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カテゴリー「Metal Church」の8件の記事

2021年7月28日 (水)

METAL CHURCH『CLASSIC LIVE』(2017)

2017年4月28日にリリースされたMETAL CHURCHのライブアルバム。本作の日本盤単品リリースは現在まで実現しておらず、代わりに最新オリジナルアルバム『DAMNED IF YOU DO』(2018年)デラックス盤にボーナスディスクとして付属。

本作は2016年に発表したマイク・ハウ(Vo)復帰作『XI』を携えたツアーにて披露された、1stアルバム『METAL CHURCH』(1984年)から5thアルバム『HANGING IN THE BALANCE』(1993年)までの楽曲からセレクトした9曲に、3rdアルバム『BLESSING IN DISGUISE』(1989年)収録の「Fake Healer」再録バージョン(ゲストボーカルにQUEENSRYCHEのトッド・ラ・トゥーレが参加)を加えた10曲で構成。まさに“CLASSIC”の名に相応しい内容となっています。

内訳的には下記のとおり。

1st『METAL CHURCH』(1984年):M-1
2nd『THE DARK』(1986年):M-5、M-6
3rd『BLESSING IN DISGUISE』(1989年)M-8、10
4th『THE HUMAN FACTOR』(1991年):M-2、4、9
5th『HANGING IN THE BALANCE』(1993年):M-3、7

『THE HUMAN FACTOR』からの楽曲が最も多く、『BLESSING IN DISGUISE』からのライブテイクが「Badlands」のみというのが不満っちゃあ不満ですが、マイク加入前の『THE DARK』から「Watch The Children Pray」「Start The Fire」のマイク歌唱バージョンを楽しめるとう点ではお得感が強いかなと。せっかくならもっと曲数を増やしてほしかったな、と思うのですが、当時のツアーでは旧曲をこれくらいしかやっていなかった可能性も大なので、まあ仕方ないのかな。ほかにも良い曲、たくさんあるんですけどね。

今のMETAL CHURCHの姿をライブ音源を通じて体験するというよりは、過去の名曲群を今のライブサウンドで聴くというくらいのスタンスなのかな。さすがにイマドキ、CDにライブ音源9曲+ボートラでスタジオ再録1曲はモノ足りなさすぎますよ。

そういう意味では『DAMNED IF YOU DO』のレビューにも書いたように、『DAMNED IF YOU DO』のオマケ程度でこのライブベストを楽しむのがもっとも正しい聴き方なのかな?という気も。あとは、2019年8月の25年ぶり再来日公演の余韻を味わったり、同ライブに行けなかったことを悔しがりながら聴くのもアリかと(笑)。

……なんてこと言って、実はそのライブがマイク・ハウ在籍時最後の来日になるとは、当時は思いもしませんでしたが……。

マイク・ハウの冥福をお祈りいたします。

 


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METAL CHURCH『HANGING IN THE BALANCE』(1993)

1993年10月7日にリリースされたMETAL CHURCHの5thアルバム。日本盤は同年8月21日に先行発売。

Epic Records移籍第1弾アルバム『THE HUMAN FACTOR』(1991年)が前々作『BLESSING IN DISGUISE』(1989年)同様に高評価を獲得したものの、湾岸戦争勃発の影響によるワールドツアー短縮、および不景気からくるレーベル内淘汰によりアルバム1枚で契約打ち切りとなってしまったMETAL CHURCH。そんな苦境にもめげず、新たにジョーン・ジェット運営のBlackhearts Recordsと契約(アメリカと日本のみ。ヨーロッパではSPV / Steamhammer Recordsと契約)し、2年半ぶりの新作を完成させます。

アートワークの酷さに聴く前から引き気味になるリスナーも少なくないでしょうが、中身は前作の延長線上にある王道パワーメタルの良作。インディーズ落ちによる予算削減も影響してか、音質はあまり良くないのですが、その生々しいサウンドがミドルヘヴィナンバーには不思議と合っているような気がします。

重めのミドルナンバーと疾走感の強い楽曲が交互に並ぶ序盤の構成は、過去2作のスラッシュメタルの影響下にある作風とは異なるものが感じられ、特にジェリー・カントレル(G/ALICE IN CHAINS)がリードギターで参加したオープニング曲「Gods Of Second Chance」や、BメロがJUDAS PRIEST的なアップチューン「Losers In The Game」(この2曲のタイトルの素晴らしさよ)、前作を経たことで生まれたシャッフル調のヘヴィチューン「Hypnotized」、当時のツアーでオープニングを飾った「No Friend Of Mine」、いかにも彼ららしいヘヴィバラード「Waiting For A Savior」という前半の流れは完璧に近いものがあります。

後半もBUDGIE「Breadfan」を彷彿とさせるイントロの「Conductor」から始まり、アメリカ人目線で原爆について歌われた「Little Boy」(コーラスでジョーン・ジェットもゲスト参加)、ザクザク刻むギターリフが気持ち良い「Down To The River」、緩急に富んだアコースティックギターの使い方が絶品な「End Of The Age」、終盤に向けての小休止的インスト「Lovers And Madmen」を経て突入するパワフルなミドルチューン「A Subtle War」という構成で締め括り。特に後半は7〜8分台の長尺曲「Little Boy」「End Of The Age」で魅せる構築美にうっとり。その合間に入るアップチューンがそれぞれタイプが異なることと相まって、前作とは異なる色彩美で聴き手を魅了します。

マイク・ハウ(Vo)のボーカルも良好ですし、これでレコーディング環境やミックスにもっとお金をかけていたら最強のメタルアルバムになっていたはずだし、彼らも解散という道を選ばずに済んだのでは……もちろん、今となってはの話ですが。

本作を携えたワールドツアーを2年にわたり続けたMETAL CHURCHでしたが、1996年にバンドは解散の道を選択。マイク・ハウは音楽業界を引退することとなるのでした(その19年後、マイクはMETAL CHURCH復帰とともに業界にカムバック)。

 


▼METAL CHURCH『HANGING IN THE BALANCE』
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2020年4月16日 (木)

METAL CHURCH『FROM THE VAULT』(2020)

2020年4月に発表されたMETAL CHURCHのコンピレーションアルバム。日本盤未発売。

本作は4曲のスタジオ新録トラック、最新オリジナルアルバム『DAMNED IF YOU DO』(2018年)制作時に録音されたBサイド・トラック、カバー3曲、2019年来日時にクラブチッタで録音されたライブテイクから構成された全14曲入りCD。配信版のみボーナストラックとして4曲追加した全18曲入りとなっています。

気になる新録曲ですが、いきなり低音の効いた「Dead On The Vine」からスタート。この1曲だけでもここ2作で聴ける、マイク・ハウ(Vo)の味わい深いボーカルを活かしたパワーメタルを存分に楽しめるはずです。ほかの楽曲も『XI』(2016年)、『DAMNED IF YOU DO』といった近作、および『BLESSING IN DISGUISE』(1989年)『THE HUMAN FACTOR』(1991年)といったマイク・ハウ在籍時の“良い”要素を凝縮させたメタルチューンばかりで、マイク・ハウ期が特に好きというリスナーなら確実に楽しめるはずです。

なお、この新録楽曲の中には5thアルバム『HANGING IN THE BALANCE』(1993年)収録曲「Conductor」の再録バージョンも含まれています。アルバムとしての印象が薄かった同作に「こんな曲あったっけ?」と不思議に感じてしまうほど良い出来なので、これを機に改めて聴き返してみようと心を改めました。

ちなみに、新録4曲のみミックス/マスタリングをクリス・“ザ・ウィザード”・コーリアー(KORNKXMWHITESNAKEPRONGなど)が担当。その他はメンバーのカート・ヴァンダーフーフが手がけています。それもあってか、5曲目の『DAMNED IF YOU DO』からのアウトテイク以降は急に“それなり”の音質/音圧になるのでご注意を。

『DAMNED IF YOU DO』からのアウトテイクは、まあ確かにアルバム本編に入れるにはもう一歩かな?と感じてしまう楽曲が続きます。特に新録4曲を聴いたあとだけに、余計にそう感じてしまうのかも。悪くはないけど……という『HANGING IN THE BALANCE』を聴いたあとに感じた印象に近いのかな。

カバーはNAZARETH「Please Don't Judas Me」、SUGARLOAF「Green Eyed Lady」、RAM JAM「Black Betty」という風変わりなセレクトばかり。選曲的にはバンドの本筋からは離れるもののアレンジは“らしく”収まっており、こういったルーツもあるよという程度に収めておきます。ただ、この中では「Please Don't Judas Me」が特に印象に残るかな。

ライブ音源は臨場感こそ少ないものの、録音としてはわりよ良さげなので、例えば「Agent Green」あたりは新バージョンくらいの気持ちで受け取ってもらえるといいんじゃないでしょうか。

ボーナストラック4曲は『XI』時期のもので、「Killing Your Time」「Needle & Suture」はクリス・“ザ・ウィザード”・コーリアーによる別ミックス、「The Enemy Mind」「The Coward」は同作のWEB限定盤にて既出の音源。完全なるオマケですね。

マイク・ハウが「このアルバムはファン向け」と明言しているとおり、本作はMETAL CHURCHというバンドのことを理解しているリスナーに向けた、次のアルバムまでの“ボーナス”といった立ち位置の作品だと思います。ビギナーに真っ先にオススメする内容ではありませんが、先の新録ナンバーなどはそれでも十分にアピールする魅力を備えていると思うので、オリジナルアルバムを数枚聴いたあとに、気が向いたら手を伸ばしてみてはいかがでしょう。

 


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2018年12月14日 (金)

METAL CHURCH『DAMNED IF YOU DO』(2018)

METAL CHURCH通算12作目のオリジナルアルバム。前作『XI』(2016年)で2代目シンガーのマイク・ハウが復帰し、多くのファンを喜ばせましたが、日本未発売のライブアルバム『CLASSIC LIVE』(2017年)を挟んで早くも新作が届けられました。

前作は良くも悪くもマイク・ハウ時代=4thアルバム『THE HUMAN FACTOR』(1991年)を軸に、3rdアルバム『BLESSING IN DISCUISE』(1989年)のプログレッシヴテイストを散りばめ、さらに5thアルバム『HANGING IN THE BALANCE』(1993年)の正統派パワーメタルスタイルを随所に導入した、あの路線を再構築したものでした。もちろん、それは良い方向に作用したと思います。しかし、新しさは皆無。若いリスナーよりも1990年前後を知るオールドファンを喜ばせるだけで終わったような気がします。

実際、同作を携えた来日公演も実現しませんでしたし(何度かアナウンスされた『LOUD PARK』もすべてキャンセルしてるし)、挙句『CLASSIC LIVE』も未発売。そりゃ話題になりませんよ。

そんな中登場した今作ですが、前半は基本路線は『XI』と一緒。つまり、上に書いた80〜90年代のマイク・ハウ在籍時のいいとこ取りを、よりブラッシュアップした内容。オープニングの「Damned If You Do」こそパワーメタル路線ですが、以降は“いかにもマイク・ハウ時代のMETAL CHURCH”が並び、「ああ、また『Badlands』の焼き直しか……」と思ったものの(いや、それ自体は悪くないし、実際良い曲が並んでいると思います。しかし、刺激という点においては……)、中盤に入ると「Guillotine」でその印象を一変させられます。

今作からドラマーとしてステット・ホーランド(ex. W.A.S.P.など)が加入したこともあってか、ドラムの派手さが前作よりも増しているような気がします。それによる影響か、「Guillotine」のようなスラッシュテイストの楽曲が含まれていることは、本作における新たな驚きかもしれません。

これを筆頭に、テクニカルなファストチューン「Rot Away」、激しさと重さを兼ね備えた「Into The Fold」、これまたスラッシュメタルと正統派パワーメタルの融合「Out Of Balance」、どことなくMEGADETHを思い出す「The War Electric」と攻撃的な楽曲が並ぶのです。

……あれ、予想と違うじゃん。意外と攻めのヘヴィメタルしてる。叙情的で長尺の楽曲が多かった前作から一転し、本作は全10曲/45分という潔いトータルランニング。そうそう、こういうMETAL CHURCHがまた聴きたかったのよ!と叫びたくなるくらい、いい意味で我々の期待を裏切ってくれる、そんな良作です。

なお、本作の日本盤はCD 1枚ものと、先に触れた『CLASSIC LIVE』にボーナストラックとして2015年に発表した「Badlands」の再録バージョンを追加したボーナスディスク付き2枚組仕様の2形態を用意。『CLASSIC LIVE』は文字どおり、80〜90年代の代表曲をライブレコーディングしたもので、デヴィッド・ウェイン時代の楽曲ももちろん含まれています。さらに、QUEENSRYCHEのトッド・ラ・トゥーレ(Vo)がゲスト参加した「Fake Healer」スタジオ再録バージョンも収録。

2枚のCDを続けて聴くと、『CLASSIC LIVE』があったから今回の『DAMNED IF YOU DO』が生まれた、という解釈もできなくはないのかな。そう考えると、『CLASSIC LIVE』については改めて触れてもいいのかもしれませんね。ということで、また別の機会に……。

 


▼METAL CHURCH『DAMNED IF YOU DO』
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2018年10月 2日 (火)

METAL CHURCH『BLESSING IN DISGUISE』(1989)

1989年2月発売の、METAL CHURCH通算3作目のオリジナルアルバム(メジャー2作目)。前作『THE DARK』(1986年)を携えたツアーを終えたあとにシンガーのデヴィッド・ウェインが脱退。新たにマイク・ハウを迎え、前作完成後にバンドを離れたカート・ヴァンダーフーフ(G)に代わりジョン・マーシャル(G)が加わった編成で始めて制作された1枚となります(とはいえ、カートは楽曲制作に全面参加したほか、レコーディングでも一部でプレイしているのですが)。

プロデューサーは前作のマーク・ドッドソンから、前作までエンジニアを務めていたテリー・デイト(PANTERASOUNDGARDENDEFTONES)に交代。ごく初期こそスラッシュメタル的印象のあった彼らですが、前作『THE DARK』で独自性を確立し、また新たなフロントマンの加入によってさらに新しい個性を生み出すことに成功します。

スラッシュの影響下にあるパワーメタルや、IRON MAIDEN以降のプログレッシヴなヘヴィメタルをベースにしつつ、アメリカのバンドらしい大味加減とアメリカのバンドらしからぬ繊細さが同居する珍しい、ある種のストイックさを感じさせるスタイル(と、昔から勝手に思っていました)は、当時メジャーで活躍していたほかのスラッシュメタルバンド/スラッシュ流れのメタルバンドと比較してもかなり異色。そこにデヴィッド・ウェインほどクセが強すぎず、耳に馴染む声を持つマイク・ハウの歌が加わることでバンドとしてもかなり親しみやすくなった印象があります。

また、ある程度スピード感を維持しているものの、実は軸になるのはミドルテンポの楽曲というのも、次作『THE HUMAN FACTOR』(1991年)への布石を感じさせます。歌メロも耳に残りやすいものが多いせいか、長尺の楽曲が多いながらもまったく飽きが来ない。だって、アルバムのど真ん中に大作3曲(4曲目「Anthem To The Estranged」は9分半、5曲目「Badlands」は7分半、6曲目「The Spell Can’t Be Broken」は約7分)を配置しているんですから。

しかも、その「Anthem To The Estranged」と「Badlands」は本作におけるキモであり、オープニングトラック「Fake Healer」とともに本作を代表する名曲という事実にも驚かされます。いや、本当にこのドラマチックさは何ものにも変えがたいものがありますよ。

リリース当時、「Badlands」のMVがMTVでヘヴィローテーションされたこともあり、アルバムはBillboard 200で最高75位を記録。前作『THE DARK』での成功を見事結果につなげました。チャート的には失敗したものの、内容的には素晴らしい次作『THE HUMAN FACTOR』までの3作はバンドの充実期に相応しい名盤ばかり。ただ、残念なことに本作、日本国内では配信リリースもストリーミングもなし。勿体ないったらありゃしない。多くの人に伝わってほしい80年代の名盤のひとつだと思うので、ぜひ気軽に聴けるようにしてもらいたいものです。



▼METAL CHURCH『BLESSING IN DISGUISE』
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2017年10月14日 (土)

METAL CHURCH『THE HUMAN FACTOR』(1991)

1991年春にリリースされたMETAL CHURCH通算4作目のスタジオアルバム。前作『BLESSING IN DISGUISE』(1989年)からボーカルがマイク・ハウに代わり新編成となって2作目、レーベルも新たに「Epic Records」に移籍して発表された気合いの1枚です(結局、Epicからは本作のみでしたが)。

聴いてもらえばわかるように、どこをどう切り取っても“ザ・ヘヴィメタル”なアルバム。いわゆるスラッシュメタル界隈から登場したバンドですし、初期のアルバムはその延長線上にあるサウンドでしたが、前作あたりで示した新境地(大作志向など)が本作で一気に開花。また、新たな挑戦も至るところに散りばめられており、とにかく聴きごたえのある作品に仕上げられています。

オープニングの「The Human Factor」や3曲目「The Final Word」にような疾走感のあるメタルチューンには、スラッシュというよりもパワーメタルと呼ぶにふさわしい貫禄が漂ってますし、「In Mourning」「In Harm's Way」のようなバラードタイプの楽曲も深みを増している。しかし、本作でもっとも注目すべきなのはリード曲としてMVも制作された「Date With Poverty」の存在でしょう。

ヘヴィだけど非常にグルーヴィーなリズムは、本作から半年後に発表されるMETALLICAブラックアルバムにも通ずるものがあり、その後の流行を先取りした1曲と言えるでしょう。しかし、スラッシュメタルの延長線上から登場した彼らがこういった楽曲をプレイすることに対し、当時は賛否あったのも事実。「メタルバンドのリズムがハネてどうするんだよ!」というごもっともな意見をよく耳にしましたし、実際この年を境にメタル勢の人気はグランジ勢やRED HOT CHILI PEPPERSなどに取って代わられるわけですから、見方によっては寝返ったと思われちゃうのかなと(でも、そういったバンドのブレイク作より早く、本作はリリースされたわけですが)。

とはいえ、メタルファン的には劇的な展開の「Agent Green」やスラッシーな「Flee From Reality」「The Fight Song」、ヘヴィなミドルチューン「Betrayed」など、とにかく聴きどころの多い1枚であり、本作をMETAL CHURCHの代表作に挙げる人も少なくないようです(もっとも、デヴィッド・ウェイン時代こそ真のMETAL CHURCHというリスナーにはマイク・ハウ時代は認められないのかもしれませんし、このバンドの本質を考えたら1986年の2nd『THE DARK』こそが名盤という声も理解できるのですが)。

本作リリース後、彼らはJUDAS PRIESTアリス・クーパーMOTORHEAD、DANGEROUS TOYSと『OPERATION ROCK 'N' ROLL TOUR』というパッケージツアーに参加するのですが、湾岸戦争のあおりを受けてツアーは失敗。ブラックアルバム発表後のMETALLICAのツアーにもサポート参加するのですが、うまく起動させることができずインディー落ちしてしまいます。ホント、時代に翻弄されまくり。勿体ないですね。



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2017年3月21日 (火)

METAL CHURCH『XI』(2016)

METAL CHURCHにマイク・ハウ(Vo)が復帰したと知ったときは、正直驚きました。デヴィッド・ウェインに続く二代目ボーカルとして3rdアルバム『BLESSING IN DISGUISE』(1989年)からメジャー落ちしての5thアルバム『HANGING IN THE BALANCE』(1993年)までの3作に参加し、1994年の脱退後は音楽業界から引退していたその人が、20年以上ぶりにシーンに復帰するのですから。しかも新作まで完成させてしまった……それが今回紹介する、2016年3月にリリースされた通算11作目のスタジオアルバム『XI』です。

僕自身METAL CHURCHをちゃんと聴き始めたのが『BLESSING IN DISGUISE』ですし、一番好きな作品が(賛否あるでしょうが)4枚目の『THE HUMAN FACTOR』(1991年)なので、この復帰にはもちろん喜んだのですが、同時に「20年もブランクがある人が再び表舞台に出ちゃっても大丈夫なのか?」という不安も多いにあったわけで。正直、デヴィッド・ウェインが再びMETAL CHURCHに復帰して以降の作品にそこまでの魅力を感じていなかった(主にボーカルパフォーマンス面で)ので、その不安はより強かったというのがありました。

しかし、いざ完成した本作『XI』を聴いて……「Reset」「Killing Your Time」の2曲に完全に打ちのめされました。いやいや、往年の輝きそのまんまやん、と。しかも、「Reset」でのハイトーンと凄みの効いたロウトーンのツインボーカルは鳥肌モノ。そうそう、この声この声!と膝を叩いたのは言うまでもありません。

僕が聴いていた80年代末〜90年代初頭に在籍したメンバーは、もはやマイク・ハウ以外誰もいません。バンドの創始者であるカート・ヴァンダーフーフ(G)はあの頃、ソングライティング面ではバンドに関わっていましたが表舞台には立っていませんでしたし。そういう意味では全盛期に関わったメンバーが2名はいるわけですが……それでも別モノ感が多少あるかな、同じバンド名だけど。

とはいえ、楽曲自体はファンがイメージするMETAL CHURCHにもっとも近い形ではないでしょうか。先に触れた冒頭2曲しかり、アコースティックギターを上手に取り入れたドラマチックな展開を持つ「No Tomorrow」「Signal Path」もいかにもだし、特に後者のイントロではかの「Badlands」(『BLESSING IN DISGUISE』収録)を思い浮かべてしまいましたしね。「Sky Falls In」や「Blow Your Mind」のダークさも、「Needle And Suture」の楽器隊が一丸となったザクザク感も、「Soul Eating Machine」のどこか日本のV系にも通ずる雰囲気も、すべてが懐かしく響く……そう、目新しさはどこにもありません。古くからのファンなら安心して楽しめる1枚でしょうし、当時を知らない世代には「古臭いけど、ボーカルの声が個性的だし、曲もパワーメタルっぽいし、いいんじゃない?」と少しは響く要素があるのかな……そう願っております。

唯一残念な点を挙げると、収録時間が長いこと。全12曲(ボーナストラック含む)と普通に考えれば多すぎるようには感じませんが、7分台の楽曲が2曲もあることからわかるように、1曲が比較的長いんです。その結果、約64分という結果に。後半に進むにつれて似たり寄ったりの楽曲がいくつか登場するので、そこはうまく絞ってほしかったな。そうすれば、アルバムとしてもっと締まった内容になったはずなので。そこだけが勿体ない。本作は“良い曲ばかりを詰め込めば良いアルバムになると、必ずしも言い切れない”というわかりやすい例かもしれませんね。



▼METAL CHURCH『XI』
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2005年5月13日 (金)

元METAL CHURCHのデヴィッド・ウェイン、死去。

メタル・チャーチのオリジナル・シンガー、死去(CDJournal.com)

 '80年代に誕生した、アメリカのスラッシュ〜パワーメタルバンド、METAL CHURCHの初代シンガー、デヴィッド・ウェインが5/10、交通事故によって負った頭部への負傷が原因でお亡くなりになったそうです。享年47才‥‥47才!? そんなに年いってたのか‥‥

 日本ではMETAL CHURCHというと2代目シンガー、マイク・ハウが加入してからの方が馴染みが深いのかもしれませんが(個人的名盤「THE HUMAN FACTOR」があるからね)、このウェインが参加してた頃の2枚もなかなか捨て難いんだよねぇ。特にインディーズからリリースとなった1st「METAL CHURCH」。全体的にいいんですが、やはりDEEP PURPLEの "Highway Star" カバーの焼けクソ具合が光ってます。ホント素敵でした。

 1994〜5年頃に一度解散するものの、1998年にオリジナルメンバー時代('84年)のライヴ音源を収めた「LIVE」をリリースする前後に再結成。アルバム「MASTERPEACE」を発表。この時のシンガーがデヴィッド・ウェインでした。が、その後音沙汰が一切なかったのですが、昨年ひっそりと新作「THE WEIGHT OF THE WORLD」をリリースしてたんですね‥‥けどこれ、大幅なメンバーチェンジ振りに軽く退きます。オリジナルメンバーが2人(ギターのカートとドラムのカーク)しか残ってないし。んで、ウェインはウェインでDAVID WAYNE'S METAL CHURCHなるバンドを勝手に始めてるし‥‥そんな矢先の出来事‥‥というか、こんな不幸な出来事がなければ、彼がこんな小賢しいことやってるなんて、気づきもしなかったのに‥‥

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