GUNS N' ROSES『USE YOUR ILLUSION I: DELUXE EDITION』(2022)
2022年11月11日にリリースされた、GUNS N' ROSESの2ndアルバム『USE YOUR ILLUSION I』(1991年)のデラックス盤。
CD6枚組+Blu-ray2枚組のスーパー・デラックス盤と同時発売された本作は、最新リマスタリング&「Novermber Rain」の2022年バージョンへと差し替えたアルバム本編に、1991〜2年のワールドツアーから抜粋されたライブベストのCD2枚組エディション。アルバム本編はスーパー・デラックス盤と同内容ですが、DISC-2には本作でしか聴くことができない初出音源も含まれた、ファン泣かせの1作となっています。
全13曲収めらたライブ音源のうち、スーパー・デラックス盤との被りは5曲。録音状態や音質はまちまちで、1枚のライブアルバムとして楽しむのは少々難あり。ですが、これまで海賊盤やYouTubeでのイリーガルな映像でしか耳にすることができなかった貴重なテイクも含まれており、おまけと呼ぶにはちょっと豪華すぎる内容ではないでしょうか。
スーパー・デラックス盤未収録音源の主な録音会場は以下のとおり。
・1991年1月23日:リオデジャネイロ『Rock In Rio』(「Bad Apples」)
・1991年8月31日:ロンドン・Wembley Studiam(「Perfect Crime」「Dust N' Bones」「Double Talkn' Jave」)
・1992年6月6日:パリ(「Always On The Run」「Attitude」「It's Alright / November Rain」「Wild Horses」)
マット・ソーラム(Dr)を含む新編成でのお披露目となったリオデジャネイロ公演からは、「Bad Apples」をセレクト。アルバム発売の8ヶ月前に披露された未発表新曲ですが、これ以降あまり披露されていないので貴重な1曲でしょう。
1991年8月末のWembley Studiam公演はイジー・ストラドリン(G, Vo)がガンズの正式メンバーとして最後に参加したライブ。その事実もあり、音源として公式リリースされるのは奇跡と言えるかもしれません。
そして、1992年6月のパリ公演はゲストとしてレニー・クラヴィッツが参加したファンにはお馴染みのライブ。「Always On The Run」はスタジオ音源同様、スラッシュ(G)が彼らしさ満載のソロを聴かせてくれます。また、ストーンズのカバー「Wild Horses」は基本インストですが、ここではギルビー・クラーク(G, Vo)のギターワークを中心にしつつ、後半ではアクセルのボーカルもフィーチャーされています。
スーパー・デラックス盤に収められた1991年5月のRitz公演、1992年1月のラスベガス公演のようにライブをまるまる1本完全収録したものとは違い、こちらは寄せ集めの「ライブベスト」的な内容。しかも、セレクトされた楽曲はすべて『USE YOUR ILLUSION I』および『USE YOUR ILLUSION II』収録曲(とレアなカバー曲)なので、満足度はかなり低いかもしれません。ファンはまずスーパー・デラックス盤のフルライブ2本を心の底から満喫し、余裕があったらレアテイク含むこちらに手を出してみてはどうでしょう。
なお、日本盤には1992年2月の来日公演(おそらく映像化された公演)から「Live And Let Die」「Don't Cry」を、ボーナストラックとして追加。2曲とも1991年のRitz公演の音源と被る選曲ですが、これはどうにかならなかったんでしょうかね。時期や会場は異なるとしても、同じライブ曲のライブ音源が2度(しかも、スタジオ音源含めれば3度)続くのはねえ……。(『USE YOUR ILLUSION II: DELUXE EDITION』に続く)
▼GUNS N' ROSES『USE YOUR ILLUSION I: DELUXE EDITION』
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