2007/11/03

LOST IN TIME『さぁ、旅を始めよう』(2007)

リリース前のサンプル盤の時点から現在まで、本当によく聴いた1枚です。ただ、このアルバムに対して何かコメントを発しようとすると、どうしてもためらってしまうというか、書いた後のことまで考えてしまい、結局発表から半年以上の月日が流れてしまったというわけです(ま、それ以前にサイトの更新自体がストップしてましたけどね。苦笑)。それくらい、熱心なファンからの視線が気になるバンドになってしまったなぁという印象が強いです、今のLOST IN TIMEは。

前作「時計」から1年半ぶり、通算4作目のオリジナルアルバム……というよりは、同じ「LOST IN TIME」という名前のバンドによるデビューアルバムと言ったほうがいいのかもしれません。それくらい、それ以前とは方向性や姿勢が変化したアルバム……と、世間的には言われています。実際そうなのかもしれません。

でも、僕にしてみると全部繋がってるように見える(聞こえる)んですよね……そりゃ熱心なファンの皆さんよりはライブも頻繁に観てないし、過去のアルバムの聴き込みも足りないのかもしれない。僕は1stアルバム「冬空と君の手」よりも2nd「きのうのこと」、2ndよりも3rd「時計」が好きというように、変わったファンと映るのかもしれませんね。いや、ファンとすら思われないんだろうなぁ。

自分も少なからず音楽の道を目指した人間だから、この変化・成長も理解できる。得るもの、失うものも十分に承知してると思う。何よりもメンバーチェンジがあったのだし。ただ、その変化のスピードがファンの柔軟性を超えていただけ……なのかもね。

これまでの繊細さが嘘みたいに、前向きで、力強くて、カッコ悪くて、それでももがき苦しみながら前進しようとする。その姿勢がこれまで以上に濃厚に表れた1枚だと思います。単純に今の自分にフィットしたというのもあるんだろうけど、バンドとして数段上のステップに到達した作品に仕上がったと思います。サポートミュージシャンの力もあるだろうけど、やはり中心人物・海北くん自身の変化・成長が大きかったんだろうなぁ(もちろん源ちゃんもね)。このアルバムを聴くと、いつもそういうことを考えます。

多分、このアルバムでのLOST IN TIMEはまだ中途半端なんだと思う。これはスタートラインであって、まだまだ成長の過程なんじゃないかな。そう、」さぁ、旅を始めよう」というタイトルどおりにね。

この作品を最高傑作と呼ぶこともできるけど、恐らくこの次に出来上がるアルバムはさらにスケールアップしたサウンド/歌詞を聴かせてくれるはずです。そう、これまでのアルバムの完成度がいつも前作を上回っていたように。こんなにも次の作品が今から楽しみなバンドも、そうはいないだろうなぁ。



▼LOST IN TIME「さぁ、旅を始めよう」(amazon:日本盤

投稿: 2007 11 03 12:05 午前 [2007年の作品, LOST IN TIME] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/01/07

COUNTDOWN JAPAN '05-'06@幕張メッセ(12/31)

 さ、いよいよ3日目、最終回です。大晦日のカウントダウンライヴなんて、'91年末のMETALLICA@東京ドーム以来、か‥‥約15年振りですよ。ワハハ。その後カウントダウンといえばサザンかX JAPANかジャニーズか、って感じになっちゃいましたからね。ここまでカウントダウンライヴが定着したのって、まぁ先の先駆者の功績も大きいでしょうけど、ここ数年ならやはりCDJの影響は大きいんじゃないですかね。いや判らないですけど。

 そんな感じで、ラストまでガッツリ楽しんできました(途中寝てたけどな)。その雰囲気が上手く伝わればいいんですが‥‥

●THE DAY 3 [2005.12.31.]


■真心ブラザーズ 4人バンドVersion [EARTH STAGE]
・真心4人Versionはエゾと全く同じ構成、同じ選曲だったと思う。
・3日前に観たばかりだから新鮮みはないけど、やっぱ良い。
・酔ってたせいもあるけど "素晴らしきこの世界" で泣いた。
・この1年を振り返って、ちょっとシリアスモードに入って反省。


▼真心ブラザーズ「PEACE AND LOUD〜MB′s Live Recordings Collection〜」(amazon


■エレファントカシマシ [EARTH STAGE]
・この後、少年ナイフで暴れようとか思ってたけど、そんな気分になれなくなって、何故かエレカシ観る羽目に。
・そのエレカシ。去年のCDJ以来1年振りってことで我ながら驚いた。
・セットリストは相変わらず、宮本がその場で決めてるのな。
・つまり1曲目だけ打ち合わせ済みで、曲が終る度に宮本が曲名をドラムに告げて次の曲のカウントが始まるという。
・"悲しみの果て"、"風に吹かれて" の哀愁2連発でグッときた。
・古めの曲は "やさしさ" と "デーデ" くらいか。定番曲。
・が、最後の最後にやった "ガストロンジャー" が素晴らし過ぎ。
・DATのシーケンステイクを使った音源バージョンも良いけど、それらを一切排除した今回みたいなバンドオンリーのバージョンも更にカッコ良い。いつぞやのRIJFでシーケンスの音が出なくなって急遽やったのが始まりだったんだっけ。偶然あの場に居合わせたけど、衝撃的にカッコ良かったんだよな。ふとあの時のことを思い出しました。


▼エレファントカシマシ「日本 夏(Amazon.co.jp 独占限定盤)」(amazon


■PUFFY [GALAXY STAGE]
・PUFFYは選曲的には夏のサマソニに近い感じ。1曲目が "Hi Hi" に変わってたのと、新シングル曲を削ってブルハ "人にやさしく" カバーを加えたくらいの違いか。
・"人にやさしく" は3年くらい前のサマソニでもやってたなぁ。
・サマソニと違ってGREEN DAY "Basket Case" カバーは思ったよりも盛り上がらなかった。この瞬間、このイベントの客層が見えた気がした。サマソニとエラい違いだったもん。
・あ、夏やってなかったJELLYFISH "Joining A Fanclub" やってたな。これも全然ウケてなかった。つーか元ネタ知らないだろうしな、ジャパンの客層じゃ。
・やっぱパワーポップですわ。

--SETLIST--
01. Hi Hi
02. 渚にまつわるエトセトラ
03. Joining A Fan Club [JELLYFISH]
04. これが私の生きる道
05. 人にやさしく [THE BLUE HEARTS]
06. Basket Case [GREEN DAY]
07. ブギウギ No.5
08. サーキットの娘
09. アジアの純真


▼PUFFY「THE VERY BEST OF PUFFY/amiyumi JET FEVER」(amazon


■bonobos [MOON STAGE]
・bonobosはなっちゃんかわいいに尽きる。
・いや、それだけじゃないて。バンドとしてのグルーヴ感が夏観た時よりも更に強靭になってた。
・やっぱ曲良い、演奏良い、気持ちいい。文句なし。
・裏がくるりと10-FEETってこともあって(「ってこともあって」?)集客に苦労してたけど、こっち選んで大正解だった。
・新年1発目の演奏にして最後の曲が "THANK YOU FOR THE MUSIC"。当然大合唱なわけですよ。鳥肌立った。


▼bonobos「electlyric」(amazon


■忌野清志郎 & NICE MIDDLE with NEW BLUE DAY HORNS [EARTH STAGE]
・清志郎、人が少ないのをいいことに前の方へ。
・内容的にはいつも通りなんだろうけど、明らかに予定時間を超過してまで演奏してた。1時間くらいやってたかな?
・そのくらいやらなくちゃな、ロックだし。
・やっぱ "スローバラード" で目頭熱くなった。
・その後の "雨上がり〜" や "気持ちE" で汗だくに踊りまくって、最後に "JUMP" で終了。やっぱ最高だわオッサン。


▼RC SUCCESSION「ラプソディー ネイキッド」(amazon


■LOST IN TIME [GALAXY STAGE]
・ロストはどこに行ってもロストのまま。気負わず驕らず、普段通り。
・"ヒカリ" からスタートした時は、ちょっとだけ鳥肌。
・新作からの曲中心、逆にそれが今の彼等にとっての等身大なんだよな。
・会場全体が幸せムードに浸ってるような、そんな空気。
・海北くんも気持ちよさそうに歌ってたなぁ。
・そして俺も呑んだくれてたわけだが。
・サポートメンバーも何の仕掛けもない、ホントにシンプルなセットだったけど、だからこそいつも以上に歌がダイレクトに響きました。
・最後 "羽化" でちょっとだけ‥‥キた。


▼LOST IN TIME「時計」(amazon


■レミオロメン [EARTH STAGE]
・レミオロメンは正直ユアソンかドーパンかで悩んだけど、後者2組は今後イベントで観る機会多そうだし、こういうイベントだからこそ彼等みたいな「今が(バンドとしても、セールス的にも)旬なバンド」を観るってのもアリだな、と。
・実際、メジャーデビュー直前に観て以来のレミオロメンは、2年半を経て相当たくましくなってました。
・つーかやった曲の大半が大ヒット曲という現実にちょっと驚かされた。
・そうか、もう武道館満員にできるバンドだもんな。そこにきてこの "粉雪" の大ヒットだから、ラストでもあれだけの人が入るわけだ。
・ホントにスケールのデカいバンドに成長しててビックリした。
・まだまだ未熟な面も多々あったけど、それでも少年から大人に変わる過程を見た気がした。
・"粉雪" の時、既にアースステージ入り口の泡雪が終了してたのは完全にジャパン側の失敗だと思う。あそこの、あの瞬間にやらなきゃ!
・曲終わりと共に会場を後に。外は雪こそ振ってなかったものの、今年一番じゃないかってくらいに冷え込んでた。


▼レミオロメン「粉雪」(amazon

投稿: 2006 01 07 01:24 午前 [2005年のライブ, bonobos, LOST IN TIME, PUFFY, 「フェス」, エレファントカシマシ, レミオロメン, 忌野清志郎, 真心ブラザーズ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/12/19

LOST IN TIME『時計』(2005)

 LOST IN TIMEの1年5ヶ月振り、通算3作目のオリジナルアルバム「時計」は、過去2作と比較しても最も穏やかで、最も人肌に近い温もりを持ち、最も自然に鳴っているアルバムに仕上がってます。この1年半に彼らが経た成長の数々は、実際にそのステージを観ればお判りいただけると思いますが、それが見事に『形』としてこのアルバムに表れているのではないでしょうか。

 このアルバムが過去の2枚と比べ、また実際のライヴでの彼らと比較すれば非常に落ち着いた作風で、実際「ライヴでの良さが上手く生かされていない」という声をファンの間からよく聞きます。実際、俺も初めてこのアルバムを聴かせてもらった時、そういった印象を持ちました。何て言うか、非常に小さくまとまってしまっているような‥‥そんな気が。けど違ったんですよ。

 12/18に新宿厚生年金会館で行われたワンマンライヴで、このアルバム収録曲を、アルバムと全く同じ楽器編成で演奏したんですね。曲によってはベーシストやキーボードのサポートを入れたりして、可能な限りアルバムのサウンドに近いサウンドでこのアルバムの曲を表現しようとした。ポイントはここにあるんじゃないかな、と思うんです。

 ライヴを中心に活動し、そこで生まれていった楽曲達をレコーディングして制作された1枚目や2枚目のアルバム。リリースを重ねる毎に彼等なりの成長が伺えるわけですが、この3枚目に関しては楽曲自体はライヴ先行で発表されてきたものの、それをいざレコーディングしようとした時に、良い意味での「ミュージシャンとしての拘り」が生じていき、スタジオワークならではの試行錯誤を繰り返したのかな‥‥非常に練られたアレンジを耳にするに連れ、そういったことが脳裏を過るのです。特に彼等のようなトリオバンドの場合、どうしてもそういったアンサンブルに対する拘りが作品を重ねる度に高じていくのは至極自然なことだと思うんですね。

 方向性に関してはファンそれぞれに思うところあるでしょうし、勿論俺の中にも「こうであって欲しい」みたいな思いはありますが、ああいうライヴ(12/18の厚生年金会館)を観てしまった後となると、このアルバムはまた違った聴こえ方をしてくるし、それまで見えて(聴こえて)いなかった面(音)が改めて顔を出したりして、非常に興味深く楽しむことができます。元々このアルバムはスルメ的要素が強い1枚だと思うんですが、その思いは更に強くなりましたね、自分の中で。

 ライヴを経て成長していった楽曲が、レコーディングで練られることで新たに生まれ変わり、更にライヴを繰り返すことでまた新たな地平へと辿り着く。このアルバムの楽曲達は今後もっと違った色を放っていくだろうし、このアルバムもツアーが終わる頃にはまた違った評価を受けるようになる‥‥そういう気がしますね。作り手の人柄がダイレクトに伝わる、こういう時期だからこそ浸りたい音が詰まった、非常に人間臭いアルバム。今年はこのバンド(のライヴ)に出会えたことが、非常に大きな収穫だったと思います。これを読んで興味を持った人、是非アルバムを聴いて、また機会があったら是非ライヴも観てください。ふたつ合わせて初めて「LOST IN TIMEというバンド」が理解できるはずですから。



▼LOST IN TIME「時計」(amazon

投稿: 2005 12 19 02:15 午前 [2005年の作品, LOST IN TIME] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/11/22

「The Sound of Shimokitazawa〜弾き語りの夕べ〜」@Shibuya O-EAST(11/17)

 今、下北沢で起きている問題があるんですが‥‥これは見方さえ変えれば善とも取れるし悪とも取れる。そして立場・立ち位置によってもまた変わってくる。事実、以前自分が住んでいた町でも、区画整備によって慣れ親しんだ食堂や居酒屋やパチンコ屋がなくなった。朝や夕方の交通渋滞は解消され、駅前には立派な駐輪場が出来て不法駐車がなくなった。そこで生活する一部の人間にとっては非常にありがたい改革だったかもしれないけど、追いやられた店の方々やその「引っかかった場所」で生活していた人間、そして俺らみたいな奴らにとっては死活問題ですらあった(いや、そこに自分らみたいな恩恵を受けているだけの人間を含めるのはお門違いだけど)。この下北沢の問題も、ある意味ではそれに近いものがあるので、理解できなくもない。でも‥‥ここで問題となるのは、その場所が「下北沢」という町だった、ということでしょう。下北という独立した文化を持つこの町に手を加えること‥‥興味を持たない人間にとってはどうでもいい話なんだろうけど、さすがにこればかりは納得がいかない‥‥そう感じた人間は俺だけじゃないはず。ましてやその下北に在住するミュージシャンやアーティスト達、そこでいろんな商売を営む人達、そういった「文化」を愛する人達‥‥全てを敵に回してしまったわけだから。

 でも、この問題はまだまだ認識が低いんじゃないだろうか‥‥実際、都内に住んでいてもこの問題を把握している人間は限られているんじゃないだろうか。何故なら、こういった話は日常茶飯事だから。正直な話、音楽や演劇等下北文化に興味を持たない人間にとっては、「いいんじゃないの?」で済まされてしまう可能性が大きい。それがいいことなのか、悪いことなのかはまた別の話として‥‥

 音楽の力で政治や国を動かすことはできないだろう。それは歴史が証明してきている。でも、個々の人間を動かす「切っ掛け」には成り得る‥‥人を突き動かす原動力になる、それが音楽の力なんじゃないかな。これまでの人生において、いろんな局面でその「切っ掛け」を貰ってきた俺だもの、他の人達にとっても‥‥そう信じたい。

 今回の「The Sound of Shimokitazawa〜弾き語りの夕べ〜」というイベントは、正にそういうイベントだったと思う。このイベントに足を運んだ切っ掛けが銀杏BOYZの峯田くんだった、あるいはLOST IN TIMEの海北くんだった。それでもいいと思う。峯田くんや海北くんがそう言うんだから署名してみよう‥‥切っ掛けはそれでいいんだと思う。後はそれらを「受け取った」個々が、どう考え、どう動くか‥‥本来、市民運動ってそういうところから始まっていくんじゃないかな。小さな雑草がまばらに生えていき、それが気づいたら同じ場所に密集していき、最終的には一面を緑が覆う‥‥今回のイベントが来場したお客さん個々の胸に何かを植え付け、それが花開くことを、そしてその花が辺り一面に咲き誇ることを願って。

※これはもはやライヴレポでもなんでもないですよね。ライヴは素晴らしいものでしたよ。それは俺が改めて書くまでもないでしょう。だから俺は、このイベントがもたらしたものについて、改めて考えてみました。ちょっと堅苦しくて説教臭い内容になっちゃったけど、そこだけは忘れちゃいけない‥‥そう思って「形として残す」ことにしました。とりあえずセットリストだけは載せておきますね。


■無戒秀徳アコースティック&エレクトリック
01. delayed brain
02. CRAZY DAYS CRAZY FEELING
03. 6本の狂ったハガネの振動
04. The Days of NEKOMACHI
05. KIMOCHI
06. 自問自答

■峯田和伸
01. 十七歳(アカペラ)
02. SKOOL KILL
03. BABY BABY
04. さびしがりやの君と面倒くさがりの僕(新曲)
05. 青春時代
06. なんとなく僕たちは大人になるんだ
07. Sound Of Shimokitazawa(新曲)

■海北大輔
01. 旅の途中
02. ライン
03. はじまり(LOST IN TIMEの前身バンドの曲)
04. 羽化
05. 失敗
06. 雨のあと(cover of 高森ゆうき)
07. 手紙

■曽我部恵一
01. 抱きしめられたい
02. 君の愛だけがぼくのハートをこわす
03. ハルコROCK
04. ジュークボックス・ブルース
05. FIRE ENGINE
06. TELEPHONE LOVE(途中弾き語りならぬ叩き語りアリ)
07. 青春狂走曲
08. LOVE-SICK!
09. Mellow Mind

■全員
人間(銀杏BOYZ)

投稿: 2005 11 22 12:30 午前 [2005年のライブ, LOST IN TIME, 曽我部恵一, 銀杏BOYZ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/07/06

LOST IN TIME『蛍』(2005)

 LOST IN TIMEの曲を聴くと、いつも『青』を思い浮かべる。広大な空の『青』、果てしない海の『青』、夜明け前の、夜空と朝日が混ざり合った狭間の『青』、炎の中に見え隠れする『青』、デニムの『青』、青春の『青』、ブルーズ(Blues)の『青』‥‥物質的なものだけじゃなくてその状態や心境までもを表現する色、青。彼等の曲を聴くといつでもそんなような、日常のいろんな事柄を思い浮かべる。

 そしてLOST IN TIMEのアルバムやシングルの写真には、そういった『青』を基調としたものが多い。濃厚の差や使用の度合い・違いはあれど、必ずどこかしらに存在する色。だから彼等の音楽を聴くと必ず『青』という色を思い浮かべるのかもしれない。

 LOST IN TIMEという若いバンドも、確かに青臭さの残る、等身大の音を鳴らすバンドであり、そしてそんな彼等の奏でる音や発せられる言葉に人々は耳を奪われるだけでなく、その心まで奪われてしまう。人によっては彼等の言葉が合わない人もいるだろう。でも、少なからず‥‥何か引っかかる『言葉』があるんじゃないか。そんな言葉によって思い浮かべる『情景』があるんじゃないか。

 それが俺にとっての『青』なんだと思う。

 LOST IN TIME待望のニューシングル、「蛍」がリリースされた。幸いにも俺は先週末に行われた東京での単独公演(恵比寿リキッド。この日の感想については後日じっくり書く予定)にて先行で手に入れることができた。当日のライヴでもタイトル曲の "蛍" やカップリング曲の "はじまり" (この日のライヴの1曲目はこの曲だった)を聴くことができた。だからCDで聴いた時も、その時の光景やその瞬間に感じたことをすぐにでも思い出せた。同日夜、俺は自分主宰のDJイベントで買ったばかりのこのCDから "はじまり" をかけた。この曲を選んだ理由は単純に「これからイベントが始まる」という意味だけでなく、この曲の中にある「君との始まりを歌おう」という歌詞がライヴで最初に聴いた時にズシンと響いたから。『君』はこの俺でもあり、そしてイベントに参加してくれたスタッフ・DJのことであり、そして当日来場してくれたお客さん全員のことでもある。この曲をかけた時の俺の心境は、正にそんな感じだった。

 先にネットラジオで耳にしていた "シャボン玉" といい先の2曲といい、珠玉の名曲が揃ったシングルとなった「蛍」。やはり等身大で人間臭くて、そして『青』を感じさせる歌/詩/メロディ。ライヴを観て、更にこれらの曲が俺の心の奥の方にまで響いている。強さも弱さも、優しさも汚らしさも。そんなものを全部抱えて、人間はこの先も生きて行く。時にはそういったことを忘れたり、失ったり、隠したりすることもあるだろう。そういう時にこそ、俺はLOST IN TIMEの曲と向き合いたい。もし、この先彼等の曲が俺の中で響かなくなったら‥‥きっとその時は、そういったものをどこかに忘れてきてしまったんだろう。

 自分自身と向き合うこと、そしてLOST IN TIMEと向き合うこと。このシングルを聴いて、今後彼等の曲と向き合うことが自分の人生にとって必要不可欠な要素となってしまったことに気づいた。その予感はあったけど、先日のライヴとこのシングルが決定打となった。

 また大切なバンドがひとつできてしまった。

 ありがとう。



▼LOST IN TIME「蛍」(amazon

投稿: 2005 07 06 11:07 午後 [2005年の作品, LOST IN TIME] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック