2004/10/23

とみぃ洋楽100番勝負(66)

●第66回:「Achilles Last Stand」 LED ZEPPELIN ('76)

 以前「ツェッペリンは最初に聴くなら2ndか4枚目」って書いた俺だけど、じゃあ「彼等の最高傑作は?」と問われたら、真っ先に挙げるのがこの「PRESENCE」という通算7作目のオリジナルアルバム。ある意味、それまで彼等がやってきたことの集大成であり、ひとつの完成型であるのがこの作品集だと言えるんじゃないでしょうかね。

 そのアルバムトップに収められているのが、この10分もある "アキレス最後の戦い" という邦題の付いた1曲。ZEPのハードロックサイドの、ひとつの完成型であるのと同時に、バンドとしてのテンションの高さが結成後8年経った時点でも全然落ちてない、むしろ1stの頃とは違ったレベルで、違った地点までたどり着いてしまったなぁ、という妙な説得力がある‥‥いや、説得力というか無理矢理納得させてしまうような暴力性すら兼ね備えてるといっていいかも。とにかく個人的にはZEPの楽曲の中でナンバー1ですね。

 俺さ。ZEPに関しては意外と正しい聴き方をしてきたのね‥‥いや、最初に聴いたのは2ndだし、次は4枚目、その次は「永遠の詩」という2枚組ライヴ盤だから正しくはないけど‥‥そういうことじゃなくて。'88年頃にZEPの全作品を含む一部の洋楽名盤群が2,000円くらいで再発されて‥‥所謂「ナイス・プライス・シリーズ」とか「エヴァー・グリーン・シリーズ」みたいな名前で各レコード会社が廉価盤をリリースし始めたのがこの頃からで。確かZEPはジミー・ペイジ久々のソロアルバム(いや、サントラを除けば実質初、か)「OUTRIDER」リリースに合わせて全作品が再発されたのね。

 でさ。高校生だった当時の俺は金持ってなかったから、1stから順番に、少しずつ買い集めてったのよ、ZEPのCDを。高校卒業する頃に5作目「聖なる館」まで買い揃えたのかな。

 そして浪人生活に入って、上京してさ。仕送りの中から食費を可能な限り削って、残りを全部CDにつぎ込んで。そんな中で買った1枚なんだけど‥‥

 ぶっ飛んだなぁ、初めて聴いた時。いや、ZEPに関してはアルバム毎回聴く度にぶっ飛ばされてたんだけど(例えそれが「IN THROUGH THE OUT DOOR」でもね)、この時はそれまでの比じゃなかったね。やっぱり "Achilles Last Stand" のインパクトがね。

 今でも鳥肌立つもの、この曲のイントロ‥‥アルペジオがフェードインしてくる瞬間。



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投稿: 2004 10 23 12:00 午前 [1976年の作品, Led Zeppelin, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/09/21

とみぃ洋楽100番勝負(33)

●第33回:「Whole Lotta Love」 LED ZEPPELIN ('69)

 中学〜高校の頃、よく「FM STATION」とか「FM FAN」を買ってたんですよ。今の若い子は知らないだろうけど、所謂FMラジオの番組表雑誌なんですよ。ここに「どの番組では何が流れる」といった具合に放送曲目が載ってるわけね。エアチェック族としては必需品だったわけ。

 で、幼い頃はこれらの雑誌の音楽特集記事からいろいろ勉強したわけですよ。「名盤100選」みたいな企画が、必ず年に1度はあるわけでして。

 確か高校に入った頃に「洋楽歴史的名盤100選」みたいな企画で挙げられていたのが、DEEP PURPLE「MACHINE HEAD」とLED ZEPPELIN「II」だったんだよね。共に名前は知ってたものの、実は中学時代は全然通過してなくて(いや、嘘。DEEP PURPLEは "Smoke On The Water" 知ってたし、雑誌「BURRN!」のラジオCMで必ず流れる "Burn" のリフとサビも耳にしてたし、何より再結成パープルの「PERFECT STRANGERS」はレンタルで借りて聴いてたしね。でも夢中にはならなかったって意味で、通過してません)‥‥で、思い切って借りたわけですよ。

 最初に「MACHINE HEAD」を聴いて、おー "Highway Star" はかっけーなぁ、とか、"Lazy" のスリリングな演奏がめちゃめちゃイカすなー、とか思ってたわけですよ。あーパープルって意外にカッコいいんだ、とRAINBOW派の俺も素直にそう感じたんですね。

 ところが‥‥ZEPのCDをトレイに落とし、プレイボタンを押した後‥‥ものの数分でやられちゃったわけ。判るでしょ、この "Whole Lotta Love" 1曲のインパクト‥‥

 自分が音楽を「作る」上で、その原点となってるのは間違いなくBEATLESとZEPなのね。高校時代の俺にとって、確かにZEPは「最高のハードロックバンド」だったんだけど、今では全然そんな認識ないからね。普通に頭のイカれたミクスチャーロックバンド、くらいの認識ですよ。

 とにかく。ZEPは "Stairway To Heaven" や "Rock And Roll" から入るんじゃなくて、このセカンドから入っていくのが正しい道だと思います。そこからファースト、そして4枚目に行けばいいんじゃないの?



▼LED ZEPPELIN「II」(amazon

投稿: 2004 09 21 12:00 午前 [1969年の作品, Led Zeppelin, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2003/12/01

LED ZEPPELIN『HOW THE WEST WAS WON』(2003)

「とみぃの宮殿」5周年を記念する月、そしてその記念すべき日に何を取り上げようかと悩んだのですが‥‥やはり自分の原点となるようなアーティストを毎年12/1には取り上げてきてるので、今年もそんな感じで行こうかなと思ってたわけですよ。

そしたらさ、今年新譜出したじゃないの、こいつらが。いや、純粋な意味での新譜ではないんですが‥‥けど、間違いなく「新譜」ですよね、これ。

というわけで、俺の人生観を大きく変えやがったバカバンドの中のひとつ、LED ZEPPELINが今年リリースしたライヴアルバム、「HOW THE WEST WAS WON」を取り上げたいと思います。ベタとか言うなそこ。

ZEPと出会って早20年近く。当時「FMステーション」という雑誌を買っていた中学生の俺が、お約束ともいえる「ロックの名盤100選」みたいな特集記事を読んで、思いっきり惹かれまくったのがDEEP PURPLEの「MACHINE HEAD」とこのZEPのセカンドアルバムだったわけでして。同時に2枚、今や懐かしい存在となりつつある貸しレコード店「友&愛」に行って借りてきて。ある意味耳に優しいパープルは一発で気に入ったのですが、ZEPは‥‥なんじゃこりゃ!?的衝撃があったわけですよ。とにかく曲が良いとか何が凄いとか言えず、ただただ「凄い」と。結局、あれから20年以上経った今でも、俺にとってのZEPというのは「何だかよく判らないけど、凄い存在」なわけですよ。

その20年近くの間に、何度もリバイバルヒットをするわけですよ、彼等は。「LIVE AID」というチャリティーライヴでは、ドラムにフィル・コリンズとトニー・トンプソン(R.I.P.)を迎えて無理矢理再結成したり、'88年に行われた「ATLANTIC RECORDS」40周年記念ライヴでもドラムに亡くなったジョン・ボーナムの息子、ジェイソン・ボーナムを迎えて簡単に再結成してしまったり。'90年代半ばにはジミー・ペイジとロバート・プラントが活動を共にし「PAGE・PLANT」名義でMTVアンプラグドに出演したり、'98年にはアルバムまで作ってしまったりといろいろ無茶なことばかりし続けてきたわけですよ、オッサン達は。しかもその合間、'90年にリマスター・ベスト&ボックスセットをリリースしたり、やれ紙ジャケだ、新リマスターだ、新しいベストだと手を変え品を変え我々の購買意欲に火を着け、'97年には秘蔵音源集その1といえる「BBC SESSIONS」をリリースしたりして、新たに若いファンを産み続けているわけですよ。何なんでしょう、このオヤジ達は‥‥

そして2003年。バンドのデビューから約35年、解散から数えても23年近く経った今年、秘蔵音源集その2といえる今回の3枚組ライヴCD「HOW THE WEST WAS WON」と、「どこにそんな映像が残ってたんだよ!?」と思わず唸ってしまうような2枚組DVD「LED ZEPPELIN」を同時リリース。DVDの方なんて全部で約5時間ですよ!? これ全部観るのにひと月近くかかりましたもん。つうか集中力が続かないって、そんなに。ライヴアルバムもだけどさ‥‥本当に体力使うのよ、ZEPの音源聴く時は。半端な体力じゃ保たないもん、この「音の塊」に身を委ねるっていう行為は。

簡単な解説を。このライヴCDは、'72年6月25日のLAフォーラム公演と同27日のロング・ビーチ・アリーナ公演(共にカリフォルニア)の音源から、オイシイ所をひとまとめにして、あたかも1本のライヴを観てる(聴いてる)かのような錯覚を与える程の統一感を持たせた、所謂「疑似ライヴ実況盤」として編集されております。が、そんなことは言われなければ気づかないことであって、実際この3枚をぶっ通しで聴いていると‥‥知っている人は多いと思いますが、彼等のライヴというのはとにかく長く、特に初期は気分によってその長さが3時間にも4時間にもなったという逸話がある程なんですね。例えば2度目の来日時だったか、大阪かどこかではやはり4時間近く演奏したという伝説も残していますしね。このライヴ盤では約150分程度に収まってますが、まぁそれでもこれくらいが基本スタイルだったんじゃないかな?と思わせるような、本当に「度を超した」ライヴなんですよ。

曲数にしたら17曲。普通のバンドだったら90分もあれば十分でしょうけど、そこはZEP。同じ曲でも日によって長さが全然違ったりするんですからね。特に "Dazed And Confused" やジョン・ボーナムのドラムソロを含む "Moby Dick"、終盤の山場である "Whole Lotta Love" なんていうのは、本当に長いですからね。このアルバムでもそれぞれ20分を軽く超える即興の嵐ですから。楽曲至上主義の音楽ファンが聴いたら正直キツいと思うかもしれませんが、特にバンドをやってたような人なら誰もが唸ってしまうようなプレイの応酬ですよ。ホント、「凄い」以外の言葉が浮かばない程に「度を超した」ライヴ。

そしてこの頃('72年)頃になると、アルバムだと5作目「THE HOUSE OF HOLY」リリース前なのですが既に "Over The Hills And Far Away" や "Dancing Days"、"The Ocean" といった新曲もプレイしてるんですね。非常に興味深い。更にディスク1後半のアコースティック・コーナー(サードや4作目収録の "Going To California"、"That's The Way"、"Bron-Yr-Aur Stomp")も興味深いし(それまで唯一のライヴ作品とされてきた「THE SONG REMAINS THE SAME」では聴けないものですからね)。そうそう、何よりもその「THE SONG REMAINS THE SAME」と比べてもロバート・プラントの声が張りまくっていて、高音も気持ち良いくらいに出てるんですね。この後になると高音が厳しくなってきて、段々オリジナルのメロディーを端折って歌うようになりますからね("Rock And Roll"に顕著ですよね)。そういう面から見ても、当時の勢いや凄み、「TOO MUCHさ」が十分に伝わるんじゃないでしょうか?

それにしてもこの音源、本当に音がクリアですよね。当時のライヴ・レコーディングにはかのエディ・クレイマーが当たっていたんですが、今回リリースするに当たってケヴィン・シャーリーがミックスし直してるんですわ。この人、デジタル面で特に抜きん出てるプロデューサー/エンジニアなので、相当いじりまくったとは思うんですが‥‥聴いてて全然違和感感じませんから、さすがというか。

‥‥ってここまで小難しいことをいろいろ書いてきたけど、これら全部頭から一旦消し去ってください。そしてただひたすら150分、ぶっ通しで聴いてみて。ホント凄いから。何だかよく判らないけど凄いからさ。

‥‥って、5年サイト続けてきて、締めの言葉が「何だかよく判らないけど凄いからさ。」ってのも凄いよな。いろんな意味で。この成長の無さが5年も続く秘訣だったのか!(驚。のち号泣)



▼LED ZEPPELIN『HOW THE WEST WAS WON』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2003 12 01 03:40 午前 [2003年の作品, Led Zeppelin] | 固定リンク