2018年7月22日 (日)

LED ZEPPELIN『LED ZEPPELIN IV』(1971)

1971年11月にリリースされたLED ZEPPELIN通算4作目のスタジオアルバム。4枚目のアルバムということで『LED ZEPPELIN IV(4)』と名付けられていますが、実はこのタイトルは正式なものではありません。正しくはタイトルが付けられていない“無題”アルバムであり、アルバム内に描かれた4つのシンボルマークから『FOUR SYMBOLS』などと呼ばれることもあります。

前作『LED ZEPPELIN III』(1970年)で新境地と言えるトラッドミュージック/アコースティックサイドを強調した作風で、それ以前のハードロックサイドのファンを驚かせた彼ら。続く本作でもトラッド色の強い楽曲は含まれているものの、バランス的にはよりハードロック的なものに回帰しています。

ただ、そのハードロック的な路線もより拡大方向に向かっており、オープニングを飾る「Black Dog」こそ印象的なギターリフとヘヴィなドラムで引っ張るという“らしさ”を見せつつ、続く「Rock And Roll」は文字どおりシンプルな3コードのロックンロールを展開。ただ、そこはこのバンドのこと、シンプルながらもラウドなサウンド(特にドラムのビシバシ感、ハンパなし)で自己流のロックンロールを作り上げています。

前作の延長線上にあるトラッドナンバー「The Battle Of Evermore」もこういった流れで聴くと非常に印象深いものになっていますし、そこから名曲「Stairway To Heaven」へと続く流れは、構成としても完璧なんじゃないでしょうか。「Stairway To Heaven」については、今さら説明は必要ないでしょう。この起承転結のきっちり作り込まれたアレンジとロバート・プラント(Vo)のボーカルワーク、ジミー・ペイジ(G)のアコギ/エレキを使い分けたギターアンサンブル、地味ながらも「これがなくちゃこの曲の意味がない」くらい重要なジョン・ポール・ジョーンズ(B, Key)のメロトロン、そして後半から入ってくるジョン・ボーナム(Dr)のスイングするドラム。8分にもわたる大作ですが、長さをまったく感じさせない名演だと思います。

この4曲でアナログA面となっており、B面は落ち着いたテンポ/空気感の「Misty Mountain Hop」から緩やかにスタート。そこからパーカッシヴなリズムがグルーヴィーで強烈な「Four Sticks」、アコースティックナンバー「Going To California」、ひたすらヘヴィな大作「When The Levee Breaks」で締めくくり。全8曲と曲数は少ないものの、42分という程よいボリューム。完璧なまでにコントロールされた、非常に「計算づく」の1枚だと思います。

衝動的なデビューアルバム『LED ZEPPELIN』(1969年)と、その流れを継ぐ『LED ZEPPELIN II』(1969年)。バンドとしてのスケールアップを図るために新機軸を打ち出した『LED ZEPPELIN III』。この3作での経験がここにすべて落とし込まれた、そんな初期の集大成的傑作だと思います。

ちなみに、本作は全米だけで2000万枚以上を超える売り上げを誇り、当然彼らの作品の中でもっとも売れたアルバムでもあります。さらに本作からは「Black Dog」と「Rock And Roll」がシングルカットされ、それぞれ全米15位、全米47位を記録しております。そして、本作リリースの2ヶ月前(1971年9月)には待望の初来日公演も実現。ひと足先に本作からの新曲群も披露されました。



▼LED ZEPPELIN『LED ZEPPELIN IV』
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投稿: 2018 07 22 12:00 午前 [1971年の作品, Led Zeppelin] | 固定リンク

2018年2月23日 (金)

LED ZEPPELIN『LED ZEPPELIN III』(1970)

デビュー年の1969年にアルバムを2枚(1月に『LED ZEPPELIN』、10月に『LED ZEPPELIN II』)発表したLED ZEPPELINが、1970年10月(US)にリリースした通算3作目のスタジオアルバム。前作『LED ZEPPELIN II』でついに全米&全英No.1を獲得し、一躍トップバンドの仲間入りを果たした彼らが新たに放った本作では、従来のブルースベースのハードロックと、トラッドミュージックを基盤にしたアコースティックナンバーから成る異色の構成が展開されています。

本作の曲作りはほとんど電気が通ってないような場所で、ロバート・プラントジミー・ペイジが膝を突き合わせて行われたなんて話がありますが、それが嘘じゃないくらい前2作にはなかったタイプの楽曲が多数含まれています。もちろんアコースティックギターはこれまでのアルバムでも効果的に使用されていましたが、本作ではアコギが軸になる楽曲が半数を締めるのですから、“ハードロックバンドLED ZEPPELIN”を求めるリスナーは当時面食らったのではないでしょうか。

もちろん、アルバムオープニングには“これぞ!”と言いたくなる鉄壁のハードロックナンバー「Immigrant Song」がありますが、2曲目にいきなりストリングスをフィーチャーしたトラッド調のアコースティックナンバー「Friends」がくるとさすがに驚きますよね。サイケな色を残しつつ、そのままダイナミックなロックチューン「Celebration Day」へと続く流れはカッコいいですし、そこから前作の延長線上にある長尺のブルースロック「Since I've Been Loving You」、ヘヴィなリズムが気持ち良い「Out On The Tiles」とは流れ、アナログA面は終了します。ここまで聴いた限りでは、前作までの色を残しつつも少し新しいことをしたいんだろうな、ぐらいにしか感じないかもしれませんね。

で、問題となるのがアナログB面(M-6〜10)の5曲。ブルースシンガーのレッドベリーもカバーしたトラディショナルナンバー「Gallows Pole」、アコースティックバラード「Tangerine」、穏やかなミディアムナンバー「That's The Way」、軽やかなリズムと細かなギターフレーズが気持ち良いブルース「Bron-Y-Aur Stomp」、ブルースの名曲「Shake 'Em On Down」を独自にカバーした「Hats Off To [Roy] Harper」と、そのどれもがアコギ主体の楽曲なのです。ハードロック的な要素は皆無。今となってはツェッペリンがそういうバンドだと理解できているので、こういった作品があったとしても別に驚きはしませんが、もし本作のリリース当時に10代で、リアルタムで出会っていたら……きっとこのアルバム、「うわっ、糞アルバム作りやがって!」と拒否してたかもしれません。それくらい前2作のインパクトが強かったし、このバンドのパブリックイメージを固めてしまったんですよね。

でも、ここで思いっきり音楽性の幅を広げたことで、続く傑作『LED ZEPPELIN IV』(1971年)が完成するわけですが……それはまた次の機会に。

あ、今ですか? もちろん好きなアルバムですよ、彼らのアルバムの中で7番目ぐらいに(笑)。



▼LED ZEPPELIN『LED ZEPPELIN III』
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投稿: 2018 02 23 12:00 午前 [1970年の作品, Led Zeppelin] | 固定リンク

2017年12月27日 (水)

JIMMY PAGE / ROBERT PLANT『NO QUARTER』(1994)

1993年にデヴィッド・カヴァーデイル(WHITESNAKE)と「COVERDALE・PAGE」というユニットを組んだものの、アルバムは小ヒット、ライブもここ日本でしか実現せず、短命に終わり途方に暮れていたジミー・ペイジ。翌1994年年に入るとMTV「Unplugged」の特別企画として、盟友ロバート・プラントと「Unledded」(=LED ZEPPELINではない)と題したスペシャルライブを実施しました。ここでツェッペリンの名曲群を新たな解釈でアレンジして披露し、さらに新たに書き下ろされた新曲も含まれていたことで、「ツェッペリン復活か?」とざわざわし始めます。そして同年11月、この音源を編集したライブアルバム『NO QUARTER』がリリースされたわけです。

本作で取り上げられたツェッペリンナンバーは「Nobody's Fault But Mine」「Thank You」「No Quarter」「Friends」「Since I've Been Loving You」「The Battle of Evermore」「That's The Way」「Gallows Pole」「Four Sticks」「Kashmir」の計10曲。「Thank You」や「Since I've Been Loving You」あたりは原曲に近いロックアレンジで再現されていますが、「Nobody's Fault But Mine」はフォーキーなアレンジに、「No Quarter」はキーボードレスで歌とギターのみで表現されるなど、新たな解釈が加えられています。

またEGYPTIAN ENSEMBLEの参加により「Friends」「The Battle of Evermore」、そして先の「Nobody's Fault But Mine」などはよりエキゾチックなテイストが増し、「Kashmir」にはLONDON METROPOLITAN ORCHESTRAの参加により原曲が持つドラマチックさが増強されております。

アコースティックテイストの楽曲(『LED ZEPPELIN III』および『同 IV』収録曲)が多数選出されていることからこういう方向性になったのかと思われますが、もともとこの手のテイストはジミー・ペイジの好物ですし、ロバート・プラントも自身の作品にこういうテイストを積極的に取り入れていたので、なるべくしてなった作風なのかもしれません。

これに合わせて新たに制作された新曲群「Yallah」「City Don't Cry」「Wonderful One」「Wah Wah」は、非常に時代性が強い作風。エキゾチックさにサンプリング/ループなど現代的要素をミックスされたサウンドは、「もしツェッペリンがその後も続いていたら、こんなことにも挑戦していたかも」と納得させられるもの。かといって、初期の楽曲のような絶対的な強さは皆無。そこは仕方ないかな……と当時も妙に納得してしまった記憶があります。

アルバム自体、全米4位・全英7位とそこそこの成功を収めたことで、2人はこの活動を継続。1998年には全曲新曲で構成されたオリジナルアルバム『WALKING INTO CLARKSDALE』もリリースします。



▼JIMMY PAGE / ROBERT PLANT『NO QUARTER』
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投稿: 2017 12 27 12:00 午前 [1994年の作品, Jimmy Page, Jimmy Page / Robert Plant, Led Zeppelin, Robert Plant] | 固定リンク

2017年12月 1日 (金)

LED ZEPPELIN『LED ZEPPELIN II』(1969)

1969年1月にアルバム『LED ZEPPELIN』でデビューを果たしたLED ZEPPELINが、同年10月に早くも発表した2ndアルバム。前作は全英6位、全米7位止まりでしたが、続く本作でついに英米で1位を獲得。シングルカットされた「Whole Lotta Love」も全米4位を記録、カップリングの「Living Loving Maid (She's Just A Woman)」までもが全米65位まで上昇し、現在までにアメリカのみで1200万枚以上を売り上げた、まさしく大ヒット作となりました。

ビギナーからの「ツェッペリンでまず最初に聴くならどのアルバム?」という質問は、コアなロックファンになればなるほどよくされたのではないでしょうか。そしてその際に多くの人が、必ず「2ndか4枚目」という無難な答えをしていたはずです。事実、僕自身も最初に聴いたツェッペリンのアルバムは本作でしたから(当時レンタル店に2ndと4th、ライブ盤しかCDを置いておらず、2nd以外はレンタル中だったのでこれを借りたのでした)。

ブルースを基盤にしたハードロックという点においては前作のほうが初期衝動性が高いのかもしれませんが、続く本作ではその衝動をより高い完成度にまで昇華させた、一寸の隙もない完全無敵のハードロックアルバムに仕上がっています。1曲目の「Whole Lotta Love」から、冒頭のジミー・ペイジによるギターリフとロバート・プラントによるパワフルなボーカルが冴えまくり、中盤のサイケデリックなインストパートと続くギターソロでのタイトなドラミングを聴けばいかにジョン・ボーナムというドラマーが素晴らしいかを理解できるはずです。

さらに「What Is And What Should Never Be」や「The Lemon Song」での強弱を生かしたドライブ感あふれるジョン・ポール・ジョーンズのベースプレイ、「Thank You」での彼のオルガンプレイなど、本当に聴きどころが多い1枚です。

アルバム後半もロック界屈指の名ギターリフを含む「Heartbreaker」や、本作中もっともポップな「Living Loving Maid (She's Just A Woman)」、アコースティックギターを使ってうまく強弱を表現した「Ramble On」、ギターとドラムのためにあると言っても過言ではないインスト「Moby Dick」、プログレッシヴなブルースロック「Bring It On Home」と、とにかく捨て曲なし。全体的に前作以上にキャッチーでメジャー感が強まっているのは、当時ノリノリでイケイケだったバンドの状態を表しているかのようですね。

……ん、誰ですか、ブルースの名曲からパクりまくりじゃん!とか言ってるのは? それ間違ってないけど謹んでください! 確かに既存のブルースナンバーからの引用が多いのがツェッペリンの(良くも悪くも)個性ではあるのですが、それも「サンプリング文化のはしり」と考えれば納得……でき……いや、なんでもないです。

冗談はさておき。初めてこのアルバムと出会ってから今年で30年。す聴き飽きてしばらく距離を置いていた時期もありますが、こうやって久しぶりに引っ張り出して聴くと、やっぱり良いなと思える。いろいろ言われながらも、やっぱりロックやHR/HMにとってひとつのお手本となるアルバムなんですよね。



▼LED ZEPPELIN『LED ZEPPELIN II』
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投稿: 2017 12 01 12:00 午前 [1969年の作品, Led Zeppelin] | 固定リンク

2017年9月15日 (金)

R.E.M.『AUTOMATIC FOR THE PEOPLE』(1992)

1992年秋発表の、R.E.M.通算8枚目のスタジオアルバム。前年春にリリースした前作『OUT OF TIME』が初の全米1位を獲得し、ノリにノッている状況で1年半という短いスパンで発表された本作。『OUT OF TIME』がポップな作風だったこともあり、当初次作ではロック色の強い作品を想定して、前作完成からすぐにセッションに取り掛かったそうですが、実際に完成したものは一聴すると非常に内向的なもの。先行シングルにしてオープニングトラックの「Drive」を最初に聴いたときは、正直「……暗っ!」と若干引いたことを覚えています。

そう、“暗いアルバム”というのが『AUTOMATIC FOR THE PEOPLE』に対する第一印象。ロック色の強い作品は2年後の『MONSTER』(1994年)まで待つことになりますが、本作は本作で表層的には暗いんだけど、実は非常に優しくて温かいアルバムなんですよね。

アメリカの音楽シーンはちょうど1年前にNIRVANAPEARL JAMがメジャーデビューを果たし、数ヶ月後に大ヒット。すでに本作がリリースされる頃にはグランジが一大ブームとなっていた時期でした。また情勢的にも湾岸戦争以降の不況、アメリカ大統領選挙(1992年)など時代の変わり目でもあったわけです。

そんな中でR.E.M.がこのアルバムでテーマとして選んだのが「死」や「絶望」といった一見ネガティブなもの。しかし、彼らはそのテーマを最終的に非常に前向きで、「生」へとつないでいくわけです。ポジティブに背中を押す楽曲もあれば、逆説的に生の尊さを伝えようとする楽曲もある。傷つきながらも現実から目をそらさず、希望を捨てず、生きることを諦めない。ラストナンバー「Fined The River」にたどり着く頃には、その答えが聴き手の心の中にそれぞれ見つかるんじゃないかと思います。

だからこそ、「Everbody Hurts」という曲の歌詞がより強く響く。楽曲単位でも素晴らしいナンバーですが、このアルバムのテーマに沿って聴くことで、その意味はより深いものに感じられるはずです。そして終盤……「Man On The Moon」「Nightswimming」「Find The River」の流れは圧巻の一言。この時代だったからこそ成し遂げることができた、珠玉の楽曲構成ではないでしょうか。

アコースティック楽器を多用していたり、ストリングスを全面的に導入したり(ジョン・ポール・ジョーンズがオーケストラアレンジを担当)とソフトな面が印象に残る作品ですが、実はものすごく“力強い”アルバムだと思っています。R.E.M.のアルバム中もっとも好きな1枚です。



▼R.E.M.『AUTOMATIC FOR THE PEOPLE』
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2017年9月12日 (火)

JIMMY PAGE & THE BLACK CROWES『LIVE AT THE GREEK』(2000)

2000年に発表されたジミー・ペイジTHE BLACK CROWESによる共演ライブアルバム。1999年10月にロサンゼルスのTHE GREEK THEATERで行われたライブを収めたもので、全曲カバー。メインとなるのはペイジが在籍したLED ZEPPELINの楽曲で、そのほかにツェッペリン界隈(B.B.キング、YARDBIRDS、ジミー・ロジャース、ウィリー・ディクソン、FLEETWOOD MAC、エルモア・ジェイムズ)のカバーも含まれています。

ちょうどこのライブが行われる数ヶ月前、THE BLACK CROWESがフジロックに出演した際、本作でも取り上げられている「In My Time Of Dying」を完コピしてビックリした記憶があるのですが、あとから考えたらあのカバーは本作への序章だったのですね。フジロックで観たとき「クリス・ロビンソン(Vo)ってロバート・プラントみたいに歌えるんだね」と、なんの違和感もなく楽しめたのをよく覚えています。

ピックアップされたツェッペリンナンバーですが、敢えて「Rock And Roll」や「Stairway To Heaven」「Immigrant Song」「Communication Breakdown」のようにベタなハードロックナンバーは選ばず、基本はブルースを軸にした楽曲ばかり。さすがに『IN THROUGH THE OUT DOOR』(1979年)からの楽曲はありませんが、そのほかのスタジオアルバムから万遍なくセレクトされています。「Hey, Hey, What Can I Do」(シングル「Immigrant Song」のB面。アルバム未収録)あたりを選ぶところにも、こだわりが感じられるというか……あ、ジミー・ペイジの趣味かもね。

ギターの振り分けですが、おそらく中央にジミーのギター。左右にTHE BLACK CROWESの2人(リッチ・ロビンソン&オードリー・フリード)が振り分けられてるんじゃないかと。ヘッドホンで聴けば、それぞれの持ち味がしっかり把握できるはずです。誰ですか、中央のギターが下手くそとか言ってる人は?

THE BLACK CROWESファンとしては、ジャムセッションの延長で下手に曲が間延びすることなく、比較的オリジナルに忠実な形で演奏されていることから素直に楽しめると思うし、ツェッペリン曲以外のブルースナンバーのカバーに彼らの真髄が感じられるのではないでしょうか。特に彼らのデビュー作『SHAKE YOUR MONEY MAKER』(1990年)にタイトルを引用したであろうエルモア・ジェイムスの「Shake Your Money Maker」が聴けちゃうのも良いところでは。

また、ジミー・ペイジ側の視点ではデヴィッド・カヴァーデイルとのCOVERDALE・PAGEロバート・プラントとのPAGE / PLANT以降パーマネントのバンドを持たないペイジがこうやって若いミュージシャンと一緒に何かをやることは悪いことじゃないし、しかもツェッペリンナンバーはこれでもか!?と言わんばかりに演奏してくれるのもありがたい。本当に最適な相手を見つけましたねと、褒めてあげたい気分です。実際、ペイジのギターも思っていた以上に生き生きしてますしね。

最高の“お遊び”をこうやって記録として残してくれたのは、双方のファンのみならずロックリスナーにとっても嬉しいかぎり。余計なことを考えずに、素直に楽しみたいライブアルバムです。



▼JIMMY PAGE & THE BLACK CROWES『LIVE AT THE GREEK』
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2017年8月31日 (木)

THEM CROOKED VULTURES『THEM CROOKED VULTURES』(2009)

FOO FIGHTERSのデイヴ・グロール、QUEENS OF THE STONE AGEのジョシュ・ホーミ、LED ZEPPELINのジョン・ポール・ジョーンズという世代を超えた人気ロックバンドのメンバーが結成したスーパーバンド、THEM CROOKED VULTURESが2009年に発表した現時点で唯一のアルバム。

このバンドの構想自体は2005年頃からあったようで、それぞれ忙しいメンバーだけになかなかスケジュールが合わず、いざ動き始めたのは2009年に入ってから。同年7月にレコーディングを開始し、8月にはシカゴで初ライブ。そのままヨーロッパをツアーしながらレコーディングを続け、同年11月に本作『THEM CROOKED VULTURES』がリリースされました。

このバンドではジョシュがボーカル&ギター、デイヴがドラム、ジョンがベースやキーボードなどさまざまな楽器を担当。ライブではサポートメンバーでギタリストがもう1人加わっています。

ジョシュとデイヴはQOTSAの3rdアルバム『SONGS FOR THE DEAF』(2002
年)で共演したほか、デイヴは同作のツアーでもドラムを担当。またジョンはFOO FIGHTERSの5thアルバム『IN YOUR HONOR』(2005年)にゲスト参加しており、デイヴを中心にそれぞれつながりがあったわけですが、とはいえこの3人が本当につながるなんて当時は考えてもみませんでした。

とはいえ、この3人でバンドをやるなら……と想像すると、ジョシュがボーカルの時点でどこかQOTSA的なものになるんだろうなと。そこに曲作りでどこまでデイヴやジョンのカラーが反映されるのか、それによってバンドの方向性がある程度固まるんだろうなと考えていましたが、本当にその通りの内容だったので、最初はちょっと肩透かしを食らったことを覚えています。

わかりやすく表現すれば、QOTSAからストーナーロック的な側面を排除し、ブルースベースのクラシックロック……CREAMやLED ZEPPELINなどの60〜70年代ハードロックをこの3人流に解釈したのがこのアルバム。「Elephants」「Reptiles」なんてツェッペリン的だし、「Scumbag Blues」はCREAMっぽいコーラスが入るし。でも、そこに1969年生まれのデイヴ、1973年生まれのジョシュの個性が加わることで単なるクラシックロックの焼き直しにならない、ロックンロールリバイバル以降のフレイバーが散りばめられたエバーグリーンなロックアルバムに昇華されているのではないでしょうか。

あと、本作を聴いてジョン・ポール・ジョーンズのマルチプレイヤーぶりに改めて驚かされたのをよく覚えています。アルバムではベースのほかにキーボード、ピアノ、クラヴィネット、オプティガン(メロトロンの光学式ディスク使用版)、マンドリンなどをプレイしており、こういった楽器の導入がツェッペリンを彷彿とさせるサウンドを現代に再降臨させることに成功しているのですから、ジョンジーさまさまですね。

ただ、アルバム自体はメリハリがあまりなく、ゆるゆると進行していく印象も。好きなことをただ好き放題やった結果なのでしょうが、全13曲で70分近いトータルランニングも影響しているんでしょうね。もちろんこれだけあればライブ1本フルでやるには十分なんですけど、そのライブも……2010年のフジロックで観たときは正直、そこまで盛り上がらなかったなぁと。もし2枚目が制作されることがあれば、よりバラエティに富んだ内容に期待したいところです。



▼THEM CROOKED VULTURES『THEM CROOKED VULTURES』
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投稿: 2017 08 31 12:00 午前 [2009年の作品, Foo Fighters, Led Zeppelin, Queens of The Stone Age, Them Crooked Vultures] | 固定リンク

2017年6月18日 (日)

LED ZEPPELIN『LED ZEPPELIN』(1969)

1969年初頭にリリースされた、LED ZEPPELINの記念すべき1stアルバム。当時は全英6位、全米7位と1位こそ獲っていないものの、今日までに全米だけでも800万枚を超える売り上げを記録。デビュー作としては申し分のないヒット作になったと思いますし、本作のこの成功があったからこそ続く2ndアルバムから快進撃が始まるわけですからね。

私自身がツェッペリンを聴き始めたのが高校1年の頃。最初は2枚目、続いて4枚目というありがちなコースをたどったわけですが、その次が実は……3rdなんです(笑)。そっちに行っちゃったか〜って感じかもしれませんが、当時地元のレンタル店に2枚目〜4枚目とライブ盤しかなかったもので。

しかし、1988年にツェッペリンのアルバムが廉価版として再発。2000円以下で手軽に手に入るということで、まず最初に購入したのがこの1stアルバムだったのです。以降、高校生の小遣いで少しずつ、リリース順に買い集めていくのですが、途中でなぜか全作品をアナログ盤でいただくというハプニングが。結局高校生の間に全アルバムを制覇することができたわけです。

1stアルバムの印象というと、やはり1曲目「Good Times Bad Times」イントロの、「ダン、ダン!」というインパクトの強いジョン・ボーナム(Dr)のドラムなわけですが、初めて聴いたときはそこまで衝撃を受けることなく(苦笑)。むしろ「Communication Breakdown」みたいな速い曲にばかり目が(耳が)行ってしまったという。そりゃあ2ndと比べたら、1曲目のインパクトは弱いかもしれませんが、今となっては本作のカッコ良さ、嫌というほどに理解できます。

「Good Times Bad Times」のインパクトもさることながら、つづく2曲目「Babe I'm Gonna Leave You」のドラマチックさも完璧。続くブルースナンバー2連発「You Shook Me」「Dazed And Confused」(ここまで4曲中3曲がカバーという)でこのバンドの真髄をじっくり味わい、B面はもうちょっとバラエティに富んだ楽曲群を味わう。どことなくゴスペルチックな「Your Time Is Gonna Gome」、インスト「Black Mountain Side」、ファストチューン「Communication Breakdown」ときて、再度ブルースカバー「I Can't Quit You Baby」「How Many More Times」で締めくくる。カバー曲ですら自分たちのオリジナル曲みたいに仕上げてしまう独自のアレンジ力。ジミー・ペイジ(G)、恐るべし。

アレンジャー、プロデューサーとしての才能はもちろんのこと、本作でのギタープレイもなかなかのもの。ボンゾのリードドラム(笑)に引っ張られるように、決してテクニカルではないものの弾きまくるギター。その上で女性の喘ぎ声のごとくハイトーンボイスで歌いまくるロバート・プラント(Vo)。グルーヴ感の強いベースラインでリードドラムを支え、時にキーボードプレイも披露するマルチプレイヤーのジョン・ポール・ジョーンズ(B, Key)と、この時点ですでに才能溢れまくりな面々が揃ったことが伺えるわけです。

1st派か2nd派かでときどき意見が分かれることがありますが、自分の場合は基本的には2nd派なんですが(インパクトの強さで)、僅差で1stも好きだからどっちが優れてるなんて言えない(ただ、もっとも好きなのは『PRESENCE』なんですが)。ただ、今このタイミングでは1st派かもしれません(笑)。だって、本当に素晴らしいデビューアルバムなんだもの。改めて聴き入ってしまいましたよ。

……と、今回も思い出話でお茶を濁してしまい、申し訳ありません。なお、2014年発売のデラックス・エディションについては、後日改めて取り上げたいと思います。



▼LED ZEPPELIN『LED ZEPPELIN』
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投稿: 2017 06 18 12:00 午前 [1969年の作品, Led Zeppelin] | 固定リンク

2017年5月25日 (木)

ROBERT PLANT『NOW AND ZEN』(1988)

COVERDALE・PAGE、ジミー・ページのソロときたら、こちらも取り上げておかなくちゃいけないですよね。ってことで、ロバート・プラント御大が1988年初春にリリースした通算4作目のソロアルバム『NOW AND ZEN』を紹介したいと思います。

ソロになってから、いわゆる歌モノなソフトロックに挑んできたプラント。聴きようによってはLED ZEPPELIN最後のオリジナルアルバム『IN THROUGH THE OUT DOOR』(1979年)の延長線上と言えなくもないですが、ペイジが曲作りにもレコーディングにも参加してない以上、やっぱり別モノ感は拭いきれず。そんな中、1984年に発表したTHE HONEYDRIPPERS名義のEP『THE HONEYDRIPPERS: VOLUME ONE』(1984年)が予想を超えるヒットを記録。同作は50'sの名曲カバー集で、レコーディングにはジェフ・ベックやナイル・ロジャースのほか、ペイジも参加。そのペイジ参加曲「Sea Of Love」は全米3位という好成績を残すのでした。

以上、ZEPPELIN全盛期サウンドはもちろんのこと、ZEP的なことから距離を置いていたプラントが、この『NOW AND ZEN』というアルバムではZEP的アプローチを比較的前向きに捉えて、制作に挑んでおります。

一説によると、アルバムのオープニングを飾る「Heaven Know」のデモを聴いてZEPに対するネガティブな考えを改めたという話があります。これをきっかけに、同曲を作曲したフィル・ジョンストンが全面参加することに。以降、彼は『MANIC NIRVANA』(1990年)、『FATE OF NATIONS』(1993年)でプラントの片腕として活躍するわけです。

レコーディングにはダグ・ボイル(G / のちにCARAVANに加入)、フィル・スクラッグ(B)、フィル・ジョンストン(Key)、クリス・ブラックウェル(Dr)という新たな布陣が参加。この『NOW AND ZEN』という新たなプロジェクトのために揃えられた面々で、以降も彼らはプラントのレコーディングやライブに関わっていくことから、プラントがロック色を強めていく上で非常に重要な役割を果たした面々と言えます。

序盤3曲は打ち込み主体なので、特に「Heaven Knows」「Tall Cool One」のようなプラント&ペイジ共演曲が“モロにZEP”になってしまうことをうまく避けているというか。だからこそ4曲目「The Way I Feel」以降のバンドサウンドとの対比が面白い。「Helen Of Troy」みたいにダイナミックなロックを当時のプラントがやっているのも興味深いし、オールディーズ(ドゥー=ワップ)テイストのロックンロール「Billy's Revenge」も思わずニヤリとしてしまう1曲だし。かと思えば「Ship Of Fools」のようなメロウバラードもあるし、ニューウェイブ的な「Why」、いかにも80年代的なシンセポップロック「Walking Towards Paradise」もあり、それまでの歌モノ路線と以降ロック色を強めていく路線との過渡期的1枚と言えるかもしれません。

そんな中、やっぱり特筆すべきは「Tall Cool One」なんでしょうね。曲調自体はシンプルな打ち込みポップロックなんですが、ヒップホップ的手法でLED ZEPPELIN「Black Dog」「Whole Lotta Love」「The Ocean」「Custard Pie」などをサンプリングして曲に乗せるという反則技を取り入れ、なおかつペイジがギターで参加するという「どう考えてもこれ、LED ZEPPELINをやろうとしてるよね?」的思考を誘発させるアレンジ。なのに曲自体はやっぱりZEPっぽくないという、ただ反則でしかない1曲なわけです。要するに、これが当時HR/HMシーンを賑わせていた「ZEPクローン」に対するプラントからの答えだったのかな……と思ったら、KINGDOM COMEのデビューはほぼ同時期だったので、それは考えすぎかな。

なんにせよ、LED ZEPPELINの面影を求めて聴いたら痛い目を見る、だけど不思議と嫌いになれない1枚。まぁ本作がなかったら後のPAGE/PLANTはなかったわけですしね(と、最近毎回同じ締めをしてる気が)。



▼ROBERT PLANT『NOW AND ZEN』
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投稿: 2017 05 25 12:00 午前 [1988年の作品, Jimmy Page, Led Zeppelin, Robert Plant] | 固定リンク

2017年5月24日 (水)

JIMMY PAGE『OUTRIDER』(1988)

ジミー・ペイジがLED ZEPPELIN解散後、初めて本格的に取り組んだソロ“ロック”アルバムが、1988年に発表された本作。ペイジは1982年に映画『ロサンゼルス』(原題:DEATH WISH II)のサウンドトラックを発表しており、ソロ作品としては同作が1枚目ということになりますが、当然ながらファンが求めるサウンドではなかったし、その後ポール・ロジャース(FREE、BAD COMPANY)らと結成したTHE FIRMもZEPPELINとはかけ離れたブルースロックだったし。で、1985年の『LIVE AID』でZEPPELINが“擬似”再結成したり、1988年のAtlantic Records 40周年記念ライブでボンゾ(ジョン・ボーナム)の息子、ジェイソンを迎えたZEPPELIN“ほぼ”再結成があったりで、ファン的には「いいから早くちゃんとやれ!」とツッコミを入れたくなる日々がずーっと続いていたわけです。

が、当時高校生だった自分にとっては、この『OUTRIDER』がリアルタイムで初めて接する「ペイジがZEP的ロックをやる」アルバムだったわけで。しかもリリース直前にAtlantic Records 40周年記念ライブをテレビ(そう、当時は深夜にこういうのをちゃんと地上波で放送してくれたんですよ!)で観たこともあり(確か、番組の合間に本作のCMもやってましたよね)、期待は高まる一方だったわけです。

ちょうど本作リリース数ヶ月前に、ロバート・プラントがソロアルバム『NOW AND ZEN』を発表したばかり。こちらはそれ以前のソロ作と比べれば若干開き直った作風(当時はそんなこと微塵も思わなかったけど)で、中にはZEPナンバーをサンプリングした楽曲「Tall Cool One」もあったし、同曲と「Heaven Knows」ではかのペイジがギターでゲスト参加しており、それなりに話題になったばかりでした。

で、『OUTRIDER』ですが。確かにペイジらしさ、ZEPっぽさは感じられます。1曲目「Wasting My Time」は『PHYSICAL GRAFFITI』(1975年)のアウトテイクと言われたら信じちゃうような楽曲だし、プラントが自身のソロ作参加のお礼でゲスト参加した「The Only One」も『CODA』(1982年)に入ってそうなタイプだし。「Wanna Make Love」も……まぁZEP寄りかなと。途中で入る転調も“らしい”しね。

そう、アナログでいうA面(M-1〜5。うちM-3、5はインスト)は確かにペイジ、頑張ってZEPを演じてるんですよ。しかし、アナログB面(M-6〜9)は完全に別モノ。もっとレイドバックしたブルースロックといいますか、そもそもボーカルがプラント的なシンガーじゃない。

あ、言い忘れましたが、「Wasting My Time」「Wanna Make Love」を歌うのは、ブルーアイドソウルシンガーのジョン・マイルズ。そこそこプラントに似せようと頑張ってます、というか当のプラントがもはやハイトーン無理なので、こっちのほうがプラントっぽいといいますか(笑)。

で、B面で歌っているのがイギリスの名ブルース/ソウルシンガーのクリス・ファーロウ。かつてROLLING STONE「Out Of Time」のカバーをヒットさせた人ですね。ファーロウのボーカルに合わせて、ペイジもレイドバックしまくり、というか趣味丸出しです。レオン・ラッセルのカバー「Hummingbird」や、「Prison Blues」「Blues Anthem (If I Cannot Have Your Love…)」なんていうまんまなオリジナル曲まであり、もう聴いてるこっちが恥ずかしくなるくらい(嘘ですが)。

そういうこともあり、当時は期待値が高かっただけに「満足45%、よくわかんないけどわかった気になってる55%」ぐらいの比率で何度も聴き込みました。そういうこともあり、嫌いになれない1枚なんですよね。

あ、インスト曲が良いです(そこ?)。すごく“ソロアルバム”っぽくて、良いです。別にペイジはジェフ・ベックやクラプトンみたいにエレキギターをバリバリ弾きまくったインストソロを作らなくてもいいんです。こういう曲が聴けたら……っていうのは擁護しすぎ?

まぁ何はともあれ、このアルバムがなかったらその後のCOVERDALE・PAGEも、PAGE/PLANTもなかったわけで。そういう意味でも1990年代以降のZEPPELINワークスを語る上で非常に重要な1枚なわけです。



▼JIMMY PAGE『OUTRIDER』
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投稿: 2017 05 24 12:00 午前 [1988年の作品, Jimmy Page, Led Zeppelin] | 固定リンク

2017年5月23日 (火)

COVERDALE・PAGE『COVERDALE・PAGE』(1993)

1993年初春にリリースされた、元LED ZEPPELINのジミー・ペイジ、そして当時WHITESNAKEの活動を停止させていたデヴィッド・カヴァデールが結成したスーパーグループCOVERDALE・PAGEの、最初で最後のアルバム。大概のスーパーグループは大した成功を収めることもなく、短命で終わるわけですが、このバンドの場合もアルバム作ったはいいけどワールドツアーが行われることもなく、同年12月に日本でツアーが行われたのみというありさま。まぁそんなもんですよね。

大ヒット作『WHITESNAKE』(1987年)とそれをフォローアップする『SLIP OF THE TONGUE』(1989年)で、それまでの中音域を軸とした歌い方からハイトーンでガナる歌唱法に変わり、喉を酷使しまくったカヴァデール。バンドメンバーともなんだかんだあり、結局1990年夏のツアー終了をもってWHITESNAKEの活動を一旦休止させます。

同じ頃、1988年に初の本格的ソロアルバム『OUTRIDER』のリリース、同年春に実施されたAtlantic Records 40周年コンサートでのジェイソン・ボーナム(ジョン・ボーナムの息子)を交えた編成でのLED ZEPPELIN復活な、そして1990年にZEPPELINのスタジオアルバムリマスタリング&ボックスセットのリリースなど、解散以降ようやくZEPPELINと本気で向き合い始めたペイジ。当初はロバート・プラントに再結成を持ちかけたようですが、過去を振り返るのが嫌いなプラントから拒否られ、「だったら、他に歌える奴と組むか」……と思ったかどうかは知りませんが、80年代後半に「ZEPクローン」のきっかけを作ったカヴァデールと組むことになるわけです。

「LED ZEPPELINとWHITESNAKEの邂逅」とも「LED ZEPPELINとDEEP PURPLE(だが3、4期)の邂逅」とも受け取れるこのCOVERDALE・PAGE。カヴァデールとペイジ、そして当時AEROSMITHなどで名を上げていたエンジニアのマイク・フレイザーが共同プロデュースを務め、レコーディングにはドラムにデニー・カーマッシ(元MONTROSE、HEART。この後、WHITESNAKEに加入)、ベースにヨルグ・カサス(80年代にグロリア・エステファンのMIAMI SOUND MACHINEにいた人みたいです)、キーボードにレスター・メンデス(サンタナはじめラテン系アーティストと関わりが深い、ソングライター兼キーボーディスト)が軸となって参加しています(一部楽曲で元THE BABYS、BAD ENGLISHのリッキー・フィリップスがベースを弾いていたり、MVで当時THUNDERに在籍していたマーク・スネイク・ラックハーストがベースを弾いていて、これを理由にバンドをクビになったなんて話もあります)。

さて、前置きが長くなりましたが……アルバム、長くないですか?(苦笑) 11曲で60分超え。当時はCD大全盛期突入期で、多くのロックバンドが60分超えの作品を続発していましたが(AEROSMITH『GET A GRIP』、BON JOVI『KEEP THE FAITH』など)、COVERDALE・PAGEの場合は1曲あたりのカロリーが高い! 3分台〜4分台前半の楽曲は2曲のみ、6分超えは4曲(ほぼ6分を含めて5曲)ですからね。これ、単にペイジの趣味なのか、カヴァデールがペイジと組めるからと頑張っちゃったのか。

ただ、それぞれの楽曲は「当時における現代的なハードロック」として考えればよくできていると思います。なにせペイジが本腰を入れてZEPPLEINの封印を解いて作った楽曲に、そこに当時バリバリハイトーン+加齢による枯れも加わり始めたカヴァデールの歌が乗るわけですから、悪いわけがない。

もちろん、それはフラットに見ればの話。これがLED ZEPPELIN、WHITESNAKEどちらか一方にでも偏ってしまったら、一気に駄作の烙印が押されてしまいそうな気がしますが。

基本的にはWHITESNAKEが『SLIDE IT IN』(1984年)や『WHITESNAKE』、『SLIP OF THE TONGUE』で試みた“ブルージーで仰々しいバンドサウンドにハイトーンボーカルが乗る”スタイルがベースにあり、そこにペイジならではのアイデアが加えられていくといった印象。だからZEPPELINファンからすれば不満が多そうですし、WHITESNAKEファンからすれば「直近2作と比べたらギターが……」と思うかもしれない。そう、だからどちらか一方に偏っちゃダメなんです。気を確かに。

サウンドやバンドアレンジ自体はペイジらしさも確かにあるし(特にアコースティックギターを多用したプレイやハーモニカを導入するところ)、ソロ作『OUTRIDER』がレイドバックしたブルースロックだったから正直ここまでモダンなことやるか!という驚きも多かった。けど、ペイジ自身はこれに近いことをプラントとやりたかったんだよね。中音域がセクシーなカヴァデールがさんざん「もうおなかいっぱい」と言ってたハイトーンを連発するのは、そのへんも大きく関係しているんじゃないかと思われます。

とはいえ、ちゃんと中音域を多用した楽曲も収められていて。バラードタイプの「Take Me For A Little While」や「Take A Look At Yourself」がまさにそれで、前者はZEPPELINタイプ、後者はWHITESNAKEタイプと受け取ることもできるかと(また比較しちゃった)。ペイジが得意とする中近東テキスト+フォーキーさが色濃く表れた(主に前半)「Easy Does It」もそっち寄りかと。もっと言えば「Shake My Tree」や「Pride And Joy」にもそういう要素がちゃんと含まれているよね。さすがに枯れすぎで最初聴いたときは度肝を抜かれたけど。

前半の「LEDクローン」的楽曲も決して悪くないんだけど、個人的には終盤の3曲……当時のカヴァデールがいかにもやりそうなヘヴィブルース(しかも本作最長の約8分)「Don't Leave Me This Way」、ライブのオープニングにふさわしくてひたすらカッコいい「Absolution Blues」、ZEPPELINやWHITESNAKEというよりCOVERDALE・PAGEとしての可能性を感じさせたラストトラック「Whisper A Prayer For The Dying」が良いんですよね。派手さ的には前半4曲(「Shake My Tree」「Waiting On You」「Take Me For A Little While」「Pride And Joy」)なんだろうけどね。

時代的にはグランジ全盛期、HR/HMはすでにオールドウェイブ的存在に追いやられていた中発表された本作は、全米5位、全英4位を記録。セールス的には全米50万枚止まりだったようです。WHITESNAKEの新作と考えればまずまずの成功と言えるし、LED ZEPPELIN関連作と捉えれば低調と言わざるをえない。この微妙な結果がプロジェクトの寿命をより縮めた、とも言えますが……ただ、この“実験”があったからこそ、ペイジは翌年以降にプラントと組んでアルバム作ったりライブをしたりできたわけで、カヴァデールもWHITESNAKE再編へと動きだすことができたわけです。そういう意味においては、スーパーグループではあったけどそれぞれにとって過渡期だった……と言ったら失礼でしょうか。



▼COVERDALE・PAGE『COVERDALE・PAGE』
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投稿: 2017 05 23 12:00 午前 [1993年の作品, Coverdale・Page, Jimmy Page, Led Zeppelin, Whitesnake] | 固定リンク

2005年7月24日 (日)

FOO FIGHTERS『IN YOUR HONOR』(2005)

FOO FIGHTERSがここまでデカイ存在になるなんて、10年前は想像もしてなかったよね。最初の頃はリキッドルームや赤坂BLITZが程よい大きさだと思ってたのに、気づいたら世界各国の大型フェスティバルのヘッドライナークラスですよ。確かにNIRVANAは越えられない大きな壁かもしれないけど、もはやそんなこと気にする必要もなくなっちゃいましたよね。

通算5作目となるアルバムは、ロックサイドとアコースティックサイドの2面性を強調した2枚組。昨年のレコーディング前からデイヴ・グロウルはビートルズの『ホワイト・アルバム』的な2枚組アルバムを作りたい」なんて発言していて、その時はまぁ何だかんだ言って1枚ものになるんだろうなぁと思ってましたが、まさか有言実行するとはね。逆に、それだけ今のバンドの状態が良いってことなのかもしれませんね、これだけの短期間に集中して、これだけ濃い作品集を作れてしまったってことは。


メンバー自体は前作『ONE BY ONE』(2002年)と同じ、ロックサイド的なDISC-1の方も作風自体はその前作の延長線上にある流れなのですが、個人的には今回の方が更にしっくり来るというか。王道ハードロック路線を突き進んだ前作の後、デイヴはメタル道追求プロジェクト『ROBOT』(2004年)を経てこのアルバム制作に挑んだわけですが、『ONE BY ONE』にあった堅苦しさというか(悪い意味での)暑苦しさが『ROBOT』で灰汁抜きされたのか、同じ方向性でも今回の方がもっとナチュラルに感じられる。良い意味で1st〜3rdアルバムまでの集大成的な要素さえも感じられる。だから自分にとって聴きやすかったのかもしれませんね。

そして問題のDISC-2。アコースティック/バラード調を主体とした、いわば新境地/冒険作と呼べる内容で、こういうことが出来るってことはやはりバンド自体が上手く機能していて、尚かつ余裕が出来てきたんだろうなぁ、なんてことを勝手に想像してます。デイヴがこういうアコースティック主体のスローチューンを歌うのは決して初めてのことではなく(NIRVANA時代にもありましたしね)、そういう意味での物珍しさ/新鮮さはそこまで感じませんでしたし、俺は周りが感じた程の驚きというのもそこまでなかったんですよ。むしろその片鱗は1stアルバム『FOO FIGHTERS』(1995年)の頃からあったし(「Big Me」なんてアレンジがアレンジなら、このディスクに入っていても違和感ないですしね)。ジョン・ポール・ジョーンズ(元LEZ ZEPPELIN)やノラ・ジョーンズといったゲスト陣や、ドラムのテイラー・ホーキンスが「Cold Day In The Sun」でボーカルを取っていたり等、話題となりそうな焦点は幾つもあるけど、俺的にはそういった二次的要素よりも楽曲……とにかくデイヴ及びFOO FIGHTERSのメンバーは、こっちのディスクの曲がやりたくて今回のアルバムを作ったんだろうなぁ‥‥と邪推をしたくなっちゃう程、ホントよく出来てるんですよ。

デイヴがアルバム制作前に比喩した、ビートルズの『ホワイト・アルバム』……確かにこのDISC-2にはあのアルバムにあったような多面性や雑多性が強く感じられる内容になってるし、そしてアルバムとして散漫にならないようにちゃんと工夫されてる。そして従来のファンを納得させるためにも、更に自分達の得意とするものを最も得意な手法で作ったDISC-1があって、初めてこの2枚組は「FOO FIGHTERSのアルバム」として成立する。お見事としか言いようがないなぁ。

デイヴひとりで「おもちゃ箱をひっくり返す」ように制作された1stから10年。FOO FIGHTERSはちゃんとした“バンド”になり、そして大人になった。ただ目の前をおもちゃを手当り次第に使ってたデイヴはもうここにはおらず、そのおもちゃひとつひとつの使い方を熟知し、更に吟味するレベルにまで到達してしまってるんだから‥‥そりゃ、オーバーグラウンドでここまで大きくなってしまったのも納得がいく話ですよ。

実はFOO FIGHTERSは1998年1月の初ジャパンツアー以来、一度もライヴを観れてなかったので(運悪く、俺が行けなかった2000年のフジロックに出てたり、あとギリギリまで悩んだ『MAGIC ROCK OUT』初年度にも出てたんだよね)、今年のフジでは是非その勇姿を拝みたいなぁと思ってるんですが。フジ初日、個人的ハイライトのひとつですね。楽しみです。



▼FOO FIGHTERS『IN YOUR HONOR』
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投稿: 2005 07 24 09:08 午前 [2005年の作品, Foo Fighters, Led Zeppelin] | 固定リンク

2004年10月23日 (土)

とみぃ洋楽100番勝負(66)

●第66回:「Achilles Last Stand」 LED ZEPPELIN ('76)

 以前「ツェッペリンは最初に聴くなら2ndか4枚目」って書いた俺だけど、じゃあ「彼等の最高傑作は?」と問われたら、真っ先に挙げるのがこの「PRESENCE」という通算7作目のオリジナルアルバム。ある意味、それまで彼等がやってきたことの集大成であり、ひとつの完成型であるのがこの作品集だと言えるんじゃないでしょうかね。

 そのアルバムトップに収められているのが、この10分もある "アキレス最後の戦い" という邦題の付いた1曲。ZEPのハードロックサイドの、ひとつの完成型であるのと同時に、バンドとしてのテンションの高さが結成後8年経った時点でも全然落ちてない、むしろ1stの頃とは違ったレベルで、違った地点までたどり着いてしまったなぁ、という妙な説得力がある‥‥いや、説得力というか無理矢理納得させてしまうような暴力性すら兼ね備えてるといっていいかも。とにかく個人的にはZEPの楽曲の中でナンバー1ですね。

 俺さ。ZEPに関しては意外と正しい聴き方をしてきたのね‥‥いや、最初に聴いたのは2ndだし、次は4枚目、その次は「永遠の詩」という2枚組ライヴ盤だから正しくはないけど‥‥そういうことじゃなくて。'88年頃にZEPの全作品を含む一部の洋楽名盤群が2,000円くらいで再発されて‥‥所謂「ナイス・プライス・シリーズ」とか「エヴァー・グリーン・シリーズ」みたいな名前で各レコード会社が廉価盤をリリースし始めたのがこの頃からで。確かZEPはジミー・ペイジ久々のソロアルバム(いや、サントラを除けば実質初、か)「OUTRIDER」リリースに合わせて全作品が再発されたのね。

 でさ。高校生だった当時の俺は金持ってなかったから、1stから順番に、少しずつ買い集めてったのよ、ZEPのCDを。高校卒業する頃に5作目「聖なる館」まで買い揃えたのかな。

 そして浪人生活に入って、上京してさ。仕送りの中から食費を可能な限り削って、残りを全部CDにつぎ込んで。そんな中で買った1枚なんだけど‥‥

 ぶっ飛んだなぁ、初めて聴いた時。いや、ZEPに関してはアルバム毎回聴く度にぶっ飛ばされてたんだけど(例えそれが「IN THROUGH THE OUT DOOR」でもね)、この時はそれまでの比じゃなかったね。やっぱり "Achilles Last Stand" のインパクトがね。

 今でも鳥肌立つもの、この曲のイントロ‥‥アルペジオがフェードインしてくる瞬間。



▼LED ZEPPELIN「PRESENCE」 (amazon

投稿: 2004 10 23 12:00 午前 [1976年の作品, Led Zeppelin, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004年9月21日 (火)

とみぃ洋楽100番勝負(33)

●第33回:「Whole Lotta Love」 LED ZEPPELIN ('69)

 中学〜高校の頃、よく「FM STATION」とか「FM FAN」を買ってたんですよ。今の若い子は知らないだろうけど、所謂FMラジオの番組表雑誌なんですよ。ここに「どの番組では何が流れる」といった具合に放送曲目が載ってるわけね。エアチェック族としては必需品だったわけ。

 で、幼い頃はこれらの雑誌の音楽特集記事からいろいろ勉強したわけですよ。「名盤100選」みたいな企画が、必ず年に1度はあるわけでして。

 確か高校に入った頃に「洋楽歴史的名盤100選」みたいな企画で挙げられていたのが、DEEP PURPLE「MACHINE HEAD」とLED ZEPPELIN「II」だったんだよね。共に名前は知ってたものの、実は中学時代は全然通過してなくて(いや、嘘。DEEP PURPLEは "Smoke On The Water" 知ってたし、雑誌「BURRN!」のラジオCMで必ず流れる "Burn" のリフとサビも耳にしてたし、何より再結成パープルの「PERFECT STRANGERS」はレンタルで借りて聴いてたしね。でも夢中にはならなかったって意味で、通過してません)‥‥で、思い切って借りたわけですよ。

 最初に「MACHINE HEAD」を聴いて、おー "Highway Star" はかっけーなぁ、とか、"Lazy" のスリリングな演奏がめちゃめちゃイカすなー、とか思ってたわけですよ。あーパープルって意外にカッコいいんだ、とRAINBOW派の俺も素直にそう感じたんですね。

 ところが‥‥ZEPのCDをトレイに落とし、プレイボタンを押した後‥‥ものの数分でやられちゃったわけ。判るでしょ、この "Whole Lotta Love" 1曲のインパクト‥‥

 自分が音楽を「作る」上で、その原点となってるのは間違いなくBEATLESとZEPなのね。高校時代の俺にとって、確かにZEPは「最高のハードロックバンド」だったんだけど、今では全然そんな認識ないからね。普通に頭のイカれたミクスチャーロックバンド、くらいの認識ですよ。

 とにかく。ZEPは "Stairway To Heaven" や "Rock And Roll" から入るんじゃなくて、このセカンドから入っていくのが正しい道だと思います。そこからファースト、そして4枚目に行けばいいんじゃないの?



▼LED ZEPPELIN「II」(amazon

投稿: 2004 09 21 12:00 午前 [1969年の作品, Led Zeppelin, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2003年12月 1日 (月)

LED ZEPPELIN『HOW THE WEST WAS WON』(2003)

「とみぃの宮殿」5周年を記念する月、そしてその記念すべき日に何を取り上げようかと悩んだのですが‥‥やはり自分の原点となるようなアーティストを毎年12/1には取り上げてきてるので、今年もそんな感じで行こうかなと思ってたわけですよ。

そしたらさ、今年新譜出したじゃないの、こいつらが。いや、純粋な意味での新譜ではないんですが‥‥けど、間違いなく「新譜」ですよね、これ。

というわけで、俺の人生観を大きく変えやがったバカバンドの中のひとつ、LED ZEPPELINが今年リリースしたライヴアルバム、「HOW THE WEST WAS WON」を取り上げたいと思います。ベタとか言うなそこ。

ZEPと出会って早20年近く。当時「FMステーション」という雑誌を買っていた中学生の俺が、お約束ともいえる「ロックの名盤100選」みたいな特集記事を読んで、思いっきり惹かれまくったのがDEEP PURPLEの「MACHINE HEAD」とこのZEPのセカンドアルバムだったわけでして。同時に2枚、今や懐かしい存在となりつつある貸しレコード店「友&愛」に行って借りてきて。ある意味耳に優しいパープルは一発で気に入ったのですが、ZEPは‥‥なんじゃこりゃ!?的衝撃があったわけですよ。とにかく曲が良いとか何が凄いとか言えず、ただただ「凄い」と。結局、あれから20年以上経った今でも、俺にとってのZEPというのは「何だかよく判らないけど、凄い存在」なわけですよ。

その20年近くの間に、何度もリバイバルヒットをするわけですよ、彼等は。「LIVE AID」というチャリティーライヴでは、ドラムにフィル・コリンズとトニー・トンプソン(R.I.P.)を迎えて無理矢理再結成したり、'88年に行われた「ATLANTIC RECORDS」40周年記念ライヴでもドラムに亡くなったジョン・ボーナムの息子、ジェイソン・ボーナムを迎えて簡単に再結成してしまったり。'90年代半ばにはジミー・ペイジとロバート・プラントが活動を共にし「PAGE・PLANT」名義でMTVアンプラグドに出演したり、'98年にはアルバムまで作ってしまったりといろいろ無茶なことばかりし続けてきたわけですよ、オッサン達は。しかもその合間、'90年にリマスター・ベスト&ボックスセットをリリースしたり、やれ紙ジャケだ、新リマスターだ、新しいベストだと手を変え品を変え我々の購買意欲に火を着け、'97年には秘蔵音源集その1といえる「BBC SESSIONS」をリリースしたりして、新たに若いファンを産み続けているわけですよ。何なんでしょう、このオヤジ達は‥‥

そして2003年。バンドのデビューから約35年、解散から数えても23年近く経った今年、秘蔵音源集その2といえる今回の3枚組ライヴCD「HOW THE WEST WAS WON」と、「どこにそんな映像が残ってたんだよ!?」と思わず唸ってしまうような2枚組DVD「LED ZEPPELIN」を同時リリース。DVDの方なんて全部で約5時間ですよ!? これ全部観るのにひと月近くかかりましたもん。つうか集中力が続かないって、そんなに。ライヴアルバムもだけどさ‥‥本当に体力使うのよ、ZEPの音源聴く時は。半端な体力じゃ保たないもん、この「音の塊」に身を委ねるっていう行為は。

簡単な解説を。このライヴCDは、'72年6月25日のLAフォーラム公演と同27日のロング・ビーチ・アリーナ公演(共にカリフォルニア)の音源から、オイシイ所をひとまとめにして、あたかも1本のライヴを観てる(聴いてる)かのような錯覚を与える程の統一感を持たせた、所謂「疑似ライヴ実況盤」として編集されております。が、そんなことは言われなければ気づかないことであって、実際この3枚をぶっ通しで聴いていると‥‥知っている人は多いと思いますが、彼等のライヴというのはとにかく長く、特に初期は気分によってその長さが3時間にも4時間にもなったという逸話がある程なんですね。例えば2度目の来日時だったか、大阪かどこかではやはり4時間近く演奏したという伝説も残していますしね。このライヴ盤では約150分程度に収まってますが、まぁそれでもこれくらいが基本スタイルだったんじゃないかな?と思わせるような、本当に「度を超した」ライヴなんですよ。

曲数にしたら17曲。普通のバンドだったら90分もあれば十分でしょうけど、そこはZEP。同じ曲でも日によって長さが全然違ったりするんですからね。特に "Dazed And Confused" やジョン・ボーナムのドラムソロを含む "Moby Dick"、終盤の山場である "Whole Lotta Love" なんていうのは、本当に長いですからね。このアルバムでもそれぞれ20分を軽く超える即興の嵐ですから。楽曲至上主義の音楽ファンが聴いたら正直キツいと思うかもしれませんが、特にバンドをやってたような人なら誰もが唸ってしまうようなプレイの応酬ですよ。ホント、「凄い」以外の言葉が浮かばない程に「度を超した」ライヴ。

そしてこの頃('72年)頃になると、アルバムだと5作目「THE HOUSE OF HOLY」リリース前なのですが既に "Over The Hills And Far Away" や "Dancing Days"、"The Ocean" といった新曲もプレイしてるんですね。非常に興味深い。更にディスク1後半のアコースティック・コーナー(サードや4作目収録の "Going To California"、"That's The Way"、"Bron-Yr-Aur Stomp")も興味深いし(それまで唯一のライヴ作品とされてきた「THE SONG REMAINS THE SAME」では聴けないものですからね)。そうそう、何よりもその「THE SONG REMAINS THE SAME」と比べてもロバート・プラントの声が張りまくっていて、高音も気持ち良いくらいに出てるんですね。この後になると高音が厳しくなってきて、段々オリジナルのメロディーを端折って歌うようになりますからね("Rock And Roll"に顕著ですよね)。そういう面から見ても、当時の勢いや凄み、「TOO MUCHさ」が十分に伝わるんじゃないでしょうか?

それにしてもこの音源、本当に音がクリアですよね。当時のライヴ・レコーディングにはかのエディ・クレイマーが当たっていたんですが、今回リリースするに当たってケヴィン・シャーリーがミックスし直してるんですわ。この人、デジタル面で特に抜きん出てるプロデューサー/エンジニアなので、相当いじりまくったとは思うんですが‥‥聴いてて全然違和感感じませんから、さすがというか。

‥‥ってここまで小難しいことをいろいろ書いてきたけど、これら全部頭から一旦消し去ってください。そしてただひたすら150分、ぶっ通しで聴いてみて。ホント凄いから。何だかよく判らないけど凄いからさ。

‥‥って、5年サイト続けてきて、締めの言葉が「何だかよく判らないけど凄いからさ。」ってのも凄いよな。いろんな意味で。この成長の無さが5年も続く秘訣だったのか!(驚。のち号泣)



▼LED ZEPPELIN『HOW THE WEST WAS WON』
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投稿: 2003 12 01 03:40 午前 [2003年の作品, Led Zeppelin] | 固定リンク