カテゴリー「Kraftwerk」の4件の記事

2004年3月 1日 (月)

KRAFTWERK@Zepp Tokyo(2004年2月28日)

  1年2ヶ月振りの来日。まさかこんな短期間にKRAFTWERKを2度も観れるとは思ってもみなかったし、何よりも17年振りにオリジナルアルバム「TOUR DE FRANCE SOUNDTRACKS」が'03年にリリースされるなんてね‥‥いろんな意味で驚きの日々なわけですが。

  そんなわけでエレグラでの来日以降、完全にハマってしまったわけでして。今回の来日公演も決まった瞬間に行くの決めてた程ですから。で、わざわざお台場くんだりまで行って来たわけでございます。

  ほぼ定刻通りにスタート。開演時間5分前に暗転し、怪しいエレクトロニクス音からなるSEが延々流れていたわけですが(これも演出のひとつっぽい)、とにかくスタートするまでステージは幕で仕切られ、全く見えない状態。かろうじて天井にプロジェクターが3基あるのが見える程度。間違いなく映像を駆使したステージになるだろうことは判っていたんですが‥‥

  まず1曲目は "The Man Machine" でした。幕が左右に引くと、ステージ上にはエレグラの時と同じ、ノートPCとシンセを置いたテーブル4台、そしてその後ろに経つ初老(‥‥いや、かなり厳しい年齢)のオヤジ4人の姿が。全身黒のスーツに、赤いYシャツに黒ネクタイ。この曲が収録されたアルバム「THE MAN MACHINE」のジャケット同様の衣装なわけですよ。カッコいいったらありゃしない。ステージ後方には、壁一面を使ったスクリーン。とにかくド派手な印象。演奏(アレンジ)や映像はエレグラの時とほぼ一緒なはずなんですが、会場が小さくて音が聴きやすい分、今回の方が断然良い気が。この日演奏された往年のナンバーは、ぶっちゃけ全部エレグラの時と同じなわけですよ。スクリーンの映像にしろ、アレンジにしろ。しかし、ただそれだけじゃないのね。ま、どこが「そのままじゃない」のかは後々語るとして‥‥

  2曲目には前回演奏されなかった "Expo 2000"。アナログ的イメージが強かった1曲目の映像から、ちょっと頑張ったCGに成長‥‥といった印象。けど音的には完全に21世紀の音(KRAFTWERKにしては、って意味で)。とにかくガシガシ踊るには気持ち良すぎるサウンド。気持ちよく踊りたいんだけど‥‥この日の客層、ほぼ大半が俺より年齢上の方々。みんな「地蔵」になってるのな。リズムくらい取れよ!?とか思うんだけど‥‥ジェネレーションギャップ? 最近のテクノやクラブ慣れしてる若い子達はリズムに身を委ねて気持ち良く踊ってるんだけどなぁ‥‥この温度差の違いは最後まで埋まらなかった気が。ま、楽しみ方は人それぞれだから別にいいんだけどさ‥‥

  3曲目からいよいよ新作ゾーンへ突入。大作 "Tour de France 2003" と、同じく "Vitamin"、そしてオリジナル "Tour de France" の3連発。"Tour de France 2003" は普通に気持ちいいし、"Vitamin" は映像含めて良かったと思います。そして乗り物繋がりで車のクラクションの音が‥‥というわけで "Autobahn"。やはりこの辺の曲には大歓声。新曲へのリアクションは若い子の方が良かったかも(踊りやすいってことなのかな?ま、テクノとして単純にカッコいいしね)。逆に往年のナンバーへの反応は年配の方々が尋常じゃないリアクションでして。俺個人は、どっちも好きだし、とにかく気持ちよければいいので両方に同じようなリアクションでした。そして歌モノなエレポップ2連発。"The Model" と "Neon Lights"。この辺は比較的オリジナルに忠実なアレンジだったこともあって、かなり'80年代初頭的な空気(ニューウェイビーなエレポップ)を堪能しました。軽めの曲が続いた後に、曲調/メーマ共にかなりヘヴィなナンバー "Radioactivity"。前半部がオリジナルに忠実なリズムで、後半から4つ打ちテンポアップ。最強にカッコ良かった。そして最後はお馴染み "Trans Europe Express"。この辺は前回と同じ終わり方でしたね。曲終わりと共に幕が戻って来て、再びステージを覆うわけです。で、アンコールを求める拍手。

  そうそう。今回初めてKRAFTWERKの単独公演を観て思ったのは、演奏中の客のリアクションね。すっげー静かなのな。例えばダンス系だと客が興奮すると奇声を発したりとかあるはずなのに、とにかく静か。手拍子とか始まっても、すぐに消え失せる。踊ってる人は気持ち良く踊ってるんだけど、殆どの人(年配組)はジーッとステージを見つめるのみ。勿論、そうじゃない人も沢山いたとは思うんですが‥‥身動きひとつしない人達、目立ち過ぎ! 一節には隠し録りしてるという噂ですが‥‥マニアックなバンドには、同じようにマニアックなファンが付く、と。成る程ね。

  アンコールが始まると、再び幕が開くわけですが‥‥メンバーの衣装に異変が‥‥黒ネクタイ、赤く点滅してる‥‥上から下へと赤い光が流れていく‥‥ネクタイにLEDが埋め込んであるのか‥‥ハァー、バカだ、バカだこいつら! 面白過ぎだよ、オッサン達!!

  曲はここからは前回のエレグラの最初と同じような構成。"Numbers" ~ "Computer World" という流れも、映像も全く同じだし、そこから "It's More Fun To Compute" に行って(途中、"Home Computer" も挿入されてた?)、"Pocket Calculator" ~ "Dentaku" という構成も全く同じ。ただ、今回は "Dentaku" の時に大合唱が起きたのが大きな違いかな。もうね、爆笑モノでしたよ。あのカタコトの日本語歌詞をドイツ人と一緒に合唱するわけですから。シュールっていやぁシュールかもね。

  ここでアンコール1回目は終了。まだまだやる気みたい。つうかアンコール1回目は「COMPUTER WORLD」ゾーンといった構成。これはこれで面白いけど。

  アンコール2回目の時、まずは幕の後ろのシルエットが映るんですが‥‥既にここで大爆笑。あの「ロボット」のシルエットが‥‥!! つうわけで、アンコール2回目は名曲 "The Robots"。ステージ上にはメンバー4人の代わりに、メンバーの顔をしたお馴染みのロボットが4体! 微妙、微妙だよ‥‥けどここまでやってくれるのはさすがというべきか。エレグラの時はさすがにここまでやらなかったもんね。結局アンコール2回目はこの曲のみ。当たり前か、ロボットがはけなきゃ4人はステージ上に戻れないもんね。

  で、大盤振る舞いのアンコール3回目。幕が開いた瞬間に爆笑の嵐! メンバー全員黒タイツの上に蛍光緑色の縞模様が入った「ワイヤースーツ」みたいなのを着てるのよ! 往年の名作映画「トロン」みたいだ(って例えが古いか)。エンターテイメントに徹し過ぎだよ、オッサン達! 曲は新作から "Elektro Kardiogramm" と "Aero Dynamik" の2連発。特に "Aero Dynamik" のカッコ良さは半端じゃなかったよ。これが次のシングルに選ばれたの、判るよ。で、第三弾があるなら "Vitamin" 辺りかな、と。アンコールの第一部と二部が「お約束としての演目」だとしたら、この部は「今現在を表現する演目」って感じ。実際、客の反応薄かったんだよな‥‥若い子は黙々と踊ってたっぽいけど。で、一番最後は前回と同じ "Music Non Stop"。メンバーがひとりずつステージから去って行くという構成も全く一緒。ただ、前回気づかなかっただけかもしれないけど去り際に各メンバー、ソロをかましてから帰るのね。この構成もひたすらカッコ良過ぎ。ま、その姿は失笑ものなわけなんですが‥‥

  ライヴがスタートしたのが17時。そして全ての演目が終了したのが19時15分を回った頃。全17曲(正確には20曲くらいやってるんだけど)、2時間15分に及ぶ徹底されたエンターテイメント・ショー。楽しくないわけがない。これはもうあれだね、往年のKISSと同じレベルだね。過去に彼らがやってきたネタを全て出し尽くすという。全部詰め込んでたもん、2時間15分の間に。

  けどさ‥‥だからこそ感じるんだけど‥‥そこまでやってしまうと、この先がね‥‥KISS同様、これまでの活動の総まとめみたいな内容だっただけに(選曲含めて)、今後の活動がね‥‥年齢的にもこれが最後なのかな、と。もしそうだとしても誰も責められないんだけど‥‥せめて作品作りだけは続けて欲しいなぁとは思うんですが。まぁこんなに大掛かりなワールドツアーはこれが最後かもしれないね。5月にはRADIOHEADやTHE CUREといった辺りとアメリカのコーチェラ・フェスにも出演するようですし、区切りをつけるにはいい機会なのかな、と。

  なんて書いてみたけど、やっぱりもう一回観たいと素直に思うわけでして。あれなら何度でも観たいと思うし、正直7,500円は安かったと思うよ(最初は「高いなぁー、やっぱり外タレは高いよ!」とかブツブツ文句言ってたんですが)。もう二度と観れないかもしれないしね(と、前回のエレグラの後もそう思ってたんだっけ)。気が早いですが、既に2004年のベストライヴの1本に決定!


[SETLIST]
01. The Man Machine
02. Expo 2000
03. Tour de France 2003
04. Vitamin
05. Tour de France
06. Autobahn
07. The Model
08. Neon Lights
09. Sellafield ~ Radioactivity
10. Trans Europe Express
---encore-1---
11. Numbers ~ Computer World
12. It's More Fun To Compute
13. Pocket Calculator ~ Dentaku
---encore-2---
14. The Robots
---encore-3---
15. Elektro Kardiogramm
16. Aero Dynamik
17. Music Non Stop



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KRAFTWERK『TOUR DE FRANCE SOUNDTRACKS』(2003)

オリジナルアルバムでいう前作「ELECTRIC CAFE」がリリースされたのが1986年。当時、中学生だった俺は「CGを駆使したPVが面白かったから」といった理由でこのアルバムをレンタルしました(LPの時代にね!)。これが俺とKRAFTWERKとの出会い。あれから17年以上もの月日が経ち、その間にリリースされたKRAFTWERKの新譜は‥‥ゼロ‥‥あ、いや、'91年に「THE MIX」っていうセルフ・リミックス集が出たっけ‥‥あの時でさえ俺、ハタチだもんなぁ‥‥十代に1枚、二十代に1枚、そして三十代になって1枚。次に彼らのアルバムが聴けるのは、あと7~8年経ってからとか? そんな皮肉さえも言いたくなってきますが、ま、こうやって久し振りのオリジナルアルバムも聴けて、更に来日公演も観れたんだから、良しとしましょうよ。

というわけで、正に前作から17年振り(!!)、通算10作目(「THE MIX」を含めても11作目)となるアルバム「TOUR DE FRANCE SOUNDTRACKS」。その名の通り、'83年にリリースされたシングル "Tour de France" から数えても20年、何故この時期に再び「Tour de France」なのか。何やら2003年で「Tour de France」という競技自体が100周年なんだそうで、それを記念して作られた公式認定サウンドトラックなんだそうですよ。20年前の時は協会から依頼されて作ったのか、単に競技からインスパイアされて作ったのかは知りませんが、まさか20年前のあの曲がこういう形で蘇り、またその曲を軸にオリジナルアルバムが完成するとは、当の本人達も、そしてファンの側も思ってもみなかったでしょうね。

そんなこのアルバム。20年前の "Tour de France" をリメイクし、更に2003年バージョンとして3つのバージョンを制作し(というよりも、3つの楽章からなる組曲といった方が正しいかも)、それらを軸にして「Tour de France」という競技をモチーフにいろいろ新曲が作られています。

とにかく一聴して感じたのは、全然古くさくないということ。当たり前か、大半が完全新曲なんだから。リメイクされた "Tour de France" はちょっと懐かしさが程よくブレンドされていて、逆に心地よかったりするんだけど、それ以外の曲‥‥例えば2003年バージョン組曲なんて、完全に今の音でテクノしまくってるからね。4つ打ち仕様、クラブ仕様。ビートも1983年のビートではなくて、2003年のビート。勿論これよりも今っぽい、真新しいビートはいくらでもあるし、聴く人が聴けばこれすら「古くさい」のかもしれないけど、俺にはそうは聴こえないし、全然「アリ」なわけ。UNDERWORLDやCHEMICAL BROTHERSというよりは、ORBITALとかLEFTFIELDといったイメージかな。そういうサウンドを持った1枚に仕上がってると思います。

で、勿論そういった "Tour de France" シリーズ以外の新曲も、良い意味でKRAFTWERKらしく、そして現代的なダンスチューンに仕上がっています。ミドルテンポでメロウなシンセが気持ちいい "Vitamin" もユニークだし、アッパー系の "Aero Dynamik" も単純にカッコいい。この曲が第二弾シングルというのも頷ける話(個人的には、もし第三弾リカットがあるなら、絶対に "Vitamin" だと思ってるんですが)。そして自転車競技という「孤独との戦い」「敵は自分」というテーマをそのまま音にしたかのような "Electro Kardiogramm" も如何にもな印象(ま、テーマは今俺が勝手に思いついて付けてみたんですが)。"La Forme" も従来の彼ららしさを包括しながらも今を主張してる印象。古めかしくもあり、今に通ずる色も見いだせたりもする。だから聴く人によって「止まってる(=時代遅れ)」とも「現代的」とも取れる。この辺がこのアルバムの面白味でもあるんですけどね。

ライヴを観てしまった後だから余計に感じるのかもしれないけど、全体的にストイックな空気が流れる中、最後の最後にオリジナルの "Tour de France" のシンセの音色が聴こえてくると、自然と顔がほころんでしまうんですよね‥‥孤独なレースからゴールした瞬間に似てるのかな。とにかく優しくて温かい印象。 "Tour de France" で始まり "Tour de France" で終わるという構成はそういうテーマがあったからこそなんですが‥‥けど、これは本当によく出来たアルバムだなぁ、と。

残念ながら2003年の10枚には選ばなかったのですが、それでも昨年後半よく聴いた1枚であり、その10枚に限りなく近い作品であるのは確か。もし昨年中にライヴが実現していたら、間違いなく10枚の中に入れてましたけどね。

「とりあえずKRAFTWERKを聴いてみたいんだけど‥‥」と思ってる若い子達には、まずこのアルバムから聴くことをオススメします。無理してアレンジ的にもサウンド的にも時代の流れを感じるアルバムを聴いて切り捨てられるよりは、現代的に処理されたこの「新作」から聴いた方が入りやすいと思いますしね。



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2003年5月 3日 (土)

KRAFTWERK『AUTOBAHN』(1974)

ドイツのエレクトロ・ポップ/テクノ・ポップ・ユニット、KRAFTWERKが1974年にリリースした4枚目のアルバムであり、彼等を全世界的に有名な存在へと導いた名作でもあるこの1枚。早くも来年でリリース20周年ですよ。っていうか、リリース当時は当然赤ん坊だった俺、そんなこと知る由もなく‥‥実際に彼等の名前を知ったのは'86年の「ELECTRIC CAFE」から。そしてこのアルバムに出会ったのはそれから約5年も後の話。何故このアルバムに手を伸ばしたかというと、単純にその頃プログレやその流れにある音楽に興味を持ったから。そしてもうひとつ‥‥翌'92年に自分が実際にホンモノの「アウトバーン」を通ることになったから。ま、こっちの方が理由としては大きいわけですが‥‥

話を元に戻しまして‥‥当然'74年なんて時代には「テクノ」なんて呼び名はなく、まだYMOのメンバーもそれぞれ別個でプロミュージシャンの道を歩み始めたか始めないかの頃。そんな時代に遙か遠くドイツの地では4人の若者が時代の最先端を行く技術を使って、全く新しい音楽を作り出した。それがこのアルバム‥‥タイトルからも判る通り、実際にドイツを通っている高速道路「アウトバーン(AUTOBAHN)」をイメージした、所謂コンセプトアルバムのような作品で、タイトルトラックとなる "Autobahn" は22分にも及ぶ大作。アナログ盤ではこれで片面1曲でしたからね。初めて聴いた頃('91年頃)、自分自身の中でも「これはテクノなのか、プログレなのか?」とかなりジャンル分けが難しいなぁと感じたアルバムでした。が、今となってみれば、そんなジャンル分けこそどうでも良くて、本当に時代の先端を行っていた凄いアルバムだなぁと感心するばかり。実際、リリースから約20年経った今聴いても、サウンド的には多少の古さを感じさせる箇所はあるものの、それでも新鮮に接することのできる1枚ではないかと思います。

実際、昨年末に来日した際にこのアルバムからそのタイトルトラックのショートバージョンを演奏したのですが‥‥若干今風のアレンジを加えつつも、基本構成は当時のまま。けど、やはり古さとかは全然感じなかったですよ。逆にね、これまでKRAFTWERKに触れてこなかった音楽ファンがこれを聴いても「面白い!」と純粋に楽しめるんじゃないでしょうかね。

単調な電子音によるリズムに合わせ起伏を持った展開をしていくタイトルトラックの素晴らしさもさることながら、久し振りに聴いて感動したのはアナログでいうB面の方ですよ。組曲となった4曲から構成されていて、重厚なイメージでエレクトロニカ的な匂いさえ漂わせる "Kometenmelodie 1" から、メロディアスでポップなシンセサウンドが耳に残る "Kometenmelodie 2" への流れも気持ちいいし、環境音楽的な電子音による "Mitternacht" から、生音(ピアノやリコーダー)を重視した癒し系サウンドを持つ "Morgenspaziergang" への流れも圧巻。所謂歌モノ的要素はほぼ皆無だし、パートによってはかなり気難しそうな印象を与えるサウンドを発してるんだけど、全体的には非常にポップな作りで、その後彼等が「テクノ・ポップ/エレ・ポップの元祖」と呼ばれるようになった理由がこの1枚からも十分に伺えることでしょう。

現代の耳で聴いてしまえば、全体的に使われているサウンドはひとつひとつを取り出してみれば非常にチープだし、ぶっちゃけ現代のテクノと呼ばれるジャンルの音楽よりもよっぽど無機質で高揚することもないようなものなのに、何故か心地よい。それってやはりその根底にあるメロディ(シンセのメインリフ等)が非常にポップで、尚かつ長尺な楽曲や組曲で構成されていながらも非常にポップ‥‥とにかく全てにおいてポップだからというのが大きいのでしょうね。

このアルバム、当時は母国ドイツのみならず、イギリスやアメリカでもチャートのトップ5入りをする大ヒットを記録しているんですね。恐らくその後ヘヴィメタルバンドのSCORPIONSが大ブレイクするまで、最もアメリカで成功したドイツのバンドだったんじゃないでしょうか?

で、最初の話題に戻りますが‥‥'92年2月、俺は初めてドイツの地に足を踏み入れ、そのアウトバーンを通ったわけですよ。これといった物珍しいものはなく、単なる高速道路なわけですが‥‥何故かひとり興奮していたのを今でも覚えています。当然、日本から持っていったこのアルバムのカセットをウォークマンで聴きながら通過しましたよ。バカバカしいかもしれないけどホントの話。けどさ、やっぱりそういうのって大切じゃない?(って思ってるのは俺だけ??)

よくBEATLESとかROLLING STONESとか、あるいはLED ZEPPELINやDOORSといった'60~'70年代に活躍した歴史的なバンドの作品を、初めて聴いてから何年か、何十年か経ってから聴くと、初めて聴いた時とは違った印象を受けるとか今まで気づかなかったところに気づくなんて声を聞くと思うんですが、それは何もロックバンドに限ったことではなく、このKRAFTWERKにも言えることなんじゃないでしょうか? 事実、俺は初めて聴いてから12年近く経った今聴いても、このアルバムは新鮮だし当時気づかなかったところに気づいたりして、あの頃以上に楽しめますよ。これから聴いてみようって人で、もしこのアルバムが気に入ったなら‥‥数年後、あるいは10年後にまた引っ張り出して聴いてみてください。自分が歳を重ねた結果なのか、単純にいろんな音楽を聴いてきた結果なのかは判りませんが、全く違った楽しみ方が出来るはずですから‥‥



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2002年12月15日 (日)

ELECTRAGLIDE 2002@幕張メッセ国際展示場(2002年12月13日)

  というわけで、3年目のエレグラです。今年はライヴアクトが1組減って、DJが4組、ライヴが3組となってます。で、過去の目玉‥‥1年目はUNDERWORLD、2年目はAPHEX TWINだったわけですが(あ、勿論ORBITALやFATBOY SLIMもね)、今年は何といってもKRAFTWERKではないでしょうか? そしてソロとしては初ライヴとなる「まりん」(砂原良徳)もでしょうかね?

  さて‥‥簡単ではありますが、各アクトの簡単な感想でも書いていきましょうか。今回は例年よりもホント簡単な、メモ程度になりますのでご了承を‥‥


◎TIM DELUXE (DJ)

  会場に入ったのが21時半、既に始まって30分程経ってましたが、客足は上々といったところ。ティムのDJですが、意外とテクノテクノしたものは少なく、もっと幅広い意味での「テクノ」を中心に回してたような。いや、踊りやすかったです。


◎X-PRESS 2 (DJ)

  ライヴではなくて、DJプレイなんですね今回も。フジロックでも同様のDJプレイだったそうですが、評判悪かったので今回は様子見といった感じで臨みました。結果は‥‥可もなく付加もなく、といった感じかな。他人の曲(UNDERWORLDとかね)を中心に回してた感じ。ま、実質30分程しか観てないんで何とも‥‥


◎KRAFTWERK (LIVE)

  確かに数年前、単独で奇跡的な来日公演を行っていますが‥‥まさか2002年にKRAFTWERKのライヴステージをここ日本で観ることができるとは、夢にも思ってなかったですよ。YMO世代‥‥いや、自分の意志でレコードを買い始めた初期の頃、小学生だった自分が夢中になったYMO。そのYMOに影響を与えたということで一時期、結構聴いていたんですが、この10年は完全に聴いてませんでした(だから前回も懐疑的になってスルーしたんですが)。それが‥‥ねぇ? 世の中何が起こるか本当に判りませんね。

  選曲的には正にグレイテストヒッツ。'91年に過去の曲を当時の技術でリミックスしたアルバム「THE MIX」が出てるんですが、基本的にはあのアルバムの音に近いかな。けど、全然古さを感じさせませんね。シンセの音色とか敢えてオリジナルに近いものを使ってるようだけど、古さも既に一周して新しくなった感じ。そして何より、曲がポップ。最近のトランスチックなテクノしか知らない人にこそ是非聴いて欲しいですね。

  更にこのグループ、それなりにエンターテイメント精神が旺盛。映像も古くさい感じ(8ビット文字とか、ちょっと古めのCGとかね)なんだけど、これも逆に新鮮。ステージ上にはシンセが4台、その上にそれぞれノートPCが載ってるだけ。後ろにはスクリーンが3つ並んでいて、ここにいろいろ映像が曲によって流れる感じ。全員歳取ったなぁ~とは思ったけど、間違いなくあのKRAFTWERKの4人だって、見てすぐに判ったよ。

  各曲各曲についてコメントしてきたいんだけど、割愛。つうかアルバム是非聴いて下さい。いや~ホントにいいライヴだった。アッという間の90分。このためだけに7,500円払ったとしても何の不満もなかったね。


01. Numbers
02. Computerworld
03. Pocket Calculator ~ Dentaku
04. It's More Fun To Compute
05. The Man Machine
06. The Robots
07. Tour De France
08. Autobahn
09. The Model
10. Neon Lights
11. Radioactivity
12. Trans-Europe Express
---encore---
13. Music Non Stop


◎SQUAREPUSHER (LIVE)

  X-PRESS 2をまたちょっと観て、その後に最後の30分を観たのかな‥‥とにかくね、踊れない。いや、いい意味で。APHEX TWINを更にタチ悪くした感じ。しかもマイク使った煽りとか要所要所に入るし。なんかアレック・エンパイアみたいだぞ、それ。

  ドリルンベースに生ベースが入る、ホントに変わったテクノ。つうかキチガイだね、ありゃ。踊るというよりは、終始痙攣してた方がよっぽど曲にマッチしてるし。何時からこの人、こんな風になっちゃったの? しかもトム、いきなり長髪になってるし。最初、別人かと思ったよ。

  で、気づけば俺、SQUAREPUSHERを観るの初めてだったし、ここ数年の作品って全然聴いてなかったんですよ‥‥もう、ホントの初期のアルバム数作しか知らなくて‥‥だから余計にビビリました。けど‥‥あれはあれで面白いかも。ま、フロアで踊るよりも家でヘッドフォンで聴いてラリッてる方が俺的にはいいかも。


◎SASHA (DJ)

  DJ陣では今年一番期待してたのがこの人。アルバム良かったし。で、実際プレイもかなりよくて、終始踊りっぱなし。もうね、頭真っ白。ってこれじゃレポートにならないけどさ。ホントに良かった。勿論、自分の曲だけじゃないんだけど、全然自然だったし。X-PRESS 2とは大違いだった。


◎Y.Sunahara (LIVE)

  まりんのソロ。ステージ上にはまりんの他にもうひとり。比較的まったりしたテンポの曲がメインなので、座ってたらマジで寝てしまいそう(つうか後半本気で寝てましたが)。映像も上手く取り入れてるんだけど、こっちは賛否両論ありそうかな?

 実質50分程度、俺が踊ってたのは最初の20分のみ(その後マジ寝しまして、ふと気づいたらステージ上には誰もいなくなってたという)これはこれであり‥‥かな?

  下のセットリストを観る限りでは‥‥俺が起きてたのは、"The Center Of Gravity"までだね。アルバムは「LOVEBEAT」しか聴いたことがないので、知ってる曲が頭の方に3曲くらい続いたのは記憶にあるんで。そうそう、新曲。これがKRAFTWERK的っつうか、"Numbers"のパロディ的楽曲だったのが笑えました(映像含めて)。

     

01. ?(新曲?)
02. Spiral Never Before
03. Lovebeat
04. The Center Of Gravity
05. 747 Dub
06. Clipper's Discotique Break
07. MFRFM


◎最後に

  去年から朝7時までやることになったんだけど、去年は結局MOUSE ON MARSを観ることなく4時頃には帰っていったんだよね。で、今年はまりんが5時まであるってことで、何とかその時間まではいれたけど‥‥見事に4時半頃には寝てたね。これは前日、ちょっと飲みに出かけて明け方戻るっつうのが影響してるんですが(まさか2日連続で夜遊び&完徹するとは‥‥)。

  けどね、今年は去年より楽しかったですよ。去年は異常に人が多かった記憶があるんですが、今年はちょっと減ったかな?って気がしたし。会場はずっと同じ場所だし、何より会場の構成なんかはさほど変わってないのに、今年はそんなに過ごしにくいって感じなかったし。ま、それは一昨年と今年が常に女の子と一緒に行動してたってのも大きいんだろうけどね(去年はひとりだったしな。しかも会場内で一言も発しなかった程だしな)。

  で、今年は去年不便だった点を改善するという意味で、トイレ・食料・ロッカーの数に力を入れてたらしいけど‥‥トイレは男性はそんなに不便感じないけど、女性用に外に仮設トイレが設置されてたみたいね。で、実際どうだったんでしょうか?>女性の方々。あと、ロッカー。そんなに数増えたか!?って気が。確かにロッカーの場所が外に移されて、多少増えたような気がしないでもないけど‥‥UNDERWORLDの時とあまり変わらなかったような。食事は今回結構バラエティに富んでたような気がしないでもないけど、やっぱり初年度が一番良かったような気が。あ、ベトナムラーメン(フォーっていうんですか?)とかオムライスは旨かったですが。ちまきもまぁまぁだったっていう話。あ、あとポテチを300円で売るのはどうかと思います。せめて200円くらいにしときましょうよ。どうせ飲み物でボッてるんだからさ。

  あとさぁ‥‥マナーが年々更に悪くなってきますね。まずゴミ。KRAFTWERK終わった後のフロアが‥‥フジロック@天神山じゃねぇんだからさ、って位にゴミの山。それと、ライヴやDJやってるフロアのど真ん中に平気で数人で座り込んでダベッてる奴ら。休憩したいんだったら後ろ行けって。踊る邪魔になるから。それと結構な数踊ってる場所で、当たり前のようにボーッと立ってて踊る人間の邪魔をする奴ら。悪気はないんだろうけど、やっぱり空気を読んで欲しいというか。他人のダンスを面白がって見てるのはいいんだけど、その踊ってる人間の邪魔になってるってことに気づいてないのがちとイタい。

  とまぁ、何だかんだで毎年愚痴が多くなってるエレグラですが、今年は特に新しい発見はなかったような(特にアーティストに関して)。逆に良さ・面白さを再認識した年だったかな(KRAFTWERK然り、SQUAREPUSHER然り、まりん然り)。そういう意味では過去3回中最も面白味に欠ける年だったのかもしれないけど、俺に関して言えば十分楽しんだし、そういう人間に対して以外ではガッカリさせられることはなかったし。

  来年はもっと濃い、おおっ!?と唸ってしまうような意外な人選を期待します。そう、今年のKRAFTWERKみたいにね。それと、来年2月の「MAGIC DAY OUT」でしたっけ? ライヴアクトはそんなに気になるバンドいないんですが、深夜のDJ次第では夜から行こうかな?とか思ってます。

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