダウンという緊急事態に陥ったことで、4人のツアーや制作スケジュールの大半が白紙に。これにより、2020年7月に4人揃ってセッションを行うことができ、実に22年ぶりの再始動が実現したわけです。

前2作はプログ・ロック名門レーベルMagna Cartaからのリリースでしたが、今作はDTが所属するInside Out Musicからの発売。CDはボーナスディスクが付いた2枚組仕様で、DISC 1がアルバム本編『LTE3』で8曲収録、DISC 2は『A NIGHT AT THE IMPROV』と題したボーナスディスクで前5曲収録。2枚トータルで13曲、117分という超大作となっています。長っ! と最初は思ったのですが、これがね、不思議とスルスル聴き進められて、気づいたら最後の曲まで到達していて2時間経過しているんですよ。

DISC 1はアルバム本編ということもあり、セッションを軸にしながらも要所要所にしっかり作り込まれた形跡も見受けられ、そういった創意工夫がアルバムの聴きやすさにもつながっている。ヒリヒリした緊張感が漲っていた過去2作と比べると、その辺のテンション感は若干薄めではあるものの、ぶっちゃけ……DTの近作よりも良いんじゃないか、と思えたほど(あまり声を大にして言いたくはないですが)。これがマイク参加による功績なのかどうかはわかりませんが。

冒頭2曲「Hypersonic」「Beating The Odds」を聴くと、ここに歌メロが乗ったら……なんて想像を勝手にしてしまうのですが、もちろん歌がなくても十分に通用するカッコよさ、気持ちよさに満ち溢れているし、ジャズでお馴染みのジョージ・ガーシュウィン作「Rhapsody In Blue」のカバーも4人の個性がしっかり感じられる、遊び心に満ちたアレンジです(この曲、13分超の大作ながらもまったくダレませんしね)。

一方、『即興の夜』と題したDISC 2はジャムセッションの中から抜き出された素材が、そのまま使用されています。なので、「Blink Of An Eye」のようにフェードインから始まるものもあるし、エンディングも締まりが感じられないテイクも存在する。音質的にもDISC 1の完成されたものと比較すると、どこか生々しさが強い。完成品にまで至らなかったものの、バンドのジャムセッションの空気感を追体験できるという点においては、非常に興味深い内容ではないでしょうか。

後世に残す完成度の高い作品性(DISC 1)と、バンド本来の即興性(DISC 2)を同時に味わえる本作。22年待たされた甲斐があるよね、ってくらいに大満足の出来。DTファンやプログ・ロックのリスナーのみならず、多少なりとも楽器をかじったことがある方にも聴いていただきたい良質な作品集です。

 


▼LIQUID TENSION EXPERIMENT『LTE3』
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2019年9月17日 (火)

KING CRIMSON『THRAK』(1995)

1995年4月上旬にリリースされた、KING CRIMSONの11thアルバム。日本では1ヶ月前倒しの同年3月初頭に発売されています。

前年秋にダブル・トリオ編成では初音源となるミニアルバム『VROOOM』(1994年)を発表し、その新たな実験を世の音楽ファンに知らしめた新生クリムゾン。とはいえ、『VROOOM』はあくまで処女作/テスト作であり、本当のデビュー作はこのフルアルバムなのです。

このアルバムを聴く際、まずはスピーカーを通さずにヘッドフォンもしくはイヤフォンで聴いてもらいたいんです。要するにこれ、左右それぞれにトリオ編成の演奏を振っているわけです。

わかりやすいのが、オープニングの「VROOOM」〜「Coda Marine 475」かな。リズムだけ取り出すと、L(左)がシンプルにリズムキープをしていて、R(右)のドラムはオカズを入れまくっている。これ、片方ずつ聴くだけでも新鮮な気持ちでそれぞれの楽曲に向き合えると思います。

そういった演奏面・録音面のみならず、本作は楽曲自体も非常に興味深いものが多い1枚でもあります。いわゆる“メタル・クリムゾン”の代表作『RED』(1974年)と、『DISCIPLINE』(1981年)をはじめとする“ニューウェイヴ・クリムゾン”3部作のいいとこ取りといった内容で、先の「VROOOM」「Coda Marine 475」はメタル・クリムゾンの延長線上、「Dinosaur」はメタルとニューウェイヴの掛け合わせ、「Walking On Air」はニューウェイヴ期の進化系とそれぞれ言えるんじゃないでしょうか。

と同時に、本作の歌モノ楽曲群からはビートルズの影響が見え隠れするんですよね。「Dinosaur」のAメロや「Walking On Air」、あるいは「One Time」といったメロウなナンバーからは、ジョン・レノンの幻影が浮かび上がってきますし。特に「One Time」はリズム感やアレンジこそ現代的ですが、メロディが持つ切なさは初期のエモーショナルさにも通ずるものがあるのでは? そう言ってしまいたくなるほど、過去のクリムゾンのいいとこ取りな1枚なわけです。

しかし、この時期のクリムゾンの良さを本当に知りたいのなら、このスタジオ作品だけでは十分に伝わらないかもしれません。そう、本当に凄みはライブにこそあるのですから。当時は『B’BOOM』(1995年)と題した2枚組ライブアルバムもリリースされており、こちらではアルバム収録曲に加え「Frame By Frame」や「Elephant Talk」、さらには「Red」や「Larks' Tongues In Aspic Part II」も披露されているので、気になる人はぜひ中古盤などでチェックしてみてください(ストリーミングサービスでは配信されていないので……)。

 


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2019年8月 4日 (日)

KING CRIMSON『DISCIPLINE』(1981)

1981年9月にリリースされた、KING CRIMSON通算8作目のオリジナルアルバム。

ロバート・フリップ(G)、ジョン・ウェットン(Vo, B)、ビル・ブルーフォード(Dr)のトリオ編成を軸に、デヴィッド・クロス(Violin)、メル・コリンズ(Sax)、イアン・マクドナルド(Sax)などをゲストに迎えた、70年代クリムゾンのラスト作『RED』(1974年)をもってその活動を一旦終了させたクリムゾン。しかし、80年代に入りロバート・フリップ&ビル・ブルーフォードにエイドリアン・ブリュー(Vo, G)、トニー・レヴィン(B, Stick)を加えた4人編成で再始動。このアルバムで新生クリムゾンの全貌が明らかとなりました。

初期のフリーキーなスタイル、後期のメタリックなサウンドなど時期によって表現方法や奏でるサウンドに大きな変化が生じるクリムゾンですが、80'sクリムゾンは過去のどの時期とも似ていない新たなスタイルを確立。時期的なものもあるのでしょうが、非常にニューウェイヴにも似た、ダンサブルなサウンドが展開されています。

まず、聴いていきなり驚くのが「Elephant Talk」での像の鳴き声を真似たエイドリアン・ブリューのギタープレイ。かなり昔、日本のテレビCMでも動物の鳴き真似プレイを目にすることができましたが、かつそのベースとなるサウンドが非常にダンサブルでメタルのメの字はおろか、プログレのプの字すら皆無のヘロヘロサウンド&ボーカルに最初は「?っ」とひっくり返ったものです(といっても、僕自身はリアルタイムではなく、発売から10年以上経ってからの初聴だったのですが)。

「Frame By Frame」でのポリリズムを用いたギターアンサンブルやバンドアレンジに、かろうじてプログレの匂いを感じることができますが、続くストーナンバー「Matte Kudasai」の平和な感じはちょっと……と、頭3曲に肩を落としたこと、今でもよく覚えています(笑)。

ところが、4曲目「Indiscipline」でその雰囲気が一変。そうそう、これが聴きたかったんだ!という重厚なアンサンブルが突如繰り広げられるのです。これこそ、プログレッシヴロックのクリムゾンだ!と。ボーカルの軽薄さだけはどうにもなりませんが(笑)、この1曲にどれだけ救われたことか。

後半も再びダンサブルな「Thela Hun Ginjeet」や、当時のテクノポップの影響を受けたかのような(シンセ・ギターの影響も大きいのでしょうね)「The Sheltering Sky」、ダンサブルなプログレ・クリムゾンという「Descipline」と、かなりバラエティに富んだ内容になっています。

最初こそ面を食らった1枚ですが、実は今ではトップクラスで好きな1枚でもあります。それは、リアルタイムで体験した90年代のクリムゾンはこの“ニューウェイヴ期”なくしては語れないから。これがあったから、僕の好きな90年代のクリムゾンが存在するんだ、ここにいろんなヒントが隠されているんだと思いながら聴き返していたら、いろんな発見があったし、どんどん好きになっていった、と。『クリムゾン・キングの宮殿』(1969年)の頃とはまったく異なる存在ではありますが、これもクリムゾン。仰々しいプログレ時代が苦手という人にこそ、一度は触れてもらいたい「気軽に聴けるクリムゾン」なのです。

 


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2019年7月 2日 (火)

BAD COMPANY『BAD COMPANY』(1974)

FREEのポール・ロジャース(Vo)&サイモン・カーク(Dr)、元MOTT THE HOOPLEのミック・ラルフス(G)、元KING CRIMSONのボズ・バレル(B)によって結成されたBAD COMPANYによる、1974年6月発売のデビューアルバム。

今でいう“スーパーバンド”のはしりですよね、これ。しかも、リリース元はLED ZEPPELINが設立したSwan Song Recordsで、全米1位/全英3位まで上昇。アメリカでは500万枚を超えるセールスを記録し、「Can't Get Enough」(全米5位/全英15位)、「Movin' On」(全米19位)というヒットシングルも生まれている。どちらかというと、本国イギリスよりもアメリカでのウケが良かったんですね。

FREEではアメリカでもそこそこのヒットを飛ばしていたポール・ロジャースですが、このBAD COMPANYを通じてその歌唱力・表現力の高さを幅広い層にまで届けることに成功。彼のキャリアを通じても最大のヒット作となっているだけに、ポールを語る上では欠かせない1枚と言えるでしょう。

FREEのように楽器隊がテクニカルで主張が強いわけではない、あくまでキャッチーな楽曲をポールという稀代のシンガーが歌い、楽器隊はそれを前面に打ち出すためにバックに徹する。このアルバムにはそういう印象が付きまとっており、個人的には初めてきいた10代後半にはそこまで響かない作品でした。

その中でプレイヤー陣が強い主張を出していない、なんならシンガーもそこまで強く自身を誇示していない。そんなだから、一聴しただけでは曲が素晴らしいだけで終わってしまう。が、聴き込めば聴き込むほどにご理解いただけると思うのですが、実は1曲1曲に隙がないんですよね。無駄に完成度が高い。ソウルやブルースをベースにしたロック/ハードロックって、どうしても過剰に歌い上げたり、ギターが泣きまくったりすることが多いんですが、ここではそういった自己主張が皆無。とにかく曲の素晴らしさをアピールすることに専念している。このある意味でのクセのなさが、幅広い層にまで行き届く結果につながった……と考えることはできないでしょうか。

要するに、純粋なポップソングと同じ域にまで到達させることができたという表れだと思うんですよね。ただ、一方でメンバーが過去に在籍したアクの強いバンド群との比較で、より地味に見えて/聴こえてしまった。デビュー作からの大成功はラッキーでしたが、と同時に最大の失態も犯してしまっていた。難しいですね。

先にも挙げたように、曲は文句なしに素晴らしいです。MOTT THE HOOPLEのカバーでもある「Ready For Love」、僕はバドカン・バージョンのほうが好きですし、シングルカットされた2曲や「Bad Company」、そしてソウルフルな「The Way I Choose」など、どれも出来が素晴らしい。で、ここでの経験を経てバンドらしさをより強く打ち出したのが、次作『STRAIGHT SHOOTER』(1975年)という最高傑作なのかなと思います。こちらの作品については、また別の機会に。

 


▼BAD COMPANY『BAD COMPANY』
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2019年5月27日 (月)

KING CRIMSON『RED』(1974)

1974年10月にリリースされた、KING CRIMSONの7thアルバム。ロバート・フリップ(G)、ジョン・ウェットン(Vo, B)、ビル・ブルーフォード(Dr)のトリオ編成を軸に、デヴィッド・クロス(Violin)、メル・コリンズ(Sax)、イアン・マクドナルド(Sax)などをゲストに迎えた、70年代クリムゾンのラスト作となります。

前作『STARLESS AND BIBLE BLACK』(1974年)から約半年という短いスパンで発表された本作ですが、リリース時点ですでに解散を発表済み。バンドの終焉を感じさせるメランコリックな楽曲(「Fallen Angel」「Starless」)も用意されているものの、本作で注目される機会が多いのはタイトルトラック「Red」や「One More Red Nightmare」といったヘヴィな作風の楽曲でした。

特に「Red」は歪みまくったギターサウンドを用いたヘヴィなリフを用いた、重厚感のあるミドルナンバーで、それまでのクリムソンとは一線を画する1曲と言えます。しかも、約6分半におよぶこの曲はボーカルなしのインストゥルメンタルナンバー。ドラマチックとは言い難い不穏な展開を含め、クリムゾンのメタルサイドなんて声もよく耳にします。そしてこの曲、90年代のクリムゾンサウンドの指針になっているはずで、これがなかったらあのダブルトリオ編成で奏でるメタリックなサウンドは生まれなかったのではないか、そう思っております。

また、「One More Red Nightmare」は「Red」にも通ずるヘヴィなリフを用いているものの、ボーカルが入ると急にキャッチーさが増す異色の1曲。プログレだとかメタルだとかカテゴライズが難しいものの、その後のロックに多大な影響を与えたことは間違いありません。

かと思えば、8分にもおよぶインプロビゼーションが繰り広げられる「Providence」という彼ららしい1曲も用意。この曲はライブテイクをそのまま使っているようで、バンドとデヴィッド・クロスのバイオリンとのセッションからはほかのスタジオテイクとは異なる緊張感を味わうことができます。

そして、叙情性の強い歌モノ2曲(「Fallen Angel」「Starless」)のうち、特に「Starless」は初期の「Epitaph」「The Court Of The Crimson King」(ともに1stアルバム『IN THE COURT OF THE CRIMSON KING』収録)にも匹敵する名曲。前半のドラマチックな泣メロと、後半の即興演奏を含む展開という12分にもおよぶ2部構成は、これぞクリムゾンと胸を張って言えるもの。ある種の集大成感も漂っております。

全5曲で約40分。6分以下の楽曲が皆無という“プログレあるある”作品の代表的な1枚ですが、1stアルバム同様に初心者も入っていきやすい内容ではないでしょうか。特に楽器の経験があるリスナーなら、ここで展開されているプレイは存分に楽しめるはず。聴けばこれが45年前のアルバムだなんて、とても信じられないと思いますよ。

ご存知のとおり、クリムゾンの諸作品はデジタル配信およびストリーミング配信がされておらず、まもなく海外ではサブスクリプションサービスでの配信がスタートするという話もあります。日本ではまだまだ先のようですが、こういった名盤が誰でも手軽に楽しめるようになると、今みたいなカルト的人気とはまた異なる広まり方もするのでは……なんて思うのですが、いかがでしょう。

 


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2016年1月10日 (日)

祝ご成人(1995年4月〜1996年3月発売の洋楽アルバム20枚)

新成人の皆さん、おめでとうございます。昨年度に初めて実施したこの企画、今回も新成人の皆さんが生まれた年(学年的に1995年4月〜1996年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れがある作品を20枚ピックアップしました。どれも名盤ばかりなので、もし聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にお手にしてみてはいかがでしょうか。とは言いながらも大半が名盤中の名盤なので、聴いたことがあるものばかりかもしれませんが。

並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら


Alice in Chains『Alice in Chains』(Amazon)(レビュー

Ben Folds Five『Ben Folds Five』(Amazon

Björk『Post』(Amazon

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2015年12月31日 (木)

2015年総括(3):アイドルソング&印象的なライブ編

このエントリーで最後。こちらではアイドルソング10曲と、2015年印象に残ったライブ3本を紹介したいと思います。アイドルソングは去年まで5曲しか選んでなかったけど、最近TIPさんのほうで連載も始まったので、ちょっと頑張って10曲に増やしてみました。

てな感じで、まずはアイドルソング10選です。


■アイドルソング10曲(アルファベット→五十音順)

・Peach sugar snow「仮初の涙」(amazon

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2006年11月30日 (木)

PORCUPINE TREE@昭和女子大学人見記念講堂(2006年11月29日)

夕べ急遽行くことになった、PORCUPINE TREE@昭和女子大学人見記念講堂。タダだし、ロバート・フリップ御大観れるし、近場(三茶)だし、ということで即決。

夏のウドーフェスで初来日してたんだけど、実は今日のライブで彼らの音に初めて触れたという。いや、クリムゾン絡みだとか、キーボードが元JAPANのリチャード・バルビエリだったり、ギター&ボーカルのスティーヴン・ウィルソンがOPETHのプロデュースやってたり、となにかと俺好みのバンドだと思ってたら……案の定、一発で気に入った。

なんだろう……メタルとも違って、プログレとも違う。80年代に流行ったポンプロックだっけ?(って流行ってはいないけどなw)MARILLIONとかIT BITESとか、ふとあのへんを思い出したんだけど.……ちょっと違う? でもPORCUPINE TREEは良い意味で米国臭もして、それがよいバランスで響いてたような。

どこかで「21世紀のPINK FLOYD」なんていう例えを目にしたけど、ちょっと違うかな。どちらかというと、GENESISっぽいかも。あと、もっとヘヴィ。ドラムなんてマーク・ポートノイ(DREAM THEATER)とビル・ブラフォードを足して2で割った感じだし、ギタープレイもちょっとIT BITES思い出した(フランシス・ダナリーって今なにやってるんだろう?)。もちろんただ古くさいだけじゃなくて、現代的……TOOL辺りにも通ずるスタイルも感じられるし。実際TOOLのファンで、ああいうプログレッシヴな部分を気に入っている人ならすんなり入っていけるんじゃないかな。

あ、オープニングアクトのフリップ御大の話もしておかないと。えーっとねぇ、なんかアンビエントな感じのループの上で、ひたすら緩いギター弾いてました。30分間ずーっと即興で。途中でマジ熟睡して、客が拍手し始めたので目が覚めたくらい(笑)考えてみたら俺、クリムゾンは好きだけど、この人のソロアルバムとかプロジェクトってあんまり興味なかったわ。

PORCUPINE TREEは来年2月頃に発表される予定の(と、MCで言ってた)ニューアルバムから、新曲も披露。「長くて退屈な曲だから、我慢してくれ」とか冗談言ったと思ったら、本当に歌詞の中に「Patience」て単語が出てきて笑った。あと、アルバム出したら夏にまたライブで戻って来たいと言ってた。フェスかな。

数十~百人程度を前に気を吐いたウドーフェス。そして今回は2000人入るハコに半分程度(内100人以上もの招待客)。クリマンは明らかにハコの選択ミスだと思う。確かにあの環境はバンドのサウンドにピッタリだったけどね。

あ、そうだ。このバンドのもうひとつの魅力は、映像だね。ライブDVD後で買わないと。

……と、レポというよりも、メモをいろいろ書いてみた。

2004年11月22日 (月)

とみぃ洋楽100番勝負(96)

●第96回:「21st Century Schizoid Man」 KING CRIMSON ('69)

 そりゃやはり、「とみぃの宮殿」というサイト名の元ネタなだけに、この曲を外すことはできないですよね。実際、このアルバム・この曲との出会いがなかったら、俺はプログレというジャンルに(一時的とはいえ)のめり込むこともなかったでしょうからね。

 中学の頃かな‥‥このジャケットと出会ったのは。当時のレンタル店に飾ってあって。インパクトだけでいったら間違いなくナンバーワンだもんね、これを店頭に飾るってことは。で、それに勝るとも劣らないサウンド。2004年の今聴いても、全然色褪せてない。むしろ今聴くとそのヘヴィな世界観やサウンドに圧倒されるんだけどね。これがもう35年も前のものなのか‥‥そう考えるとゾッとするね。俺だってまだ生まれてなかったんだから。

 プログレと呼ばれるジャンルの中で唯一、全アルバムを揃えた経験があるのは、後にも先にもCRIMSONだけ。ライヴにしても同様。高い金だして廃盤になってるボックスセットの中古盤に大枚はたいたり、既に持ってるアルバムなのに紙ジャケが出れば思わず手を出してしまったり、挙げ句の果てにアナログ盤まで買い揃える始末。正直、この「クリムゾン・キングの宮殿」だけで3枚は持ってるからね、俺。もう、ただのアホだよね。うん、俺もそう思うもん。

 自分の留学先であったイギリス・ボーンマスがロバート・フリップの故郷であると知った時の嬉しさといったら‥‥どう表現していいもんか。思わず奇声上げちゃったからね、マジで。そんくらい好きってことですよ。ま、だからといって仲良くなりたいとは思わないけど(滅茶苦茶偏屈そうだしね)。それに‥‥あのプレイが自分にとって、決して究極とはいえないしね。飛び道具ですよやはり。

 だけど‥‥だからこそ憧れるんだよね。永遠の憧れ。あそこには近づけないし、近づきたくもない。遠くから眺めてるだけ。だからこそいいんだよ、あれは‥‥あんな世界、本気で入り込んでしまったら、それこそ「21世紀の精神異常者」になっちゃいますからね(やっぱりこの曲の邦題は、誰が何と言おうと「精神異常者」の方がピッタリですよ)。だから今日も俺は、音源集めまでで踏みとどまるわけです。



▼KING CRIMSON「IN THE COURT OF THE CRIMSON KING」(amazon

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