2017/10/19

『LOUD PARK 17』DAY 2@さいたまスーパーアリーナ(2017年10月15日)

Loudpark17_b昨日のエントリーに続いて、こちらでは『LOUD PARK 17』2日目公演について書いていきたいと思います。なんのことかわからない人は、このひとつ前のエントリーをごらんください。


<DAY 2:10月15日(日)>

寝不足でラウパー初日に臨み、このまま帰宅して再びたまアリに戻ってくるようなことしたら、絶対に初日よりもひどい時間に起きるだろうなと思い、この日はさいたま新都心にて一泊。ライブ終了後20分以内には宿に着いて、さすがに笑いました。

で、15日。11時チェックアウトだったので、ギリギリまでホテルにいてOUTRAGEから始めようかなと思っていたのですが、10時半になった途端にシークレットアクトがBLACK EARTHだと知り、焦ってチェックアウトして会場へ。ドアtoドアで10分ちょっとで会場に着き、後半のみ観ることができました。よかった。


BLACK EARTH
ちょっと前のエントリーに書きましたが、BLACK EARTHとは初期ARCH ENEMYの面々が勢ぞろいしたスペシャルバンド。もともとは2年前のラウパーでのARCH ENEMYのステージに初代ボーカルのヨハン・リーヴァとクリストファー・アモット(G)がゲスト参加したことがきっかけで、昨年春に同編成でジャパンツアー敢行。先頃そのツアーの模様がDVD+CD化されたこともあり、今回のシークレットゲスト出演となったようです。「なんでシークレットにするんだよ! 名前出したほうが客入るし! なんなら行ったのに!」という人も多いようですが……僕はこの試み、嫌いじゃないです。フェスって「人で選ぶ」んじゃなくて、最終的には「器で選ぶ」ようになったら成功した証拠だと思うので……って話は置いておいて。残念ながら「Bury Me An Angel」も「Dead Inside」も観れませんでしたが、「Beast Of Man」の途中からなんとか会場入り。初のヨハンは……あれ、昔よりもデス声じゃん! いいじゃん!と自分の予想を裏切る仕上がり。後日、昨年のツアーのDVD+CDも購入しましたが、この20年近くでかなり鍛え上げられたんですね。納得。ラストの「Fields Of Desolation」、終盤のツインリードで思わず泣きそうに。ああ、早起きしてよかった……(いや、実際は早起きじゃないんだけど)。

OUTRAGE
久しぶりにライブで観るOUTRAGE。直近の新作『Raging Out』の出来が素晴らしかっただけにどうしても観たかったわけですが、オープニングから「My Final Day」「Madness」の連発にノックアウト。さらに新作から「Doomsday Machine」「Hammer Down and Go」と冒頭の2曲をやられて、勝手にガッツポーズ。「Death Trap」や「Under Control Of Law」といった初期の楽曲、現編成が復活して最初の1曲「Rise」と彼らが何者かを存分に理解できる選曲が続き、ラストは「Megalomania」でクライマックス。確かに短くて物足りなさはあったけど、代表曲&新曲を詰め込んだコンパクトな内容はフェスに最適だと思いました。いやぁ、良かった。

LOUDNESS
本当なら次のAPOCALYPTICAも観るつもりだったのですが、ここでBLACK EARTHのTシャツ買いに行ったり仕事をしたりと、いろいろ野暮用に。結局、ラストの「Nothing Elese Matters」の終盤を観たのみなので、レポートは割愛します。で、LOUDNESS。高崎晃さんが出てきてサウンドチェックをするのですが、すでにギターの音が他のバンドよりもデカイ(笑)。まぁ直前がAPOCALYPTICAだから余計にそう感じるのかもね……と思っていたら、オープニングのインストナンバー「Fire of Spirit」の時点で耳が……本当に音デカかった(苦笑)。さすがに昨日からの耳疲れもあったので、耳栓を使用してライブに。序盤は2000年代以降のモダンヘヴィネス系楽曲が並び、「The Sun Will Rise Again」「Metal Mad」といった比較的メロウな楽曲もあったのですが……後半の「Crazy Nights」「In The Mirror」「Crazy Doctor」「S.D.I.」といった80年代の楽曲とどうしても比較してしまい……リフは最近の楽曲もカッコ良いのに、メロが弱いんだよなと改めて感じてしまったわけです。まあこのメロが現代的と言われてしまったら返す言葉もないのですが、僕としてはやはり……うん。そこだけが本当に勿体ないと思うんです。あと、『LIGHTNING STRIKES』30周年のバックドロップを使ってるのに肝心の同作からの代表曲がなかったり、二井原さんのルックスが完全にMETALLICAのジェイムズになっていたりでいろいろ驚きました。

DEVIN TOWNSEND PROJECT
デヴィン・タウンゼンドを観るのは、たぶん90年代後半のSTRAPPING YOUNG LADだったかソロだったかで来たとき以来。だからほぼ20年ぶりでした。最近のアルバムもほとんど聴いてなかったんだけど、なるほど、こういう音なのね、と感心して観てました。かなりプログレッシヴメタルっぽい雰囲気で、デヴィンの声もかなりよく出ているし、キーボードの人以外みんなスキンヘッドなところ含め、いろいろ気になりました。昨年リリースされた最新作、聴いてみます。

BLACK STAR RIDERS
今年発売された3rdアルバム『HEAVY FIRE』もなかなか良かったし、そもそもTHE ALMIGHTYTHIN LIZZYも好きなので、ここは観ておかないと。リッキー・ウォリック(Vo, G)含むトリプルギター編成は見応えあるし、音はそれまでの出演バンドと比べれば軽いんだけど、今の自分の耳には優しい存在。リッキーの男臭いボーカル、スコット・ゴーハム(G)のソロプレイ含め、ブリティッシュ&アイリッシュハードロックの王道感が強く出ていて好印象でした。オリジナル曲に含めて、THIN LIZZY「The Boys Are Back In Town」のカバーも飛び出し、これもまったく違和感なし。そこに、真の意味でTHIN LIZZYを継承したことを強く感じました。もし今度単独来日したら、もっとじっくり観てみたい。そう素直に思えました。

CRADLE OF FILTH
昔から聴いてるのに、気づいたらライブを観るのは初めて? 自分でも意外でした。女性ボーカルも随所にフィーチャーした、シンフォニックなブラックメタルなんでしょうけど、前日のEMPERORとは完全なる別モノ。本人たちも「ブラックメタルというよりはエクストリームメタル」と言ってるようですし、現在は独自のスタイルを築き上げたってことなんでしょうね。ダニ・フィルス(Vo)の高音デスボイスは圧巻の一言で、「ああ、これ本当に自前で出してるんだ」と感心してしまいました。変な話ですが。選曲はリリースされたばかりのニューアルバム『CRYPTORIANA – THE SEDUCTIVENESS OF DECAY』からは1曲のみで、『NYMPHETAMINE』(2004年)からの曲多め。アルバムを全部聴いてるわけではないので知らない曲もあったものの、そのドラマチックな曲構成には完璧に惹きつけられました。これはぜひ単独でも観てみたいかも。

MESHUGGAH
もしかして彼らをライブで観るのって、2008年の『LOUD PARK 08』での初来日公演以来? っていうか、それ以降って来日してないですよね? 前回の来日からの9年間で新作、2枚しか出してないですし。その彼らも、45分のセットで7曲を披露……したのですが、不思議なことに、彼らの楽曲(主にギターの音)を聴いてると……眠くなるんですよね。いや、彼らのことは大好きなんですが、ずっと聴いてると寝落ちしそうになるという。そういえば、前回の来日公演でもたったまま寝そうになったわ……特にミドルテンポの楽曲に多いのですが、そやって周波数的なものが影響することってあるんでしょうか。たまたま自分の波長的に、彼らのギターサウンドがそこに合致してしまうとか。名前は出せませんけど、同系統のテンポ感&サウンドを持つ他のバンドのライブでも寝落ちしそうになったこと、何度もあるのですよ。これ、誰かに科学的検証をしてほしいです。と、ライブとは全然関係ない話になってしまいましたが、後半テンポアップしてからはまた目が覚め、彼らのライブにのめり込んでいったのでした……演奏は最高でした。文句なし。またすぐに来てください、マジで。今度は寝ないように頑張るので。

SABATON
2年前の『LOUD PARK 15』で初来日を果たした彼ら。大きさ含め完全に戦車そのもののドラムセット(戦車の上にドラムセットがある)や、古今東西の戦という戦を題材にした楽曲の数々、そしてカッコ良いんだけどどこかコミカルで親しみやすいルックスやパフォーマンス、今回も最高以外の何モノでもなかったです。前回からギタリストが1人交代していますが、基本やることは変わらず。終盤、最新アルバム『THE LAST STAND』収録曲で日本の戦を題材にした「Shiroyama」が披露され、『サイレントヒル』などのゲーム音楽を手がける作曲家・山岡晃さんがギターでゲスト参加。おそらくその場にいた多くのメタルファンが「誰?」と思ったでだろうリアクション、忘れません。そんなサプライズも含め、前回以上の盛り上がりを見せたSABATON。いい加減に単独来日を決めていただきたい。絶対に彼ら、“新世代のACCEPT”としてもっと人気を集めるはずだし、なんならメディアがもっとだ偉大的に取り上げるべき。それくらいのことをしてほしいですよね、今後のためにも……。

GENE SIMMONS BAND
KISSのジーン・シモンズが初のソロツアーを開始すると聞いたときは、これまでに出した2枚のソロアルバムからの曲が半分、残りはKISSの自分ボーカルの曲なんだろうなと思っていたら、予想に反して“ほぼKISS”、あるいは“演奏のうまいメンバーを集めた、ひとりKISS”だったという(笑)。「Deuce」「Parasite」という初期KISSナンバー2連発にのけぞり、「I Love It Loud」で大合唱……のはずが、実はこの会場にいる大半のメタルキッズは、そこまでKISSを通ってないんだなということに気づくわけです。コーラス、ちょっと違うぞって……。まあそれは良しとして、その後も「Cold Gin」なんていうおなじみのジーン曲が続くのですが、驚いたのは「Do You Love Me」というポール・スタンレー曲や「Shout It Out Loud」みたいにポールとジーンが歌パートを分け合う曲まで披露されたこと。バンドメンバーが優秀なので、しっかりポール役もこなせるわけですね。後半は「ヘヴィメタルの前にKISSあり」とジーン自らの宣言にギョッとした「War Machine」(火吹きなし)や、最新アルバム『MONSTER』収録曲の「Wall Of Sound」といったレア曲も登場。『LOVE GUN』収録の「Got Love For Sale」も意外な選曲で驚かされました。「Watchin' You」「She」をライブで久々に聴けたのも、ファンとしては嬉しいかぎり。ラストはおなじみの「Rock And Roll All Nite」なのですが……ここでファンをステージに上げてお祭り騒ぎ。これ、先日のDURAN DURAN来日公演におけるCHICでも同じ場面に遭遇したのですが……盛り上げ役でステージに上がってる一般の皆さん、写メ撮りまくり(苦笑)。大スターと同じ舞台に立てる喜びは痛いほど理解できるのですが、演奏してるメンバーとツーショット撮影始めたりするの、はっきり言ってみっともないですよ。ケータイがなかった時代は、みんなもっと一緒に盛り上げることに徹していた記憶があるんですが……時代なんですかね。悪くは言いたくないんだけど、やっぱりあれだけは受け入れられないっていうか苦手です。というわけで、最後の最後で苦い気分でライブを見終えることに。

MICHAEL SCHENKER FEST
大好きなKISSのジーンをあんな気持ちで見終えるなんて。ここはもう、“神”に最後のひと盛り上げをしてもらうしかない。そんな気持ちでした。とはいえ、僕はそこまでシェンカーに思い入れがある人間ではなく、ちょっと前のエントリーでも書いたように、リアルタイムで聴き始めたのはMcAULEY SCHENKER GROUPから。代表作はそれなりに聴いてるし、代表曲はほぼ知ってる。だけど世代なのか、マイケル・シェンカーというギタリストにはそこまで惹かれなかったんですよね。僕よりもひとつ上の世代が熱心に聴いている印象。そもそも僕、ギター云々よりもやっぱりボーカルや曲が魅力的であることが大前提で、そこにすごいギタリストが参加してたら尚良しって人間なので。なんて予防線を張ってから話を進めますが……

いや、すげえ良かった! ああ、神ってこういうことか、と初めて実感&納得しました。2曲目「Into The Arena」のプレイだけでもう圧巻……散々音源では聴いてきたこの曲も、生で観ると&聴くとまったく違う印象を受けるんだから不思議。この曲、こういう表情を持っていたのかって。ああ、これ好きだわ、このギターじゃなきゃダメだわ、って。もうね、この1曲だけでノックアウトでした。その後、ゲイリー・バーデンやグラハム・ボネット、ロビン・マッコーリーが順番に出てくるのですが、ゲイリーはさておき(笑)、グラハムは無駄に声がデカイし、今年の12月で70歳だというのにあの声量&高音にはただただ驚くばかり。それに続くロビンもまた声が出ていて……この人、こんなに歌うまかったんだ、と見直しました。さらに圧巻だったのは「Save Yourself」。もともと大好きな曲なんですが、シェンカーのギターが泣きまくり(歌いまくり)のところを、それを邪魔せず、なおかつ自己主張するロビンのボーカルにうっとり。すげえです。

で、さらにさらに鳥肌ものだったのが、UFO「Rock Bottom」でのシェンカーのギターソロ。中盤に5分くらい弾きまくってたんだけど、もうね、ずっと聴いてたいと思った。ああ、やっぱりどんなアーティストも生で観ないと答え出せないな、って改めて実感させられました。この人は音源じゃなくて、ライブの人なんだね。20数年前にUFOで観たときは正直そこまで惹かれなかったんだけど(それもあって、以降そこまで熱心に聴いてこなかったんですが)、この日の彼は水を得た魚のように胸に突き刺さるフレーズを、次々に叩き込んでくるわけです。

この時点で終演予定の21:30をゆうに超えており、最後に全出演者がステージに揃って終わるかと思いきや、シェンカーの「One more?」の一言でダメ押しの「Doctor Doctor」! 結局2時間近いほぼフルスケールのショーを見せてくれたわけですよ。本当にありがたい!(セットリストには、さらに「Lights Out」も載っていたので、時間が許せばそれもあったのかも……ゴクリ)

こうして最後の最後、シェンカーに全部持っていかれた今年のラウパー。2日目はマイケル(・アモット)に始まりマイケル(・シェンカー)で終わった、なんとも清々しい1日でした。今年は『OZZFEST』も『KNOTFEST』もなさそうですし、5月に予定されていた『L.A. METAL SUMMIT in TOKYO』も中止になっちゃったしで、メタルファンにとってはなんだかなーな1年でしたが、僕自身はこの2日間ですべてが報われた気持ちです。確かに今年は1ステージ(3rdステージの「EXTREME STAGE」が)減ったため、出演者数は減ってしまいましたし、それなのに例年と同じチケット代はちょっと無理があるんじゃないの?という声も理解できます。でも、それでも元を取った!と思えるだけのパフォーマンスをたくさん観ることができたので、個人的には満足しております。

往年の大物がたくさん出てくれるのはありがたいですが、ニューカマーにも注目する機会を与えてほしいですし、もっと言えば日本のフェスなのに日本のバンドの扱いがあまりよろしくなかったりなど気になる点もたくさんあるのですが、もう12回もやったんだから、そろそろ変化が必要な気もします。そういう意味では、今回のシークレットアクトはその一環だったのかもしれませんね。もし来年も開催されるのでしたら、そのへんもっとテコ入れしていただきたいなと勝手に思っております。



▼MICHAEL SCHENKER『MICHAEL SCHENKER FEST LIVE: TOKYO INTERNATIONAL FORUM HALL A』
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投稿: 2017 10 19 12:00 午前 [2017年のライブ, Arch Enemy, Black Earth, Black Star Riders, Cradle of Filth, Devin Townsend Project, Gene Simmons, Graham Bonnet, KISS, LOUD PARK, Loudness, McAuley Schenker Group, Meshuggah, Michael Schenker, Michael Schenker Group, Outrage, Sabaton] | 固定リンク

2017/10/11

GENE SIMMONS『ASSHOLE』(2004)

KISSジーン・シモンズが2004年に発表した通算2作目のソロアルバム。前作『GENE SIMMONS』(1978年)は当時のKISSのメンバー4人が同時にソロアルバムを発表するという、いわば企画チックな側面がありましたが、本作はフルメイクKISSが復活して以降、枠にハマったサウンドスタイルでの活動に対するある種の捌け口として制作された、完全にジーンの(良くも悪くも)自己満足的アルバムです。だって、このタイトルですもの……(苦笑)。

……と、言い切ってしまっていいものかアレですけど、その理由は聴いてもらえば理解していただけるんじゃないかと。とにかく、内容が“ごった煮”なんです。90年代前半のKISSが見せたラウド&オルタナティヴ路線を軸にしつつも、70年代のKISSらしい豪快なハードロックあり、ダンスあり、ヒップホップあり、AOR的歌モノあり、シンフォニック風変わりなポップソングあり、ベックにも通ずるダウナーなオルタナフォークあり……ね? これだけ聞いたらカテゴライズ不能でしょ? そもそも、ジーン・シモンズという策士はそういう奴ですからね。頭が良い(商才に長けている)んですよ。

けど、それがときには仇となることもある。それがまさに、このアルバムなんじゃないでしょうか。ぶっちゃけ、ジーン・シモンズというラベルがなければこんなアルバム、“焦点ずれまくりのオナニー的作品”と切り捨てられるのが関の山でしょうし。けど、“あの”ジーン・シモンズが26年ぶりにソロアルバムを作りました、と知らされてから聴けばなんとなく納得できてしまう……気がする。うん、不思議です。

KISS的なハードロック“のみ”を求める人には、本作はところどころ厳しい1枚かもしれません。が、KISSでジーンが書く/歌う曲が好きという人、1枚目のソロアルバムも気に入っているという人なら問題なく楽しめるんじゃないかと。確かにTHE PRODIGY「Firestarter」のカバーやら、ボブ・ディランやフランク・ザッパとの共作曲やらトリッキーな楽曲も含まれていますが、全体的にはヘヴィな曲よりもフォーキーでポップな楽曲のほうが印象に残るという、そんな“いかにもな”ソロアルバムです。思えばこの人、KISSの前身バンド・WICKED LESTERでもフォーキーな音楽をやってましたしね。

また、先の「Firestarter」ではデイヴ・ナヴァロ(JANE'S ADDICTION)がギターを弾いていたり、他にも現KISSのエリック・シンガー(Dr)、元KISSのブルース・キューリック(G)や、リッチー・コッツェン(G)、ドゥイージル・ザッパ(G)など興味深いゲストプレイヤーも多数参加しているので、プレイ面も問題なく楽しめるはず。

ちなみに、『LOUD PARK 2017』にGENE SIMMONS BAND名義で出演するジーン。残念ながら直近のツアーでは本作からの楽曲は1曲も披露されていないようで、KISSの楽曲が中心とのこと。ソロ曲は1枚目から「Radioactive」のみみたいですね。だったらそっちを取り上げたらよかった……と全部書き終えてから後悔しているところですが、本作は本作で言うほど悪くないので、チャンスがあったらぜひ聴いてみてください。珍味らしい味わい深さ満載なので。



▼GENE SIMMONS『ASSHOLE』
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投稿: 2017 10 11 12:00 午前 [2004年の作品, Gene Simmons, Jane's Addiction, KISS, Prodigy, The, Richie Kotzen] | 固定リンク

2017/03/13

KISS『MONSTER』(2012)

昨日KISSについていろいろ調べていたら、最新作『MONSTER』が2012年秋のリリースで、もう4年以上経ったという事実に驚かされました。とはいえこの4年ちょっとの間にKISSは二度も来日しているんですよね(2013年秋と2015年春)。2013年のときはチケットを持っていながら仕事の都合で行けなかったのですが、2015年の際には逆に仕事として東京ドーム公演に関わることができ、リハーサル含め彼らのプロフェッショナルぶりを間近で体験することができました。

さて、今のところ最新作となるこの『MONSTER』はKISSにとって20作目のオリジナルアルバム。この前の作品にあたる『SONIC BOOM』(2009年)はバンドにとって11年ぶりのオリジナルアルバムだったにもかかわらず、ここ日本ではリリースされることはありませんでした。そうった意味でも、この『MONSTER』に賭けるバンドやレーベルの意気込みは、当時相当なものがあったと記憶しています。

アルバム自体は、前作『SONIC BOOM』の延長線上にある作風で、ポール・スタンレー(Vo, G)とジーン・シモンズ(Vo, B)のリードボーカル曲が程よいバランスで混在し、その合間をトミー・セイヤー(Vo, G)ソロVo曲、エリック・シンガー(Vo, Dr)ソロVo曲、そしてポール&ジーンのツインボーカル曲が埋めるという完璧な構成。70年代のキャッチーでコンパクトな楽曲スタイルを軸にしながらも、70〜80年代のハードさ、90年代のサイケさなども適度にまぶされており、いわば“KISSの集大成”と呼べるような仕上がりです。

ポールが歌うアップテンポの「Hell Or Hallelujah」からスタートするのはちょっと意外でしたが、続くジーンVo曲「Wall Of Sound」はどこかビートルズ「Helter Skelter」を彷彿とさせるヘヴィな1曲。そこからポールVoの「Freak」、ジーンVoの「Back To The Stone Age」と、どことなく70年代のKISSを彷彿とさせる楽曲に続くのも興味深いところ。しかし、セルフパロディにならずに新しさもしっかり持ち合わせているのは、KISSの大ファンだったトミーが楽曲制作に加わっていることも大きいのかなと思います。5曲目「Shout Mercy」もメロ運びやギターリフが非常に初期のKISSっぽいし、6曲目「Long Way Down」は初期っぽさがありながら90年代のKISSが演奏しても不思議じゃない作風。ギターの歪み方が80〜90年代のファクトリーメイドな歪みとは異なる、ナチュラルな歪みだからこそ余計に初期のKISSを思い浮かべるのかもしれません。

ソウルフルなコーラスからスタートする「Eat Your Heart Out」、ダイナミックなアレンジが印象的な「The Devil Is Me」とジーンVo曲が2曲続いたあとは、いよいよトミー&エリックのVo曲が登場。トミーの歌う「Outta This World」は自分の役割をしっかり認識しているためか、エース・フレーリーが歌っても不思議じゃない軽やかなロックンロールを奏でています。またエリックが歌う「All For The Love Of Rock & Roll」もピーター・クリス時代を意識しているのか、ポールが書いた曲をエリックが歌うスタイルを取っています。どちらも2012年的とは言い難いかもしれませんが、KISSらしさという点においては100点満点。そこからAC/DC的な「Take Me Down Below」でポール&ジーンがツインボーカルを聴かせ、ポールが歌う王道KISSチューン「Last Chance」で派手に締めくくります。

全12曲で約44分。どの曲も3分前後で、どんなに長くても4分半止まり。しかもバラードなしで攻めまくるという構成。頭からお尻まで、どこを切り取ってもKISS以外の何者でもない本作は、KISSの最終到達点なのかもしれません。だからこそ、彼らが新作制作よりもライブに専念するのはある意味理にかなっているのかなと。これを超えること自体が難しいことだとは重々承知していますが、せめてもう1枚だけ、新作を聴いてみたいものです。



▼KISS『MONSTER』
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投稿: 2017 03 13 12:00 午前 [2012年の作品, KISS] | 固定リンク

2017/03/12

KISS『CRAZY NIGHTS』(1987)

KISSが1987年秋に発表した通算14枚目のオリジナルアルバム『CRAZY NIGHTS』。『LICK IT UP』(1983年)で初めてメイクを落として人前に姿を現し、同作を携えたツアーも大成功。続く『ANIMALIZE』(1984年)、『ASYLUM』(1985年)も時代の流れを敏感に察知し、70年代のポップロック路線からタフでハード&ヘヴィな路線へとシフトチェンジを遂げます。が、世の中的には「KISSにそんなもの求めてねーよ」と言わんばかりに、じわじわとセールスを落とす結果に。そして1986〜87年に迎えた本格的なHR/HMブームに対してKISSが出した答えが、この『CRAZY NIGHTS』でした。

当時のメンバーはポール・スタンレー(Vo, G)、ジーン・シモンズ(Vo, B)のオリメンに二代目ドラマーのエリック・カー(Dr, Vo)、そして前作『ASYLUM』から参加のブルース・キューリック(G)という布陣。プロデューサーにはHEARTの復活作『HEART』(1985年)やオジー・オズボーン『THE ULTIMATE SIN』(1986年)、そしてSURVIVOR『VITAL SIGNS』(1984年)や『WHEN SECONDS COUNT』(1986年)などを手がけてきたロン・ネヴィソンを迎え、“1987年という時代を意識しつつも世間がKISSに求めるもの”を的確に形にした“KISS流産業ハードロック”と呼ぶにピッタリな1枚を完成させました。

シングルカットもされた「Crazy Crazy Nights」からスタートするこのアルバム。ライブでの大合唱を意識しつつも、しっかりラジオやMTVでオンエアされることも意識した、本当によくできた1曲です。残念ながらアメリカでは65位と大ヒットにはつながりませんでしたが、一方でイギリスでは4位という大成功を収めています。で、ここからハード路線の「I'll Fight Hell To Hold You」、キャッチーなスタジアムロック「Bang Bang You」とポールVo曲が3曲続きます。これもKISSにしては珍しいことですよね。

4曲目「No, No, No」でようやくジーンVo曲登場。ブルースのアグレッシヴなギタープレイを全面フィーチャーした、メタリックなファストチューンです。続く「Hell Or High Water」もジーンVo曲で、70年代の雰囲気にも通ずるものがありつつもしっかり現代的な側面も打ち出されたミドルナンバー。ポールが歌う6曲目「My Way」はシンセが前面に出た、これぞ“産業ハードロック”と言いたくなるキャッチーな1曲です。サビのメロディ進行や開け方は、ちょっとやそっとじゃ真似できない強みが感じられます。

7曲目「When Your Walls Come Down」は、ポールのハイトーンとジーン&エリックの掛け合いコーラスを効果的に用いたハードチューン。続く「Reason To Live」は本作唯一のバラードですが、通常のパワーバラードとはちょっと違った雰囲気を持っています。例えるならば……ロン・ネヴィソンだからというわけじゃないですが、HEARTの「What About Love」的な雰囲気と言いましょうか。KISSらしい楽曲とは言い難いですが、このアルバムの中では何の違和感もなく聴けてしまいます。

本作3曲目となるジーンVo曲「Good Girl Gone Bad」は、ロックンロールのマナーに添いつつもKISSらしいメロ運びをする独特な1曲。今作における絶妙なアクセントとなっています。10曲目「Turn On The Night」もシンセを前面に打ち出したポップチューンですが、“ラジオやMTV狙ってます”的ないやらしさも同じくらい強く感じられます。ダイアン・ウォーレンが楽曲制作に関わってることも関係あるんでしょうか。そしてラストはジーンVoのヘヴィな「Thief In The Night」で幕を下ろします。

全11曲中ジーンVo曲が4曲のみというのは前作『ASYLUM』、前々作『ANIMALIZE』と変わらないのですが、冒頭のポールVo曲3連発のインパクトが強いせいか、どうにも本作は「ポールがひとり気合い入れて頑張った作品」というイメージが拭えません。だからこそ、ジーンのマイペースぶりが発揮された4曲がいいアクセントになっているのも事実。リリースから30年経った2017年に聴くと若干古さを覚えるサウンドアレンジもありますが、楽曲の質自体は非常に高いものばかり。意外と最近のKISSにも通ずる要素もあるので、80年代の彼らに触れるならまずはこのアルバムから……というのもアリだと思います。



▼KISS『CRAZY NIGHTS』
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投稿: 2017 03 12 12:00 午前 [1987年の作品, KISS] | 固定リンク

2016/08/26

「一番好きなHR/HMギターソロ」について考える(80年代〜90年代前半編)

仕事の合間だけど、現実逃避ついでに「一番好きなギターソロ」について考えてみた。あくまで主観だが、HR/HMにおけるギターソロはライブで一緒に「口ギターソロ」ができる、つまり口ずさめるものがベストだと思ってる。

最初に思いつくのはやっぱりオジー・オズボーン「Mr.Crowley」だろうか。適度に速弾きしていて、かつ口ずさめるメロディ。これ以上速くても、音数が多くてもダメ。だって弾けないもん。俺が。

そういう意味じゃEUROPE「The Final Countdown」もベスト候補。いや、こっちはシンセのメインリフのほうが印象的か。シンセのフレーズは口ずさんでも、ギターソロを口ずさむことは少な……いや、そんなことはなかった。口ずさむ。好き。

主メロ自体がリフ?なゲイリー・ムーア「Wild Frontier」も、個人的には「Mr.Crowley」と同じくらい好きな楽曲&ソロ。結局、こういうマイナーコードで泣きのメロを持つ楽曲が好きんなんだろうな。ザ・日本人。

泣きメロかつ「誰もが知ってるフレーズの引用」というドーピング感満載のACCEPT「Metal Heart」は反則。これこそ全力で日本人泣かしにかかってるだろと。

「Mr.Crowley」と同じくらい重要かつベストだと思ってるのが、KISS「Detroit Rock City」。あのクソシンプルなのに最強なツインリードは、この先何百年も語り継がれるべきだと思う。結局「コピーできそうだけどちょっと難しい」くらいの、あの絶妙なレベル感が自分の求めるギターソロなのかもしれない。あと、長すぎてもダメ。2分とか続いちゃうようなのはね、覚えられない。

……ってよくよく考えたら70年代じゃん、「Detroit Rock City」。却下却下。代わりにKISSのコピーバンド始めた頃にやってた「Crazy Crazy Nights」を挙げとく。このコンパクトだけど印象に残り、口ずさめて適度なテクニックが凝縮されてるというのは非常に重要。そういう意味じゃBON JOVIのこの時代の楽曲はほとんどこれに当てはまる。選ばないけど。

もうちょっとヘヴィな方面についても。

METALLICA「One」は随所にソロが登場するけど、後半の畳み掛けるようなソロパートは難しいながらも覚えやすいメロディがちゃんと備わっているし、この手のバンドのものとしてはベストクラスなんじゃないかなと。

逆にMEGADETH「Tornado Of Souls」までいくと、ちょっとやりすぎ感が。もちろんこれは個人的なさじ加減の問題だけど。リスニング的にはMEGADETHのほうだけど、「コピーしたくなる」という点においてはMETALLICAかなと。なかなか共感しづらいだろうけど。

PANTERAのギターソロも実はすごくメロウなものが多くて、個人的にはリフ以上に推していきたいと思ってる要素。スローな曲はもちろんなんだけど、「Mouth For War」はあのリフとグルーヴにこのソロが乗るから最強なんだと。

最後に国内のバンドからも。

80年代半ばに青春時代を過ごした人なら、きっと誰もがコピーをしたんじゃないだろうかっていうLOUDNESSから選ぶならば、やっぱり「Crazy Doctor」だろうか。「In The Mirror」も捨て難いけど。って、どっちも弾けないんだけど。

で、結局最後はEARTHSHAKER「More」に行き着くと。この呪縛から逃れられないんだな、あの時代に10代を過ごしてしまった者は。でもイントロのアルペジオのほうが印象深い? かもしれない。

以上10曲。KISS以外は結局泣きメロなんだな。わかりやすいぞ自分。

……でもさ、ああだこうだ考えたけど、結局この曲のこのソロがいろんな意味で最強かもしれないと思うんだよ。

グランジ以降、ギターソロの重要度が低くなったと言われたけど、ここまでシンプルで印象的なソロは逆にメタル脳では作れなかっただろうな。だって歌メロをそのまま弾いてるだけだし。その後の歴史を変えてしまったという意味ではとても皮肉な1曲。

90年代後半以降についても、いつか考えてみたい。10曲も挙げられるかどうか微妙だけど。

投稿: 2016 08 26 11:56 午前 [Accept, Earthshaker, Europe, Gary Moore, KISS, Loudness, Megadeth, Metallica, Nirvana, Ozzy Osbourne, Pantera] | 固定リンク

2015/01/07

KISSの私的ベスト10

2〜3月に来日を控えたKISS。歴史が長いだけに10曲に絞るのは至難の業ですが、ここでは心を鬼にして「好きな曲」を選びました。なので、90年代以降の曲がほぼ皆無っていう。まあ2015年1月時点での10曲ってことで。

80年代以降の3曲は動かない気がするけど、「Destroyer」〜「Love Gun」期(「Alive II」期)は日によって変わりそうな気がします。やっぱりこの時期の曲が一番好きみたいです。ここに「Dynasty」あたりの曲も加えると、なおよいかと。

1. Black Diamond

2. Goin' Blind

3. C'mon and Love Me

4. Detroit Rock City

5. Shout It Out Loud

6. I Want You

7. I Stole Your Love

8. I Love It Loud

9. Crazy Crazy Nights

10. God Gave Rock 'N' Roll to You II


にしても、KISSって「I〜」から始まる曲名が意外と多いね。今回選んだ3曲以外にも「I Was Made For Lovin' You」「I」「I Still Love You」「I Just Wanna」「I Will Be There」「I Confess」「I Walk Alone」「I Pledge Allegiance to the State of Rock & Roll」「I Finally Found My Way」「I'm an Animal」とか。大体がポール・スタンレー曲かしら。


※おまけ

投稿: 2015 01 07 03:01 午前 [KISS, 「私的ベスト10」] | 固定リンク

2005/11/25

11月24日、エリック・カーを偲んで。

 11月24日というと、まぁロックファン的にはフレディ・マーキュリーの命日ってことになるんでしょうね。でもね、忘れて欲しくない人がもうひとり、同じ年の同じ日(1991年11月24日)に亡くなっているんです。

 QUEENと同じくらいに大好きなバンド、KISSの二代目ドラマー、エリック・カーの命日。

 俺はリアルタイムでは初期メイク時代のKISSは通過してません。洋楽をマトモに聴き始めた時期には既にメイクを落として産業メタル路線(「LICK IT UP」以降)を突き進んでたし、そういう音がKISSの持ち味だとその頃は信じてたから。勿論、KISSが昔、ああいうメイクをしていたのは知ってたし、音楽雑誌なんか見れば、必ずあのメイク時代の写真にぶつかるしね。

 エリック・カーはピーター・クリスの後釜としてKISSに加入、実は加入後暫くはメイクしてたのね。メイク時代末期に加入したわけ。そしてエース・フレーリーも脱退し、ヴィニー・ヴィンセントがいよいよ正式加入した後に、メイクを取る‥‥音楽的にも時代に合わせたカラッとした産業臭タップリのハードロック/ヘヴィメタル路線へと移行してったのね。でも俺は、その時代のKISSも大好きなわけ。ポール・スタンレーの持ち味は元々ああいったメタメタしたHRにピッタリだし、ジーン・シモンズのダーク&ヘヴィさは行き着くところに行き着けば、必ずああいったメタル路線にぶつかるはずだし。それは時代云々じゃなくて必然だったのかもしれない(そして、後に再びメイクをすることも含めてね)。

 エリック・カー在籍時は、実はたった1度しか来日してないんですね。しかも、それすら10数年振りの来日公演(1998年春だったかな?)‥‥当時高校生だった俺は何故かチケットを取ることができず(当たり前だ、ずっと観たかっただろう俺より上の世代が頑張ったんだろうから)、後にBSで放送されたライヴ映像を観て‥‥それが最後に観た「エリック・カー在籍時のライヴ」かな。ライヴヴィデオは他にも出てるし、いろいろ怪しい映像も出回ってると思うので、興味がある人は是非一度観てみてください。



▼KISS「CRAZY NIGHTS」(amazon:日本盤US盤

 その3度目の来日公演は、'80年代メタルKISS史上最もポップな1987年のアルバム「CRAZY NIGHTS」を引っ提げてのものでした。俺、このアルバム大好きなんだよね。HEARTやオジー・オズボーン「THE ULTIMATE SIN」等を手掛けたロン・ネヴィソンがプロデュースした、如何にも産業ハードロック臭たっぷりな、メタメタしたハードロックアルバムで、曲も異常にポップなものが多い。タイトル曲である "Crazy, Crazy Nights" や "Turn On The Night"、FORIGNERを思わせるミディアムバラード "Reason To Live" といった素晴らしい曲もあるし、"No, No, No" みたいなハードな曲もちゃんと用意されてる。けどこれは確実に「ポール主体な1枚」だよねぇ。ま、'80年代半ばから暫くはポール主体だった気がするけど。いい作品集ですよマジで。



▼KISS「HOT IN THE SHADE」(amazon:日本盤US盤

 そしてエリック存命時ラストアルバムとなってしまった1989年のアルバム「HOT IN THE SHADE」。前作でのポップ路線に嫌気がさして(笑)反動でハードな路線を選んだらしいKISSなんですが、作品としてはちょっと散漫な面も目立つ1枚でして。個々の曲は良いんだよね。ドブロギターを用いたブルージーなイントロがカッコいいハードチューン "Rise To It"、ボニー・タイラーやエース・フレーリーまでカバーした "Hide Your Heart"、シングルカットしてもおかしくない出来の "Silver Spoon"、そして‥‥10数年振りにアメリカでのトップ10ヒットとなったバラード "Forever"(作曲にはかのマイケル・ボルトンも携わってます)等、いい曲多いんだけど、アルバムとして通して聴くと‥‥15曲もあるせいか、ちょっとキツく感じるんだよね。
 当時はエアロが「PUMP」で、モトリーが「DR.FEELGOOD」でそれぞれ大ヒットを飛ばしてた時期。またBON JOVIも前年に「NEW JERSEY」でヒット連発してたし、何よりも時代はGUNS N'ROSESの時代だったからね‥‥タフでハードな方向に移行したのは、やはりその辺の影響も大きいのかな。でも、曲自体はポップなメロを持ったものば多くて、まぁそこだけはこれまで通りのKISSなんだけどね。
 そうだ‥‥このアルバムにはね‥‥エリック・カーがKISSで唯一スタジオ録音でリードボーカルを取った "Little Caesar" が収録されてるんだよ‥‥数年前にリリースされたボックスセットではジーンが歌うデモバージョン(タイトルは "Ain't That Peculiar")も入ってたけどさ。ライヴじゃピーター・クリスがボーカルを取ってた曲("Black Diamond" 等)でリードボーカルを取ってたのね。決して名シンガーではなかったけど、味のあるいい声だと思ったんだけどね。一度ライヴで彼の歌を生で聴きたかったなぁ‥‥



▼ERIC CARR「ROCKOLOGY」(amazon:日本盤US盤

 エリックの死から8年後の1999年11月24日、盟友であったブルース・キューリック(KISSの'80年代半ばからメイク復活前まで在籍したギタリスト)が監修してリリースされた、エリック存命時のデモトラックを中心に収録した追悼盤。マニア向けだけど‥‥好きな人なら堪らないと思うよ。'80年代KISS用に書かれた曲なのか(クレジットにKISSの楽曲に携わるアダム・ミッシェルの名前もあるしね)、それともKISSとは別にソロアルバム(あるいはソロユニット?)を想定して制作されたデモなのか‥‥曲によっては歌すら乗ってない曲もあり、完成する前に病状が悪化して、そして‥‥

 
 さっきから、スピーカーからは懐かしい、それこそ高校時代によく聴いていた「'80年代の」KISSの名曲達が大音量で鳴ってる。ここ数年はどうしてもメイク時代‥‥'70年代の曲ばかりにスポットが当てられたけど、今こそブルース・キューリックやエリック・カーが在籍した時代のKISSを再評価してもいいんじゃないかな? 特に'80年代のハードロック、産業ハードロック、メロディアスハードロックが好きな人でこの辺のKISSをスルーしてたとしたら、それは人生かなり損してますよ。是非聴いてみてください。

 あとちょっとで日付が変わる。11月24日が終ろうとしてます。1年に1度だけ、この時代のKISSを聴くんじゃなしに、これからも頻繁にこの辺のアルバムを引っ張り出して、そしてこの頃のKISSを懐かしみたいと思います。ホントいいんだってば。

投稿: 2005 11 25 12:30 午前 [KISS, 「R.I.P.」] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2004/10/30

洋楽カレンダー事情

 さて。今年もあと2ヶ月ってことで、新年に向けていろいろ準備を始める人も多いんじゃないでしょうか。カレンダーもそのひとつですよね。わざわざ買う人もいれば、他所から貰ってきたもので済ます人もいる。人によってその重要度が全然違う一品ですが‥‥洋楽ファンにとってのカレンダーってどうなんでしょう? ビートルズくらい? いや、ブリトニー・スピアーズとかあの辺の女性シンガー系はあるんでしょうけど‥‥

 というわけで、海外制作の、日本からすれば「そんなアーティストのカレンダーなんかあるのかよ!?」みたいなものを幾つか紹介します。全部Amazonで買えるようになってますよー。



▼INCUBUS 2005 CALENDER(amazon



▼KISS : ROCK THE NATION 2005 CALENDER(amazon



▼OZZY 2005 CALENDER(amazon



▼PANTERA 2005 CALENDER(amazon


▼ROB ZOMBIE 2005 CALENDER(amazon



▼SLIPKNOT 2005 CALENDER(amazon



▼SYSTEM OF A DOWN 2005 CALENDER(amazon


 つーかSYSTEM OF A DOWNのカレンダーって需要あるのか!? オジーは判るけど。意外とMETALLICAとかあってもおかしくないんだけどさ、やっぱり版権問題かしら!?

 さて、貴方の心に響くカレンダーはあったでしょうか‥‥誰か俺用にSLAYERカレンダーとか作ってください(特に初期)。

投稿: 2004 10 30 02:56 午前 [Incubus, KISS, Ozzy Osbourne, Pantera, Rob Zombie, Slipknot, System of a Down] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/10/13

とみぃ洋楽100番勝負(55)

●第55回:「Detroit Rock City」 KISS ('76)

 AEROSMITH、QUEENときて、やはりこのバンドからの影響も強いわけですよ、俺的に。'70年代の、所謂「ミュージック・ライフ御三家」と呼ばれたバンドのひとつなわけですが、唯一マンガチックでバカバカしいまでのコミカルさ(メイクやファッション、そして各キャラクターの設定等)、そして特撮ばりの壮大さ(ステージでの花火や爆発、血糊、ドラムライザーが競り上がったりメンバーが空飛んだり等)‥‥恐らく幼少の頃にこんなバンドに出会ったら、間違いなく惚れてたと思うよ。残念ながらここ日本ではそういう機会はなかなか少なかったんだけど(だからこそ海外では根強い人気を未だに保ってるんだよね、あの頃ガキだった奴らが今大人になって金持って、追いかけてるわけだから)。

 既に俺が彼等を知った頃にはノーメイク時代の、普通にヘヴィメタリックな音楽をやってる時代でした。勿論それはそれでカッコ良かったし、純粋に良い楽曲、良いアルバムとして接してきたのね。けどバンドとしては決してハマる事はなかった。

 ところがね。高校に入って。「CRAZY NIGHTS」ってアルバムが出て。まぁこれがまたポップで親しみやすいハードロックだったわけですが、このアルバムを引っ提げて11年振りに来日するわけですよ、KISSが。残念ながら俺は行けなかったわけですが、その時の模様がNHK-BSで放送されて。それを近所のレコード屋の店頭でみせてもらったわけですよ。

‥‥メイクこそしてないものの、あれも間違いなくKISSだったわけで。そこでまたひとつ、俺の中で何かが弾けてね。

 友人の兄貴から、既に聴かないしカビ生えちゃってるよっていって貰った「DOUBLE PLATINUM」っていうベスト盤。それこそが真の意味での、俺の中でのKISS伝説のスタート地点なんですよ。

 KISSのみをコピーする究極のバンドもやったなぁ、高校の頃。最初に覚えたのがこの "Detroit Rock City"。俺はポール役だったから、勿論ギターも覚えなきゃいけなくて。エース役のもうひとりのギターは別のバンドでも一緒にやってる仲で。ふたりして「あのツインリードのパート、完璧にしような!」といって各自真剣に練習して。

 初のスタジオ練習で、いざ合わせますよ!って時に、ふたりともエースのパートを練習してきてしまったがために、結局ハモることはなくユニゾンで終わったという‥‥って俺が悪いのか。

 この曲を聴くと、ふとそんな高校時代の出来事をいつも思い出すよ。



▼KISS「DESTROYER」 (amazon

投稿: 2004 10 13 12:00 午前 [1976年の作品, KISS, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/05/04

KISS『ALIVE!』(1975)

もうね、何というか‥‥エンターテイメントを追求したロックンロールのひとつのあり方を、50歳過ぎてまで(!)限界ギリギリまで我々に提供し続けてくれているKISSをね、どこかバカにしながらも(だって解散ツアーと銘打って何年続けるんだよ!?って素直に思うじゃないのみんな)やはり尊敬の目で見つめてしまう別格。俺が保育園に通ってた頃からずっと現役なわけよ!? AEROSMITHにしろ、ROLLING STONESにしろ、そのやり方に違いこそあれど、30年以上に渡りロックンロールし続けているってのは、本当に凄いことだと思うわけです。

実際に観た人も多いかと思いますが、数日前(2004年5月2日)にNHKにて'77年の初来日時のライヴが放送されました。勿論これは当時放送された番組をそのまま放送したもので(古くなった映像や音声を多少修正したようですが)、初めて「全盛期のKISSライヴ」を観たっていう若い世代も多いかと思いますが、実は俺、これを観るのはもう何十回目、いや、何百回目なんですよね‥‥

高校の頃、修学旅行で行った京都で、友達がこの番組のブートビデオを買ったんですよ。そいつ、俺とKISSやAEROSMITHのコピーバンドをやってたもんで、それを帰宅してから一緒に観まくったものです。真似もしたよなー、うん。奴がエース・フレーリーのコピーを散々やって、俺は無理矢理(当時)殆ど弾けなかったギターを弾かされてねぇ、しかもポール・スタンレーのパートを散々ね。"Destroit Rock City" の、あのツインリードのパートとかも、間違ってエースのパートを覚えてきて怒られたりしてね。ノーメイク時代のビデオ('80年代前半)や'88年の武道館公演の某衛星放送のやつとか散々観てたはずなのに‥‥

でね、やっぱり衝撃でしたよ。演奏は確実に'80年代以降の方が技術的に上なのに、それをも上回る勢いと、神がかったオーラというか‥‥メイクをしてる/してないでここまで違うのかな‥‥いや、演奏スタイルも'70年代の方がもっとオーソドックスなハードロックというかシンプルなロックンロールだよな、'80年代以降の楽曲や良くも悪くもLAメタル以降だしな、とか、いろいろ考えたりして。

その後、上京してから西新宿のブート屋でこの放送の「完全版」と銘打たれたビデオを購入してね。放送されなかった曲を含めたライヴ当日の完全版だそうで、確かにカメラアングルも違うし変な字幕も入らないし。映像の荒さは仕方ないんだけど、やっぱり凄いな‥‥比べ物にならないくらいに。

KISSのライヴを初めて観たのはそれから数年後、'95年1月のノーメイク時代。どうかな‥‥と思ったんだけど、やっぱり面白かった。KISSはKISSのまま。'97年にはメイク&オリジナルメンバーでの来日で、ドーム公演だったもののやっぱり凄かったし、その後ももう1回観たのかな‥‥もはやポールとジーン・シモンズだけだろうが、全然問題なし。KISSが自分達の原点に立ち返って、何をすべきか、どうやってすべきかってのを理解した時点で、勝ち試合がこの先も続いて行くことは決まったようなもの。後は「老い」とどう向き合っていくか‥‥それだけでしょうね。

このライヴアルバム「ALIVE!」は先の初来日の2年前、'75年のライヴを完全収録した2枚組。初期3作からの選曲なので当然 "Detroit Rock City" も "Love Gun" も入ってないわけだけど、ここには「ポップでシンプルでヘヴィなロックンロール」を信条としたKISSの原点が詰まっていて、ビジュアル重視な彼らだけど「如何にロックンロール・バンドとして優れているか?」を伺い知るには恰好の教科書だと個人的には思ってます。

曲の良さは言うまでもなく、やはりライヴならではの迫力/圧倒感はスタジオ盤からは伝わってこないもの‥‥特に初期のKISSのスタジオ音源はスカスカなものが殆どですからね(その辺を補強するために、続くスタジオ作「DESTROYER」では名プロデューサー、ボブ・エズリンを迎えることになります)。圧巻なのはディスク2ですかね。エンディングの "Black Diamond" に向けて盛り上がる構成は、本当に凄いの一言。ロック好きでこれを聴いてないって人はモグリですよ!

KISSはアルバムも沢山出てるし、同時にベスト盤も数種出てる。だから「どれから聴いていいか判らない」って人が多いのも事実。だったらまず、このライヴアルバムから聴いてみては如何でしょうか? 知ってる曲は半分にも満たないかもしれないけど、ロックファンを自認するあなたなら、絶対に聴いて興奮するし、気に入るはずだから。騙されたと思って!



▼KISS『ALIVE!』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2004 05 04 04:12 午前 [1975年の作品, KISS] | 固定リンク

2001/11/24

KISS『REVENGE』(1992)

KISSというバンドは過去、何度かの転機を迎え、その度に新たな魅力を我々に提示してきた。そもそもがBEATLESのようなバンドを目指していた彼らがメイクを施した時点で、その最初の転機を迎えているのだ。その後も初のライヴアルバムだったり、メンバー4人同時ソロアルバムリリースだったり、エースやピーターの脱退だったり、そのメイクさえも落としてしまったり‥‥その度に彼らはそれを話題として用い、再び表舞台へと飛び出していったのだ。しかし、それらの転機の中には予め用意されていた作為的なものもあれば、本人達もが予期できなかった予想外の出来事もあった。そして、それがバンド史上にとって最悪な出来事だったことも‥‥

このスタジオ作品としては16作目に当たる「REVENGE」というアルバムは1992年5月にリリースされている。このアルバムから新たにドラマーとして、先頃のフェアウェルツアーにもピーターの代役として一緒に回ったエリック・シンガーが加わっている。アルバムは時代に呼応したかのようなヘヴィな作風で、新しい試み(ジーンがボーカルの曲からスタートしたり、10数年振りにポールとジーンの掛け合いがあったり、「DESTROYER」期のようなサイケな作風の曲があったり等)が幾つかみられる中、久し振りの全米アルバムチャートトップ10入り(6位)を果たした。

しかし、そうした大成功の裏には悲劇があったことを、最近のファンには意外と知られていないようだ。このアルバムは1991年11月24日に癌の為に亡くなった2代目ドラマー、エリック・カーに捧げられている。いわば追悼盤と呼べる1枚であり、或いは弔い合戦の1枚とも言えるのだ。

KISSは'80年代中盤から人気が下降傾向にあった。同時期に活躍したAEROSIMITHやCHEAP TRICK、ALICE COOPERといったアーティストがチャート上で再び成功を収め、新たなファンを獲得していく中、KISSだけが伸び悩んでいた。そして'90年代に入り、時代はよりハードコアなものを求めた。METALLICAやPANTERAの台頭、BLACK SABBATHに影響を受けたであろうシアトル勢の登場。ここでKISSは先のエアロやチートリには出来ないであろう手段を取る。そういったヘヴィな要素を取り入れ、これまでのきらびやかな要素‥‥所謂'80年代LA的要素を排除し、肉体性や暴力性を強調した音作りに移行していったのだ。勿論そこはKISSのこと、そうはいっても歌メロやコーラスはポップで親しみやすいものなのだが。所謂シアトル勢がBLACK SABBATHだけでなく、KISSやCHEP TRICKといったポップ勢にも影響を受けている事をご存じだろう。KISSはそういった事を全て逆手に取り、相手の領域に入り込んで自らの個性を際立たせたのだ。

KISSの新作が「REVENGE」というタイトルになるという話は、エリック・カーが亡くなる1年も前から噂に上っていたので、何もエリック・カーの弔いの為に付けられたタイトルという訳ではないのだが、やはり劇的な何かを感じずにはいられない。結局は『復讐』なんてタイトルは、当時の音楽シーンだったり、若手バンドに対してだったり、KISSを「時代遅れ」と笑った評論家やリスナーに対して向けたものだったのだ。そして最終的には『己』に向けた言葉でもあるのだ。

このアルバムを機にバンドは再び上昇気流に乗り、やはり10数年振りにライヴアルバム「ALIVE」の第3弾を発表したり、自らが制作に携わるトリビュート盤やらアンプラグド盤等、企画盤目白押し、更にはオリジナルメンバーでの再結成等々、話題を欠くことなく現在に至っている。しかし、その転機の大本となっているのが、低迷期をずっと支え続けたエリック・カーというドラマーによるものだったという事実、これだけは忘れないで欲しい。

早いもので、あれから10年経った。あの頃20歳だった自分も、気付けば30歳。これを機に、自分の気持ちにケリを付ける為にこのレビューを書いた。決して忘れるためにではなく、ずっと忘れない為に。



▼KISS『REVENGE』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2001 11 24 04:15 午前 [1992年の作品, KISS] | 固定リンク

2001/03/25

KISS THE FAREWELL TOUR JAPAN 2001@東京ドーム(2001年3月13日)

「フェアウェル・ツアー」と銘打ちながら、2年近くも続く営業ってのも珍しい‥‥こいつら、本気で引退もしくは解散する気があるんだろうか?(笑)見る前からこんな邪心でいっぱいだった、4年振りに同じ会場で観るKISS。通算4回目って事になるのかな? この「4回」っていう数字が本当に生涯記録になるのかどうか、現時点では判らない。だけど本当に「現ラインアップでの」終焉は近付いている。

本来昨年11月に予定されていたジャパンツアー。しかしチケット発売直前になって原因不明の延期。ピーター・クリスやエース・フレーリーとのギャラの折り合いがつかなかったとか、彼らがこれ以上のツアーをごねたとか、噂はさまざま。しかもそれぞれの噂全部に信憑性があったりするのが、またKISSらしい。だって実際にこの2月には最後の来日を待たずしてドラムのピーターが正式に脱退してるし。そう、オリジナルメンバーでのKISSは既に終わってしまっている。残されたスケジュール(日本とオーストラリア、その後アメリカ国内で数回あるとも噂されている)をこなす為に元メンバーに召集令状が届く。1月末には「KISS FESTA IN JAPAN」の為に来日していたエリック・シンガーが電撃復帰。しかもピーターの代役という事で、メイクや衣装まで用意されるとの事。一体KISSはどうなってしまうんだ!? オリジナルの4人でない事もあり、また直前にAC/DCを観てしまったが為に、彼らに対する期待は皆無に等しかった。だって今年に入ってからライヴ当日まで、1回もCD聴かなかったもんな、KISS。

8ヶ月振りの東京ドーム。やっぱりデカイ‥‥幸運な事に今回の席はアリーナA17ブロックの102番。ステージに向かってかなり右寄りで、目の前にあるのはステージではなく巨大なKISS人形だった‥‥(笑)しかし、最前ブロックの、しかも前から10列目前後なんていうのは生まれて初めてだ。そう、メンバーさえこっちまで来てくれればポール・スタンレーの胸毛だって拝む事ができる距離なのだ!

KISSのライヴでは既に恒例行事ともいれる客のコスプレも凄かった。俺の周辺だけでもエースが4人はいたから(笑)。斜め前にいる親子(父、母、娘、息子)は、親は平然な顔をしてまだ10歳にも満たないであろう子供2人にそれぞれポールとジーンのメイクをさせている。まさかこのまま電車に乗って来たんじゃ‥‥近所で評判なんだろうな(笑)。

なんてどうでもいいことを考えながら、BGMのAC/DC「HIGHWAY TO HELL」に身を委ねる。確か昨年7月のBON JOVIの時もこれだったよな‥‥ドームでのお約束なのか、それともPAスタッフが前回と一緒なのか‥‥まぁいいや。2/19の興奮再びって感じで(おいおい、KISSはどうすんだよ!?)。そうこうしてる内に開演時間の19時に。音が一気にデカくなる。しかもドーム特有の「かろうじで歌聴いて曲名が判る」程の劣悪な爆音。つうか、こんな爆音ライヴ、随分久し振りだな? AC/DCもデカかったけど、ちゃんと聴き取れるデカさだったのに、この日は特別。音圧凄かった。BGMがTHE WHOやらMONTROSEに変わり、暫くして会場暗転。地響きのような歓声。さすが5万人!(笑)そしてお約束のMCが‥‥

"You want the best, and you've got the best!
Please welcome, the hardest band in the world.....KISS!!!"

雷みたいなSEを切り裂くように、聴き覚えのあるギターフレーズが‥‥"Detroit Rock City"! お約束のようなスタートだ。しかも前回同様、天井のゴンドラからメンバー登場。ポールが、ジーンが、エースがゴンドラから降りてきて、お約束ともいえるアクションの連続。俺の位置からはドラムはスクリーンでしか確認できなかったが、エリック・シンガーは自前の金髪を黒髪に染め、例のネコメイク、衣装もピーターのそれとほぼ同じようだった。見た目だけならまだしも、なんとドラムを叩く仕草やちょっとした動き(首をビートに合わせてカクカク振る動き)もピーターをコピーしていた(笑)。いやはや、ここまでやれば皆満足だろう。下手なトリビュートバンドのそれよりも、よっぼどマシっつうか‥‥プロですね、やっぱり。正直な話、俺はエリック・シンガーのプレイって好みとは程遠いのだけど‥‥今回のピーター代役を観て、何故彼が多くの大物ミュージシャンから声をかけられるか(ブライアン・メイやゲイリー・ムーアー等)が痛いほど理解出来た。メチャ上手ですわ、この人。

さて、曲がスタートしたのだけど‥‥あのね、マジで特筆すべき事、なし。だってさ、みんなの思い描くKISSを完璧に演じてくれ、みんなが観たかったアトラクションを全部やってのけたんだもの。例を挙げれば、2曲目"Deuce"エンディングでのフロント3人の決めアクション。"Firehouse"でのジーンの火吹き(これまでで一番高い炎だったんじゃないの?)、"Shock Me"後のエースのギターソロにおける、煙を噴き最後には空の彼方へ飛んでいってしまうレスポール、"God Of Thunder"でのジーンの血糊&天井プレイ、"Black Diamond"ラストでのドラムセットのせり上がり、そして最後の"Rock And Roll All Nite"での花火&火薬大爆発、等々。とにかく、これまでも彼らは武道館なり東京ドームなりで、消防法に引っかからないギリギリの線でアメリカに近い形でのショウを見せてくれたが、今回はかなり頑張ってくれたんじゃないか? 途中、"Do You Love Me"の最中にスクリーンにこれまでのライヴの模様を収めたフィルムが流され、そこで昨今の欧米でのライヴ模様が流れたが‥‥やっぱり向こうは野外だもんな、打ち上げ花火バンバンだしさ‥‥いや、これ以上を望むのは酷か!? とにかく、ここ日本での規制を考えた場合、ある意味ではその規制をブチ破っていたであろう今回のライヴ。もう最初から最後まで笑いっぱなしだった。ホント、童心に戻っちまったっていうの?

で、今回は更に新しいアトラクションが追加されていて、それは"Love Gun"演奏直前に起こった。ポールがステージの高い位置から輪っかのようなものに足を掛け、ロープで吊られたその輪っかに乗ってアリーナ中央近くにある小さいサブステージまで飛んでいくという、まさに「ピーターパンかよっ!」((C)さま~ず・三村)と突っ込んでくれと言わんばかりの‥‥ってさ、これ。既に15年前にかのBON JOVIがやっちゃってるんですけどね?(苦笑)まぁいいか、面白いから。

さて、こうやってアトラクション尽くめのドーム公演だったが、気になった点がなかった訳ではない。まず、曲間のインターバルが必要以上に長かった事。しかもポール、アメリカ同様に英語でのMCで喋りまくり、煽りまくり。間髪入れずに2曲、3曲ってわけにはいかないのね、歳だし、段取りがあるし。

で、その年齢を感じさせるってのに関係して。ポールの声が途中からかなり辛かった。特に9曲目"Heaven's On Fire"。曲に入る前に、例の「ウォウ~ウォウ~ウォオ~~♪」っていう、あの雄叫びを調子に乗って3回も4回もやるもんだから、本編の歌ではサビ、全く声が出てなくて主旋律が聞こえず、ハモリのコーラスパートだけが空しく響いていた。その後間がちょっと開いたし、ギターソロもあったので休めたのか、少し回復。でもやっぱり最後の方は厳しいかな?って思う瞬間が何度かあった。それでもプロとしての意地なのか、アンコール前の"I Still Love You"エレキ弾き語りには鬼気迫るものを感じたし、"I Was Made For Lovin' You"では本来裏声のパートを地声のハイトーンで唄いのけるし。いやはや、恐れ入りました。

結局終わってみれば、2時間半にも及ぶ、まさに究極のショウを我々は目の当たりにしたのだった。って前回('97年1月)も同じような曲数だったにも関わらず、あの時は1時間半で終わったんだよな‥‥ピーターがドラムだったからか?(走るしね、あの人のリズム/笑)いや、違う。やっぱりMCが必要以上に長かったんだよ。そう考えてみると、前回よりもポールやジーンの行動範囲が明らかに狭まっていたし(ラスト近くはアリーナの端から端まで移動してたけど)‥‥でもね、そんな中、ひとりだけ前回よりも生き生きしていた奴がいた。その名は、エース・フレーリー! 君は確か、前回の来日では高熱にうなされて、ただでさえヘロヘロなプレイに更に輪がかかってたっけね?(苦笑)そんな彼氏、今回は切れが良かった! 何かさ、異様にやる気みたいなものを感じたんだよね‥‥まさか「俺までクビになってたまるか!?」的な勢いなわけ、あれは!? 何にせよ、往年の輝きには程遠いものの、それでもファンが納得するエースが観れたって意味では、俺は大満足して岐路に着いたよ。

こうやって終わったKISSの、正真正銘ラストライヴ・イン・ジャパン。湿っぽさはこれっぽっちもなし。水道橋駅までの帰り道、みんな笑顔なんだもの。やっぱりみんな知ってるんだ。「とか何とかいいながら、来年はメイクなしKISSでラストツアーするんでしょ?」って事を‥‥(笑)まぁそれは冗談として、ここまで悲壮感ゼロなラストツアー、RAMONES以来だね。究極のエンターテイメントバンドの最後にふさわしいショウだったと、今思い返しても納得のいく素晴らしい最後だった。


KISS @ TOKYO DOME. 3/13/2001
01. Detroit Rock City
02. Deuce
03. Shout It Out Loud
04. Talk To Me
05. I Love It Loud
06. Firehouse
07. Do You Love Me
08. Calling Dr.Love
09. Heaven's On Fire
10. Let Me Go Rock And Roll
11. Shock Me ~ Ace's Guitar Solo
12. Psycho Circus
13. Lick It Up
14. Gene's Bass Solo ~ God Of Thunder ~ Eric's Drum Solo
15.Cold Gin
16. 100,000 Years
17. Love Gun
18. I Still Love You
19. Black Diamond
 [Encore-1]
20. I Was Made For Lovin' You
 [Encore-2]
21. Rock And Roll All Nite



▼KISS『YOU WANTED THE BEST, YOU GOT THE BEST!!』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2001 03 25 04:35 午前 [2001年のライブ, KISS] | 固定リンク

1999/07/10

KISS『PSYCHO CIRCUS』(1998)

オリジナルメンバーに戻り、96~97年にツアーをした後にいよいよ制作されたのが、この「PSYCHO CIRCUS」って訳です。メンバーはポール、ジーン、エース、ピーターの最強の布陣。演奏力ではブルース&エリックに劣る訳ですが、このアルバムでは彼等が実際にプレイしていないのでは?なんて囁かれた程、マトモな演奏を聴かせてくれます。(笑)ちなみにチャート上での成績ですが、それだけ多くの人間が期待していたって事でしょうか、過去最高の全米第3位を記録しています。面白い事にこの時期、MARILYN MANSONが「MECHANICAL ANIMALS」をやはり全米1位に送り込んでいるんですよ。奇遇といえば奇遇ですが、何か勝手に運命めいたものを感じています。(笑)

プロデューサーは先頃お亡くなりになった名プロデューサー、ブルース・フェアバーン。(BON JOVI「SLIPPERY WHEN WET」「NEW JERSEY」、AEROSMITH「PERMANENT VACATION」「PUMP」「GET A GRIP」、AC/DC「THE RAZORS EDGE」、POISON「FLESH & BLOOD」など)本来、彼等は「REVENGE」同様、ボブ・エズリンとの仕事を望んだが、多忙の為(恐らくKULA SHAKERとの仕事が入った為でしょう)彼が代わりに推薦したのがブルースだった。この時点で新作が「ハイ・クオリティーでポップなアルバムになるのでは‥‥」という微かな期待が湧くのだけど‥‥しかもボブは作曲には参加するというから、尚更「も、もしや最高傑作になるのでは‥‥!?」って、そりゃ嫌が応でも盛り上がるちゅうねん♪(笑)そう、既に「CARNIVAL OF SOULS」リリースの時点で。(爆)

その「PSYCHO CIRCUS」、リリース前の噂では『「DESTROYER(邦題/地獄の軍団)」や「LOVE GUN」のような作風になる』というのがあったと思うんですが(いや、『「LOVE GUN」のようなサウンド・プロダクションで「DESTROYER」のようなバラエティーに富んだ作品を作る』だったかな?)いざ出来上がった作品は‥‥いい意味で『過去の集大成的作品』でした。そう、70年代の彼等だけでなく、80年代のメタル時代も90年代のハードコア時代をも包括した、集大成だったのです。何故そんな作品群をこのメンバーでやったのか?そこがこの「PSYCHO CIRCUS」のキーポイントとなるような気がします。

KISSにはヒット曲が沢山あります。それこそアルバム1枚に収まらない程に。初期の集大成ともいえる「DOUBLE PLATINUM」(最初に聴くならここからが手っ取り早い!)以降にも "I Was Made For Lovin' You" といったトップ10ヒット、80年代にも "I Love It Loud", "Lick It Up", "Heaven's On Fire", "Tears Are Falling", "Crazy, Crazy Night", "Forever"といった名曲が目白押しだし、90年代の「REVENGE」アルバムにもポップでハードな名曲が沢山あります。が、残念ながら96~97年のリユニオンツアーではこれらの楽曲は演奏される事もなく、ひたすら「ALIVE」~「ALIVE 2」をイメージさせる『メイク時代の』オンパレードでした。辛うじて "I Was Made For Lovin' You" が披露される日があったり、それ以外だとエースのソロアルバムからの大ヒット曲 "New York Groove" が毎回演奏されるくらいでした。確かにこれでも往年のファンやまだ彼等を知らなかった初心者でも楽しめることでしょう。が、あくまで彼等を今まで支えてきたのは、僕ら20代半ばの中堅ファンなのですよ! 80年代のノーメイク時代、L.A.メタルブームに便乗してメタル路線に鞍替えしても、健気に着いていき、レコードを買い、来日を懇願したのはこの僕らの世代なんですよ! そういう意味で初めて観た1995年1月のライヴは新旧オンパレードで、例えジーンがインフルエンザで声が出なくても僕は非常に楽しんだものです。そう、例え2日間同じ内容でも。(笑)そういう『80年代以降のKISSアーミー』達に上手く答えたアルバム、それが「PSYCHO CIRCUS」なのです。

もうひとつ、その時代の名曲達をこのラインアップで今後演奏する機会がなくなった今、もっともがっかりしているのは何を隠そう、当の本人(この場合、ポールとジーンね)なのかもしれません。演奏したい、でもイメージを大切にしなくてはいけない(「あくまで70年代にこだわる」「メイクして80~90年代の演奏をしてはいけない」というイメージ)、だけど沢山の名曲が可哀想、けれどエースやピーターが演奏するには高度な技術を要する演奏が殆どだし‥‥こうしたジレンマの中、出来上がった楽曲郡はとても『「DESTROYER」や「LOVE GUN」のような作風』のアルバムではありませんでした。辛うじて、楽曲のバリエーションが「DESTROYER」的とも言えなくはないですが‥‥1曲目の "Psycho Circus" から全開で80年代の作風だし。(笑)続くジーン作曲の "Within" なんて「CARNIVAL OF SOULS」用に書いた曲だって言われても不思議じゃないし、エースの唄う "Into The Void" は「LOVE GUN」に入ってても何ら違和感はないし、ピーターのソロ "I Finally Found My Way" なんて名曲 "Beth" の焼き直しだし、ポールがこれを唄えば絶対に80年代風になるはずだし‥‥つまり彼等(ポールとジーン)は新曲に80~90年代の作風を生かし、敢えて70年代にこだわらずに『集大成的な作品』に仕上げた訳です。その為にはソングライターとしてボブ・エズリンの力を借り、プロデューサーにはこの手のロックをやらせたら右に出る者はいないっていうブルース・フェアバーンを迎え入れた訳です。実際、昨年末から始まった最新ツアーでは上に挙げた楽曲が演奏されているみたいだし。現在のエースやピーターの年齢/演奏力を考えた場合(ポールやジーンのように20年以上最前線にいた人とは明らかに違う)こうする事が最善策だったのです。まぁこれは僕の想像でしかありませんが。

ジーンは「PSYCHO CIRCUS」の制作にあたり、「この顔ぶれでアルバムを作るとなれば、それはKISS史上最高のものにしなければならない」というコメントを残しています。『KISS史上最高のもの』つまりそれは、『KISSのエキスを凝縮した集大成的作品』ということだったのでしょうか? さて、比較ということになると非常に難しいです‥‥だって「PSYCHO CIRCUS」は最初から最後まで全力で作られたアルバムだったけど、少なくとも「CARNIVAL OF SOULS」は途中でさじを投げられた作品なわけですからねぇ?

ただ、これだけは言えます。まずメンバーが変われば作風も変わる。次に時代背景。僕は以前、某雑誌にKISSで投稿したことがあるのですが(もちろんボツ。その原稿が残ってたら、そのうちにアップしますね?/笑)そこで彼等を『時代と添い寝する男達』と表現しました。つまり、変わり身が早い、嗅覚が冴えている(年齢の割に/笑)、商売上手だと。90年代前半は明らかに『TOO MUCHな音楽』が受けた時代です。ある意味彼等のような歴史のあるバンドがこういう事をするにはリスクがありすぎます。それでもやるのがKISS。そこに商売の臭いがプンプンしようが「しょうがねぇなぁ~」となってしまうのが、このオヤジ達。(笑)常に時代に追いつこうとする彼等が、メイクアップすることでとうとう時代に追いついてしまったのです。そう、幸か不幸か。(笑)こうなった以上、今までのイメージは捨てなければ(封印しなければ)ならない、その為には既に完成しているアルバムだって犠牲にする、今売れるのはあくまで『70年代風』なのだから。でも、元は取らなきゃね?って事で波が引きつつある時点で「CARNIVAL OF SOULS」発表。ファンの度胆を抜く。と同時に「今のメンバーでも新作作るよ!」とさり気なくアピール。(笑)で、完成した作品は過去の集大成的作品を今のメンバーでやるというあざとさ。素晴らしい、計算され尽くされている。

そう、これって今に始まった事じゃないです。彼等は70年代からこういう計算尽くの戦略を立ててきた『前科者』なんですから。(笑)4人同時にソロアルバムリリースとか、メイクを取るような予感を臭わせるアルバムタイトルや、実際にメイクを取ってしまったりとか‥‥確かにエリック・カー(ピーター脱退後加入した2代目ドラマー。癌の為に91年11月24日亡くなる。その後任がエリック・シンガー)を失うというアクシデントはあったものの、常に彼等は時代を読んで戦略を立ててきたバンドなんだということは、20年以上も前から何ら変わっていないのです! 最初に述べた「いつになってもKISSはKISSのまま」とは、こういう事なのです。そして、未だに快く騙され続ける僕達‥‥「しょ~がねぇなぁ~」と口にしながらも、心の底ではワクワクして仕方ない、そういうバンドなんですよ、KISSって。いくら僕らが歳を重ねようが、童心を忘れさせない。きっと今の若い音楽ファンには「子供騙し」としか見えないでしょうが、ロックって本来そういうものでしょ!?(笑)あら、最後はおいらが開き直っちゃったよ、オイ。



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投稿: 1999 07 10 04:25 午前 [1998年の作品, KISS] | 固定リンク

KISS『CARNIVAL OF SOULS』(1997)

メイクアップ時代に戻る前の遺産ともいえる(?)「グランジ/ハードコア路線」の究極の形ともとれる「CARNIVAL OF SOULS」。このアルバムでのメンバーは92年からのメンバーで、ポール・スタンレー(Gt & Vo)、ジーン・シモンズ(Ba & Vo)、84年より加入のブルース・キューリック(Gt & Vo)、92年加入のエリック・シンガー(Dr & Vo)という、92年作のアルバム「REVENGE」からおなじみの布陣。

実はこのアルバム、95年には完成していました。既にこの時点で92年5月の「REVENGE」から3年。このアルバムが久々の全米トップ10入りしたお陰でツアーも大成功、その音源を集めた久々のライヴアルバム「ALIVE 3」も全米第6位と大成功。時代の流れに再び乗った彼等の今後は安泰かと思われました。が、従来のファン(70年代のメイク/ポップロック時代を愛する者、80年代のアホ・バカ/メタル路線を愛する者両方)からは不満/不安の声が聞こえてきたのもこの頃でした。そして、恒例のごとく『オリジナルメンバーでのKISS、メイクアップKISSを再び』という話が再び浮上し、昔からの噂が段々と真実味を帯びていく幾つかの事件が‥‥そう、御存知の「MTV UNPLUGGED」におけるエース・フレーリー(メイク時代のGt & Vo)、ピーター・クリス(同じくDr & Vo)との共演。これが何を意味するのか‥‥再び噂が過熱し、ネット上では「96年に大々的に再結成!」なんて噂が飛び交いました。この頃、会社からネットをしていた僕が心ときめかせたのは言うまでもありません。(笑)ちなみに僕が最初に生KISSを体験したのは比較的遅く、95年1月の4度目の来日@武道館×2でした。考えてみればその前って88年4月だし、この時は確か高校の行事と重なって行けなかったと記憶してます。で、その前は78年だし。(爆)まぁ順当といえば順当だけどね。

さて、つうわけで結局96年春にオリジナルメンバー&メイクアップ時代に戻り、大々的なワールドツアーを行う事を記者会見にて発表した彼等。(つうかオリジナルの4人)この時点で既に録音済みのこのアルバムは発売延期になりました。「いずれ何らかの形で発表する」(ジーン・談)とのことでしたが、それがアルバムとしてなのか、ボックスセットの中のボーナストラックとしてなのかは、その時点(少なくとも97年1月の来日時まで)では公言していませんでした。そして97年秋、いよいろオリジナルメンバーでスタジオ入りした事を発表した時点で、妙なタイミングでこの「CARNIVAL OF SOULS」は発表される訳です。既にブルース、エリック両者はバンドを脱退(実際は強制的だったらしい)した後の事でした。オリジナルKISS熱のお陰か、このアルバムはそれなりの成功を得る事が出来ました。(全米第21位)そう、巷の評価とは逆に‥‥

軽い前振りはこの辺にして、内容について。それにしても中途半端な作品なんですよ、これ。アルバムには必要最低限のクレジットしか載ってないし、国内盤以外には歌詞カードすら付いてない。近年の作品と比べても「やっつけ仕事」的なのが見え見えっつうか。ジャケット写真もこれじゃぁ、ねぇ?KISSらしくねぇよなぁ?これより彼等らしいブートレッグ(海賊盤)、沢山あるぜ!?そうそう、このアルバム、97年秋の正式リリースの1年以上も前から既にブートが出回ってました。(爆)僕もその音源を持っていますが、収録曲/曲順共に大した変わりなし。(笑)この点でも彼等の「やっつけ仕事」振りが伺えます!?

プロデューサーという記述はなく、コ・プロデューサーとしてポール&ジーンの他にトビー・ライトっつう人物が兼エンジニアとしてクレジットされてます。この人、90年代前半のヘヴィロック/グランジの作品の多くを手掛けている有名プロデューサー/エンジニアで、ALICE IN CHAINS「JAR OF FLIES」以降の作品、SLAYER「DIVINE INTERVENTION」などを手掛けています。とっても生々しいミックスをする事で定評がある方です。このアルバムも他に漏れず、そういう音の作品になっています。が、悪く言えば「スタジオ・デモ並みの音質」とも表現できるあたりが紙一重というか‥‥ミックスさえしっかりしてれば、と思うんですがねぇ?そういえば、この 「CARNIVAL OF SOULS」って端っからプロデューサー選びで揉めた作品なんですよ。本来、彼等はマイケル・ベインホーン(R.H.C.P.「MOTHER'S MILK」、SOUNDGARDEN「SUPERUNKNOWN」、HOLEやMARILYN MANSONの最新作で有名)にこのアルバムをプロデュースして欲しかったそうで、彼の手が空くまで2年近く待ったそうです。が、何故彼が手掛けなかったのか、非常に気になるところです‥‥案外、KISSの方が痺れを切らしたのかも知れません。ベインホーンが手掛けていたら、もっとヘヴィーで音の太い作品になっていたことでしょう。それはそれで聴いてみたい♪

では、曲について‥‥俺に何を言えってか!?(苦笑)オリジナル作品としては5年半待ったのに、出来上がったのがこれだったら‥‥ファンは怒るわなぁ、普通。まぁ僕の場合はブートを先に聴いていたので免疫は出来てたけど。それでもやっぱり実際に正式リリースされたとなると、気持ち的にもちょっと違う。最初通して聴いた時、非常にがっかりした事をよ~く覚えています。既にメイクKISSとして前進し始めているのにもかかわらず、『THE FINAL SESSION』と銘打って「過去の遺産」(それすらも謎だが)で食いつぶす姿勢が気に入らん。って、考えてみりゃあ90年代の彼等はこれの繰り返しだったから、今に始まった事じゃないんだけど。(爆)とにかくねぇ‥‥暗い。ヘヴィーか?と問われれば‥‥確かに過去の彼等の作品中最もヘヴィーだけど、歌メロがしっかりしてる為に中途半端にヘヴィー。その中途半端さがKISSらしいんだけど。「ある意味KISSらしいんだけど、実は最もKISSらしくない作品」という意味では、超迷盤(笑)「THE ELDER(邦題/魔界大決戦)」や一番中途半端な時期に作られた「UNMASKED(邦題/仮面の正体)」の次くらいに嫌いな作品でした。

リリース当時、多分3回くらしか聴いてなかったこのアルバム、実は昨年末あたりから結構聴いてる。理由は勿論、次のアルバムを聴いた事が切っ掛けなのですが‥‥(以下、「PSYCHO CIRCUS」に続く)



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投稿: 1999 07 10 04:19 午前 [1997年の作品, KISS] | 固定リンク