カテゴリー「Mastodon」の9件の記事

2020年11月28日 (土)

KILLER BE KILLED『RELUCTANT HERO』(2020)

2020年11月20日にリリースされたKILLER BE KILLEDの2ndアルバム。日本盤未発売(あれ、予定なかったでしたっけ?)。

マックス・カヴァレラ(Vo, G/SOULFLYCAVALERA CONSPIRACYNAILBOMB)、グレッグ・プチアート(Vo, G/ex. THE DILLINGER ESCAPE PLAN)、トロイ・サンダース(Vo, B/MASTODON)、デイヴ・エリッチ(Dr/ex. THE MARS VOLTA)の4人で結成され、2014年5月に1stアルバム『KILLER BE KILLED』を発表した彼ら。当初はアルバム1枚のみのスーパープロジェクトかと思いきや、翌2015年にドラマーがベン・コラー(CONVERGE、MUTOID MAN)に交代し、不定期ながらも活動を続けていくことを宣言。前作から6年半を経てついに2作目が届けられました。

ベンを含む編成では初のアルバムとなりますが、基本的な路線は前作を継承したもの。エクストリームメタル/ハードコア界の重鎮たちが一堂に会したバンドながらも、それぞれのエゴをむき出しにすることなく、ヘヴィながらもエモーショナルなメロディを前面に押し出した聴き応えのある良作に仕上げられています。

とにかく4人(というかフロントの3人)のカラーの配分が前作以上に明確になっており、役割分担もはっきりしてきた印象。1曲の中で複数のボーカリストが交わる曲構成は前作よりも増えているし、それが間違いなくこのバンドの個性につながっている。グレッグとトロイの個性の違いを存分に味わいつつ、要所要所で飛び込んでくるマックスのグロウルが大きな武器(フック)として効果を発揮しており、ようやくプロジェクトからバンドにまで進化したんだなと実感させられます。

どの曲も聴き応えのある良作ばかりなのですが、個人的に印象に残ったのが「Filthy Vagabond」かな。楽曲の作りといい、各シンガーの色分けといい、見事なまでに作り込まれている印象を受けました。この曲が本作を代表する1曲とまでは言わないものの、間違いなく彼らが目指したもの、やりたいことがここに凝縮されていると感じます。

かと思えば、続く「From A Crowded Wound」ではベンが加わったことによってなのか、どこかCONVERGEを彷彿とさせる色合いが増している。それをTHE DILLINGER ESCAPEのグレッグが歌うというところにも、個人的にはグッとくるものがあります。いやあ、すげえバンドです。

前作から引き続きプロデュースを担当したジョシュ・ウィルバーによるサウンドプロダクションも文句なし。HR/HMやラウド系リスナーのみならず幅広い層に受け取ってもらいたい、“エクストリームシーンの今”が凝縮されたKILLER BE KILLEDという“バンド”の本格的なスタート作だと断言させてください。

年末にこんな良作が飛び込んでくると、本当に年間ベスト作選びに苦労しそうです……(苦笑)。

 


▼KILLER BE KILLED『RELUCTANT HERO』
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2020年10月14日 (水)

KILLER BE KILLED『KILLER BE KILLED』(2014)

2014年5月9日にリリースされたKILLER BE KILLEDの1stアルバム。日本盤は同年5月14日に発売されています。

本作制作時のメンバーはマックス・カヴァレラ(Vo, G/SOULFLYCAVALERA CONSPIRACYNAILBOMB)、グレッグ・プチアート(Vo, G/THE DILLINGER ESCAPE PLANE)、トロイ・サンダース(Vo, B/MASTODON)、デイヴ・エリッチ(Dr/ex. THE MARS VOLTA)の4人。もともとは2011年にマックスとグレッグが行なったスタジオセッションが軸になっており、ここで制作されたアルバム1枚分の楽曲をトロイ、デイヴを招いてレコーディングすることになるわけです。

いわゆるエクストリームメタル界のスーパースターが勢揃いした“スーパーバンド”なわけですが、その楽曲/サウンドも良い意味で各メンバーが在籍するバンドの持ち味が散りばめられており、かつそれらが乖離することなくバランスよく融合している。しかも、その音を絶妙なさじ加減でまとめ上げているのが、LAMB OF GODGOJIRAHATEBREEDなどでおなじみのジョシュ・ウィルバーというのも、なるほどと頷けるものがあります。

基本的にメインで歌っているのがグレッグのようで、そこにドスの効いたマックスのデス声が織り交ぜられ、さらにトロイも“らしい”歌声を聴かせてくれる。各シンガーが歌い出すと途端にそれぞれが所属するバンドの顔が浮かびますが、それも特に嫌味になっていないし、オリジナリティが欠けているとも思わない。だって、オリジネーター自身がやっているわけだから。とにかく、これだけクセも強く個性も異なるフロントが3人もいて、それらがぶつかり合わないのは奇跡に近いんじゃないかな。個々が自分の武器と見せ方を知っているからこそ、そこで衝突することなく隙間隙間を狙って色を出してくる。ボーカルパートだけ抜き出しても、いろいろと聴きどころの多い1枚だと思います。

また、サウンド/楽曲自体もスラッシュメタルからハードコア、90年代半ば以降のグルーヴメタル/オルタナメタルまで、90年代前半〜2000年代後半のエクストリームメタルの歴史が凝縮された代物で、中でもメロディにもちゃんとしたこだわりが伝わるのが好印象。どうしてもマックスだけだとデス声で突き通しそうですが、ちゃんと歌えるグレッグやトロイのおかげで独特な個性を作り上げられている。で、このメロディが本当にクセになるものばかりで、個人的には「Snakes Of Jehovah」や「Curb Crusher」あたりが本当にお気に入り。懐かしさと新しさがブレンドされたこのスタイルこそ、2010年代前半を象徴するものだと思います。

オープニングを飾る「Wings Of Feather And Wax」の殺傷力や「Save The Robots」の壮大さ、「Fire To Your Flag」での狂気、「Forbidden Fire」での浮遊感とヘヴィさの融合など、最初から最後まですべてがピークでクライマックスで聴きどころという奇跡の1枚。ヘヴィな音楽が好きなら、絶対に聴いておくべき傑作です。

これだけのメンツだし、この1枚で終わるんだろうな……と思っていたら、ドラマーをCONVERGEのベン・コラーに交代し、2020年11月20日に2ndアルバム『RELUCTANT HERO』をリリース! すでに公開中の新曲も良い感じですし、今から発売が楽しみでなりません。

 


▼KILLER BE KILLED『KILLER BE KILLED』
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2020年9月22日 (火)

MASTODON『MEDIUM RARITIES』(2020)

2020年9月11日にリリースされたMASTODONのコンピレーションアルバム。日本盤未発売。

フルアルバムとしては『EMPEROR OF SAND』(2017年)以来3年半ぶりとなりますが、本作は新曲/アルバム未収録の既発曲/ライブ音源/バージョン違いなどで構成された作品で、録音された時期もまちまち。ですが、70分以上におよぶ長尺でも不思議と統一感が感じられるのは、彼らのスタイルが一切ブレていないという証明なのかもしれません。

新曲はリードトラックとして先行配信されていた「Fallen Torches」のみ。王道のMASTODONぶりを発揮したヘヴィなナンバーで、安心して楽しめるはずです。まあ、本作においてはこの新曲のほうがおまけ的なポジションかもしれませんが(笑)。

カバーは3曲用意。過去に雑誌付録のコンピレーションアルバムやRecords Store Dayの限定アナログ盤などで発表されていたものですが、ファイストの「A Commotion」、THE FLAMING LIPSの「A Spoonful Weighs A Ton」、METALLICAのインストナンバー「Orion」とどれもバラエティに富んだ選曲&アレンジ。「Orion」は想定内かつ“いかにも”なセレクト&演奏ですが、ファイストとTHE FLAMING LIPSは原曲のイメージを残しつつもMASTODONらしいヘヴィさ&プログレ感が強調された良カバーと言えるのではないでしょうか。

また、個人的にこのアルバムにおける大きな収穫は、既発曲のインストバージョンでしょうか。選曲は「Asleep In The Deep」「Halloween」(ともに2014年の『ONCE MORE 'ROUND THE SUN』収録)、「Toe To Toes」(2017年のEP『COLD DARK PLACE』収録)、「Jaguar God」(『EMPEROR OF SAND』収録)とどれも直近の作品からですが、インストゥルメンタルナンバーとしても十分に楽しめる演奏力とアレンジ力はさすがの一言。個人的には『EMPEROR OF SAND』のハイライトである「Jaguar God」がボーカルなしでもここまで“泣ける”ことに驚かされました。

そのほか、「Capillarian Crest」「Circle Of Cysquatch」「Crystal Skull」(2006年の『BLOOD MOUNTAIN』収録)、「Blood & Thunder」「Iron Tusk」(2004年の『LEVIATHAN』収録)と比較的初期の楽曲のライブ音源では、ムーディーさよりもアグレッシヴさに比重を置いたプレイを楽しむことができるし、映画などのサントラに提供した楽曲も聴くことができる。今やサブスクで手軽に楽しめる曲も少なくありませんが、先のカバー曲やインストバージョンのようにここでしか聴くことができないテイクも豊富な本作は、MASTODONというバンドをよりディープに理解する上で意外と重要な1枚かもしれません。

 


▼MASTODON『MEDIUM RARITIES』
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2020年3月29日 (日)

KVELERTAK『SPLID』(2020)

KVELERTAKが2020年2月中旬に発表した4thアルバム。日本盤未発売。

Roadrunner Records経由で2ndアルバム『MEIR』(2013年)、3rdアルバム『NATTESFERD』(2016年)と2作品を発表し、世界的知名度を上げることに成功した彼ら。2018年夏に前任シンガーErlend Hjelvikが、2019年にはドラマーのKjetil Gjermundrødが相次いで脱退するという大きな転換期を迎えましたが、新たにIvar Nikolaisen(Vo)、Håvard Takle Ohr(Dr)という新メンバーを迎え、Rise Records移籍第1弾となる3年9ヶ月ぶりの新作を完成させます。

キャッチーさを強めつつ、初期2作の混沌さから若干の落ち着きを見せた前作『NATTESFERD』は賛否分かれる作風でしたが、今作ではプロデューサーをニック・テリーから初期2作を手がけたカート・バルー(CONVERGE)へと戻して制作。それもあってか、初期の爆発感や破天荒さが若干戻ってきており、前作に苦手意識を持ってしまっていたリスナーを引き戻す効果もあるのではと思っています。

最初こそ新ボーカリストの歌声に若干の違和感を覚えますが、楽曲の熱量が上がるに連れてあまり気にならなくなるはずです。事実、僕自身2曲目「Crack Of Doom」で早くも気にならなくなっていましたから(笑)。

ちなみに、その「Crack Of Doom」ではMASTODONのトロイ・サンダース(Vo, B)をゲストボーカルに迎え、初の英語詞ナンバーに挑戦。もともとデス声やスクリームを多用することで言語的にはあまり気になっていなかったKVELERTAKですが(笑)、この哀愁味を強めた爆走ロックンロールナンバーでは良い意味での“聴きやすさ”が強まっており、それは耳馴染みの良い英語詞の響きと相まって、前作とはまた異なるキャッチーさを強めることに成功しています。

また、「Discord」ではCONVERGEやCAVALERA CONSPIRACY、CAVE INなどで活躍するネイト・ニュートン(B)もゲストボーカルで参加。タイトルからおわかりのとおり、こちらも英語詞ナンバーですが終始スクリームの嵐なので、「Crack Of Doom」ほど英語詞である強みは表れてないかな(苦笑)。曲中やエンディングにフィーチャーされたギターのハーモニーは相変わらず気持ち良いですけどね。

前作から長尺の楽曲が増え始め、曲数のわりにトータルランニングが長くなりだしましたが、本作もその傾向は続いており、全11曲で約58分と過去最長の仕上がりに。とはいえただ長いだけではなく、爆走ロックと70年代のクラシックロックが融合したような「Bråtebrann」や、80年代のスラッシュメタル的側面を強めた「Fanden ta Dette Hull!」、悲哀さに満ちたギターフレーズ&メロディとクリーントーンでのボーカルが不思議な世界へと誘う8分超えのプリグレッシヴな大作「Delirium Tremens」など新境地を見せる楽曲も含まれており、単に初期2作へ回帰するのではなく、過去を抱えつつも前進することを選んだバンドの強い意思が感じられる力作と言えるのではないでしょうか。

本作を聴いたあとに『NATTESFERD』へと戻っていくと、実は意外と無理なく楽しめることにも気づくはず。そういった意味では、前作での実験も見事に回収した、「第2期KVELERTAKの始まり(第1期KVELERTAKの総集編も含む)」を示す1枚と言えるでしょう。僕は大好きですよ、これ。

 


▼KVELERTAK『SPLID』
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2017年12月31日 (日)

2017年総括(1):洋楽アルバム編

2017年もあと半日で終わりということで、毎年恒例となった今年の総括を書いていこうと思います。

その年のお気に入りアルバムを洋楽10枚(+次点10枚)、邦楽10枚(+次点10枚)、2017年気になったアイドルソング10曲(次点なし)、そして今年印象に残ったライブ5本をピックアップしました。アルファベット順、五十音順に並べており、順位は付けていませんが特に印象に残った作品には「●」を付けています。

特にこの結果で今の音楽シーンを斬ろうとかそういった思いは一切ありません。ごく私的な、単純に気に入った/よく聴いたレベルでの「今年の10枚」です。

まずは洋楽アルバム編です。


■洋楽10枚(アルファベット順)

・Björk『UTOPIA』(amazon)(レビューはこちら

・CIGARETTES AFTER SEX『CIGARETTES AFTER SEX』(amazon

・CONVERGE『THE DUSK IN US』(amazon)(レビューはこちら

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2017年7月 1日 (土)

2017年上半期総括

恒例となった上半期ベスト。ひとまず7月1日現在の10枚を紹介したいと思います。バランスとしては洋楽5枚、邦楽5枚というセレクトになります。


DEPECHE MODE『SPIRIT』(amazon)(レビューはこちら

THE JESUS & MARY CHAIN『DAMAGE AND JOY』(amazon)(レビューはこちら

KREATOR『GODS OF VIOLENCE』(amazon)(レビューはこちら

MASTODON『EMPEROR OF SAND』(amazon)(レビューはこちら

RIDE『WEATHER DIARIES』(amazon)(レビューはこちら

Cornelius『Mellow Waves』(amazon)(レビューはこちら

Maison book girl『image』(amazon

Mondo Grosso『何度でも新しく生まれる』(amazon

ONE OK ROCK『Ambitions』(amazon)(レビューはこちら

ドレスコーズ『平凡』(amazon)(レビューはこちら

2017年3月31日 (金)

MASTODON『EMPEROR OF SAND』(2017)

2014年リリースの『ONCE MORE 'ROUND THE SUN』に続く、MASTODON通算7枚目のスタジオアルバム。本国アメリカでは前作が全米6位という過去最高位を記録したほか、2015年春にここ日本でも初の単独来日公演も実現するなど、かなり良好なタイミングに発表される今作は、「死刑宣告を受けた砂漠の放浪者が、無慈悲にも流れ落ちていく砂時計を前に“生と死”と向き合っていく」というコンセプチュアルなテーマが設けられたアルバムとなっています。がしかし、そこはMASTODONのこと。単なるコンセプトアルバムにはなっておらず、曲単体でも十分に楽しめる極上のHR/HM作品集に仕上げられています。

実は本作の日本盤にて筆者がライナーノーツを執筆しているため、本作をひと足早くフルで聴くことができました。詳細な内容やアルバムの解釈についてはライナーノーツに譲るとして(なのでぜひ日本盤で、対訳含めて堪能してみてください)、ここでは最初に聴いた際の各楽曲の感想メモを紹介していきたいと思います。

M-1「Sultan's Curse」
変幻自在なリズムと硬質なギターリフが固まりとなり、うねりを伴いながら突進してくる。アルバムのオープニングにふさわしい1曲。

M-2「Show Yourself」
キャッチーなメロディを持つ、親しみやすいヘヴィロック。のたうちまわるかのごとく暴れまくるギターソロが耳に残る。

M-3「Precious Stones」
不思議な音色&和音からなるギターリフと疾走感のあるバンドサウンド、どこかひんやりとしたハーモニー、随所に絡むツインリード。どれを取ってもカッコいいし、それらが交わったときに生まれる絶妙な緊張感が最高。

M-4「Steambreather」
聴き手をどこか不安な気持ちにさせる音使いと、その合間に登場するのたうちまわるギターソロが印象的。

M-5「Roots Remain」
グランジにも通ずる不穏なメロディと、手数の多いドラミングからなる前のめりなリズム。と同時に壮大さも兼ね備えており、ドラマチックな展開をしていく。

M-6「Word to the Wise」
4分の6拍子と4拍子を行き来する複雑さ、歌メロの裏で主張するギターソロ、さらに曲が進むにつれてのたうちまわり方が増す。壮大さは前曲からの流れあり。

M-7「Ancient Kingdom」
ギターリフとリズムで曲を引っ張る、独特のグルーヴ感。ボーカルは淡々としているのに、演奏で緩急をつけるアレンジは圧巻の一言。しかし、そのボーカルも曲後半に進むにつれ熱を帯びていく。

M-8「Clandestiny」
メロディを奏でるようなギターリフと、それと相反する歌メロが乗ることで生まれる化学反応。これぞMASTODONという1曲では。

M-9「Andromeda」
不穏さがさらに増すもスペーシーなメロディ/アレンジも含まれており、全体的な壮大さは保ったまま。天にも昇るようなギターフレーズと、叫び伝えるボーカルは絶品。

M-10「Scorpion Breath」
突進していくような前のめりさ、スリリングさを持つスピード感。前曲から続く断末魔のような叫び。いよいよ物語はクライマックスを迎えようとしていることが、この曲からも伝わってくる。

M-11「Jaguar God」
アコースティックギターの音色から始まる、もの悲しげなバラード。曲は徐々に激しさを増していき、5分近く進んだところで一気に豹変。その凶暴さをみせる。これぞプログレッシヴメタルと呼べる叙情的大作。ただひたすらドラマチック。

以上、いかがでしたでしょうか。これまでのMASTODONが好きな人なら絶対にお気に入りの1枚になることは間違いないでしょう。先に曲単位で取り上げても素晴らしいと書きましたが、ここまできたら本作はアルバム全編を通して聴いてほしいな。そしてライブも、できることならアルバムまるごと、11曲通しで演奏してほしい。そんな欲すら生まれてしまう傑作だと思います。



▼MASTODON『EMPEROR OF SAND』
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2006年10月20日 (金)

LOUD PARK 06 : DAY 2 (2006.10.15)

 「LOUD PARK」2日目のレポートをお贈りします。いやぁ、サマソニと同じような時間からスタートして、終了時間があれよりも遅いんで都内から2日連続で通うとなると、相当な体力が必要ですね……正直まいりました。実際、初日よりは早く目が覚めたものの、会場入りしたら13時半を軽く回ってたもんなぁ。

 じゃ、いきますよ。ワンクッション入れてから始めますんで、メロイックサインの準備を(クドいってばw)。

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2006年10月 4日 (水)

MASTODON『BLOOD MOUNTAIN』(2006)

間もなく『LOUD PARK 06』でも来日するアメリカのバンド、MASTODONのメジャー移籍1作目『BLOOD MOUNTAIN』はメタル周辺のさまざまなジャンルを飲み込んだ、それでいて1本筋の通ったもの凄いエクストリームな作品に仕上がっております。

いわゆるハードコア寄りのメタル/ハードロックにスラッジの要素を加えたり、さらにプログレッシヴな演奏パートを導入することで他の同系統バンドとは一線を画する独自性を生み出していたり。それがこのバンドの魅力みたいに言われていますが……うん、確かにそうなんだけどさ、俺は前作『LEVIATHAN』(2004年)を聴いたときに、例えばCORROSION OF CONFORMITYあたりとの共通点がたくさん見受けられるバンドだなぁと認識してたのね。引きずるようなリズムセクションに、テクニカルな演奏。そしてところどころに見え隠れするハードコアからの影響(ま、C.O.C.の場合はもともとハードコアの流れにあるバンドだけどさ)、そしてBLACK SABBATH……そういうポイント同士で俺の中では繋がっていた2組なわけ。

でも、このニューアルバムでさらに数歩先に行った感が強いなぁ、MASTODON。C.O.C.が良くも悪くも現状を維持してるイメージが強い分、まだアルバム3枚目というMASTODONはより前進してるし成長している。ハードコアな要素は若干後退したものの、プログレッシヴロック的な(特定のバンド名を敢えて出すなら、RUSH辺り?)側面をさらに強く打ち出してるように感じられる。強力な曲はより強力に、重い曲はより重く。そしてどの曲にもテクニカルなプレイが次々と登場する。なんじゃこりゃ?

がなっているようで、でもしっかり歌ってる。曲調のせいか、時々オジー・オズボーンが思い浮かんじゃうんだけど、それはこのタイプのバンドの宿命なんでしょうね。それを差し引いても、もの凄いアルバムだと思いますよ。決してクールでスマートなタイプのサウンドではないし、目新しくもないんだけど、でも2006年的なサウンドだなぁと感じさせてしまう説得力がここにはある。アルバムでここまでやるんだから、ライブはもっとすごいんだろうなぁ……そう感じずにはいられないアルバムですね、これは。

昨日のTRIVIUMのレビューで「これが2006年におけるヘヴィメタルの在り方」と書いたけど、このMASTODONの方向性・音楽性というのも、もうひとつの2006年におけるヘヴィメタルの在り方なのかな、という気がします。まぁともに決して目新しいサウンドではないんだけど、過去の歴史に対する敬意を表しつつ、今を生きてるみたいな。そういう意識が強く感じられます。

 


▼MASTODON『BLOOD MOUNTAIN』
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