2017/01/15

L.A.GUNS『HOLLYWOOD FOREVER』(2012)

昨日の続きで、現在のL.A.GUNSについてもちゃんと書いておこうと思います。

今回紹介するのは、2012年にリリースされた現時点での最新アルバム。通算10枚目のオリジナルアルバムとなるようで、本作の制作メンバーはフィリップ・ルイス(Vo)、スティーヴ・ライリー(Dr)の初期メンバーに加え、ステイシー・ブレイズ(G / 元ROXX GANG、最近はボビー・ブロッツァー主導RATTのツアーにも参加しているようです)、スコット・グリフィン(B, Key / 現在はボビー・ブロッツァー主導のRATTに参加)の4人。90年代後半からL.A.GUNSはシングルギター編成なんですよね(ライブではもう1人ギターが入っているようですが)。

さて、この『HOLLYWOOD FOREVER』。オープニングのタイトルトラックは疾走感がありつつも、若干落ち着いた印象もあり、さすがの彼らも年齢には逆らえないか……と期待度を下げられますが(いや、曲自体は悪くないです)、続く2曲目「You Better Not Love Me」の哀愁漂うマイナーメロディがツボに入りまくり。以降も派手さはないものの、メロディでグイグイ引っ張るタイプの楽曲が並びます。「Vine St. Shimmy」のような1stアルバム『L.A.GUNS』(1988年)、2ndアルバム『COCKED & LOADED』(1989年)に入ってそうな路線もありつつ、全体的には3rdアルバム『HOLLYWOOD VAMPIRES』(1991年)以降の流れにあるダーク路線だと思います。

ブルージーなバラードかと思いきや正統派パワーソング「Dirty Black Night」、ブルージーなスローソングかと思ったらまんまだった「Underneath The Sun」など地味だけどじわじわくる曲が大半で、初期の作品が好きな方には物足りなさを覚えるかもしれません。しかし、昔は歌メロがイマイチだったフィルのボーカルも安定しており、現在の曲調にフィットしている。むしろ、初期の激しく張り上げる歌い方はトレイシーに強要されてたんじゃないか、と思ってしまうほど。肩の力が抜けたロックンロール「Queenie」「I Won't Play」くらいの張り上げ方が、今のフィルには心地よいのかもしれませんね(それを年老いた、と言うのかもしれませんが……)。

80年代に青春時代を謳歌した人にとっては、これは「俺たち、私たちの知ってるL.A.GUNS」じゃないのかもしれない。でも、L.A.GUNSには俺たち、私たちが知らない間もずっと活動していたわけで、むしろそっちの時間のほうが長いのです。そういう意味では、この『HOLLYWOOD FOREVER』で鳴らされている音のほうが「真のL.A.GUNS」なんでしょうね。偏見なく楽しめる人に、ぜひ気楽に接してほしい1枚です。

ちなみに、このアルバム後のL.A.GUNSについて補足を。昨年、フィルとトレイシーが14年ぶりに一緒にステージに立ち、この2人を中心にL.A.GUNS名義でアルバムを制作することも発表されましたが、昨年末にフィルがバンドを脱退。しかしこれが、スティーヴ・ライリーを含む編成からの脱退であることが明かされ、フィルは現在もトレイシーと一緒に活動していることが発表されています。なんだかなぁ(苦笑)。



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投稿: 2017 01 15 12:00 午前 [2012年の作品, L.A.Guns] | 固定リンク

2017/01/14

L.A.GUNS『L.A.GUNS』(1988)

L.A.GUNSって名前を最初に聞いたとき、「GUNS N' ROSESのパチもん」だと思ったのはここだけの話。いや、同じような人、絶対にいると思うんですよ。そんな彼らが1988年(……)初頭にリリースした1stアルバムが本作。確か最初のMVが「Sex Action」だったので、そのタイトルに「マジかよ!」と突っ込んだの、昨日のことのように覚えてます。

もともとは初期GUNS N' ROSESにアクセル・ローズらとともに在籍したトレイシー・ガンズ(G)がバンド脱退後に結成したのがこのL.A.GUNS。メンバーは他に元GIRL(現DEF LEPPARDのフィル・コリンも所属していたイギリスのグラムメタルバンド)のフィリップ・ルイス(Vo)、メジャーデビュー前のFASTER PUSSYCATに在籍したケリー・ニケルス(B)、W.A.S.Pの元メンバーだったスティーヴ・ライリーなど、その筋で知られる面々が参加していました。そこに元GN'Rのメンバーがいる、しかもバンド名に「GUNS」が入ってるとなると、そりゃ騒がれるわけですよね。

デビューアルバムで聴けるサウンドはGN'Rのデビュー作『APPETITE FOR DESTRUCTION』のそれとは若干異なり、土臭さが薄くグラマラスさが強めに打ち出されたもの。1曲1曲が3分前後のものばかりというのも特徴で、ボーカリストやギタリストの主張の強さよりもバンド一丸となってぶつかってくるようなイメージが強いかな。トレイシー・ガンズやミック・クリプス(G)のギタープレイには、(比較対象として挙げてしまうのは気が引けるけど)GN'Rのスラッシュほどの強い個性は感じられないし。

また、楽曲面での強みや確たる個性というのは本作ではあまり感じられず、なんとなく勢いで乗り切っちゃいましたという印象が強いのも事実。「No Mercy」「Sex Action」「One More Reason」といった冒頭3曲の印象はかなり強いものの、中盤のアコギインスト「Cry No More」から続く唯一のバラード「One Way Ticket」、GIRLのカバー「Hollywood Tease」以外はインパクトが薄い気がします。

結局L.A.GUNSは続く2ndアルバム『COCKED & LOADED』(1989年)で“らしさ”を掴み(このアルバムが最大のヒット作となります)、大きなヒットにはならなかったけど3rdアルバム『HOLLYWOOD VAMPIRES』(1991年)でその個性を完全に確立させることに成功します。しかし、デビュー時から続いた全盛期メンバー(トレイシー、フィル、ミック、ケリー、スティーヴ)は同作を最後に終焉を迎え、2000年代に入るとフィル中心のL.A.GUNSとトレイシー中心のL.A.GUNSという「2つのL.A.GUNS」が存在するというややこしい事態に。RATTも最近そういう話がありましたし、ファンとしてはこういうの本当に困りますよね。

いわゆる名盤とは違うかもしれませんが、バンドの勢いという点においては以降の作品とは比較にならないものがあるので、今作は1曲1曲を取り上げるというよりはアルバム全体のノリを楽しむことをオススメします。



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投稿: 2017 01 14 12:00 午前 [1988年の作品, L.A.Guns] | 固定リンク