2017/10/25

MARILYN MANSON『HEAVEN UPSIDE DOWN』(2017)

前作『THE PALE EMPEROR』(2015年)から約2年10ヶ月ぶりに発表された、MARILYN MANSON通算10作目のオリジナルフルアルバム。プロデュースは前作からバンドに携わるようになった、映画音楽をメインに手がけるタイラー・ベイツが担当しており、曲作りも前作同様にタイラーがすべてを手掛けております。残念ながら、トゥイギー・ラミレズ(B)は今作も制作には携わっていないようです。

今回はマンソンの名を良くも悪くも一躍有名にした名盤『ANTICHRIST SUPERSTAR』(1996年)『MECHANICAL ANIMALS』(1998年)をミックスしたような、ヘヴィかつグラマラスな内容。前作が地味で落ち着いていて、どこかデヴィッド・ボウイ的なソロアルバムテイストだったこともあり、このある種の原点回帰は喜ばしい限り。とはいえ、完全に過去2作を踏襲したものかと言われると……ニュアンス的なものといいましょうか、サウンドの方向性や質感が過去2作のそれを踏まえたもの、という言い方が正しいのかもしれません。

どの曲もダークで攻撃的ではあるものの、基本となるのはミディアム〜スローナンバー。ダークの質感は90年代のものというより、現代的と呼んだほうがいいのかな。そしてメロディは非常にキャッチーで、そのへんは『ANTICHRIST SUPERSTAR』というよりは『MECHANICAL ANIMALS』に近い……んだけど、あそこまで作り込まれたポップ感はないかも。どこか突き放した感の強いメロディという点では、前作の延長線上にあると思います。

とはいえ、近年でもっともわかりやすい内容だし、我々がイメージするMARILYN MANSON像にもっとも近い1枚かな。ヘヴィでグラマラスでゴシック、そしてポップ。思えばあれから20年経ってるんだもの、マンソンだってあと2年もすれば50代に突入ですよ。そこも踏まえつつ、本作は時代が求める音と真正面から向き合きながら、自身の加齢ともしっかり向き合った意欲作なんじゃないかと思います。

あと、個人的には今後の彼に「Saturnalia」みたいなBAUHAUS路線(路線っつうか、まんまですが。笑)にもどんどんトライしてもらいたいな。今のテイストとすごく合ってると思うので、下手に過去の遺産を引っ張り出すよりも、こっち側で極端に地味でダークな作品にトライするのもありかと。

最近はライブ中、事故に遭遇したりと踏んだり蹴ったりのマンソン先生。このアルバムを携えて、また元気に竹馬に乗る姿を日本のファンにも見せてほしいところです。

P.S.
……なんてことを書いた数時間後に、トゥイギー・ラミレズ解雇というニュースが。理由が理由だけに……嗚呼。



▼MARILYN MANSON『HEAVEN UPSIDE DOWN』
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投稿: 2017 10 25 12:00 午前 [2017年の作品, Marilyn Manson] | 固定リンク

2017/09/30

MARILYN MANSON『THE PALE EMPEROR』(2015)

2015年1月に発表された、MARILYN MANSON通算9作目のスタジオフルアルバム。今作から新たなパートナーとして、映画音楽(特にアクションやホラー)を中心に手がけてきたアーティスト、タイラー・ベイツを迎えて制作。全作曲とドラム以外の大半の楽器を彼が手がけ、ドラマーはTHE DILLINGER ESCAPE PLANなどで活躍したギル・シャロンが担当しています。つまり、“永遠の相棒”ことトゥイギー・ラミレズ(B)が本作には不参加なのです(彼は本作制作時、別の活動で忙しかったんだとか)。

正直、最初に聴いたときの感想は「非常に地味」。これはマンソン自身が作曲にノータッチというのも大きいのでしょうが、楽曲自体が過去のマンソンの作品と比べて非常にブルーステイストが強いというのも大きいのかもしれません。

そのシンプルさが、例えば90年代のもっとも派手だった時期の作品と比べて違和感を生み出しているのは確か。では、本作が駄作なのかと言われると、それもちょっと違う。落ち着いた印象だけど、これも間違いなくMARILYN MANSONの作品なんですよね。

マンソンはかつて『EAT ME, DRINK ME』(2007年)というアルバムを発表していますが、同作はそれまでの彼の作品の中でももっとも“ソロアルバム”的趣向が強かったもの。ジョン・5という片腕的スーパーギタリストが抜けたあとの作品というのもあって、やはり地味というイメージが強い1枚でした。

で、今作『THE PALE EMPEROR』はその『EAT ME, DRINK ME』を聴いたときの印象に、非常に似ているのです。もちろんあの頃と状況はまったく別ですし、やろうとしていることも異なるはず。なのに、こんなにもイメージが近いのは、きっとマンソン自身が現在進もうと考えている方向が、『EAT ME, DRINK ME』のときと似ているのかも……なんて思ったりして。考えすぎでしょうかね。

マンソンが初組み合わせのソングライター、しかも映画音楽を手がける作曲家が書いた楽曲を歌うという企画。それ自体は非常に面白い試みです。もし本作が、何か架空の映画やショートムービーのサウンドトラック、あるいはイメージソング集として制作されていたら、また評価は変わったかもしれません。けど、そんな妄想を抜きにしても本作は“意外とクセになる”良盤だと思います。

デラックス盤にはボーナストラックが3曲追加されており、それぞれアルバム本編に収録された「Third Day Of A Seven Day Binge」「The Mephistopheles Of Los Angeles」「Odds of Even」のアコースティックバージョンになります。こっちを聴くと、実はマンソンはこれがやりたくて本作を作ったんじゃ……なんてことを邪推したくなりました。それくらい、オマケにしておくには勿体ない仕上がりかなと。

それと、本作のオープニングトラック「Killing Strangers」は昨年秋にNHK BSプレミアで放送されたドラマ『獄門島』のテーマソングとして使用されました。僕もこの番組は観ましたが、リメイクされた『獄門島』の世界観にぴったりだったと思います。歌詞のテーマ的にも、あの物語に合うものがあるんですよね。



▼MARILYN MANSON『THE PALE EMPEROR』
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投稿: 2017 09 30 12:00 午前 [2015年の作品, Marilyn Manson] | 固定リンク

2017/07/16

MARILYN MANSON『MECHANICAL ANIMALS』(1998)

1998年初秋にリリースされた、MARILYN MANSON通算3作目のオリジナルフルアルバム。前作『ANTICHRIST SUPERSTAR』(1996年)が全米3位、全世界トータルで700万枚もの売り上げを記録する大ヒット作となりましたが、続く今作ではついに全米No.1を獲得します。

しかし、その内容はというと『ANTICHRIST SUPERSTAR』までの暴力的でメタリックなサウンドから一転、よりメロウでグラマラスでデカダンな世界観を展開。アルバムジャケットからもわかるように、ヴィジュアル面でも変化を遂げており、ここからアルバムごとに趣向の異なるサウンド/ヴィジュアルが提示されていくことになります。それはまるで、全盛期のデヴィッド・ボウイのごとく……。

また本作は、前作のように明確なコンセプトアルバム的作風ではないものの、オープニングの「Great Big White World」からラストの「Coma White」までの流れやストーリーが数珠つなぎのように感じられる構成になっています。ヘヴィな曲はあるにはあるけど、それは決してメタリックではなく、陰鬱さと耽美さを兼ね備えた“重さ”であり、同時にどこか物悲しさも漂わせている。その“哀”の部分が強く提示されているところが、前作との大きな違いでしょうか。

スローテンポ感ながらも不思議とキャッチーさと躍動感が味わえる「The Dope Show」やシャッフルビートが心地よい「Rock Is Dead」(映画『マトリックス』にも使用されたことでおなじみ)、70年代半ばのボウイにも通ずるファンキーな「I Don't Like The Drugs (But The Drugs Like Me)」などのシングル曲に加え、先のオープニング&エンディング曲やアルバムタイトル曲「Mechanical Animals」など強弱を強調したミドルチューン、初期ボウイを彷彿とさせるアコースティックナンバー「The Speed Of Pain」、メタルというよりもインダストリアル色が強いアップチューン「Posthuman」「I Want To Disappear」「New Model, No. 15」、ジャズの香りを漂わせるスローナンバー「Fundamentally Loathsome」、のちに発表されるライブアルバムのタイトルのモチーフ(『THE LAST TOUR ON
EARTH』)にも用いられたニューウェイブ色の強い「The Last Day On Earth」と……とにかく、全曲粒ぞろい。おどろおどろしさで押し通した前作までは異なり、あくまで音楽で押し通そうとするその姿勢に、マリリン・マンソン氏の強い意志が打ち出されているように感じます。

個人的な推し曲はオープニングの「Great Big White World」、タイトルトラック「Mechanical Animals」、そしてアルバムを締めくくる「Coma White」の3曲。特に「Coma White」はマンソン史上ベスト3に入る名曲だと断言したい。MARILYN MANSONというバンドが単なるキワモノやトリックスターではないことを証明した、『ANTICHRIST SUPERSTAR』以上の名作だと確信しております。



▼MARILYN MANSON『MECHANICAL ANIMALS』
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投稿: 2017 07 16 12:00 午前 [1998年の作品, Marilyn Manson] | 固定リンク

2017/01/09

祝ご成人(1996年4月〜1997年3月発売の洋楽アルバム20枚)

新成人の皆さん、おめでとうございます。2014年度に初めて実施したこの企画、今回で3回目を迎えます。今年も新成人の皆さんが生まれた年(学年的に1996年4月〜1997年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れがある作品を20枚ピックアップしました。どれも名盤ばかりなので、もし聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にお手にしてみてはいかがでしょうか。とは言いながらも大半が名盤中の名盤なので、聴いたことがあるものばかりかもしれませんが。

作品の並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら、2015年度の新成人編はこちらです)


ATARI TEENAGE RIOT『THE FUTURE OF WAR』(Amazon

BECK『ODELAY』(Amazon

BLUR『BLUR』(Amazon

DEF LEPPARD『SLANG』(Amazon

THE HELLACOPTERS『SUPERSHITTY TO THE MAX!』(Amazon)(レビュー

HONEYCRACK『PROZAIC』(Amazon)(レビュー

KORN『LIFE IS PEACHY』(Amazon)(レビュー

KULA SHAKER『K』(Amazon

MANIC STREET PREACHERS『EVERYTHING MUST GO』(Amazon)(レビュー

MANSUN『ATTACK OF THE GREY LANTERN』(Amazon)(レビュー

MARILYN MANSON『ANTICHRIST SUPERSTAR』(Amazon)(レビュー

METALLICA『LOAD』(Amazon)(レビュー

OCEAN COLOUR SCENE『MOSELEY SHOALS』(Amazon

PANTERA『THE GREAT SOUTHERN TRENDKILL』(Amazon)(レビュー

RAGE AGAINST THE MACHINE『EVIL EMPIRE』(Amazon

REEF『GLOW』(Amazon

SUEDE『COMING UP』(Amazon

TOOL『AENIMA』(Amazon)(レビュー

U2『POP』(Amazon)(レビュー

WEEZER『PINKERTON』(Amazon)(レビュー


残念ながらセレクトから漏れた作品も多いです。以下、主だった作品をざっと羅列します。

AEROSMITH『NINE LIVES』
ALICE IN CHAINS『UNPLUGGED』
ARCH ENEMY『BLACK EARTH』
ASH『1977』
BEN FOLDS FIVE『WHATEVER AND EVER AMEN』
THE BLACK CROWES『THREE SNAKES AND ONE CHARM』
THE BOO RADLEYS『C'MON KIDS』
BJORK『TELEGRAM』
BRYAN ADAMS『18 TIL I DIE』
BUSH『RAZORBLADE SUITCASE』
CARCASS『SWANSONG』
THE CARDIGANS『FIRST BAND ON THE MOON』
THE CURE『WILD MOOD SWINGS』
DAFT PUNK『HOMEWORK』
DAVID BOWIE『EARTHLING』
DINOSAUR JR.『HAND IT OVER』
ELVIS COSTELLO & THE ATTRACTIONS『ALL THIS USELESS BEAUTY』
FIONA APPLE『TIDAL』
FOUNTAINS OF WAYNE『FOUNTAINS OF WAYNE』
GEORGE MICHAEL『OLDER』
HELMET『AFTERTASTE』
IMPERIAL DRAG『IMPERIAL DRAG』
JAMIROQUAI『TRAVELLING WITHOUT MOVING』
JOURNEY『TRIAL BY FIRE』
LUSCIOUS JACKSON『FEVER IN FEVER OUT』
MACHINE HEAD『THE MORE THINGS CHANGE…』
MANOWAR『LOUDER THAN HELL』
MATTHEW SWEET『BLUE SKY ON MARS』
MICHAEL SCHENKER GROUP『WRITTEN IN THE SAND』
NIRVANA『FROM THE MUDDY BANKS OF THE WISHKAH』
PATTI SMITH『GONE AGAIN』
PEARL JAM『NO CODE』
PET SHOP BOYS『BILINGUAL』
PRINCE『EMANCIPATION』
R.E.M.『NEW ADVENTURES IN HI-FI』
ROLLINS BAND『COME IN AND BURN』
RUSH『TEST FOR ECHO』
SCORPIONS『PURE INSTINCT』
SLAYER『UNDISPUTED ATTITUDE』
SLOAN『ONE CHORD TO ANOTHER』
SOUNDGARDEN『DOWN ON THE UPSIDE』
STEVE VAI『FIRE GARDEN』
STRAPPING YOUNG LAD『CITY』
SUPER FURRY ANIMALS『FUZZY LOGIC』
VERUCA SALT『EIGHT ARMS TO HOLD YOU』
ZAKK WYLDE『BOOK OF SHADOWS』
THE WiLDHEARTS『FISHING FOR LUCKIES (East West Version)』
ZZ TOP『RHYTHMEEN』


1995年から1996年初頭がブリットプップの最盛期と昨年のブログに書きましたが、続く1996年から1997年にかけてはその最盛期から末期に向かっていく過程。BLURが1997年初頭に発表したセルフタイトルアルバムが「ブリットポップの終焉」を決定づけたのは間違いないでしょう。KULA SHAKERやMANSUNのデビュー作、MANICS、OCS、REEFの諸作、そして選外でしたがASHのデビュー作などはその末期に輝いた傑作だと思っております。

そして、アメリカではRATM、KORN、TOOL、MARILYN MANSONのブレイクにより新たなヘヴィロックシーンが確立されるタイミング。と同時に、ベックやWEEZERといったアーティストたちも新たなオルタナシーンを築き上げておりました。その一方で、METALLICAやDEF LEPPARDといった大御所たちが迷走していたのも、このタイミングの面白いところ。それぞれピックアップした作品は、各バンドのキャリアの中でも迷作扱いされることの多いものですが、今聴くと意外と悪くないから不思議。今回選出した動画20曲の中に混じっても、実はあまり違和感がない音楽性だったりします。面白いもんですね。

あ、1997年に入ると同時にU2が『POP』を出したり、ATRの2ndアルバムが話題になったりと、新たな可能性が見え始めたのも興味深いですね。

ちなみに日本での1996年4月〜1997年3月といいますと、TK作品のチャート独占やプリンセス・プリンセスの解散、米米CLUBの解散発表(ラストライブは翌年)、TMRやPUFFY、ELT、SPEEDのデビューなど、音楽産業的にもピークを迎えつつあった時期でした。

最後に。ここではピックアップしませんでしたが、1996年で特に印象に残っているのは「恋のマカレナ」と「Wannabe」です。



▼SPICE GIRLS『SPICE』
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投稿: 2017 01 09 12:00 午前 [1996年の作品, 1997年の作品, Atari Teenage Riot, Beck, Blur, Def Leppard, Hellacopters, The, Honeycrack, Korn, Kula Shaker, Manic Street Preachers, Mansun, Marilyn Manson, Metallica, Ocean Colour Scene, Pantera, Rage Against The Machine, Reef, Suede, Tool, U2, Weezer, 「20年前」] | 固定リンク

2007/06/05

MARILYN MANSON『EAT ME, DRINK ME』(2007)

MARILYN MANSONの新作、ひと足先に聴きました。すんごいわこれ。暗い。ポップな要素もあるけど、とにかくダーク……どことなく1stや『MECHANICAL ANIMALS』にも通ずる空気感があるけど、後者ほどモダンな作風とは違うかな。マンソンのアルバムは『HOLY WOOD』だけ俺の中でちょっと劣るんだけど、このアルバムは『ANTICHRIST SUPERSTAR』『MECHANICAL ANIMALS』と並ぶ1枚かも。ダーク、ひたすら暗いしアッパーな要素もほとんどないんだけど、聴きやすいんだよねぇ。

先行シングル「Heart-Shaped Glasses (When The Heart Guides The Hand)」のMVがすでにオフィシャルなどで公開されてるけど、これもドロドロした以前のイメージとはちょっと違うもの。つーかマンソン先生が美しすぎて、どこのビジュアル系バンドのPVかと思ったw

当初ソロアルバムとして制作したものがいつのまにかバンドの新作になった、というのを以前どこかで目にしたけど、それもなんとなく頷ける内容。これまで以上にニューウェイブの匂いも強くなってるし。ファンは楽しみにしておいて問題なし。ただ、ヘヴィな要素を期待していた人、ギターが前に出るような作品を期待してた人にはちょっと弱く感じるかも。



▼MARILYN MANSON『EAT ME, DRINK ME』
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投稿: 2007 06 05 04:58 午前 [2007年の作品, Marilyn Manson] | 固定リンク

2005/02/25

「SONICMANIA05」雑感 (2)

 さてと。初日レポからまた数日経ってしまいましたが、ここからが本番ですよ!(何のよ)

 開催から既に2週間以上経ってしまいましたが、それでも最後まで書き切ります。しかもこっちの方が初日より更に濃くて、更に長いです。だって思い入れが強いアーティストばかりだからさ(と同時に、全然興味のないアーティストも多かったけど)。

8146658_38 その前に‥‥今回初めてソニマニに行って驚いたこと。ソニマニのリストバンド(入場券代わりのバンド)って紙製なのね。

 ちょっと見難いかもしれないけどこれ、ビニールコーティングされた紙製のリストバンドなんですね。まぁ確かに濡れても破れないし、逆に終った後に取り外そうとしてみたら、なかなか破れない。意外と頑丈でしたよ。経費削減なのか何なのか判りませんが、こんなところにも『都市型フェス』っぽさが。ま、真夏にこれ使ったらどうなるか判りませんけどね(意外と大量の発汗でもろくなったりしてね)。

 それでは、今日も濃いやつ長いやつ、いってみますか‥‥時間がある時に、心して読むように!

■THE DAY 2 (2/6)

 この日の出演者はそれこそニューウェーブ系からダンスアクト、ヒップホップときて、最後はハードロックですからね‥‥全然色の統一性はないですよね? なんか最後の最後まで一枠が決まらなくて、結局DJでお茶を濁したり、ブッキングがいろいろ大変そうでしたが‥‥

 前夜、3時近くまでラジオの生放送があったので、起きたら9時前。確実に開場時間には間に合わないし、恐らくオープニングアクトの1組目にも間に合わないでしょう‥‥もう諦めた。多少疲れが出て来てるし、この際オープニングアクト2番手の椿屋四重奏までに間に合えばいいや‥‥そう思いながら、安全運転で会場である幕張メッセまで車をブッ飛ばしたのでした(言ってることとやってること、正反対ですから)。

 会場入りしたのが丁度正午。若干遅れ気味でステージが始まり、無事最初から観る事ができました。


■椿屋四重奏
 ずっと「よんじゅうそう」だと勘違いしてた。「しじゅうそう」なのね。MCでそれを知って、軽くショックを受けたのと恥ずかしい気持ちになって下向いちゃったりで、いろいろ忙しかったです。この2年近く、もの凄い勘違いをしてたなぁ‥‥と。
 いやー、朝イチで観るには丁度いい、程良いサウンドですね。こりゃ朝からビールが進むわ(早くも1杯目を飲み干す)。音源よりも骨太感じ。もっとソフトな印象があったんだけど、ロックロックしてますね、ライヴは。アルバム、好きなんですよね、結構‥‥ずっと観たかったので、今日観れて良かったッスよ。アルバム以上にいいバンドだって判ったし。大収穫だね。今度は単独で観たいなぁ。


▼椿屋四重奏「深紅なる肖像」(amazon


■初日との変更点が‥‥
 そういえば、今日は「アーティストの意向によりペットボトルの販売はなし」ってアナウンスがあったなぁ‥‥マンソンだな、間違いなく。けどペットボトル、売ってる店もあるのね。ブロック内への持ち込みが禁止みたい。紙コップに移してる店もあるし、ペットのまま売る店もある。徹底してない感じ。
 ペットボトルの件、張り紙があった。マンソンとVELVET REVOLVERがノーと言ってるそうな。確かに過去、ステージに物投げ込まれてスコット・ウェイランドが切れた、なんてこともあったしな。それにサマソニでJB(ジェームズ・ブラウン)のステージにペットボトルが投げ込まれて激怒、途中で数十分中断したこともあったね。みんな、もちつこうや。


■THE DEPARTURE
 2004年1月に結成された、イギリス出身の5人組。昨年4月には早くもTHE KILLERSの前座を務めたり、最近ではFRANZ FERDINANDやBLOC PARTYと同じ括りで語られることの多い、期待の大型新人みたいです。
 さすが期待されてるだけあって、結成1年にしては曲とかアレンジがまとまってるかな、と。たださ、もうポストパンクとかニューウェーブはお腹いっぱいだよね、正直な話。プラスアルファがあれば別だけど。正直ルックスがなぁ(ボーカルだけスーツ着たお坊ちゃん風で、残りのメンバーは如何にもロック好き!って感じのちぐはぐ感。ま、そこがイギリスっぽいんだけど)‥‥曲は文句ないんだけどさ。既にシングルで数曲聴いてたし、ライヴもそのシングル曲 "Be My Enemy" からスタートしていい感じだったんだけど‥‥長く感じてしまったのね、途中で。なんだろ‥‥凄く退屈に感じちゃって。またアルバムとか聴いたら印象変わるのかもしれないけど、今は75点くらいかな、と。
 サマソニでまた夏に戻ってくるそうだから、それまでにはアルバムも出るだろうね。きっと東芝とクリマンが躍起になって盛り上げてくれるだろうから、俺が大騒ぎしなくても大丈夫だろうけど。


▼THE DEPARTURE「ALL MAPPED OUT」EP (amazon


■GOLDIE LOOKIN CHAIN
 うじむし・いんだ・はーうす!ですよ!
 っつーわけで、バカサイコーな訳ですよ。「うじむし」やら「母ちゃんチンポくわえた」とか、そんな歌ばかり。しかも8人いて全員がMC、DJがいないという。この無駄な感じが何とも言えねー。さすが「イギリスのビースティー」って言われるだけあるわ。無条件で好き。メンバーが唐突にステージに出てきて、その勢いに押されて気づいたら最前近くにまで走ってて、最後まで汗だくで踊りましたー。これは是非また観たい。日本盤は3月リリースみたいなんで(俺は昨年末にUK盤購入)是非聴いてみてください‥‥というか、対訳読んで笑ってくださいや。オゲレツサイコーっ!!!


▼GOLDIE LOOKIN CHAIN「GREATEST HITS」(amazon


■SPARTA
 元AT THE DRIVE-INの、昨日のTHE MARS VOLTA以外の非アフロ組3人+新しいボーカル。SPARTAには最初聴いた時からずっと苦手意識があったんだけど、ライヴ観ても印象変わらなかった。悪くないけど、深みのない普通のハードロックかな。MARSが強烈なだけに薄味に感じるんだよね。元ATDIとかMARSといったものがなければ、多分好きだったかも。演奏にその片鱗が感じられるだけに、残念。
 ま‥‥そうは言っても、あんまり好きじゃないのかも。


▼SPARTA「PORCELAIN」(amazon


■KOTTONMOUTH KINGS
 ちょっと苦手意識のあるバンドなので、前半は食事しに行って、後半後ろの方で座ってボーッとみてたけど‥‥意外に悪くなかったなぁ。バカバカしさは最高だし(「さわげ」と書いたつもりのプラカード代わりの段ボール。けど実際には「わさげ」だというアホっぷり)、曲も単調だけど悪くなかったし‥‥要するに「パンクなのかヒップホップなのか、どちらかはっきりしてくれませんか?」って意識がずっとあったんだろうね。実際曲聴いてステージ観たら「いいんじゃない?」って思えたんだから、それだけでも収穫か。
 けど‥‥今日出演したバンドの中では、最も「進んで聴く」タイプではないよな、と。


▼KOTTONMOUTH KINGS「ROLLIN' STONED」(amazon


■BOOM BOOM SATELLITES
 久し振りにライヴ観たけど、相変わらずカッコ良かったし、たった3人でもデカイ舞台が似合うような存在に成長したなぁと。とにかく終始ロックしまくり。なのに観てるこっちはダンスしまくり、みたいな。出す音のひとつひとつが死ぬ程カッコ良いし、佇まいも非常にロック。あーこういうバンドが日本にもいるんだよ、ってことが他の出演者にも示せたかな、と。
 恐らく間もなくリリースされる新作からの曲がメインだったと思うんだけど、そういう意味ではファンにとってもファン以外の人にとっても非常に「アウェイ」色が強いわけですが、そんなの屁とも思わないぜ的な独走感がたまりませんでしたね。とにかく全てにおいて最高だったと思います。
 あー新作、スッゲー楽しみだわ。


▼BOOM BOOM SATELLITES「PHOTON」[UK EDITION](amazon


■JUNO REACTOR
 過去フジロックでも遭遇してるのに、ちゃんと、しかもじっくり観るのは今回が初めて。そういうこともあってかなり期待してたのね。いや、実際にはその後に控えるVELVET REVOLVERやMARILYN MANSONが気になって、少し意識が外に向いてたりもしたんだけど‥‥
 この前にプレイされたザビエルのDJは殆ど観てなくて。単純に前日からの疲れとかあって、フロアから離れて少し地べたに座り込んでて。JUNOの演奏時間直前にフロアに潜り込んで。
 んでさ‥‥気が気じゃなかったはずなのに、気づいたら終始笑顔で踊りまくってるわけですよ。だってさ、あんな楽しそうなステージ(というかショーだなもはや)を見せつけられたらさぁ。ロックの躍動感、テクノの反復性からくる高揚感、そして「シルク・ド・ソレイユ」ばりのショー要素。あれを楽しめないって言ったら嘘になるね。つーかもっとテクノテクノした音だと思ってたら、ライヴは完全にロックのそれなのね。そして非常にパーカッシヴ! 腰にクるんだな、腰に。すっげー気持ちいい。野外で楽しめたらこれ、最高だろうなぁ‥‥何で数年前のフジで俺、彼等をスルーしちゃったんだろう。まぁ他に観たいのがあったからだろうけど。それにしても、ホントにいいステージだった。VELVET REVOLVER前に身体が暖まりましたよ!



▼JUNO REACTOR「LABYRINTH」(amazon


■VELVET REVOLVER
 考えてみたら俺、元GN'R組を観るのも10年近く振りだし(多分最初のSLASH’S SNAKEPITや、ダフに関してはソロツアー以来だから‥‥丁度10年振り?)、スコットに関してはストテン初来日以来だけに、これはもう念願の、待望の「初来日」なわけですよ。去年のソニマニだって、最初彼等が出るって話があったから俺、行こうと思ってたんだから(で、スコットが逮捕されて、更にSLIPKNOTもキャンセルになって止めたんだよな)。
 かなり前の方を陣取って数十分待ったんですが‥‥待ち時間をこんなに長く感じたのは、この2日間で初めてですよ。実際には2~30分程度だったんだろうけど、とにかくもう客の盛り上がりや興奮度がハンパじゃなくて‥‥恐らく大半が「オリジナルGN'R」やストテンを未体験の10代~20代前半の子達なんだろうね。外人客も半ばGN’Rを観に来たような感じでさ‥‥とにかく尋常じゃないわけ。
 で‥‥ようやく登場したバンド。アルバム通りのスタートなんだけど‥‥ステージ前方のモニタースピーカーの上に立ってベースのイントロを弾くダフの姿にスポットライトが当たった瞬間、もう全身の毛穴という毛穴が開きまくって、鳥肌立ちまくり。血の気がサーッと引いてく感じ? この感覚、久しくなかったよなぁ‥‥多分初めてGN'RをNHKホールで観た時以来? いや違うな、「彼等」がいた頃のGN'Rは(そのスタイルは違っていても)何時だってカッコ良かったし、常に頭が真っ白になるくらいカッコ良かったから。
 スラッシュのギタープレイも相変わらずで、とにかく嬉しくて目頭が熱くなってきたよ。そうそう、スラッシュってこういう風にギターを弾く奴だったよな、って当たり前の事実を再認識したり、マットのドラムもGN'Rではちょっと苦手意識があったのに、このTHE CULTやこのバンドでだと全然違和感がないし、むしろこういうドラムじゃなきゃいかんでしょ!ってくらいに説得力がある。やっぱ俺、こういう派手なドラマーが好きだわ。そして‥‥もうひとりのギタリスト、デイヴも的確にバックを支える。常に一歩後ろに下がってプレイしてる感じだったけど、そのプレイスタイルは熱い。時々スラッシュとのギターソロ掛け合いがあったりで、ここでもアグレッシヴなプレイで好印象。過去スラッシュが一緒にやってきたギタリスト(イジーとかギルビーとか)とはタイプが全然違うけど、VELVET REVOLVERというバンドのスタイルを考えると、彼が一番適切なプレイヤーなんだろうな、と実感。非常に納得させられたステージでした。
 そして肝心のスコット‥‥やっぱりこの男、カリスマだよ。最初ステージに出てきた時は思わず「へっ、アクセルのコスプレ!?」と思っちゃったけど、気づいたら上半身裸で、そのガリガリに痩せた容姿を披露。アクセルとは違った妖しさや魅力を持ち備えたフロントマンで、一瞬たりとも目が離せないタイプかな。今のアクセルがあんな(‥‥)なだけに比較はしたくないんだけど‥‥とにかくカッコイイ。
 曲に関してはアルバム「CONTRABAND」の曲を7~8割、そこにGN'R “It's So Easy” とストテン “Sex Type Thing” が加わる感じ。とにかく “It's So Easy” の盛り上がりがハンパじゃなくてさ。この日演奏されたどの曲よりも盛り上がってた。当たり前か、あのイントロは間違いなくダフが弾いてるものなんだから。ギターだってそうだしな。けど‥‥ストテンの曲での盛り上がりのなさ、あれはなんなの!? やっと生で聴けたこの曲に一番興奮してたのは、何を隠そうこの俺ですよ! ひとり飛び上がって盛り上がってたら、周りが「‥‥何この曲!?」みたいな顔をしてるのよ。んで、気づいたら俺だけ飛び跳ねてて‥‥浮きまくりですよ! 丁度ストテンのベスト盤に付いてたDVD収録の同曲ライヴテイクと同じような煽りパートとかあって、とにかく格好良かった。これら2曲を含め、本編最後の “Set Me Free” の盛り上がりは、やはり震えましたね。いや震えなきゃ嘘だ!
 トリ前にも関わらずしっかりアンコールまでやる辺りはさすがというか。よくマンソンが許可したよな‥‥とか思ったけど、仲いいのか両者は!? とにかく、約70分に渡る念願のライヴ。最高でした。最高以外の言葉が思い浮かばない。
 けど‥‥ひとつだけ苦言を。このまま順調に活動してって欲しいから言うけど、GN'Rやストテンに頼らない、究極の1曲を次のアルバムで期待します。“Set Me Free” も “Slither” も “Fall To Pieces” も確かにいい曲だけど、過去彼等が書いてきた曲の域にはまだ達してないよね。このバンドのケミストリーは恐らく今回のツアーを経験することで更にもの凄いものになるはずだから(いやそうじゃなきゃ困るし!)‥‥年末に予定されてるセカンドに大いに期待したいわけですよ!

 [SETLIST]
   01. Sucker Train Blues
   02. Do It For The Kids
   03. Headspace
   04. Fall To Pieces
   05. Dirty Little Thing
   06. Superhuman
   07. Big Machine
   08. It's So Easy [GUNS N'ROSES]
   09. Sex Type Thing [STONE TEMPLE PILOTS]
   10. Set Me Free
  --ENCORE--
   11. Slither


▼VELVET REVOLVER「CONTRABAND - JAPAN TOUR SPECIAL EDITION-」(amazon


■MARILYN MANSON
 実はマンソンを観るのは初来日(’97年初頭)以来だから‥‥かれこれ8年振りくらいになるわけですよ。しかも前回観た時はオンエアとかそんなクラスのハコ(!)でしたしね‥‥ホント大きくなったもんだ。いや、あの時点で既に海外では大物だったんだけどね。その後日本では夏フェスの大トリで来たり、NKホールみたいな大会場を埋めるような単独公演で何度も来てたけど、どうしても都合が合わなくてね。そこにきて今回、ベスト盤を引っ提げてのツアーってことで、非常に楽しみにしてたわけ。
 んで実際、すっげー楽しかったわけですよ。ベスト盤ツアーだけあって、ヒット曲・有名曲のオンパレードなわけで、そりゃ知らない曲なんてないわけですよ。さすがにいきなり “The Love Song” で始まった時はおおっ!?って思ったけど(しかもあのシャンデリアみたいなのを片手に持って、それをブーラブラさせながら歌ってましたからね)その後の選曲は至極まっとうなもの。特に “Irresponsible Hate Anthem” からの怒濤の流れは圧巻じゃないですか。けど、グレイテストヒッツ・ツアーを実施することでひとつの弱点(といっていいのやら)に気づいてしまったのもまた事実でして‥‥マンソンのシングル曲って意外と似通ったタイプの曲が多いよね? いや、気づいてはいたけど、改めてこうやって並べられると、リズムパターンにしろメロディにしろ、ちょっとワンパターンかな?という気がするんだけど‥‥そういう意味ではそれを打破しようとした「MECHANICAL ANIMALS」ってアルバムが凄く好きだったんだけど‥‥あそこからの曲、3曲だけだったし(しかもシングル曲がメイン。そりゃ仕方ないか)。かろうじて “Great Big White World” をやってくれたのが救いというか。
 そういえば新しいギタリストが加わってたんだっけ。以前のジョン5はトリッキーなプレイを信条とするタイプだったけど、今度の奴はオーソドックスなプレイをするタイプかな、と。まだマンソン入りしてそれほど日が経ってないからか、どこかぎこちなさを感じたけど‥‥あと、テクニカルなプレイは苦手なのかな?なんか上手いこと端折ってる気がしたんだけど‥‥それは気のせいかな?
 選曲に関しては、まぁ上に書いたような類似点を除けば全然文句なし。むしろ視覚要素含めて(セットリストにメモしてある[シャンデリア]とかいうのは、その曲の時にマンソンがやってたアトラクションね)十分に満足させられましたよ。おなかいっぱい。つーか‥‥次のアルバムがどんな感じになるのか判らないけど、そのツアーでもう一回観たいなぁ。今度のギタリストがどんなプレイをするのか見当つかないけど。

  [SETLIST]
   00. Prelude (The Family Trip)
   01. The Love Song [シャンデリア]
   02. Irresponsible Hate Anthem
   03. Disposable Teens
   04. mOBSCENE
   05. Tourniquet [竹馬松葉杖]
   06. Personal Jesus [DEPECHE MODE]
   07. Great Big White World
   08. Tainted Love [SOFT CELL]
   09. The Fight Song
   10. The Nobodies
   11. The Dope Show
   12. Rock Is Dead
   13. The Golden Age Of Grotesque
   14. Sweet Dreams [EURYTHMICS]
   15. The Beautiful People
  --ENCORE--
   16. Antichrist Superstar [街宣塔]


▼MARILYN MANSON「LEST WE FORGET : THE BEST OF」(amazon


■総評
 初ソニマニだったわけですが、行く前はすっげーネガティブな感情があったのに、いざ終わってみると「いやーっ、いいイベントだった」と関心してる自分がいるわけ。結局この手の『冬フェス』と呼ばれるイベントは、年末の「COUNTDOWN JAPAN」含めて『メンツ次第』なわけですよ。それだけ魅力的なメンツが集められれば、そのイベントは成功したも同然なわけ。だってソニマニにしろCDJにしろ、夏フェスで培ったノウハウがあるわけだから、余程のことがなければ失敗しないわけでしょ。毎年同じような形態で、前年の反省点だけ修正していけば、そんなに不満が挙がることもないだろうし。そして首都圏で行われる『都市型フェス』って意味でも、これは間違いなく正しい形なんだと思います。

 けどなぁ‥‥やっぱり心のどこかで、こういった屋内イベントを『フェスティバル』と認めたくなかったりもするわけで‥‥何度も言うけど、やっぱ屋外で、大自然の中で、それこそキャンプしながら(半ば生活しながら)過ごすのが『本来のフェスの形』っていう気持ちがあるからさ。勿論、ここまで多様化すればいろんな形があっていいし、それぞれが自分の生活スタイルに合ったフェスを選んでいけばいいだけだから、全然問題はないんだけどね。ただ俺は、毎年は行きませんよ、ってだけの話ですよ。ホントそれだけ。来年も確実にソニマニ行くよ!とは言い切れないのは、そういうワケ。そりゃ、魅力的なメンツが沢山集まれば、心動かされるけどね。

 まぁ‥‥何だかんだ文句言いながらも、非常に楽しめた2日間でした、と。チケット代の元は取ったよな、と。そういうことです。

投稿: 2005 02 25 11:00 午前 [2005年のライブ, BOOM BOOM SATELLITES, Departure, The, Goldie Lookin Chain, Juno Reactor, Kottonmouth Kings, Marilyn Manson, Sparta, Velvet Revolver, 「フェス」, 椿屋四重奏] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/09/17

MARILYN MANSON「Personal Jesus」(2004)

 来週末(9/25)にリリースされるMARILYN MANSON初のベストアルバムに収録されている、唯一の最新録音曲。これ、DEPECHE MODEのヒット曲のカバーなんですよ。

 で、さっきPVを初めて観たんですが‥‥曲自体はオリジナルに忠実で、あれを更にMM風にノイジーにした感じ。けどマンソンはしっかりと、丁寧に歌ってるのね。それが印象的。

 そういやぁギターのジョン5って抜けたんだっけ。だからPVには4人しかいなかったのか(マンソンやキーボードの奴がギター弾いたりとかしてたから)

 今回のベスト盤。日本の初回盤仕様はベスト盤+リミックス&コンピ盤収録カバー曲等のレアトラック盤+"Personal Jesus" までの全PVを収録したDVD、という3枚組なんですよ。これで3,800円だったかな‥‥去年のレッチリが3,500円くらいでCD+DVDだったのを考えると‥‥ま、レアトラック盤は全部既出音源だからイラネ、って人もいるだろうけどさ。

 そういえばMARILYN MANSONって、初来日のクアトロ公演以来、観てないんだよね‥‥あれは'97年の3月頃だっけか? 「ANTICHRIST SUPERSTAR」出た後だから、やっぱ'97年か。現在A PERFECT CIRCLEに参加してるトゥイギーがまだベース弾いてて、最前列彼の真正面を陣取ったんだよな‥‥よだれダラダラ垂らしながらベース弾くトゥイギー萌えー、とか言いながら(嘘)

 そろそろ、もう一回ちゃんと観たいんだけど‥‥去年のBUCK-TICKが前座やった公演、行きたかった‥‥朝霧と被ったんだよな、あれ。ベスト盤出るし、年明けに来ないかしら。ソニマニでもいいんで。

 そういえば、VELVET REVOLVERが来年1月に来日決まりそうですよ。ただ、スコットのビザが下りる/下りないで揉めてるようで‥‥やっぱりドラッグで有罪判決受けちゃったからね。どうにかならないもんかしら。

んん‥‥1月ってことは、やっぱりソニマニか? 去年のリベンジってわけか‥‥成る程ね。



▼MARILYN MANSON「LEST WE FORGET : THE BEST OF 」
(amazon:DVD付限定版通常盤

投稿: 2004 09 17 01:48 午前 [2004年の作品, Marilyn Manson] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2003/04/12

MARILYN MANSON『ANTICHRIST SUPERSTAR』(1996)

言わずと知れた、MARILYN MANSONの出世作となった'96年リリースのセカンド・フルアルバム。'95年に「SMELLS LIKE CHILDREN」というCDを出していますが、あれはアルバムではなくてあくまで「EP」扱いらしいですから、フルアルバムという意味ではこの「ANTICHRIST SUPERSTAR」が本来の意味でのセカンドアルバムということになります。プロデュースには過去2作同様、NINE INCH NAILSのトレント・レズナーが当たっていて、NINで養ったノウハウを見事に活かし、またマンソン自体の個性や特異性を見事に表現し切った傑作になっています。実際、このアルバムが切っ掛けで全米でも大ブレイクし(全米アルバムチャート初登場3位を記録)、翌'97年3月には初来日公演も実現させました。今や伝説となっているクラブ・クラスでの公演で、俺も最前列にかぶりつきで堪能した程です(トゥイギーに水かけられたりしましたが)。

このアルバムのリリース当時、俺の友人('70年代の王道ハードロック好き)が別の友人にマンソンを勧められたそうで、その時の例えが「NINがKISSやALICE COOPERをリミックスした感じ」だったそうで、あーなるほど、上手いこと言ったなぁその人と素直に思いましたね。「カバーした」ではなく「リミックスした」感じ。ちょっとしたニュアンスの違いのようで、実は全く違うんですよね。あくまでKISSやALICE COOPERは素材であって、それを独自の方法で料理した‥‥模倣したのではなくて、素材や部品を使って別の新しいものを作り上げる感覚‥‥この違いが判らないと、上の例えを信じて買っても「全然KISSやALICE COOPERっぽくないじゃないかよ!」って怒り心頭なんでしょうね(ってその友人が正しくそうだったんですが)。

このアルバムはそういった'70~'80年代の王道ハードロックと、'80年代末以降のオルタナロックを見事に掛け合わせ、王道とキワモノの狭間を行ったり来たりする、とても個性的な作品といえるでしょう。同じ頃、KORNやTOOLといったバンドのアルバムが軒並み全米トップ3入りをする中、この作品も同様に第3位を記録したんですが、それは決して物珍しさから生まれたヒットではなくて、ちゃんと内容の伴った作品だったからこその結果だったのです。そして、上に挙げた2組との大きな違いは、取っつきにくいビジュアル要素に反して、意外に親しみやすいメロディとサウンドを持っている点でしょうか。上記2組よりもポップ的要素が強調されているというか‥‥おいおい、これのどこがポップなんだよ!?って突っ込む人、絶対にいると思うんですが、いやいやかなりポップじゃないですか! 俺の中ではNIN同様のポップさを感じさせるバンドですよ。そしてそれを計算尽くでやってる点。既にエンターテイメントとして割り切ってやってる辺りには最初に名前を挙げたKISSやALICE COOPERとイメージがダブりますよね。きっとその例えをした人はそういった点からも、KISSやALICE COOPERとイメージが重なったんでしょうね。

例えば今やMARILYN MANSONの代表曲といえる"The Beautiful People"ひとつをとっても、あのリズム感といい、ギターリフといい、メロディらしいメロのない歌といい‥‥全てにおいて非常にポップではないですか? 勿論、ロック特有の躍動感は十分備わっているし、大音量でかかればクラブでもフロアを盛り上げるに十分だし。そりゃ、一緒になって口ずさむというタイプの曲ではないですが‥‥俺にとってはポップ。決してマニアックになりすぎず、それでいて消費される為のポップソングにもなり下がらず、ギリギリのラインでドシンと構える1曲。それが俺にとっての"The Beautiful People"という曲。ハードロックでもヘヴィメタルでもオルタナでもポップソングでもなく、単純に「ポップ」な存在。何かそれって"The Beautiful People"に限らず、このバンドを象徴する例えのような気がしますが、どうでしょうか?

KISSやALICE COOPERにも影響を受けていることは間違いないでしょうけど、それだけではなく'80年代のハードロックやヘヴィメタルの影響を受けていますよね。と同時に、同時期のニューウェーブやゴス、オルタナロックの影響も見え隠れする。俺と同年代のマリリン・マンソンことブライアン・ワーナーは、そういった音楽をリアルタイムで10代の頃に聴いてきてるはずなんです。IRON MAIDENが好きで、以前 "Number Of The Beast" をカバーしたい‥‥みたいな発言をしてたことがあったかと思うんですが、そういった影響をちゃんと出しつつも、'90年代に誕生したバンドとしての同時代性をちゃんと主張している、単なる過去の焼き直しに終わってない辺りはさすがかと。アルバムトップを飾るスラッシーな疾走チューン"Irresponsible Hate Anthem"といい、メロディが印象的なシングル曲"Tourniquet"といい、ライヴでのあのパフォーマンスが強烈に印象に残っているアルバムタイトル曲"Antichrist Superstar"といい、静と動のコントラストが素晴らしい"Angel With The Scabbed Wings"や"The Reflecting God"といい、インダストリアル色の強い"Cryptorchild"といい(この曲なんて次作への序章といったイメージがありますね今となっては)、ニューウェーブっぽい香りを持つ"Wormboy"といい、とにかく全てにおいて強烈な色を放っているし、印象深い曲ばかり。勿論、今挙げなかった曲も素晴らしいですし、所謂コンセプトアルバム的な壮大なテーマを持った作品集としても十分に楽しめるアルバム。そう、このアルバムから続く3枚のアルバムはひとつのコンセプト/テーマの元に作られた作品集で、時間軸はアルバムを追う毎に遡っていくようですが(つまり、このアルバムが所謂最終章的役割)‥‥って、その辺は後々のアルバムレビューで述べるでしょうから、その時まで取っておきましょう。

全体的なポップ度でいえば、後にリリースされる「MECHANICAL ANIMALS」や「HOLY WOOD」の方がより親しみやすいポップさなのですが、それでも「ANTICHRIST SUPERSTAR」はリリース当時、十分にポップな作品でした。そしてアルバムを重ねる毎に更に洗練されポップになっていき、それでいてロック純度も落ちていない点はさすがだと思いますね。このアルバムを聴いてMARILYN MANSONに対し苦手意識を持ってしまった人って多いようですが、そういう人が「MECHANICAL ANIMALS」や「HOLY WOOD」を聴いて、あまりの親しみやすさに驚いたという場面に何度か立ち会っています。自分にとってはこのバンドは常に‥‥そう、ファーストアルバムの時点から既にポップな存在だったわけでですよ(と同時にキワモノ的でもあったりしたんですが)。そんなバンドがこういうアルバムを作った。そりゃブレイクするでしょう普通。聴く人が聴けばちゃんと評価される。新しモノ好きが飛びついてブレイクしたんじゃなく、単純に音楽が評価された。俺はそう信じたいですね。

バンドにとってはこのアルバムこそが「3大コンセプトアルバム」の最終章であり、と同時にビッグネームへの仲間入りを果たした入り口でもある。そして、この先に待ち受けている受難への序章でもあったわけですね‥‥イメージ先行型なだけに、もっと音楽面で評価されてもいいはずなんですが。こんなにカッコいいハードロックアルバム、当時はあまり見かけなかっただけに無条件で飛びついたのが、つい昨日のことのように思い出されます。



▼MARILYN MANSON『ANTICHRIST SUPERSTAR』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2003 04 12 09:22 午後 [1996年の作品, Marilyn Manson] | 固定リンク