2018年6月 7日 (木)

LIKE A STORM『AWAKEN THE FIRE』(2015)

ニュージーランドはオークランド出身の4人組メタルバンド、LIKE A STORMが2015年2月に発表した2ndアルバム(日本盤未発売)。リリースから1、2ヶ月後に店頭で試聴して気に入って購入して、しばらくは移動中によく聴いてた記憶があります。

なんでこのタイミングに取り上げようかと思ったかといいますと、今月3rdアルバムがリリースされるらしいので、久しぶりに引っ張り出したわけです。よく聴いたなぁって。

このバンドはクリス(Vo, G)、マット(G)、ケント(B)のブルックス3兄弟が中心となり結成。2009年のデビューアルバム『THE END OF THE BEGINNING』(2009年)でかのケニー・アロノフ(Dr)を迎えて制作し、リリース後にはSHINEDOWN、SKILLET、PUDDLE OF MUDD、DROWNING POOL、ALTER BRIDGEらとツアーを回ったとのこと。この布陣からも、なんとなく音楽性が想像できるのではないでしょうか。

そのとおり。ポスト・グランジ以降のヘヴィロックやニューメタルを軸にしつつも、そのルーツには土着的なカラーも見え隠れし、そこがメロディなどに表出しており、適度に心地よく感じられます。

オープニングナンバー「Chaos」や続く「Love The Way You Hate Me」にはオーストラリアの民族楽器であるディジュリドゥがフィーチャーされているのも個性的ですし、「Never Surrender」なんてリフやイントロこそモダンなヘヴィメタルそのものですが、メロディは豪快なアメリカンハードロックといった印象。そんなヘヴィな楽曲の間に「Break Free」や「Southern Skies」のようなカラッとしたバラード、「Ordinary」みたいにちょっとダークなアコースティックナンバーはいると、よりこのアルバムのメロディアスさが浮き立つのですから面白い。

で、このアルバムの面白みはカバーのセンスにもあるのかなと。9曲目に収録されている「Gangster's Paradise」はアメリカのラッパー、クーリオが1995年に発表した楽曲のカバー。同年公開されたアメリカ映画『デンジャラス・マインド/卒業の日まで』のサウンドトラックに収録され、メガヒットを記録しました。カバーバージョンは原曲に忠実なアレンジながらも、ヘヴィメタルバンドが演奏するとこうなるんだという仕上がり。ラップパートはメロウに歌われており、それにより普通にアルバムの中の1曲として馴染んでいます。当時は「そうか、もう原曲リリースから20年も経ったのか……」という事実に驚かされたものです。

突出した個性といえば先の民族楽器を導入した点が挙げられますが、トータルではまだまだこれからのバンドといった印象。3rdアルバムから先行カットされた新曲「The Devil Inside」は本作『AWAKEN THE FIRE』により磨きをかけたような1曲なので、ここで化けるのかどうか期待しながら次作を待ちたいと思います。



▼LIKE A STORM『AWAKEN THE FIRE』
(amazon:海外盤CD / MP3

投稿: 2018 06 07 12:00 午前 [2015年の作品, Like a Storm] | 固定リンク