2017/06/18

LED ZEPPELIN『LED ZEPPELIN』(1969)

1969年初頭にリリースされた、LED ZEPPELINの記念すべき1stアルバム。当時は全英6位、全米7位と1位こそ獲っていないものの、今日までに全米だけでも800万枚を超える売り上げを記録。デビュー作としては申し分のないヒット作になったと思いますし、本作のこの成功があったからこそ続く2ndアルバムから快進撃が始まるわけですからね。

私自身がツェッペリンを聴き始めたのが高校1年の頃。最初は2枚目、続いて4枚目というありがちなコースをたどったわけですが、その次が実は……3rdなんです(笑)。そっちに行っちゃったか〜って感じかもしれませんが、当時地元のレンタル店に2枚目〜4枚目とライブ盤しかなかったもので。

しかし、1988年にツェッペリンのアルバムが廉価版として再発。2000円以下で手軽に手に入るということで、まず最初に購入したのがこの1stアルバムだったのです。以降、高校生の小遣いで少しずつ、リリース順に買い集めていくのですが、途中でなぜか全作品をアナログ盤でいただくというハプニングが。結局高校生の間に全アルバムを制覇することができたわけです。

1stアルバムの印象というと、やはり1曲目「Good Times Bad Times」イントロの、「ダン、ダン!」というインパクトの強いジョン・ボーナム(Dr)のドラムなわけですが、初めて聴いたときはそこまで衝撃を受けることなく(苦笑)。むしろ「Communication Breakdown」みたいな速い曲にばかり目が(耳が)行ってしまったという。そりゃあ2ndと比べたら、1曲目のインパクトは弱いかもしれませんが、今となっては本作のカッコ良さ、嫌というほどに理解できます。

「Good Times Bad Times」のインパクトもさることながら、つづく2曲目「Babe I'm Gonna Leave You」のドラマチックさも完璧。続くブルースナンバー2連発「You Shook Me」「Dazed And Confused」(ここまで4曲中3曲がカバーという)でこのバンドの真髄をじっくり味わい、B面はもうちょっとバラエティに富んだ楽曲群を味わう。どことなくゴスペルチックな「Your Time Is Gonna Gome」、インスト「Black Mountain Side」、ファストチューン「Communication Breakdown」ときて、再度ブルースカバー「I Can't Quit You Baby」「How Many More Times」で締めくくる。カバー曲ですら自分たちのオリジナル曲みたいに仕上げてしまう独自のアレンジ力。ジミー・ペイジ(G)、恐るべし。

アレンジャー、プロデューサーとしての才能はもちろんのこと、本作でのギタープレイもなかなかのもの。ボンゾのリードドラム(笑)に引っ張られるように、決してテクニカルではないものの弾きまくるギター。その上で女性の喘ぎ声のごとくハイトーンボイスで歌いまくるロバート・プラント(Vo)。グルーヴ感の強いベースラインでリードドラムを支え、時にキーボードプレイも披露するマルチプレイヤーのジョン・ポール・ジョーンズ(B, Key)と、この時点ですでに才能溢れまくりな面々が揃ったことが伺えるわけです。

1st派か2nd派かでときどき意見が分かれることがありますが、自分の場合は基本的には2nd派なんですが(インパクトの強さで)、僅差で1stも好きだからどっちが優れてるなんて言えない(ただ、もっとも好きなのは『PRESENCE』なんですが)。ただ、今このタイミングでは1st派かもしれません(笑)。だって、本当に素晴らしいデビューアルバムなんだもの。改めて聴き入ってしまいましたよ。

……と、今回も思い出話でお茶を濁してしまい、申し訳ありません。なお、2014年発売のデラックス・エディションについては、後日改めて取り上げたいと思います。



▼LED ZEPPELIN『LED ZEPPELIN』
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投稿: 2017 06 18 12:00 午前 [1969年の作品, Led Zeppelin] | 固定リンク

2017/05/25

ROBERT PLANT『NOW AND ZEN』(1988)

COVERDALE・PAGE、ジミー・ページのソロときたら、こちらも取り上げておかなくちゃいけないですよね。ってことで、ロバート・プラント御大が1988年初春にリリースした通算4作目のソロアルバム『NOW AND ZEN』を紹介したいと思います。

ソロになってから、いわゆる歌モノなソフトロックに挑んできたプラント。聴きようによってはLED ZEPPELIN最後のオリジナルアルバム『IN THROUGH THE OUT DOOR』(1979年)の延長線上と言えなくもないですが、ペイジが曲作りにもレコーディングにも参加してない以上、やっぱり別モノ感は拭いきれず。そんな中、1984年に発表したTHE HONEYDRIPPERS名義のEP『THE HONEYDRIPPERS: VOLUME ONE』(1984年)が予想を超えるヒットを記録。同作は50'sの名曲カバー集で、レコーディングにはジェフ・ベックやナイル・ロジャースのほか、ペイジも参加。そのペイジ参加曲「Sea Of Love」は全米3位という好成績を残すのでした。

以上、ZEPPELIN全盛期サウンドはもちろんのこと、ZEP的なことから距離を置いていたプラントが、この『NOW AND ZEN』というアルバムではZEP的アプローチを比較的前向きに捉えて、制作に挑んでおります。

一説によると、アルバムのオープニングを飾る「Heaven Know」のデモを聴いてZEPに対するネガティブな考えを改めたという話があります。これをきっかけに、同曲を作曲したフィル・ジョンストンが全面参加することに。以降、彼は『MANIC NIRVANA』(1990年)、『FATE OF NATIONS』(1993年)でプラントの片腕として活躍するわけです。

レコーディングにはダグ・ボイル(G / のちにCARAVANに加入)、フィル・スクラッグ(B)、フィル・ジョンストン(Key)、クリス・ブラックウェル(Dr)という新たな布陣が参加。この『NOW AND ZEN』という新たなプロジェクトのために揃えられた面々で、以降も彼らはプラントのレコーディングやライブに関わっていくことから、プラントがロック色を強めていく上で非常に重要な役割を果たした面々と言えます。

序盤3曲は打ち込み主体なので、特に「Heaven Knows」「Tall Cool One」のようなプラント&ペイジ共演曲が“モロにZEP”になってしまうことをうまく避けているというか。だからこそ4曲目「The Way I Feel」以降のバンドサウンドとの対比が面白い。「Helen Of Troy」みたいにダイナミックなロックを当時のプラントがやっているのも興味深いし、オールディーズ(ドゥー=ワップ)テイストのロックンロール「Billy's Revenge」も思わずニヤリとしてしまう1曲だし。かと思えば「Ship Of Fools」のようなメロウバラードもあるし、ニューウェイブ的な「Why」、いかにも80年代的なシンセポップロック「Walking Towards Paradise」もあり、それまでの歌モノ路線と以降ロック色を強めていく路線との過渡期的1枚と言えるかもしれません。

そんな中、やっぱり特筆すべきは「Tall Cool One」なんでしょうね。曲調自体はシンプルな打ち込みポップロックなんですが、ヒップホップ的手法でLED ZEPPELIN「Black Dog」「Whole Lotta Love」「The Ocean」「Custard Pie」などをサンプリングして曲に乗せるという反則技を取り入れ、なおかつペイジがギターで参加するという「どう考えてもこれ、LED ZEPPELINをやろうとしてるよね?」的思考を誘発させるアレンジ。なのに曲自体はやっぱりZEPっぽくないという、ただ反則でしかない1曲なわけです。要するに、これが当時HR/HMシーンを賑わせていた「ZEPクローン」に対するプラントからの答えだったのかな……と思ったら、KINGDOM COMEのデビューはほぼ同時期だったので、それは考えすぎかな。

なんにせよ、LED ZEPPELINの面影を求めて聴いたら痛い目を見る、だけど不思議と嫌いになれない1枚。まぁ本作がなかったら後のPAGE/PLANTはなかったわけですしね(と、最近毎回同じ締めをしてる気が)。



▼ROBERT PLANT『NOW AND ZEN』
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投稿: 2017 05 25 12:00 午前 [1988年の作品, Jimmy Page, Led Zeppelin, Robert Plant] | 固定リンク

2017/05/24

JIMMY PAGE『OUTRIDER』(1988)

ジミー・ペイジがLED ZEPPELIN解散後、初めて本格的に取り組んだソロ“ロック”アルバムが、1988年に発表された本作。ペイジは1982年に映画『ロサンゼルス』(原題:DEATH WISH II)のサウンドトラックを発表しており、ソロ作品としては同作が1枚目ということになりますが、当然ながらファンが求めるサウンドではなかったし、その後ポール・ロジャース(FREE、BAD COMPANY)らと結成したTHE FIRMもZEPPELINとはかけ離れたブルースロックだったし。で、1985年の『LIVE AID』でZEPPELINが“擬似”再結成したり、1988年のAtlantic Records 40周年記念ライブでボンゾ(ジョン・ボーナム)の息子、ジェイソンを迎えたZEPPELIN“ほぼ”再結成があったりで、ファン的には「いいから早くちゃんとやれ!」とツッコミを入れたくなる日々がずーっと続いていたわけです。

が、当時高校生だった自分にとっては、この『OUTRIDER』がリアルタイムで初めて接する「ペイジがZEP的ロックをやる」アルバムだったわけで。しかもリリース直前にAtlantic Records 40周年記念ライブをテレビ(そう、当時は深夜にこういうのをちゃんと地上波で放送してくれたんですよ!)で観たこともあり(確か、番組の合間に本作のCMもやってましたよね)、期待は高まる一方だったわけです。

ちょうど本作リリース数ヶ月前に、ロバート・プラントがソロアルバム『NOW AND ZEN』を発表したばかり。こちらはそれ以前のソロ作と比べれば若干開き直った作風(当時はそんなこと微塵も思わなかったけど)で、中にはZEPナンバーをサンプリングした楽曲「Tall Cool One」もあったし、同曲と「Heaven Knows」ではかのペイジがギターでゲスト参加しており、それなりに話題になったばかりでした。

で、『OUTRIDER』ですが。確かにペイジらしさ、ZEPっぽさは感じられます。1曲目「Wasting My Time」は『PHYSICAL GRAFFITI』(1975年)のアウトテイクと言われたら信じちゃうような楽曲だし、プラントが自身のソロ作参加のお礼でゲスト参加した「The Only One」も『CODA』(1982年)に入ってそうなタイプだし。「Wanna Make Love」も……まぁZEP寄りかなと。途中で入る転調も“らしい”しね。

そう、アナログでいうA面(M-1〜5。うちM-3、5はインスト)は確かにペイジ、頑張ってZEPを演じてるんですよ。しかし、アナログB面(M-6〜9)は完全に別モノ。もっとレイドバックしたブルースロックといいますか、そもそもボーカルがプラント的なシンガーじゃない。

あ、言い忘れましたが、「Wasting My Time」「Wanna Make Love」を歌うのは、ブルーアイドソウルシンガーのジョン・マイルズ。そこそこプラントに似せようと頑張ってます、というか当のプラントがもはやハイトーン無理なので、こっちのほうがプラントっぽいといいますか(笑)。

で、B面で歌っているのがイギリスの名ブルース/ソウルシンガーのクリス・ファーロウ。かつてROLLING STONE「Out Of Time」のカバーをヒットさせた人ですね。ファーロウのボーカルに合わせて、ペイジもレイドバックしまくり、というか趣味丸出しです。レオン・ラッセルのカバー「Hummingbird」や、「Prison Blues」「Blues Anthem (If I Cannot Have Your Love…)」なんていうまんまなオリジナル曲まであり、もう聴いてるこっちが恥ずかしくなるくらい(嘘ですが)。

そういうこともあり、当時は期待値が高かっただけに「満足45%、よくわかんないけどわかった気になってる55%」ぐらいの比率で何度も聴き込みました。そういうこともあり、嫌いになれない1枚なんですよね。

あ、インスト曲が良いです(そこ?)。すごく“ソロアルバム”っぽくて、良いです。別にペイジはジェフ・ベックやクラプトンみたいにエレキギターをバリバリ弾きまくったインストソロを作らなくてもいいんです。こういう曲が聴けたら……っていうのは擁護しすぎ?

まぁ何はともあれ、このアルバムがなかったらその後のCOVERDALE・PAGEも、PAGE/PLANTもなかったわけで。そういう意味でも1990年代以降のZEPPELINワークスを語る上で非常に重要な1枚なわけです。



▼JIMMY PAGE『OUTRIDER』
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投稿: 2017 05 24 12:00 午前 [1988年の作品, Jimmy Page, Led Zeppelin] | 固定リンク

2017/05/23

COVERDALE・PAGE『COVERDALE・PAGE』(1993)

1993年初春にリリースされた、元LED ZEPPELINのジミー・ペイジ、そして当時WHITESNAKEの活動を停止させていたデヴィッド・カヴァデールが結成したスーパーグループCOVERDALE・PAGEの、最初で最後のアルバム。大概のスーパーグループは大した成功を収めることもなく、短命で終わるわけですが、このバンドの場合もアルバム作ったはいいけどワールドツアーが行われることもなく、同年12月に日本でツアーが行われたのみというありさま。まぁそんなもんですよね。

大ヒット作『WHITESNAKE』(1987年)とそれをフォローアップする『SLIP OF THE TONGUE』(1989年)で、それまでの中音域を軸とした歌い方からハイトーンでガナる歌唱法に変わり、喉を酷使しまくったカヴァデール。バンドメンバーともなんだかんだあり、結局1990年夏のツアー終了をもってWHITESNAKEの活動を一旦休止させます。

同じ頃、1988年に初の本格的ソロアルバム『OUTRIDER』のリリース、同年春に実施されたAtlantic Records 40周年コンサートでのジェイソン・ボーナム(ジョン・ボーナムの息子)を交えた編成でのLED ZEPPELIN復活な、そして1990年にZEPPELINのスタジオアルバムリマスタリング&ボックスセットのリリースなど、解散以降ようやくZEPPELINと本気で向き合い始めたペイジ。当初はロバート・プラントに再結成を持ちかけたようですが、過去を振り返るのが嫌いなプラントから拒否られ、「だったら、他に歌える奴と組むか」……と思ったかどうかは知りませんが、80年代後半に「ZEPクローン」のきっかけを作ったカヴァデールと組むことになるわけです。

「LED ZEPPELINとWHITESNAKEの邂逅」とも「LED ZEPPELINとDEEP PURPLE(だが3、4期)の邂逅」とも受け取れるこのCOVERDALE・PAGE。カヴァデールとペイジ、そして当時AEROSMITHなどで名を上げていたエンジニアのマイク・フレイザーが共同プロデュースを務め、レコーディングにはドラムにデニー・カーマッシ(元MONTROSE、HEART。この後、WHITESNAKEに加入)、ベースにヨルグ・カサス(80年代にグロリア・エステファンのMIAMI SOUND MACHINEにいた人みたいです)、キーボードにレスター・メンデス(サンタナはじめラテン系アーティストと関わりが深い、ソングライター兼キーボーディスト)が軸となって参加しています(一部楽曲で元THE BABYS、BAD ENGLISHのリッキー・フィリップスがベースを弾いていたり、MVで当時THUNDERに在籍していたマーク・スネイク・ラックハーストがベースを弾いていて、これを理由にバンドをクビになったなんて話もあります)。

さて、前置きが長くなりましたが……アルバム、長くないですか?(苦笑) 11曲で60分超え。当時はCD大全盛期突入期で、多くのロックバンドが60分超えの作品を続発していましたが(AEROSMITH『GET A GRIP』、BON JOVI『KEEP THE FAITH』など)、COVERDALE・PAGEの場合は1曲あたりのカロリーが高い! 3分台〜4分台前半の楽曲は2曲のみ、6分超えは4曲(ほぼ6分を含めて5曲)ですからね。これ、単にペイジの趣味なのか、カヴァデールがペイジと組めるからと頑張っちゃったのか。

ただ、それぞれの楽曲は「当時における現代的なハードロック」として考えればよくできていると思います。なにせペイジが本腰を入れてZEPPLEINの封印を解いて作った楽曲に、そこに当時バリバリハイトーン+加齢による枯れも加わり始めたカヴァデールの歌が乗るわけですから、悪いわけがない。

もちろん、それはフラットに見ればの話。これがLED ZEPPELIN、WHITESNAKEどちらか一方にでも偏ってしまったら、一気に駄作の烙印が押されてしまいそうな気がしますが。

基本的にはWHITESNAKEが『SLIDE IT IN』(1984年)や『WHITESNAKE』、『SLIP OF THE TONGUE』で試みた“ブルージーで仰々しいバンドサウンドにハイトーンボーカルが乗る”スタイルがベースにあり、そこにペイジならではのアイデアが加えられていくといった印象。だからZEPPELINファンからすれば不満が多そうですし、WHITESNAKEファンからすれば「直近2作と比べたらギターが……」と思うかもしれない。そう、だからどちらか一方に偏っちゃダメなんです。気を確かに。

サウンドやバンドアレンジ自体はペイジらしさも確かにあるし(特にアコースティックギターを多用したプレイやハーモニカを導入するところ)、ソロ作『OUTRIDER』がレイドバックしたブルースロックだったから正直ここまでモダンなことやるか!という驚きも多かった。けど、ペイジ自身はこれに近いことをプラントとやりたかったんだよね。中音域がセクシーなカヴァデールがさんざん「もうおなかいっぱい」と言ってたハイトーンを連発するのは、そのへんも大きく関係しているんじゃないかと思われます。

とはいえ、ちゃんと中音域を多用した楽曲も収められていて。バラードタイプの「Take Me For A Little While」や「Take A Look At Yourself」がまさにそれで、前者はZEPPELINタイプ、後者はWHITESNAKEタイプと受け取ることもできるかと(また比較しちゃった)。ペイジが得意とする中近東テキスト+フォーキーさが色濃く表れた(主に前半)「Easy Does It」もそっち寄りかと。もっと言えば「Shake My Tree」や「Pride And Joy」にもそういう要素がちゃんと含まれているよね。さすがに枯れすぎで最初聴いたときは度肝を抜かれたけど。

前半の「LEDクローン」的楽曲も決して悪くないんだけど、個人的には終盤の3曲……当時のカヴァデールがいかにもやりそうなヘヴィブルース(しかも本作最長の約8分)「Don't Leave Me This Way」、ライブのオープニングにふさわしくてひたすらカッコいい「Absolution Blues」、ZEPPELINやWHITESNAKEというよりCOVERDALE・PAGEとしての可能性を感じさせたラストトラック「Whisper A Prayer For The Dying」が良いんですよね。派手さ的には前半4曲(「Shake My Tree」「Waiting On You」「Take Me For A Little While」「Pride And Joy」)なんだろうけどね。

時代的にはグランジ全盛期、HR/HMはすでにオールドウェイブ的存在に追いやられていた中発表された本作は、全米5位、全英4位を記録。セールス的には全米50万枚止まりだったようです。WHITESNAKEの新作と考えればまずまずの成功と言えるし、LED ZEPPELIN関連作と捉えれば低調と言わざるをえない。この微妙な結果がプロジェクトの寿命をより縮めた、とも言えますが……ただ、この“実験”があったからこそ、ペイジは翌年以降にプラントと組んでアルバム作ったりライブをしたりできたわけで、カヴァデールもWHITESNAKE再編へと動きだすことができたわけです。そういう意味においては、スーパーグループではあったけどそれぞれにとって過渡期だった……と言ったら失礼でしょうか。



▼COVERDALE・PAGE『COVERDALE・PAGE』
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投稿: 2017 05 23 12:00 午前 [1993年の作品, Coverdale・Page, Jimmy Page, Led Zeppelin, Whitesnake] | 固定リンク

2004/10/23

とみぃ洋楽100番勝負(66)

●第66回:「Achilles Last Stand」 LED ZEPPELIN ('76)

 以前「ツェッペリンは最初に聴くなら2ndか4枚目」って書いた俺だけど、じゃあ「彼等の最高傑作は?」と問われたら、真っ先に挙げるのがこの「PRESENCE」という通算7作目のオリジナルアルバム。ある意味、それまで彼等がやってきたことの集大成であり、ひとつの完成型であるのがこの作品集だと言えるんじゃないでしょうかね。

 そのアルバムトップに収められているのが、この10分もある "アキレス最後の戦い" という邦題の付いた1曲。ZEPのハードロックサイドの、ひとつの完成型であるのと同時に、バンドとしてのテンションの高さが結成後8年経った時点でも全然落ちてない、むしろ1stの頃とは違ったレベルで、違った地点までたどり着いてしまったなぁ、という妙な説得力がある‥‥いや、説得力というか無理矢理納得させてしまうような暴力性すら兼ね備えてるといっていいかも。とにかく個人的にはZEPの楽曲の中でナンバー1ですね。

 俺さ。ZEPに関しては意外と正しい聴き方をしてきたのね‥‥いや、最初に聴いたのは2ndだし、次は4枚目、その次は「永遠の詩」という2枚組ライヴ盤だから正しくはないけど‥‥そういうことじゃなくて。'88年頃にZEPの全作品を含む一部の洋楽名盤群が2,000円くらいで再発されて‥‥所謂「ナイス・プライス・シリーズ」とか「エヴァー・グリーン・シリーズ」みたいな名前で各レコード会社が廉価盤をリリースし始めたのがこの頃からで。確かZEPはジミー・ペイジ久々のソロアルバム(いや、サントラを除けば実質初、か)「OUTRIDER」リリースに合わせて全作品が再発されたのね。

 でさ。高校生だった当時の俺は金持ってなかったから、1stから順番に、少しずつ買い集めてったのよ、ZEPのCDを。高校卒業する頃に5作目「聖なる館」まで買い揃えたのかな。

 そして浪人生活に入って、上京してさ。仕送りの中から食費を可能な限り削って、残りを全部CDにつぎ込んで。そんな中で買った1枚なんだけど‥‥

 ぶっ飛んだなぁ、初めて聴いた時。いや、ZEPに関してはアルバム毎回聴く度にぶっ飛ばされてたんだけど(例えそれが「IN THROUGH THE OUT DOOR」でもね)、この時はそれまでの比じゃなかったね。やっぱり "Achilles Last Stand" のインパクトがね。

 今でも鳥肌立つもの、この曲のイントロ‥‥アルペジオがフェードインしてくる瞬間。



▼LED ZEPPELIN「PRESENCE」 (amazon

投稿: 2004 10 23 12:00 午前 [1976年の作品, Led Zeppelin, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/09/21

とみぃ洋楽100番勝負(33)

●第33回:「Whole Lotta Love」 LED ZEPPELIN ('69)

 中学〜高校の頃、よく「FM STATION」とか「FM FAN」を買ってたんですよ。今の若い子は知らないだろうけど、所謂FMラジオの番組表雑誌なんですよ。ここに「どの番組では何が流れる」といった具合に放送曲目が載ってるわけね。エアチェック族としては必需品だったわけ。

 で、幼い頃はこれらの雑誌の音楽特集記事からいろいろ勉強したわけですよ。「名盤100選」みたいな企画が、必ず年に1度はあるわけでして。

 確か高校に入った頃に「洋楽歴史的名盤100選」みたいな企画で挙げられていたのが、DEEP PURPLE「MACHINE HEAD」とLED ZEPPELIN「II」だったんだよね。共に名前は知ってたものの、実は中学時代は全然通過してなくて(いや、嘘。DEEP PURPLEは "Smoke On The Water" 知ってたし、雑誌「BURRN!」のラジオCMで必ず流れる "Burn" のリフとサビも耳にしてたし、何より再結成パープルの「PERFECT STRANGERS」はレンタルで借りて聴いてたしね。でも夢中にはならなかったって意味で、通過してません)‥‥で、思い切って借りたわけですよ。

 最初に「MACHINE HEAD」を聴いて、おー "Highway Star" はかっけーなぁ、とか、"Lazy" のスリリングな演奏がめちゃめちゃイカすなー、とか思ってたわけですよ。あーパープルって意外にカッコいいんだ、とRAINBOW派の俺も素直にそう感じたんですね。

 ところが‥‥ZEPのCDをトレイに落とし、プレイボタンを押した後‥‥ものの数分でやられちゃったわけ。判るでしょ、この "Whole Lotta Love" 1曲のインパクト‥‥

 自分が音楽を「作る」上で、その原点となってるのは間違いなくBEATLESとZEPなのね。高校時代の俺にとって、確かにZEPは「最高のハードロックバンド」だったんだけど、今では全然そんな認識ないからね。普通に頭のイカれたミクスチャーロックバンド、くらいの認識ですよ。

 とにかく。ZEPは "Stairway To Heaven" や "Rock And Roll" から入るんじゃなくて、このセカンドから入っていくのが正しい道だと思います。そこからファースト、そして4枚目に行けばいいんじゃないの?



▼LED ZEPPELIN「II」(amazon

投稿: 2004 09 21 12:00 午前 [1969年の作品, Led Zeppelin, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2003/12/01

LED ZEPPELIN『HOW THE WEST WAS WON』(2003)

「とみぃの宮殿」5周年を記念する月、そしてその記念すべき日に何を取り上げようかと悩んだのですが‥‥やはり自分の原点となるようなアーティストを毎年12/1には取り上げてきてるので、今年もそんな感じで行こうかなと思ってたわけですよ。

そしたらさ、今年新譜出したじゃないの、こいつらが。いや、純粋な意味での新譜ではないんですが‥‥けど、間違いなく「新譜」ですよね、これ。

というわけで、俺の人生観を大きく変えやがったバカバンドの中のひとつ、LED ZEPPELINが今年リリースしたライヴアルバム、「HOW THE WEST WAS WON」を取り上げたいと思います。ベタとか言うなそこ。

ZEPと出会って早20年近く。当時「FMステーション」という雑誌を買っていた中学生の俺が、お約束ともいえる「ロックの名盤100選」みたいな特集記事を読んで、思いっきり惹かれまくったのがDEEP PURPLEの「MACHINE HEAD」とこのZEPのセカンドアルバムだったわけでして。同時に2枚、今や懐かしい存在となりつつある貸しレコード店「友&愛」に行って借りてきて。ある意味耳に優しいパープルは一発で気に入ったのですが、ZEPは‥‥なんじゃこりゃ!?的衝撃があったわけですよ。とにかく曲が良いとか何が凄いとか言えず、ただただ「凄い」と。結局、あれから20年以上経った今でも、俺にとってのZEPというのは「何だかよく判らないけど、凄い存在」なわけですよ。

その20年近くの間に、何度もリバイバルヒットをするわけですよ、彼等は。「LIVE AID」というチャリティーライヴでは、ドラムにフィル・コリンズとトニー・トンプソン(R.I.P.)を迎えて無理矢理再結成したり、'88年に行われた「ATLANTIC RECORDS」40周年記念ライヴでもドラムに亡くなったジョン・ボーナムの息子、ジェイソン・ボーナムを迎えて簡単に再結成してしまったり。'90年代半ばにはジミー・ペイジとロバート・プラントが活動を共にし「PAGE・PLANT」名義でMTVアンプラグドに出演したり、'98年にはアルバムまで作ってしまったりといろいろ無茶なことばかりし続けてきたわけですよ、オッサン達は。しかもその合間、'90年にリマスター・ベスト&ボックスセットをリリースしたり、やれ紙ジャケだ、新リマスターだ、新しいベストだと手を変え品を変え我々の購買意欲に火を着け、'97年には秘蔵音源集その1といえる「BBC SESSIONS」をリリースしたりして、新たに若いファンを産み続けているわけですよ。何なんでしょう、このオヤジ達は‥‥

そして2003年。バンドのデビューから約35年、解散から数えても23年近く経った今年、秘蔵音源集その2といえる今回の3枚組ライヴCD「HOW THE WEST WAS WON」と、「どこにそんな映像が残ってたんだよ!?」と思わず唸ってしまうような2枚組DVD「LED ZEPPELIN」を同時リリース。DVDの方なんて全部で約5時間ですよ!? これ全部観るのにひと月近くかかりましたもん。つうか集中力が続かないって、そんなに。ライヴアルバムもだけどさ‥‥本当に体力使うのよ、ZEPの音源聴く時は。半端な体力じゃ保たないもん、この「音の塊」に身を委ねるっていう行為は。

簡単な解説を。このライヴCDは、'72年6月25日のLAフォーラム公演と同27日のロング・ビーチ・アリーナ公演(共にカリフォルニア)の音源から、オイシイ所をひとまとめにして、あたかも1本のライヴを観てる(聴いてる)かのような錯覚を与える程の統一感を持たせた、所謂「疑似ライヴ実況盤」として編集されております。が、そんなことは言われなければ気づかないことであって、実際この3枚をぶっ通しで聴いていると‥‥知っている人は多いと思いますが、彼等のライヴというのはとにかく長く、特に初期は気分によってその長さが3時間にも4時間にもなったという逸話がある程なんですね。例えば2度目の来日時だったか、大阪かどこかではやはり4時間近く演奏したという伝説も残していますしね。このライヴ盤では約150分程度に収まってますが、まぁそれでもこれくらいが基本スタイルだったんじゃないかな?と思わせるような、本当に「度を超した」ライヴなんですよ。

曲数にしたら17曲。普通のバンドだったら90分もあれば十分でしょうけど、そこはZEP。同じ曲でも日によって長さが全然違ったりするんですからね。特に "Dazed And Confused" やジョン・ボーナムのドラムソロを含む "Moby Dick"、終盤の山場である "Whole Lotta Love" なんていうのは、本当に長いですからね。このアルバムでもそれぞれ20分を軽く超える即興の嵐ですから。楽曲至上主義の音楽ファンが聴いたら正直キツいと思うかもしれませんが、特にバンドをやってたような人なら誰もが唸ってしまうようなプレイの応酬ですよ。ホント、「凄い」以外の言葉が浮かばない程に「度を超した」ライヴ。

そしてこの頃('72年)頃になると、アルバムだと5作目「THE HOUSE OF HOLY」リリース前なのですが既に "Over The Hills And Far Away" や "Dancing Days"、"The Ocean" といった新曲もプレイしてるんですね。非常に興味深い。更にディスク1後半のアコースティック・コーナー(サードや4作目収録の "Going To California"、"That's The Way"、"Bron-Yr-Aur Stomp")も興味深いし(それまで唯一のライヴ作品とされてきた「THE SONG REMAINS THE SAME」では聴けないものですからね)。そうそう、何よりもその「THE SONG REMAINS THE SAME」と比べてもロバート・プラントの声が張りまくっていて、高音も気持ち良いくらいに出てるんですね。この後になると高音が厳しくなってきて、段々オリジナルのメロディーを端折って歌うようになりますからね("Rock And Roll"に顕著ですよね)。そういう面から見ても、当時の勢いや凄み、「TOO MUCHさ」が十分に伝わるんじゃないでしょうか?

それにしてもこの音源、本当に音がクリアですよね。当時のライヴ・レコーディングにはかのエディ・クレイマーが当たっていたんですが、今回リリースするに当たってケヴィン・シャーリーがミックスし直してるんですわ。この人、デジタル面で特に抜きん出てるプロデューサー/エンジニアなので、相当いじりまくったとは思うんですが‥‥聴いてて全然違和感感じませんから、さすがというか。

‥‥ってここまで小難しいことをいろいろ書いてきたけど、これら全部頭から一旦消し去ってください。そしてただひたすら150分、ぶっ通しで聴いてみて。ホント凄いから。何だかよく判らないけど凄いからさ。

‥‥って、5年サイト続けてきて、締めの言葉が「何だかよく判らないけど凄いからさ。」ってのも凄いよな。いろんな意味で。この成長の無さが5年も続く秘訣だったのか!(驚。のち号泣)



▼LED ZEPPELIN『HOW THE WEST WAS WON』
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投稿: 2003 12 01 03:40 午前 [2003年の作品, Led Zeppelin] | 固定リンク