カテゴリー「Limp Bizkit」の10件の記事

2019年2月22日 (金)

LIMP BIZKIT『CHOCOLATE STARFISH AND THE HOT DOG FLAVORED WATER』(2000)

2000年10月にリリースされた、LIMP BIZKITの3rdアルバム。前作『SIGNIFICANT OTHER』(1999年)から1年4ヶ月という短いスパンで発表されていますが、実はその間には映画『ミッション:インポッシブル2』のサウンドトラック(2000年5月発売)にテーマソング「Take A Look Around」も提供しており(本作にも収録)、初の全米No.1を獲得した前作の勢いをよい形で引き継ぐことに成功。前作から引き続き全米1位を記録し、売り上げも700万枚近いセールスに達しています。

プロデューサーは前作から引き続きテリー・デイト(DEFTONESPANTERASOUNDGARDENなど)が担当。基本路線は大ヒット作となった『SIGNIFICANT OTHER』の延長線上にあると言えるでしょう。事実、1作目『THREE DOLLAR BILL, Y'ALL$』(1997年)にあった狂気性は完全に払拭され、代わりにバカバカしいまでの陽気さと、それと対比するような陰の要素(過去作にもあったサイケデリックさ含む)が絶妙なラバンスでミックスされた、無敵感の強い1枚に仕上げられています。

そう、本当に無敵といいますか、怖いものナシな姿勢がアルバムを通していろんなところに表出しているんですよね(お下品なアルバムタイトル含め。笑)。それは前作の焼き直しと揶揄されそうなスタイルもそうなんですか、歌われている歌詞もまた然りでして。いろんなものを敵に回しても不思議じゃないくらいの強気さがにじみ出ており、その自信が聴き手にもダイレクトに伝わった結果、ここまで爆発的なヒットを記録できたのではないか……改めてそう思います。

まあ焼き直しは言葉半分にしろ、収録されている楽曲群のカッコ良さはハンパないです。ヒップホップをベースにしたラウドロックは今や腐るほどありますが、『ミッション:インポッシブル』のメインテーマを引用した「Take A Look Around」にしろ、シングルカットされた「My Generation」「Rollin' (Air Raid Vehicle)」にしろ強い即効性がありますし、リリースから20年近く経った今聴いても素直にカッコいいと思える。これこそがオリジネーターの強みなのかなと(まあ、彼ら自身もRAGE AGAINST THE MACHINEKORN以降のバンドではあるのですが)。

と同時に、「My Way」や「The One」「It'll Be OK」「Boiler」のようにヘヴィながらも影があって、じっくり聴かせる曲もしっかり含まれている。「Hold On」なんてALICE IN CHAINSの影響下にあるサイケバラードですからね。そこにXZIBITらをフィーチャーした「Getcha Groove On」みたいな完全なるヒップホップチューンも含まれるんだから、そりゃあ飽きがこないわけですわ。改めて、これがバカ売れしたことに納得です。

残念ながら、LIMP BIZKITの全盛期を本作を最後となり、ウェス・ボーランド(G)の脱退などもあってしばらく低迷期に突入します。その後もメンバーの出入りが続くのですが、現在は黄金期の布陣で活動しているので、そろそろ『GOLD COBRA』(2011年)以来となるオリジナルアルバムにも期待したいところです。



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2018年6月24日 (日)

JONATHAN DAVIS『BLACK LABYRINTH』(2018)

KORNのフロントマン、ジョナサン・デイヴィスによる初のソロアルバム。バンドとしての最新作『THE SERENITY OF SUFFERING』が2016年の作品だったので、そろそろ新作を聴けるのかなと思っていたら、昨年くらいからジワジワ噂になり始めていたソロ作を先に出したのですね。まあ、この春にはバンドとして『VANS WARPED TOUR JAPAN 2018』で来日公演も行なったばかりなので、まだそこまでの飢餓感はありませんが。

さて、ソロ作ということで、本作はバンドサウンドにこだわらない縦横無尽かつ自由度の高い楽曲/サウンドで聴き手を楽しませてくれます。ジョナサンがあの声で歌っていれば、確かにそれはKORNそのものですし、過去にはバンドとしてEDMにも挑戦している(2011年の『THE PATH OF TOTALITY』)くらいですから、本作も抵抗なく、違和感なく接することができました。

アルバムにはLIMP BIZKITのウェス・ボーランド(G)やジャズミュージシャンのマイルズ・モズリー(B)、KORNとのコラボレーションでも知られる音楽家のザック・ベアード(Key)、そしてKORNのメンバーでもあるレイ・ルジアー(Dr)など気心知れた面々が参加。ジョナサン自身もギターやキーボードやプログラミングのほか、バイオリンやシタールなどを披露する多才ぶりを見せています。

「Happiness」や「Your God」などちいったヘヴィな楽曲も存在するものの、もちろんKORNとは異なるアプローチが取られており、変態性は薄いかも。プログラミングによるリズムを同期させたドラムビートには非常にダンサブルなものが多いし、低音を強調したヘヴィなギターサウンドと同じくらいスペーシーなシンセが被せられている。KORNでも似たようなことに挑戦しているものの、やはり表現するメンツが変わればこうも違うんだなと。とにかく、聴きやすさがKORNのそれとはまったく違います。

近年のKORNは初期のようなダークさとは異なる世界観が展開されていますし、そのへんがいまだに好きで近年の諸作が苦手という人には今作もダメかもしれません。が、最近のKORNに対して好意的なリスナーなら、本作も“その延長として”楽しめるのではないでしょうか。僕みたいに『THE PATH OF TOTALITY』を前のめりで楽しめた方なら、間違いなく取っつきやすい1枚だと思います。

あ、あとダークはダークでもどこかニューウェイブ風ダークさの漂う本作は、DEPECHE MODEとかあのへんのアーティストが好きな人にも引っかかる内容ではないかと。KORNに対して偏見を持っているリスナーにこそ聴いてもらいたい、隠れた名盤です。純粋に好き。

あと、本作も日本盤未発売。最近、本当に増えましたね、こういうケースが。そりゃあ某フェスも開催なくなるはずだ……(それだけが理由じゃないだろうけど)。



▼JONATHAN DAVIS『BLACK LABYRINTH』
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2018年1月14日 (日)

SOULFLY『SOULFLY』(1998)

1998年春にリリースされた、マックス・カヴァレラ(元SEPULTURA)による新バンドSOULFLYのデビューアルバム。SEPULTURAを実質追い出されたマックスは、そのSEPULTURAの直近作『ROOTS』(1996年)で試みたトライバルなヘヴィロックをさらに進化させた音楽をこのバンドで表現。つまり、傑作と言われる『ROOTS』の直系の続編と呼べる内容が本作ということができるわけです。

プロデュースは『ROOTS』と同じくロス・ロビンソンが担当。この頃にはKORNでひと山当て、さらにLIMP BIZKITのデビュー作なども当てて知名度を高めたあと。そのロス・ロビンソンとマックス本人の人脈もあり、本作にはFEAR FACTORYのバートン・C・ベル&ディノ・カザレス、LIMP BIZKITのフレッド・ダースト&DJリーサル、DEFTONESのチノ・モレノ、SKINDREDのベンジー・ウェッブなどヘヴィ/ラウドロックシーンの著名アーティストたちがゲスト参加しています。

オープニングの「Eye For And Eye」のアグレッシヴさに、本作は『ROOTS』以上に激しいアルバムになるんじゃないか?とワクワクすることでしょう。「Tribe」「Bumba」のようなトライバルなビートを用いた楽曲もあれば、「First Commandment」のようにダンサブルな楽曲もある。そしてバンド名を冠した「Soulfly」では民族音楽に接近したインストゥルメンタルナンバーを楽しめる。確実に『ROOTS』の延長線上にあるのですが、そことは違う香りもする。

例えば『ROOTS』がヘヴィさという点に重きを置いたとするならば、この『SOULFLY』はもうちょっと軽やかさが重視されているように感じます。それはテンポ的なこともそうだし、リズムの取り方ひとつにしても『ROOTS』にはないものを感じる。もちろんマックス以外のメンバーが違うんだから、そのへんが変わってくるのは当たり前の話なのですが、ここからまた新しい何かが始まる。そういう変化の兆しを強く実感させる序章的作品集なのかもしれません。

事実、本作を起点にSOULFLYはさらなる変化を遂げていきますし、気づけばSEPULTURAとは異なる道を進み始めていた。一方のSEPULTURAも新たなシンガーを得たことで以前とは異なる道を歩み始める。良い意味で、誰ひとりとして『ROOTS』を引き継ごうとしていない。つまり視点を変えると、マックスにとって本作は『ROOTS』を引きずりつつも決別しようとしている、そんな転換期の1枚とも受け取ることができるわけです。

『ROOTS』が出来すぎたアルバムだっただけに、そこからどう進化させていくか。その問いかけとひとつの回答が、このアルバムの中に示されているのではないでしょうか。リリースから20年経った今、このアルバムを聴くと改めてそんなことを考えてしまいます。



▼SOULFLY『SOULFLY』
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2018年1月 8日 (月)

祝ご成人(1997年4月〜1998年3月発売の洋楽アルバム20枚)

新成人の皆さん、おめでとうございます。2014年度に初めて執筆したこの“洋楽版成人アルバム”企画、今回で4回目を迎えます。この1月に成人式を迎えたの皆さんが生まれた年(学年的に1997年4月〜1998年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れがある作品のうちSpotifyやAppleMusicで試聴可能な作品を20枚ピックアップしました。どれも名盤ばかりなので、もし聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にチェックしてみてはどうでしょう。

作品の並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら、2015年度の新成人編はこちら、2016年度の新成人編はこちらです)


Björk『HOMOGENIC』(Amazon

THE CHEMICAL BROTHERS『DIG YOUR OWN HOLE』(Amazon

CORNERSHOP『WHEN I WAS BORN FOR THE 7TH TIME』(Amazon

DEFTONES『AROUND THE FUR』(Amazon

EMPEROR『ANTHEMS TO THE WELKIN AT DUSK』(Amazon)(レビュー

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2017年12月17日 (日)

LIMP BIZKIT『THREE DOLLAR BILL, Y'ALL$』(1997)

1997年夏にリリースされた、LIMP BIZKITのデビューアルバム。このバンドのブレイクによりRAGE AGAINST THE MACHINEが「(ラップメタルという括りで)一緒にされたくない」とリンプの存在を否定したり、あるいはニューメタルと揶揄された後続たちに道を切り開いた張本人などと攻撃されたり、いろいろ大変な目に遭っているのですが、このデビュー作と続く2ndアルバム『SIGNIFICANT OTHER』(1999年)は誰が何と言おうと傑作中の傑作。この事実だけは変えようがありません。

ロス・ロビンソンのプロデュース、アンディ・ウォレスのミキシングという、ヘヴィロック/ニューメタルのお手本的な組み合わせにより完成した本作は、メタリックなバンドサウンドにヒップホップ的手法(DJ/サンプリングの導入や、ファンク的なハネたリズム感など)という意味では確かにRAGE AGAINST THE MACHINEの延長線上にあるのかもしれませんが、それはあくまで“サウンド的”に近いというだけ。歌われている内容や姿勢はまったく別モノなので、本当は比較対象ではないんですけどね。それはKORNもしかり。むしろ、そういったシリアスな姿勢とは相反する、非常にパーティロック的なカラーを前面に打ち出したからこそ、最終的に揶揄の対象になってしまったんでしょうね。

とはいえ、フレッド・ダースト(Vo)のボーカルや佇まいは(特にこの頃は)カリスマがかってましたし、ウェス・ボーランド(G)のギターも驚異の沙汰かと言わんばかりに暴れまくっているし、バンドサウンドもジャズの香りがしたりでかなり高度だったりする。どこかサイケデリックな香りもするし、ヒステリックかつカオティックなアレンジと演奏は、聴いているだけでテンションが上がる。うん、無条件にカッコいいじゃないですか。

彼らはKORN主催の移動フェス『FAMILY VALUES TOUR』に参加したことで知名度を上げ、本作からシングルカットされたジョージ・マイケルのカバー「Faith」がMTVでヘヴィローテーションされたことでスマッシュヒット。アルバムも全米22位まで上昇し、最終的に200万枚を超えるヒット作となりました。そういった地道なヒットがあったからこそ、続く『SIGNIFICANT OTHER』がいきなり全米No.1を獲ったわけです(そして、その1位に皆納得したという)。その「Faith」のアレンジも最高にイカしてるし、けどそれ以上にオリジナル曲はもっとイカしてる。その後腐るほど登場したこの手のバンドとは比較にならない完成度ですよ。

にしても、もう本作リリースから20年経ってしまったんですね……ここから時代が何周もしていることに、改めて驚かされます。けど、色褪せない1枚。まだ聴いたことがないのなら、悪いことはいいません。頭を空っぽにして、爆音で楽しんでください。



▼LIMP BIZKIT『THREE DOLLAR BILL, Y'ALL$』
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2017年7月18日 (火)

KORN『FOLLOW THE LEADER』(1998)

1998年晩夏に発表された、KORN通算3作目のオリジナルアルバムにして最大のヒット作。前作『LIFE IS PEACHY』(1996年)の全米3位/200万枚に続き、本作は全米1位/500万枚以上ものセールスを記録しています。

最大のヒット作へと導いた最大の要因は、初期2作にあった難解さが後退し、よりわかりやすいメロディとビートを前面に打ち出したこと。「Got The Life」(全米オルタナチャート17位)、「Freak On A Leash」(同チャート6位)といったシングルヒットが生まれたことも大きく影響しているはずです。

LIMP BIZKITも2ndアルバム『SIGNIFICANT OTHER』(1999年)を最初に聴いたときに「ああ、こりゃ売れるわ」と直感で理解しましたが(結果、本当に全米1位に)、この『FOLLOW THE LEADER』も最初に聴いたときにまったく同じことを感じましたし、「垢抜けたなぁ。こりゃあ前作までのファンに叩かれるだろうな」とも思いました。事実、過去2作が好きだったファンからは総スカンを食らったものの、それ以上の新規ファンを獲得したことで大成功を収めるのですから、それはそれで間違ってなかったと言えるかもしれません。

とにかく、歌メロがわかりやすくなり、先に挙げたようなシングル曲など口ずさめるようなポップな楽曲(とはいえ、そのサウンドや音像は非常にヘヴィなのですが)が急増したことはバンドにとってかなりの挑戦だったと言えるはず。演奏面ではところどころで複雑怪奇なプレイを聴かせてくれますが、それがメインとなることはなく、あくまで歌に対する味付けといった程度に収められています。

「Blind」(1stアルバム『KORN』収録)も「Good God」(2ndアルバム)もここにはないけれど、それでも「It's On!」や「Dead Bodies Everywhere」もあるし、ラストを締めくくるにふさわしい「My Gift To You」もある。ヒップホップファンにはアイス・キューブをフィーチャーした「Children Of The Korn」もあるし、LIMP BIZKITのフレッド・ダーストが参加した「All In The Family」、THE PHARCYDEやSLIMKID3で知られるトレ・ハードソンをゲストに迎えた「Cameltosis」もある。つまりヘヴィロックファン、ヒップホップファン、そしてライト層の全方位に向けた冒険的、かつ「これが売れなきゃウソ!」と断言できるような1枚なわけです。

KORNはその後、本作を下地にした作品創りを繰り返しています。初期に原点回帰!なんていわれても、やはり1stや2ndにあった狂気性を取り戻すまでには至らず……そういう点においては、この『FOLLOW THE LEADER』はバンドにとって“パンドラの箱”だったのかもしれませんね。



▼KORN『FOLLOW THE LEADER』
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2005年4月15日 (金)

For Whom The Truth May Concern

For Whom The Truth May Concern(公式)

 ウェス・ボーランドが復帰したlimp bizkit(「limpbizkit」からまた2ワードに戻したのか)。ここにきていきなり新作リリースが決まったようです。しかもリリース日が来月5/3(US)‥‥1ヶ月もないですよ! 冗談だと思ってたらEPISODE 666さんに新作のジャケットが載ってるじゃないですか!

 タイトルは「THE UNQUESTIONABLE TRUTH (PART 1)」。当然ながら、パート2もあるんだろうな‥‥と勝手に深読みしてしまうわけですが‥‥んでその情報を得ようと久し振りに公式サイト(いつの間にかブログ化されてた)を覗いたら、本日付けで何やら怪しいファイルがアップされてまして‥‥

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2000年3月 6日 (月)

「MY BEST OF 1999」

いやいや、遅くなってすんまそん‥‥実はこれ、大阪出張に行く直前まで手掛けていたのだけど、その後戻ってからもバタバタしてしまって、ちょっと忘れてたところでした。年も明けてもう3月だよ‥‥早いもんだね? 仕事はこのままどんどん忙しくなる一方だし、更新はままならんし‥‥って事で、ちと無理をしてでもここは仕上げねば!?と思い立った訳ですよ、ハイ。

いろいろ書きたい事はあるんだけど、まずはこれをやっちまいますか? みんなが知りたい?だろう、俺の去年の「10枚」を発表します♪ 例年通りで進めると「この曲」とか「このライヴ」ってのも書くんだろうけど、今回はパス。(苦笑)リクエストがあがれば書くって事で。(って結局、流されて忘れられるんだろうな?)

改めて今、この原稿を書いてる最中にも何枚か入れ代わったのだけど、もうこれで決定! あ、いつもの事ながら、順位とかそういうのはなく、順番も作為的なものはありません。単に選んでったらこうなりました。


椎名林檎『無罪モラトリアム』

文句なしの1枚。これだけの存在感と説得力、そして独自のオリジナリティー。どれを取っても去年聴いたものの中ではダントツ。きっと多くの人がこのアルバムを「1999年の1枚」として選ぶ事でしょうね?去年最も聴いた1枚。

ATARI TEENAGE RIOT『60 SECOND WIPE OUT』

甘く見てたっていうか。(苦笑)フジロックの後でこのアルバムを買ったのだけど‥‥ライヴを見れなかった事を後悔。テクノともダンスとも呼べない、もうこれはヘヴィロックのひとつの発展型ではないでしょうか?しかし、最初そんなに好きでもなかったのに、アルバム通して聴いて好きになるってのは珍しいなぁ?Kで聴いてもピンとこなかったってのに。

THE FLAMING LIPS『THE SOFT BULLETIN』

転職後、つまり昨年後半はこれと下のTRAVISに救われた気がするな。ヘヴィ/ゴリ押し系ばかりの中で一服の清涼剤となる清清しさと、ハマると抜けられなくなるサイケさを持ち合わせた、正にドラッグ・アルバム。ジンジャーがイチ押ししてるのも納得。(いや、最初知った時は笑ったけど)

KULA SHAKER『PEASANTS, PIGS & ASTRONAUTS』

最後はこの1枚‥‥解散がなくても絶対に選んでたね!もうこれはUKとかブリットポップとか、そういうのを抜きにして語りたい‥‥世紀末が生んだ「奇形的作品」。音がヘヴィという訳ではないのだけど、その作り全体と醸し出す雰囲気がヘヴィだという意味では、レイジに匹敵するヘヴィさだと俺は思う。もしかしたらこのアルバム、理解されるにはまだ早すぎるのかもしれない。何年も先をいっていた名作として後々語られるのかもしれない。

LIMP BIZKIT『SIGNIFICANT OTHER』

日本が林檎姫なら、海の向こうではリンプ♪こいつらがいたからフジロックに行ったって人、多いのでは?ヘヴィロックというよりは、ヘヴィヒップホップだと思う。とにかく聴いてて気持ちいいリズムと覚え易いリフレイン。1999年のアメリカを代表するのはBACKSTREET BOYSではなく、こいつらでしょう!(笑)

THE MAD CAPSULE MARKETS『OSC-DIS』

NINにするかこれにするかで最後まで悩んだんだけど、こっちのが俺らしいんじゃねぇか?と思って結局マッドに。上の3枚とは一線を画する‥‥どちらかと言えば下の2枚に共通する「聴くだけで器物破損な」(笑)アルバム。いい意味で常に変化していくバンドだよね、彼等は。是非ライヴを1度見たいバンド‥‥と思ってたら、フジロック再びの噂が‥‥

Mr.Children『Discovery』

やっぱりこれは外せない。(笑)とにかく「日本語ロック」が新たなステージに到達した事を伝える1枚。贔屓目抜きにしてもこれは名作と呼べるのではないでしょうか?ヘヴィ路線と、今年に入って発表された「口笛」のようなソフト路線とを繋ぐ橋渡し的作品。力作だよ、マジで。

RAGE AGAINST THE MACHINE『THE BATTLE OF LOS ANGELES』

やっと出た。(爆)いや、こんなに待たされるとは思いもしなかった‥‥そして待った甲斐あったわ♪上でリンプべた褒めしてるけど、これ最初に聴いた時はリンプすら霞んだもん。(苦笑)こんなブッとい音出すバンド、ZEP以来じゃなかろうか?人を狂暴化させるのに十分な音してます。

TRAVIS『THE MAN WHO』

10枚中、UKものはたったの2枚になってしまった。俺のUK離れは更に進行してるのかねぇ?(苦笑)それはともかく、これは地味ながらも傑作。今年に入って聴いたという事で残念ながら選外としたバーニーの「FRIENDS AND LOVERS」と同じ位、聴いてると歌に包まれてく‥‥そんなアルバム。ファーストのイメージが強かっただけに結構意外でした、内容が。今でも忘れた頃に引っ張り出すアルバム。

ZEPPET STORE『CLUTCH』

昨秋リリースにも関わらず、めちゃくちゃ聴いたな。とにかくこれを含めた上記3枚とDragon Ash。日本語ロックのあり方を改めて問われたような気がしたな。1曲1曲が粒ぞろいで、何度聴いても飽きがこない。UKロックファンなら1度聴いたら病み付きになるフレーバーが含まれてます。日本語が気になるなら、昨2月にリリースされた全英語詞「BRIDGE」がオススメ。


‥‥てな感じですが、どうですか? 結局、邦楽が4枚も入った1999年。確かに日本のロックにこだわった1年だった気がするな。ハイスタ、ブラフマンといったバンドもよく聴いた。グレイプバインとかスネイル・ランプとか‥‥そういう傾向は年が明けた今年、更に強まってる気がするな。

ヘヴィ系が4枚も入ってるけど‥‥俺にとって去年が正に「戦いの年」だったからでしょう。(苦笑)年明けからいろいろあって、夏にはフジロック~転職~仙台K~そのまま本陣Kへ、という「お前、アホか!?」ってなスケジュールで老体に鞭を打ち(爆)‥‥新しい仕事も常に勉強の日々。現実から逃れるかのごとく、ヘヴィロックに身を委ねるとみぃ‥‥何となく理解できるな、自分の事ながら。(苦笑)

イギリスものは‥‥いや、結構ちゃんと聴いてるのよ。けど‥‥う~ん‥‥実は最後まで悩んだのが、BLURの「13」。よい意味でも悪い意味でも、俺の1999年を象徴するBLURというバンド‥‥その忌わしさを忘れたいから選外になったんじゃないよ? 結局‥‥フジ以降、あんまりCDやMDを引っ張り出して聴く事、なかったな‥‥実験をしたその心意気は買うけど、いざアルバム単位で考えると‥‥もっといい作品はいっぱいあったし、何よりも‥‥自分自身を重ね合わせて聴く事が出来なかった。

今回選ばれた10枚にはやっぱりそれぞれに理由があるわけだけど、やっぱり共感できるか?とか、自分自身と重ね合わせて聴く事が出来るか?ってのが重要になってくるわけよ、俺の場合。そうすると、自然と聴く頻度も増えるし‥‥知っての通り、この10枚を選ぶ基準のひとつに「最もよく聴いた10枚」というのがあるからね?

あ、もうひとつ。選ぶ基準が少しずつ変わってきてるのも確か。それは俺がKに行くようになったからでしょう。林檎やミスチル、ゼペットを除けば、みんなKでよくかかる/Kで知ったアーティストばかり。新しい出合いは何も人間だけじゃないんだよ? 新しい音楽との出逢い‥‥それまで熱心に聴く事もなかったアタリとかエイジアン・ダブ~なんかもそう。ただ、ファットボーイ・スリムだけは何時まで経っても好きにはなれんかったが(苦笑)‥‥なのに何故かCDだけは持ってる俺‥‥あざといというか‥‥(笑)


こんなとこです。まぁこれらのアルバムの大半は、本家とみ宮でもレビューとかやってたので、復活の際には購入時の参考にでもしてみて下さい。

今年も、もっと沢山の素晴らしい音楽に出逢えますように‥‥

1999年9月 9日 (木)

「FUJI ROCK FESTIVAL '99」DAY 2@苗場スキー場(1999年7月31日)

  2日目に突入です。1日目同様、気の利いたことは書けません。


◎RORY McLOED (at GREEN STAGE / 10:30~11:00)

  プログラムにはないスペシャルゲストかと思ったのだが、FIELD OF HEAVENに出演する方だった。英国出身で、世界中を放浪しているシンガーソングライターだそうな。基本的にはギターとハーモニカのみ。本当ならほんわかした雰囲気の中で聴きたいタイプの音なのだが、どうも周りの雰囲気はそうではない。すでに人が多いし、日射しも強くなってきている。日よけもない場所で聴いたのもあり、いまいち記憶に残ってない。ただ、ひとつ……ちょっとロン・セクスミスを思い出した。が、あそこまで繊細な感じはしないけど。

  3曲くらいの演奏だったか。最後の曲には前日にも現れたナワン(1日目のハイスタ参照)が再び現れ、共演。またまた「Free Tibet!」のコール&レスポンス。結局30分以上やったのか。


◎東京スカパラダイスオーケストラ (at GREEN STAGE / 11:00~11:40)

  5月に不慮の事故でドラムの青木氏を失い、6月のツアーから助っ人としてブランキー・ジェット・シティーの中村達也が参加。あの達也がお揃いの衣装を着る、それだけで注目のステージとなったはずだ。

  さてそのステージだが、いきなり達也のドラムからスタート。銀色のスーツをまとった彼。やけにデカく感じる。いや、ドラムセットが小さいだけか。ジャケットの下は素肌。達也の激しいドラミング以外は、いつも通りのスカパラに見えた。「青木氏の弔い合戦」というイメージはまったくなく、いつも通りのエンタテインメント性を全面に出した楽しいステージだった。


◎DMBQ (at WHITE STAGE / 11:30~12:10)

  轟音系なんだけど、いい意味で音が「古臭」く、70年代のビンテージって感じ。ちょっと前のグランジとも違う。うまい表現が見つからないけど、すごくいい感じ。個人的には趣味。これでもっとエンタテインメント性があったりすると、いかにも70年代的なんだろうけどね。そうしないところが、現代的ってことなのか。


◎BRAHMAN (at WHITE STAGE / 12:50~13:30)

  とにかく人が入ってる。昨日のNEVEが嘘のようだ(昨日は前の方に客が固まってるだけで、後ろの方はがらーんとしていて客が寝転がっていた)。後ろまでびっしり客が詰まってる。みんな期待してるってこと。考えてみると2日目って日本のパンク系バンドが多かったね(eastern youth、BACK DROP BOMBなど)。

  1曲目がいきなり「Tongfarr」だった、と思う。何せ暑かったのと、風が強くて砂埃がひどくて、記憶がいまいちはっきりしない。が、この曲をやったことは鮮明に覚えている。日本的なメロディを聴かせる、「歌」にこだわってるように感じた。あとはもう……モッシュの嵐。この日のステージを観て、間違いなくこれからも追い続けるバンドのひとつになったことだけは断言できる。


◎UA (at GREEN STAGE / 13:20~14:00)

  今回のバンド編成は元ルースターズが2人(ドラムの池畑氏、ギターの花田氏)いて、さらに浅田氏も参加。期待しないわけがない。選曲がこれまた、グレイテストヒッツ的なもので大満足。花田氏のスライドギターもこれまた渋い。気がついたらステージに向かって走ってた。


◎SKUNK ANANSIE (at GREEN STAGE / 16:00~17:00)

  久しぶりに生で見た彼ら、この日は新作「POST ORGASMIC CHILL」のオープニング曲「Charlie Big Potato」からスタート。イントロの長いインダストリアル系SEにうざったさを感じながらも、バンドが入ると途端にイメージが逆転。レイジもびっくりのハードな演奏。最初、お客は前の方だけだったのに、演奏がスタートしてそのハードさが伝わった途端に前へ前へと走り出す。そりゃそうだって。

  そしてスキン(Vo)が登場して、歌う。時に優しく、時に絶叫し、サビのハイトーンのところで多くの客がステージに向かって走っていくのが判った。いやいや、爽快。今まで彼等のことを知らなかった人はラッキーだと思う。だって、いきなりライブの洗礼を受けることができたのだから。1999年フジロックのベストアクトのひとつと言ってもいい。

 自分は続くリンプ~ケミ~ブラーに備えて、後ろで泣く泣く体力温存していたのだが、やっぱりお客が続々と増えていく光景を見てるのは圧巻というか爽快というか。個人的にはこのSKUNK ANANSIEとCATATONIAがどう受け入れられるかが、今後の海外アーティスト来日公演への布石になるはずと思っていたが、大成功だったようだ。

  選曲自体は先にリリースされたサードと大ヒットしたセカンドからの曲が中心。あの厳ついイメージのあるスキン嬢だが、ことMCになるとかわいらしい声で喋る。このギャップがたまらないし、レイジやKORNとは違った良さがある。絶対に、絶対に日本でもっと人気が出てもいいはずだ。


◎LIMP BIZKIT (at GREEN STAGE / 17:50~18:50)

  勿論リンプには期待していた。あのアルバムを聴けば誰もがそう思うだろう。実際、あの新作を聴いてフジ2日目だけ参戦を決めた方は多かったはずだ。

  噂には聞いていたが、ここまでエンタテインメント性重視のバンドだとは思わなかった。アルバムレビューで「バカ=とっつきにくい説」なんてのを書いた俺だが、そうか、作られたバカだったのか。とにかく客を楽しませることに徹している。レイジとは明らかに別の世界のバンドだということがよく判った。レイジにはロックバンド特有のストイックさを感じるのだけど、リンプの場合は例えばBEASTIE BOYSから受ける「あの」感じ。それと同様なものを感じ取る事ができた。それだけでも大きな収穫だと思う。

  正直、モッシュしまくってたし、思いっきりコケたし、命がけで暴れてたので、ここに気の利いたことは書けない。ただ、ファーストの曲とセカンドの曲って、ライブ会場で聴くと明らかに質感が違う。改めて「SIGNIFICANT OTHER」のすごさを実感した瞬間だった。

  それと、ライブ恒例の「大カバー大会」にも楽しませてもらった。「Do you like KORN?」の一言の後にあの印象的なドラムとギターリフが(「Blind」)。しかし、イントロの「Are you ready?」のところで演奏をストップ。続くはレイジの「Bombtrack」。ギター&ベースのユニゾンに笑った。そしてここでも「1、2、3!」で演奏ストップ。ここで終わるのかと思ったら、ギターがいきなり聴き覚えのあるリフを。あ、メタリカだ。しかも「Master Of Puppets」。今度は歌まで披露。歌うのはギターのウェス。「Master! Master!」のところまで演奏される。客は勿論盛り上がる。で、最後の最後にお約束でフレッドが一言、「Fuck You!」。これが言いたいがための前振り。リンプの芸人魂見たり、ってところか。


◎THE CHEMICAL BROTHERS (at GREEN STAGE / 19:40~20:50)

  いきなり1曲目が「Hey Boy Hey Girl」。ウッドストックと一緒か? カレーを抱えたまま、ステージ近くまで走ろうと思ったが断念。贅沢に後ろのほうで食事しながらケミカルを聴くという、これも野外フェスの醍醐味。腹いっぱいになって体力的にも余裕ができたあと、地味に踊った。満天の星空の下、サイケな映像に目がやられ、無機質な機械音に耳と頭をやられる。そして体だけが勝手に動く。これが気持ちいいのだよ。

  前作発売時にリキッドルームで観たときよりも、断然今回のほうが良かった。勿論クラブレベルで観る(踊る)彼等も最高だが、グループの規模感がデカくなった今、イギリスと同じ条件で観られるってのが幸運だと思う。

  曲に関してはほぼ原曲通りだったが、圧巻は名曲「Setting Sun」のぶち壊し振り。前回の来日もほとんど歌のパートを聴かせないプレイに度肝を抜かれたが、今回はバックトラックが4つ打ちに差し換えられていた。カッコイイじゃないか! しかもまた歌を無視! ざまぁ見やがれ、と大暴れ。疲れてたはずなのに、そんなことすら忘れさせるステージだった。


◎BLUR (at GREEN STAGE / 21:40~23:00)

  ステージにメンバーが現れまず驚いたのが、デーモンの衣装。いや、衣装とも言えない普段着。これじゃあリアムだよ!?ってな格好に無精髭、覇気のなさ、いや、オーラのなさが気になる。この「これじゃあリアムだよ!?」ってのは結局最後までつきまとった。もちろん今やってる音楽のイメージを考えれば、ちょっと前までの「ハイパーアクティブな」イメージを求めるのは酷なのかもしれないが、あの覇気のなさがすごく気になる。リアムの場合はそこにオーラがあるのだけどね。

  そして気になること、その2。1曲目の「Tender」なのだが……何かが違う。聴いていてすごく居心地が悪い。何故だ? 自分なりにいろいろ考えたのだけど、こういう結論に達した。つまり、あの日「Tender」が“みんなのうた”になれなかったのではないか。どんなに作者が個人的なことを歌おうが、それがCDとして流通され、ラジオから流れ、テレビから流れ、ライブで披露されたその瞬間に、“ぼくのうた”から“みんなのうた”に変わる。作者の手元を離れてしまうのだ。そして俺達はその「瞬間」を、その爽快感を味わいたくてCDを買い、ライブに足を運ぶ。なのにデーモンはその切っ掛けを与えてくれなかった。それがあの覇気のなさと関係あるのかはわからないが、俺はその拒絶された感じに違和感を覚えたのかもしれない。

  ライブが進むにつれて、客は盛り上がりを見せるが、俺は盛り下がり続けた。唯一救われたのは、過去の曲、特に「The Universal」を聴けたことかもしれない。唯一そのときだけは自分の中で盛り上がりを見せたが、最後の最後の名曲3連発、「Girls & Boys」「Parklife」「Song 2」で再び盛り下がっていく。体とは相反して、心はブルーのままだった。楽しめることは楽しめたのだが、何かしっくりこないとうか。

  ライブは演者側がどういう状態であれ、観る側にとって“One And Only”なものでなければならない。バンド活動が長くなれば長くなるほど予定調和さが伴うだろう。が、特に日本のような国へは2、3年に一度しか来られないわけだし、フェスだったらチャンスは一回こっきり。「どうせこの後、単独で来るし」とナメていたのかもしれない、バンド側もファン側も。だが、次はないかもしれない。そのときは俺の多くの友人が俺に尋ねたように「BLURってあんなもん?」ってイメージが植え付けられたまま、また2、3年、いや、最悪一生そのイメージが残るのかもしれない。期待していただけにちょっと残念な内容だった。


‥‥‥‥‥‥To be continued.

1999年7月10日 (土)

LIMP BIZKIT『SIGNIFICANT OTHER』(1999)

『断言します‥‥これ、全米チャートのトップ3入りする! 下手したら1位だってありえる。そんくらい良く出来た作品です♪』


上の発言は、僕がこのアルバムを購入後、最初に聴いた後の感想。6/23頃の発言じゃないかな? うちの掲示板の過去ログを検索すれば載っているはずです。そう直感させ、公の場で発言させてしまう程のパワーをこのアルバムから感じ取ったのです。これはヘヴィーロック界久々の傑作ですよ! K0ЯNの「FOLLOW THE LEADER」を初めて聴いた時と似たような感触でした。それは‥‥『ポップ』『聴きやすく/とっつきやすくなった』点がポイントになってくると思います。今回この全米ナンバー1アルバムをお薦めするにあたり、この辺をポイントに語っていこうと思ってます。

LIMP BIZKITが今何故、旬なのか?‥‥知っての通り、このバンドがデビューした切っ掛けとなったのはK0ЯNとの交流からでした。そのK0ЯNが新作「FOLLOW THE LEADER」で1位を取り、この日本でもフジロックを境に市民権を得た後、彼等がしたことといえば「FAMILY VALUES TOUR '98」という2ヶ月に及ぶパッケージツアー。これは「K0ЯN自らが主催し、彼等のファミリーとも言えるバンド達(INCUBUS, ORGY, LIMP BIZKIT, ICE CUBE, RAMMSTEIN)を引き連れて約2ヶ月(98年9月から11月まで)に渡り全米をツアーしたもの」(ライヴアルバム「FAMILY VALUES TOUR '98」の帯たたきより引用)で、全公演アリーナクラスがソールドアウトだったそうです。まぁ今のK0ЯNの人気を考えれば当たり前ですが、このツアーの大成功がもたらした福音‥‥それはORGY, LIMP BIZKIT, RAMMSTEINといったバンドのチャート上での成功でした。デビュー間もないORGYはおろか、LIMP BIZKITに限ってはアルバム発表後1年半経ってからの事でした。それが今現在に至っても続いているわけです。(ちなみにORGYのデビュー盤は50万枚以上、LIMP BIZKITのファーストは100万枚以上のセールスを記録してます)そして、このパッケージツアーを1枚のCDに凝縮したライヴアルバムはビルボードのアルバムチャート初登場7位を記録し、100万枚以上の売り上げを記録しました。K0ЯNというモンスターバンドがもたらした成功。そして、そこから派生したいくつかのムーブメント‥‥確かに山は動いたのです。

K0ЯNの成功の理由については敢えてここでは書きません。また別の機会の為にとっておきます。(笑)でも、「FOLLOW THE LEADER」が一般的に浸透したのにはやはり『ポップになった』『聴きやすく/とっつきやすくなった』のは大きいでしょう。ここが今回のLIMP BIZKITの新作と共通すると思うのです。

LIMP BIZKITというバンド名から思い浮かべる事といえば‥‥『バカ(爆)』『とっつき難い』というイメージがありました。RAGE AGAINST THE MACHINEほど知的さを感じないし、K0ЯNほどキャッチーさを感じない、そういうバンドでした。まぁ確かにジョージ・マイケルのカバー "Faith" は名(迷?)カバーでしたが。(笑)多くの人がこの1曲の印象でLIMP BIZKITをこうイメージする訳ですが、アルバムを聴いて更に訳が判らなくなりませんでした?(苦笑)どこまでマジでどっからがバカなのか?その線引きに非常に苦しむ存在でした。確か一昨年の初来日公演では先に挙げたようなバンドのカバーとか披露してたりしたんでしょ?う~ん‥‥(爆)

ただ、僕自身はこのファーストアルバム「THREE DOLLAR BILL, Y'ALL$」はとてもよく聴いたアルバムでした。気持ちいい、っつのが先行して、実はK0ЯNのファーストや「LIFE IS PEACHY」よりもよく聴き込んだ想い出があります。ただ残念なのはこのバンドのファーストもK0ЯN同様、歌詞カードがなかったこと。どこまでがバカなのか、その物差さえなかったという。(爆)

で、セカンド。すっごい期待してたら、それ以上のものが返ってきた気がして、とても嬉しかったなぁ。まず『聴きやすく/とっつきやすくなった』‥‥これはアルバムのサウンド・プロダクションが整理されたせいもあるでしょう。ファーストのプロデューサーはK0ЯNのファースト&セカンドを手掛けたロス・ロビンソン(他にもSEPALTULA, SOULFLYなどで有名)、ミキサーにはこの手の音を手掛けさせたら右に出る者はいないって位に有名なアンディー・ウォラス(SLAYERの一連の作品やNIRVANA「NEVER MIND」で有名)という超一流エンジニア陣を採用。これが誰のアイデアだったのかは知らないけど(多分K0ЯNのメンバーがロスを薦めたんでしょう)、こんなに豪華なファーストってそうはお目にかかれない。ところがこれだけ成功したファーストにも関わらず、彼等は製作陣を変えてきた。プロデューサーには『KIGN OF HEAVY ROCK』テリー・デイト(BUCKCHERRYでもお馴染み、PANTERAの全作品やSOUNDGARDEN「BADMOTORFINGER」で有名)、ミックスにはブレンダン・オブライエン(RATM「EVIL EMPIRE」やPEARL JAM「VS」以降の全作品、STONE TEMPLE PILOTSの全作品やAEROSMITH「GET A GRIP」で有名)を採用するという豪華さ。以前エンジニアの仕事に携わった事のある僕にはこの面子、生唾ものなんです!(笑)この面子を見ただけでも「おぉ、力入れてるなぁ!」ってのが伺えるし。実際に出来上がってきたセカンドは、この2人(テリー&ブレンダン)ならではの音作り。テリーならではのクリアーな音質。けど、彼が手掛ける作品は中音域は素晴らしいけど低音がちと弱い、っいう弱点をブレンダンの名ミックス振りでカバー。史上最強のサウンド・プロダクションがここに完成したわけです。確かにファーストで聴かれたあの「混沌としていて生々しい」サウンドも捨て難いですが、『聴きやすさ』って意味では今度の布陣で大正解。しかも今度の『ポップ』『とっつきやすい』っつう項目にもグッとマッチするし。

この『ポップ』『とっつきやすさ』を生かす為には、ヘヴィー度を増すよりはヒップホップ度を増す事で、LIMP BIZKITは成功を収めた訳です。だってRATMやK0ЯNと違って、LIMP BIZKITには実際にDJリーサルっていう有名DJ(90年代前半に "Jump Around" で全米1位を獲得したHOUSE OF PAINの元メンバー)がメンバーにいるわけですから、彼を生かさない手はないでしょう!実際新作には "n 2 gether now" っていうモロヒップホップ・ナンバーもあるくらいだし。メンバーにターンテーブル担当がいるってだけで、先の2バンドとは違う色が当たり前のように出せる。その強みを今回の作品で全面に出したかな、って気がします。ボーカルの絶叫を抑えたのも『とっつきやすさ』の理由のひとつかな。叫ぶというより、「ヒップホップ的間の手(?)」が非常に増えてますし。これ、絶対にライヴで盛り上がるって! その代表例と言えるのがビデオクリップにもなった名曲 "Nookie" でしょう。これをクラブで初めて聴いた時の感動&興奮といったら‥‥言葉に出来ずに踊りまくった、というのがこのアルバムの楽曲の特徴を顕著に示していると思うのです。つまり『暴れる/モッシュする』というよりも『踊る/ダンスする』方があっている、と。

ここで気付かれたでしょうか? 最初に例に出したK0ЯN「FOLLOW THE LEADER」もこういう要素を含んだアルバムだったという事を。僕の中ではある種プログレ的でもあったファースト&セカンド(楽器隊の組み立て方が一時期のKING CRIMSONに共通するものを感じていました。同様の意見をBURRN!誌で目にした時には感涙ものでした)。そこが『とっつき難さ』のひとつだったわけですが、新作ではヘヴィーロック色 /プログレ色が幾分後退し、その代わりにヒップホップ色が全面に出たという。そして "Got The Life" のような、今までにはなかったポップなナンバーが増えた事も驚きのひとつでした。「これが1位になっても驚きに値しない」と聴き終えた時、思いました。まぁK0ЯNの場合は前作「LIFE IS PEACHY」が3位まで上がってるので、何となく想像は出来たのですが‥‥LIMP BIZKITの場合はファースト、最高22位ですからねぇ‥‥それも最近。1位は想像以上に驚きでしたよ。

それにしても最近、この手のヘヴィーロック勢のチャート1位ってなかったよね? MARILYN MANSONが最後か?っつうことは今年最初のヘヴィーロック勢の1位か‥‥あとは今年1位取りそうな新作っていうと、9月に予定されてるRATMとNINE INCH NAILS、何時出るか想像も出来ないTOOLのサードってとこでしょうかねぇ?(あ、TOOLもKING CRIMSON的で面白いバンドですよね?LIMP BIZKIT以上に理解に苦しむ音ですが/苦笑)

‥‥というわけで、僕なりに分析してみました。本来、こんな分析なんていらないんですよ。「いいものはいい、悪いものは悪い」それでいいわけだし。(笑)ただ、ある意味「穴馬的存在(爆)」だった彼等がこういう爆発的成功(尚、今現在もビルボードアルバムチャートで1位ばく進中。発売2週目にして既にアメリカ国内で100万枚突破したらしいです)をした背景を考えてみた、ってとこでしょうか? そう考えると意外と成功にはそれなりの理由があるって事が見えてきますよね?

まぁ何だかんだ言いながら、未だによく聴くアルバムなのです。フジロック2日目の台風の目的存在になるのは確実ですね? 97年のRATM、98年のK0ЯNと「未だに日本の地を踏んでいなかった、まだ見ぬ驚異の存在」がフジロックでのカギを握っていたわけですが、前評判ではLIMP BIZKITってあんまり期待されてなかったとうか。(涙)まぁ初物じゃないしねぇ。ところが、この新作の出来と評価によって、状況は一転したわけです‥‥さて、どういうステージングを見せてくれるのか、どうやって僕を楽しませてくれるのか。今から考えると、もう‥‥既に興奮して眠れません。(笑)その運命の夜まで、あと3週間を切りました‥‥



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